5分でわかる音楽プロデューサー!音楽関連の資格、主な就職先はどこ?平均年収など疑問を解説!

更新:2021.12.7

アーティストを売り出したり、プロモーション活動の方向性を決定する、音楽制作の総指揮的存在の音楽プロデューサー。多くの人の心に届く楽曲を生み出すため、必要なスタッフを揃え、進行管理をおこない、予算管理まで担当します。ひとつの音楽を生み出すためには、音楽プロデューサーの高い音楽能力が必要なのです。本記事では、そんな音楽プロデューサーの仕事内容や年収、就職先の状況、音楽関連の仕事などを詳しく解説しています。記事の最後には音楽プロデューサーになるにあたって役に立つ書籍を3冊紹介しているので、興味・関心のある方はこちらの書籍にも目を通してみてくださいね。

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音楽プロデューサーとは

音楽プロデューサーとは、アーティストを売り出したりプロモーション活動をおこなったりする音楽制作の総指揮的存在のことです。アーティストをどんなコンセプトで売り出すか、また今後の活動方針についても主に音楽プロデューサーが決めるため、時代を読み解くセンスや高いプロデュース力が必要となります。

また、アーティストをプロデュースするだけでなく、楽曲制作に携わるスタッフとの連携も大切となります。それらのスタッフをまとめるのも音楽プロデューサーの仕事です。

音楽プロデューサーの仕事内容

音楽プロデューサーの仕事内容は、大きく分けて4つあります。

アーティストの音楽性、活動方針を決める

アーティストにヒアリングをおこない、音楽活動の背景やこれまでの物語などをリサーチした上で活動の方向性を決定付けるのは音楽プロデューサーの仕事です。どんな形でデビューさせるのがベストなのか、今後どんな音楽をリリースしていくかなど決めることは多くあります。

作家、スタジオエンジニア、スタジオを決める

アーティストの楽曲の方向性、活動方針が決まったら、楽曲の方針にあった作曲家・作詞家を選定します。他にはアレンジャーやサウンドエンジニア、楽曲制作に必要なスタッフを揃えるのも音楽プロデューサーの仕事です。

予算管理

楽曲制作に参加するスタッフへ支払うギャラ、スタジオ料金など予算管理をおこなうのも音楽プロデューサーの仕事のひとつです。予算内でどれだけよいスタッフを揃え、素晴らしい楽曲を作れるか。全ては音楽プロデューサーの腕にかかっています。

スケジュール管理

楽曲リリースまでのスケジュール管理をおこなうのも音楽プロデューサーです。スタジオでの収録以外に、ジャケットデザインの撮影、プロモーションビデオの撮影、楽曲リリースにともなう取材の進行管理もおこないます。さまざまな進行状況が音楽プロデューサーの元に集まってくるので、それらを捌く能力が必要です。

音楽プロデューサーの働き方

音楽プロデューサーの働く場所

音楽プロデューサーの多くは、レコード会社や音楽制作会社で経験を積んでから音楽プロデューサーとなります。または、フリーランスとして独立して活躍されている方もいます。しかし、フリーランスで稼ぐためには経験が豊富である程度有名であることが望ましいでしょう。

音楽プロデューサーの働き方・休日

音楽プロデューサーは、プロデュースしているアーティストの状況によって1日のスケジュールが変わります。しかし、会社に所属して音楽プロデューサーをしている場合、休みは安定しており、土日休みの週休2日という会社が多いようです。

フリーランスの場合は、自由に働く時間や休日を決められるので、集中して働いてまとまった休みがとりたいという方には向いている働き方なのではないでしょうか。

音楽プロデューサーの平均年収

音楽プロデューサーの年収は、所属している会社や経験によってさまざまですが200万円〜500万円と幅があります。しかし、なかには有名音楽プロデューサーになると年収数千~数億円稼ぐ方もいるようです。また、大手レコード会社などに所属している場合、福利厚生も充実しており退職金などもきちんと支給されます。

ただ、新卒ですぐに音楽プロデューサーになることは出来ず、まずはアシスタントとして経験を積むことからスタートします。そのため、新卒ですぐの給料は他職種と比べても低いようです。

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音楽プロデューサーが活躍できる就職先

音楽プロデューサーとして就職するには、いくつかの企業が選択肢に入ります。

  • レコード会社
  • 芸能プロダクション
  • 音楽出版社
  • レコーディング会社
  • デジタル音楽配信会社

入社後すぐに音楽プロデューサーの仕事全体を任せてもらえるかは分かりませんが、さまざまな楽曲を生み出している音楽プロデューサーの仕事を間近で見ながら、作業を学ぶことができます。

