5分でわかるカイロプラクター!日本では民間資格のみ。就職先や年収事情など解説!

更新:2023.11.9

カイロプラクターとは、カイロプラクティックの技術を提供するする方々のことです。脊椎ヘルスケアの専門家と呼ばれることもあります。カイロプラクティックはアメリカで発祥した技術で、日本ではまだメジャーなものではありませんが、「代替え医療」の一環として注目を集めています。国家資格はありませんが、厚生労働省に登録もされるカイロプラクターの民間資格は存在します。座り仕事が増えている現代の日本では、その需要は徐々に高まっていくことでしょう。本記事では、カイロプラクターの仕事内容や年収、資格情報などを解説。記事の最後には書籍もご紹介しています。カイロプラクターに興味のある方、必見の内容です。

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カイロプラクターとは

カイロプラクターとは、主に脊椎の機能に不便を抱えている方の療治をサポートする方々のことです。手技療法を主とし、痛みの軽減や機能の改善、体の自然治癒力を高めるために治療をおこないます。

カイロプラクティック(脊椎徒手療法)の法的資格制度のある国では、資格の保有が義務付けられています。しかし、日本では法的資格制度は確立されていません。そのため、日本カイロプラクティック登録機構(JCR)が実施するWHO基準の「カイロプラクター登録制度」を利用している方がほとんどです。

参照:カイロプラクティックとは

カイロプラクターになるには

カイロプラクターの資格は、民間資格です。ですが、厚生労働省によりカイロプラクティックは「医業類似行為」とされているため、カイロプラクターの資格を取得した時点で、厚生労働省に資格保有者として登録されることとなります。

カイロプラクター登録制度について

カイロプラクターの資格を取得するためには、WHO(世界保健機構)の教育指針に準拠したプログラムを終了している必要があります。

資格試験は、主に2分野の学科試験がメインです。

  • 患者さんを評価するための検査や概論に関する問題
  • 実際の臨床に関する分野

海外資格で特定のカイロプラクター資格を保有している者ならば、資格試験を免除して登録できます。

必要なプログラムを修了していることが受験資格といえます。専門学校で必要な知識・技術を学んだり、特定の講座を受講して受験資格を得られます。

参照:第十一回 カイロプラクター登録試験のお知らせ 

名称独占業務ではない

カイロプラクターは、名称独占業務ではありません。そのため、カイロプラクティックを提供しているサロンに所属し、なんとなくカイロプラクティックの技術を提供することで、カイロプラクターとして働いている方も一定数いるといわれています。

カイロプラクティックは、脊椎や関節など、人体の稼働や荷重機能を担う機関にアプローチする責任重大な技術を提供します。「なんとなく」で提供してもよい技術ではありません。カイロプラクターを目指す方は、しっかりと知識や技術を学び、責任をもって患者さんをみるように努めたいですね。

カイロプラクターの平均年収は

カイロプラクターは、その就職先によって年収は変わってくるようですが、平均して300万円~400万円です。

主な就職先は、専門のマッサージサロン、整形外科などの診療科を要する病院、リハビリ施設、整骨院などがあります。その施設の方向性や、顧客が付くことによるインセンティブがあるケースもあります。

また、正社員以外の雇用形態も多くあります。アルバイトや契約社員での雇用形態が、年収の平均値を下げている要因のひとつともいえそうです。

カイロプラクターは、独立が可能です。開業して業務が軌道にのることで、年収1000万以上確保しているケースも多く見られます。

また、地域の健康講義や商品開発、書籍の発行などで副収入を得ている事例もあるようです。平均値よりも、収入に開きがある職業のひとつといえるでしょう。

医学に代わる代替え療法として注目されているカイロプラクティック

「医学に代わる代替え医療」として着目を浴びているカイロプラクティックですが、疾患を治癒することはできません。カイロプラクティックの定義としては「筋骨格系の障害とそれが及ぼす健康全般への影響を診断、治療、予防することであると日本カイロプラクターズ協会は述べています。

参照:カイロプラクティックとは

つまり、未病の段階で骨格筋系の調整をおこない、疾患へと移行するのを防ぐ技術であるといえるでしょう。

カイロプラクターは脊椎ヘルスケアの専門家

カイロプラクティックの適応症として「腰痛、筒宇、むち打ち、肩こり、股関節や膝の痛み」など、骨格筋系の酷使や摩耗、加齢による変化で起こりうる症状を緩和する働きが示唆されています。

特に、背骨の異常を体の外側からアプローチすることによって調節することができる技術として着目されています。このことからカイロプラクター「脊椎ヘルスケアの専門家」とも言われています。

