解けた時の快感がたまらないなぞなぞ。いつでもどこでも挑戦できる手軽さも魅力で、ヒントになるイラストを楽しむのもよいでしょう。この記事では、人気のシリーズから異色の作品までおすすめのなぞなぞ絵本を紹介します。
賑やかな商店街をめぐる、女の子とおばあちゃん。本屋さんにケーキ屋さん……2人が立ち寄るお店には、なぞなぞが用意されています。
答えは細かく描き込まれた絵のどこかにあるので、じっくりと探してみてください。
- 著者
- ["石津 ちひろ", "なかざわ くみこ"]
- 出版日
絵本作家や翻訳家として多くの作品を発表する石津ちひろの「なぞなぞえほん」シリーズ。2011年に刊行されました。美しい日本語の表現で定評のある石津は、これまでにダジャレやオノマトペなど言葉や音にこだわった作品を多く発表してきました。本書のなぞなぞも、「さて いったい なあに?」と耳に優しく響きます。
絵を担当したなかざわくみこは本書が絵本デビュー作です。なぞなぞの答えを絵のなかから探す構成になっているので、幅広い年齢の子どもが楽しめるでしょう。また昔懐かしい商店街の雰囲気は、大人の目も楽しませてくれますよ。
なぞなぞが大好きな女の子がいました。なぞなぞ遊びに疲れたお母さんから、よそで友だちを探すように言われた女の子は、森で腹ペコのオオカミに出会います。
ご馳走がやってきたと舌なめずりをするオオカミに、女の子がなぞなぞ遊びを持ちかけると……。
- 著者
- 松岡 享子
- 出版日
- 1973-02-10
絵本作家や翻訳家として活躍し、東京子ども図書館の名誉理事長も務めるなど、日本絵本界を牽引する松岡享子の作品です。1973年に刊行されました。
賢い女の子と、ちょっとだけ間の抜けたオオカミのやりとりに心が和むお話です。女の子がお母さんやオオカミに出すなぞなぞは、読者も一緒に考えて楽しめます。
どこかで見たことのあるような懐かしい絵は、大社玲子によるもの。大社は、大学在学中に挿絵を描きはじめ、本書ではオオカミを表情豊かに描き分けました。こちらもお見逃しなく。
「ぐりとぐら」シリーズでお馴染みの中川李枝子と山脇百合子のコンビが送るなぞなぞ絵本です。
「1のまき」から「3のまき」まであるシリーズで、いずれも右ページにはなぞなぞ、左ページにはヒントとなる絵が載っています。
- 著者
- ["中川 李枝子", "山脇 百合子"]
- 出版日
1988年に刊行されたロングセラーのなぞなぞ絵本で、持ち運びに便利なポケットサイズも好評です。
文末に「なーんだ?」などなぞなぞの決まり文句をつけないのが中川流。声に出して読んでみると、短く無駄のない文章は詩のように耳に響きます。読み聞かせにもおすすめです。
朝起きてから寝るまでの生活の一コマ一コマを切り取ったようななぞなぞは、答えも子どもたちに身近な物ばかり。たくさんの動物が登場するのも魅力的でしょう。なぞなぞ自体も難しいものではないので、無理なく取り組めます。
「なぞなぞ ならんだ ぞなぞな ぞろり にらんで なぞなぞ わらって ぞなぞな ゆめでも なになに おきても なかなか まだまだ なぞなぞ なんともなぞだ なぞなぞ ならんだ ぞなぞな ぞろり」(『なぞなぞあそびうた』より引用)
冒頭に掲載されている「なぞなぞの詩」です。なんだか呪文のようですが、ワクワクするような心地よさを感じませんか。
- 著者
- ["角野 栄子", "スズキ コージ"]
- 出版日
日本を代表する絵本作家の角野栄子と、パワーあふれる絵で楽しませてくれるスズキコージが手掛けるなぞなぞ絵本。1989年に刊行されました。
何より魅力的なのは、文章の美しさでしょう。テンポよく、読み返すたびに違う響きに聞こえてきます。冒頭の「なぞなぞの詩」も、なぞなぞに挑戦する気持ちを盛り上げてくれる楽しいものです。
難易度の高い問題もありますが、愉快でかわいらしい絵がヒントになっているので大丈夫。ぜひ親子で楽しんでください。
世界20ヶ国のなぞなぞを集めた作品。
すぐにわかるものもあれば、答えを見てもピンとこない文化の違いを感じるものまで、たっぷり紹介されています。
- 著者
- ["福音館書店編集部", "石川 勇"]
- 出版日
福音館書店の編集部が編纂した作品で、1982年に刊行されました。
大人でも頭を捻ってしまうような、不思議ななぞなぞも載っているのが特徴。世界の気候や生活スタイルなどを想像しながら答えを考えてみるなど、ちょっと違った遊び方をしてみてもよいでしょう。石川勇のユーモアたっぷりなイラストも、謎めいた異文化を表現しているようでマッチしています。
大人にもおすすめの一冊。ちょっとひと息をつきたい時にパラパラめくってみると、気分転換になりますよ。
収録されているなぞなぞは、なんと290問。三択問題など種類も豊富です。
なぞなぞの難易度はどんどんあがっていくので、飽きることなく読み進めることができるでしょう。
- 著者
- ["近野 十志夫", "篠原 菊紀"]
- 出版日
脳神経科学が専門で、子どもの脳トレや教育書を執筆する篠原菊紀が監修した作品。2015年に刊行されました。
気付かないうちに思考のトレーニングができているのが、本書のすごいところ。問題の構成とデザインに工夫があるみたいです。なぞなぞの数も多いので、楽しく読みながら達成感を得られるのも嬉しいところでしょう。