フリーランスとしての働き方もありますが、はじめから生計を立てることは難しいため、まずは音楽関係の企業に就職して、専門的な知識と技術を磨くことがまず第一歩でしょう。

音楽プロデューサーにおすすめの資格

結論からいえば、音楽プロデューサーになるのに必須の資格はありません。また音楽プロデューサーとして活用できる資格もないのが現状です。

そのため本章では、音楽プロデューサーの仕事内容に近い音楽系の資格をご紹介します。

MIDI検定

音楽電子事業協会が実施している「MIDI検定」は、電子楽器の演奏データを機器間で転送・共有するための世界共通規格を理解し、活用できる人材を育成するための検定です。検定開始依頼、受験者総数は3万6000人を超え、最上級資格である1級の保有者は全体で191名のみです。階級は全部で5つにわかれています。

  • 4級:ミュージッククリエイター入門
  • 3級
  • 2級1次
  • 2級2次
  • 1級

各級によって試験の実施方法が異なります。たとえば、最も低い級である4級の講座および認定試験は全国でおこなうことができ、地区によっては随時受け付けていることもあります。どのような内容でおこなわれるのかは、MIDI検定の案内から申込前に確認しておきましょう。

参照:MIDI検定

サウンドレコーディング技術認定試験

日本音楽スタジオ協会が実施している試験に「サウンドレコーディング技術認定試験」があります。この資格はどちらかというとサウンドエンジニアや、サウンドプロデューサーを目指す方向けの資格ではありますが、音楽制作の現場を取り仕切る音楽プロデューサーとして有していて損はない知識を身につけることができます。

試験範囲はサウンドレコーディングに関する基礎知識と、現場で実際に使える知識・技術から出題されます。

  1. 音響の理論
  2. 電気音響とスタジオシステム
  3. レコーディング技術と先進技術
  4. 音楽・音楽著作権・音楽録音の流れ・録音の歴史

出題される問題の勉強は、同協会が出版している「2021年度版サウンドレコーディング技術認定試験問題集 技術資料集」および「音楽録音スタジオにおける音響設計ガイドブック」で勉強することができます。

試験詳細に関しては、日本音楽スタジオ協会のHPにて確認してください。

参照:日本音楽スタジオ協会

音楽プロデューサーになるには。大学・専門学校への進学

音楽プロデューサーになる場合、まずはアシスタントディレクターやアシスタントプロデューサーとして経験を積んでからなるのが通常です。これらの職種に就くには、音楽関係の大学や専門学校に通っていると就職活動の際に有利でしょう。

本章では、アシスタントディレクターやアシスタントプロデューサーになるのにおすすめの大学や専門学校を紹介します。

大阪芸術大学(大阪)

大阪芸術大学芸術学部音楽学科では、音楽プロデューサーを含む音楽関係の仕事を目指すことができます。また、音楽学科でも音楽音響デザインコースと音楽教育コースに分かれており、それぞれの目的に合った学びをすることが可能です。さらに音楽工学の設備が新しく充実しており、日本の伝統音楽が学べる雅楽実習など学びの環境が整っているのも魅力です。

参照:大阪芸術大学

東京スクールオブミュージック専門学校渋谷(東京)

東京スクールオブミュージック専門学校渋谷では、デジタルエンターテイメントワールド(3年制)やヴォーカルパフォーマンスワールド(2年制)、プロミュージシャンワールド(2年制)で音楽プロデューサーなど音楽関係の仕事を目指すことができます。

合同企業説明会では303社(2019年)の音楽系企業が来校。就職活動のサポートが手厚いのもポイントです。

参照:東京スクールオブミュージック専門学校渋谷

九州ビジュアルアーツ(福岡)

九州ビジュアルアーツ専門学校では、ミュージッククリエイト学科(2年制)にて音楽関係の仕事を目指すことができます。初心者も多く入学しますが、きちんと卒業までにデビュースタイルを確立できるサポートが豊富なことが魅力です。また、講師も有名歌手を手掛けたミュージシャンや作編曲家などプロが揃っておりレベルの高い授業を受けることができます。

参照:九州ビジュアルアーツ

音楽プロデューサーに向いている人の特徴

流行に敏感である

音楽プロデューサーは、アーティストをどのように売り出すか決める重要な役割があります。音楽の流行は変わりやすいものなので、人々の気持ちや時代の流行を敏感に感じ取る感性を持っている方は向いているといえるでしょう。

観察力がある

歌手やミュージシャンとしてアーティストをデビューさせるには、そのアーティストがどのようなことが得意・不得意なのかを理解してなくてはいけません。また、それを受けてよい所をさらに伸ばしたり、悪い所をカバーしたりするようにサポートすることも大切な仕事のひとつです。

