ライブや音楽番組で演奏する姿を目にするギタリスト。アーティストの後ろで、もしくはバンドに所属、スタジオミュージシャンとさまざまな場面で活動しています。ギタリストとして活躍し、収入で生計を立てられるのは一握り。しかし収入面で不安定な職業ではありますが、音楽業界で働きたい、アーティストとして活動し続けたいと考える方は少なくないでしょう。本記事ではギタリストの仕事について解説します。夢を掴むためにどのようなステップを踏めばいいのか、収入事情はどうなっているのか。記事の最後にはギタリストを目指す方の参考となる本の紹介もしていますので、興味のある方はこちらもぜひ参考にしてみてください。
ギタリストとは、エレキギターやアコースティックギターなどを演奏して収入を得る仕事です。
ギタリストとして活躍するには、作曲や演奏の技術を向上する事はもちろん、プロデュース力や販売技術を磨く必要があります。
ギタリストの仕事は主に3パターンに分けることができます。
それぞれどのような活動をするのか、詳細をご紹介しましょう。
メジャーデビューし、テレビやライブ、レコーディングで演奏します。
プロダクションと契約したら、レコード会社やプロダクションのバックアップの元でCDや配信音源を作り、楽曲を販売して人気が得られたら、撮影やインタビューなど他の仕事も舞い込んできます。
演奏のみを仕事にしていくということは難しく、アーティストとしての業務はさまざまです。
アーティストのバックバンドで演奏します。
ほとんどの場合、短期間のライブで突発的に入る事が多いようです。ボーカリストや参加バンドの世界観を崩さないように演奏する事が重要です。
サポートメンバーとして長く同じバンドで活動していたら、そこから正規メンバーやライブメンバーに選ばれることもあり、アーティストと一緒に全国ツアーなどを回る場合もあります。ギタリストとして注目を浴びるきっかけとなる可能性があります。
ソロのボーカリストなど、他のアーティストのレコーディングのお手伝いをします。
ライブサポートよりは自由度が高い仕事ですが、演奏力やアレンジ力だけでなく、多くの方と関わる仕事なのでコミュニケーション能力も問われます。
クリエイティブなお仕事でやりがいが感じられますが、ギターのスキル以外にも求められることがあるため難易度が高いです。
以上のように活躍の場所はさまざまですが、自分の名前を売り出して幅を広げていくことが重要です。
ギタリストになるために必要な資格はありません。ギターの技術を磨いて、人の目に留まることが重要です。そのための代表的な方法をご紹介いたします。
音楽事務所やレーベル次世代発掘のオーディションを受けるのが、ギタリストを目指し方として最もわかりやすい方法です。
場合によってはそのまま事務所に所属し活動が出来るようになるかもしれません。
ただ、レッスン費用がかかったり、事務所に所属したけれど仕事は一切なかったりと、事務所に入ることで必ずメリットを得られるわけではありません。きちんと下調べをしたうえで、選ばれるのではなく自分が選ぶという気持ちを持ち、オーディションを受ける事をおすすめします。
いま大活躍している国民的なロックバンドでも、オーディションではまったく鳴かず飛ばずだったところを、別のルートでメジャーデビューしているケースがあります。
もし合格しなかったとしても、技術的なアドバイスを持ち帰ったり、参考にしたりする程度で考えておくといいでしょう。
自分で曲が作れるだけの技術があり、すでに数曲出来上がっていればデモテープを送ってみるのもひとつの手段です。
レーベルのスタッフに気に入られれば、デビューやマネジメントをしてもらうチャンスが掴めるかもしれません。
レコーディングした楽曲に雑音が入っていたり、送ったはいいものの再生できなかったりというケースもあり得ます。レコーディング環境を整えて、しっかりと再生できる曲を作ることが重要です。
名前と曲を地道に売っていく方法です。
バンドを組んだり、そこからの繋がりでバンドのサポートメンバーとしてギターを弾くことで、ファンを増やしていきます。長い道のりであり、成功するのは一握りです。下積み時代に一緒に活動していたバンドやアーティストとのつながりを深められるので、有名になった後も一緒にイベントやライブを開催できます。
ライブハウスでの活動でうまくSNSも活用すれば、事務所やレーベルから接触してくる可能性もあります。地道に活動しているうちに名前が売れて、いきなりフェスに呼ばれるという事もあるようです。