これらの症状を改善することで、生活の質が向上し、疾患の発生を予防することができます。健康的に年を取ることに着目されている現代ならではの技術といえますよね。

カイロプラクターに必要なこと

体力

カイロプラクターは、患者さんの身体の調整を、自身の体を用いておこなうのが仕事です。基本的に体が資本の職業となりますので、自分自身のケアも仕事の一環といわれています。患者さんが途切れなくいらっしゃるとき日は、丸一日立ちっぱなしという日もあるでしょう。

また、全身を使って技術を提供するのがカイロプラクターです。その日の疲労を翌日に持ち越さず、技術を提供できるだけの体力がもとめられます。

コミュニケーションスキル

また、処置中は常に患者さんとコミュニケーションをとり続けなくてはなりません。多くの場合、一定の顧客に継続して担当し、体調の変化を実感しながら、その日の状況に応じた調節をおこないます。継続的に担当しても会話に困らないような引き出し、コミュニケーションスキルも必要です。

調整技術においては、前回と今回の状況をきちんと把握、アセスメントし、的確な技術を提供していく記憶力も大切です。技術だけではなかく、記憶力や判断能力、社交性も求められます。

カイロプラクターの今後と将来

予防医療や健康増進、元気に長生きが世の中のキーワードとなりつつある今日、その方向性の一端を担うカイロプラクターの仕事や役割の範囲は、ますます拡大していくこととなるでしょう。

サロンで技術提供をしているカイロプラクターばかりではなく、訪問での技術提供をしているカイロプラクターも出てきており、その技術を提供する場も、ますます拡大しています。

国家資格への移行の可能性

現在は民間資格ではありますが、その提供技術の難しさや、学ぶ範囲の医学的見解に対する保有知識の広さと深さ、症状に対するアセスメントと、提供手技の個別性を考えても、今後国家資格へと移行する可能性は十分にあります。

少なくともWHOには認められている世界的に共通した学習内容でもあるため、日本国内に関わらず、世界で活躍する機会もあるでしょう。カイロプラクターが国家資格になれば、現在問題となっているカイロプラクティックの技術に個人差がある問題も、解消していくこととなります。

そうなれば、カイロプラクターの年収や職業としての安定性もますます向上し、カイロプラクターを目指す方も増えるでしょう。それによる社会的な地位の向上も見込めます。海外ではすでに、医師と同程度の資格とみなされている国もあり、カイロプラクティックの技術=医療と定義されているほどです。

100種類以上の実践的なテクニックを紹介

著者
["ヘンリク・ジーモン", "中川 貴雄", "吉水 淳子"]
出版日

本書は、カイロプラクティックを提供するための教本として、かなり高度な技術も網羅した、カイロプラクターの高みを目指すためには必読な1冊と評価が高い書籍です。

その分、内容は濃く、高度です。ある一定の技術や知識を習得しているカイロプラクターにおすすめ。最新のテクニックや実践ガイドを豊富に掲載し、わかりやすくカラー写真付きで掲載しています。カイロプラクティックの真髄を、余すことなく詰め込み、網羅したカイロプラクターのためのバイブルともなり得る書籍です。

腰椎の痛みを軽減するカイロプラクティック

著者
竹谷内 克彰
出版日

脊椎、特に腰椎は上半身と下半身の運動を連結し、上半身の体重を支える重要な場所です。自覚症状がなくとも、加齢により腰椎には負担が生じ、そこからさまざまな症状が発生します。

本書には、カイロプラクティックの腰痛治療にクローズアップし、健康や加齢に対する治療へのアプローチ方法が掲載されています。

漫画でわかるカイロプラクティック

著者
["KCSセンター", "井元 雄一", "天野 美苗", "岸田 和美", "アイグラフィック"]
出版日

本書は、カイロプラクティックについて、漫画でわかりやすく紹介した書籍です。活字ではあまり内容が入ってこない、なんとなくイメージがしにくいといった方におすすめの1冊。

体の不調があっても、どのようにカイロプラクティックの施設を探したらよいかわからない、これからカイロプラクティックを受けようと考えていて、施設の選び方に困っている方にも紹介したい書籍です。現在の日本では、実は誰でも自由にカイロプラクティックの看板を掲げられます。きちんとした専門資格を有し、正しい技術を提供できるサロンを選ぶようにしたいですね。

また、なぜカイロプラクターの資格を有することが重要なのかを知るのにもおすすめの1冊です。医療行為の一環として位置づけられているカイロプラクターの責任を知ることができる内容となっています。

自分の市場価値をアプリで診断

予防医療やエイジングケアが着目されてきている昨今、カイロプラクターの需要はますます高まることが考えられます。

そんななかで、実際に患者さんの症状が軽減したり、改善したりすると、大いに喜ぶことでしょう。「ありがとう!」といわれる喜び、やりがいはひとしおです。そんなカイロプラクターに興味をお持ちの方は、ぜひ一度紹介した書籍も手に取ってみてくださいね。

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