忍耐力があり努力し続けられる

音楽プロデューサーは、新卒ですぐになれるものではありません。アシスタント期間を経てなることができます。しかし、音楽プロデューサーになれたとしても、経験と努力をしてこそ一人前の音楽プロデューサーになることができます。

そのため、下積み期間でくじけずに強い意志を持って努力し続けられる方は、音楽プロデューサーに向いているといえるでしょう。

人をまとめられる、先頭に立って引っ張っていくことが得意

音楽プロデューサーは、アーティストだけでなく、アシスタントや音楽制作に関わる方をまとめる総指揮的役割を担います。そのため、自分から行動し、関わるスタッフをまとめることができるリーダーシップのある方は向いているといえるでしょう。

人気音楽プロデューサーに学ぶ、ヒット曲の生み出し方

子どもから大人まで、多くの人に愛される音楽。毎年多くのヒット曲が出ており、その年を思い出させてくれる貴重な材料となっています。ヒットする曲の種類や歌手、担当音楽プロデューサーはさまざまですが、ヒットする曲にはある共通点があることを知っていますでしょうか。

今回は、ヒットする曲の秘密やどのように誕生するかなどを詳しく綴った本をご紹介します。

著者
亀田 誠治
出版日

亀田誠治氏著作の『ヒットの理由―人気音楽プロデューサーが読み解く ヒット曲は偶然生まれない』という本です。

著作の亀田氏は椎名林檎やスピッツ、SOPHIAなど数々の有名アーティストをプロデュースしてきた音楽プロデューサーです。この本ではコラムやアーティストとの対談を通してヒット曲が生まれる秘密や音楽プロデューサーという仕事の奥深さを詳しく解説しています。

音楽プロデューサーに興味がある方はもちろん、スピッツとの対談があるのでファンの方にもおすすめしたい1冊です。

破天荒アイドルの生みの親、渡辺氏の今までの軌跡とこれから

皆さんはBiSHというアイドルをご存じでしょうか。BiSHとは、楽器を持たないパンクバンドという珍しいスタイルで活躍している6人組女性グループです。変わった歌詞や演出が特徴なアイドルとして男女ともにファンが多く、最近では芸能人でファンを公言している方も多くいます。

BiSHをはじめ、BiSHの前身であるBisや、『水曜日のダウンタウン』から誕生した豆柴の大群など、他多数の人気アーティストをまとめる音楽プロデューサー兼事務所wack社長の渡辺淳之介氏は、なかなか破天荒な音楽プロデューサーです。そんな注目の音楽プロデューサー、渡辺氏の書いた本がこちら。

著者
宗像明将
出版日
2016-04-27

渡辺淳之介氏著作の『渡辺淳之介:アイドルをクリエイトする』という本です。この本では長時間の取材や関係者からの証言を通して渡辺氏の人柄が詳しく解説されています。

他の音楽プロデューサーとはまったく違ったやり方でアーティストをプロデュースする方法や、渡辺氏のプロデュースするアーティストが好きな方にはぜひ読んでいただきたい1冊です。

AKB48のプロデューサー秋元康氏の仕事術

AKB48の総合プロデューサーとしてテレビやCM、ゲームなど多岐に渡って活躍している秋元康氏。日本で最も知られている音楽プロデューサーではないでしょうか。

秋元氏はアイドルのプロデュース力や発想力、作詞作詞能力とさまざまな面において長けた実力を持っています。そんな秋元氏に憧れる方も多いのではないでしょうか。一世を風靡したAKB48は、どのような戦略でプロデュースされたアイドルなのか。秋元氏とのインタビューを通して詳しく解説した本を紹介します。

著者
["秋元康", "田原総一朗"]
出版日

田原総一朗氏責任編集、秋元康氏ゲストの『AKB48の戦略!秋元康の仕事術』という本です。この本ではテレビジャーナリストの田原氏が秋元氏へのインタビューを通してAKB48の売り出し方の戦略や秋元氏のプロデュースにかける思いなどを詳しく解説しています。

音楽プロデューサーを目指す方には確実に役に立つ内容が詰まった1冊です。

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今回は、音楽プロデューサーの仕事内容や年収、なり方を詳しく解説しました。最後に紹介した3冊は音楽プロデューサーに興味がある方はもちろん、第一線で活躍している方の思考を知りたい方も、ぜひ一度、目を通してみてはいかがでしょうか。自分が音楽プロデューサーとしてどんな音楽を世の中に届けたいのか、具体的な方向性を見出すヒントにもなるかもしれません。

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