音楽の専門学校や養成学校に進学し、プロの指導のもと技術や理論を習得しながらデビューを目指すのもひとつの手段です。所属している講師や学校の設備・環境を比較して進学先を選んでみるといいでしょう。
音楽専門学校は全国に複数あります。本記事では、著名なアーティストが通っていたことのある音楽専門学校をご紹介しましょう。
どこで学んだらいいのか判断がつかない方は、どんなアーティストが通っていたのかで選ぶのひとつの方法です。
ギタリストの年収はその人によってバラバラです。年収100万円程度の方から年収数千万円以上を稼ぐ方までいます。
ギタリストの仕事は、ライブやレコーディングなど1回ごとに報酬が発生します。ギタリストとして世間に認められるようになったら、単価を上げたり、依頼の数を増やしたりすることで収入アップが見込めます。
SNSや自身のホームページで、ライブへの出演や自分の楽曲や情報の発信をしながら、徐々に知名度を上げるとよいでしょう。バンドに所属している場合は、バンド自体の知名度を上げることにも尽力しましょう。
また、バンドやシンガーのサポートとしてギターを演奏する場合も、正規メンバーに認められて名前が業界内や世の中に触れられるようになれば、依頼の数が増えたり、単価自体も上がっていきます。
スタジオミュージシャンとしての活動では、センスよりもテクニックが求められます。押さえておかなければいけないポイントをご紹介します。
スタジオミュージシャンは、バンドのメンバーからの要望通りにギターアレンジをする必要があります。
譜面を読めないと仕事になりませんし、ミスをしてレコーディングを止めてしまうのも問題です。どんな曲でも譜面を見てからすぐに弾けるテクニックを有した上で、実績を積んでいく必要があります。
- 著者
- ヤング・ギター 企画編集部
- 出版日
12名の名ギタリストのインタビューからセッションに使えるフレーズや音作りのセンスを学べる1冊です。
インタビューを受けたギタリストは錚々たる面々。
どのギタリストもフレーズメイクと音作りのセンスを武器にポップスやロック、フュージョンなどジャンルをまたいで活躍。スタジオでさまざまな楽曲に彩りを与えてきました。
インタビューやディスクガイド、奏法分析などを通し、名ギタリストたちの魅力が存分に感じ取れます。
- 著者
- ギター・マガジン編集部
- 出版日
国内外のトップ・プロギタリストが、同業者の魅力を偏愛たっぷりに語り尽くしたギタリスト名鑑です。
1980年12月号の創刊以来、幾度となく海外の著名ギタリストを特集してきたギター・マガジン。だからこそ実現できた貴重なインタビュー/論評が多数存在しています。かつて収録された貴重な証言を再編し、100人分のギタリスト名鑑とともにコンパイルされています。
また本書で紹介する100人は、歴代のギター・マガジン編集者たちが多くのギター・ファンに知ってもらいたいと思い立って特集した記事からの引用がほとんどです。長年、ギタリストにフォーカスを当て続け、音楽業界を盛り上げたギター・マガジン編集部員の思いが詰まった濃厚なギタリスト名鑑となっています。
- 著者
- ヤング・ギター 企画編集部
- 出版日
歴代の共演ギタリスト達の視点からデヴィッド・ボウイの音楽、ミュージシャンシップ、ギター観が語られています。
あまり深くは語られてこなかった「デヴィッド・ボウイのギタリスト観」という視点から、彼の音楽を透視するデヴィッド・ボウイの研究本の新機軸です。関係者の新しい証言も取り入れつつ、サポートし続けた全年代に及ぶギタリスト達を解説しています。
さらに、マルチ・プレイヤーであるデヴィッド・ボウイが、ギタリストとして刻んだ演奏実績、ギター・プレイ動画、そこから感じ取れるギター・スタイルや魅力についても触れられています。
ギタリストの仕事内容やなり方、収入について解説してきました。実力と知名度が必要な業界なので、ギタリストの仕事で生活していくのは難しいです。
着実にテクニックをつけ、センスを磨くことで大きな夢を掴み取れる可能性もあります。ひたむきに音楽やギターについての知識をつけていくところから始めて、自分の知名度も上げられるように活動の幅を広げていきましょう。
ギタリストに憧れを持つ方は、本記事で紹介している本を手に取って、実践的なギターのフレーズやセンスについて学んだり、レジェンドギタリストのインタビューに触れたりして、知識やスキルを身につけられるようにしてはいかがでしょうか。