ピアニストは実力勝負の世界です。特別な資格や学歴が必要ない分、練習量や芸術的センスの差で、収入にも大きな差がでます。音楽大学へ進学せずとも活躍する方もいますが、プロを目指すほとんどの方は音楽大学で実力を磨き、在学中から音楽団で活動をしています。本記事では、本気でピアニストを目指す方に向けて、おすすめの音楽大学や、そもそも音楽大学へ進学することのメリットもお伝えします。 また、実力勝負の世界でどのくらいの収入を得ることができるのか、主な就職先についての情報も解説していきます。Youtuberから有名ピアニストになった方のエピソードも必見。最後に紹介している書籍もぜひ目を通してみてくださいね。
ピアノを演奏することで、人々を楽しませる仕事です。ピアノを演奏することでお金をもらいます。ホテルラウンジ・レストラン・バーなどで演奏したり、結婚式場に呼ばれて演奏したりすることもあります。
演奏するジャンルは、クラシック、ジャズ、J-POPまでさまざまです。有名なミュージシャンやアーティストのツアーメンバーとして参加する方もいます。
月給制など、安定した収入を得ている方は少数派です。フリーランスも多いので、収入は公演ごとのギャラや演奏料として支払われることが一般的です。
フリーランスの場合は、個人事業主として働くのが一般的。個人事業主の場合は、会社に所属するのと違って、住宅手当などをはじめとした福利厚生は基本的にないため、自分で資金をうまく工面する必要があります。
音楽大学を卒業してもすぐに仕事が見つからないケースもあります。その場合、大きな場所で演奏できるチャンスを見つけながら、アルバイトで生計を立てることも珍しくありません。有名ピアニストになれば、フリーであっても年収1000万円以上を稼ぐ方もいます。
たとえば、結婚式場で1回演奏して1〜3万円程度、コンサート1回の演奏で10万円程度です。有名ピアニストにもなると、1回で100万円の演奏料が発生することもあります。ピアノの講師の仕事をする場合は、年収300〜500万円程度にプラスして、個人の活動の収入も入るでしょう。
ピアニストになるために、特別な資格は必要ありません。ヤマハやカワイの音楽教室では、グレードと呼ばれる独自の資格が存在しているところもあります。
音大に進み、有名なコンクールで入賞することでプロへの道が開かれるというのが代表的なデビューの方法です。音楽留学するというのもひとつの手ですが、その分のお金がかかります。
世界三大コンクールといわれる大会をご紹介します。
いきなり世界三大コンクールに出場することは難しいでしょう。そのため多くのピアニストは小さなコンクールから徐々にレベルをあげて、世界三大コンクールへの出場を目指します。
ピアノを学べる有名大学を、いくつかご紹介します。
国公立の音楽大学は、私立の音楽大学に比べると比較的、学費が安価な傾向にあります。授業内容は私立の音楽大学のように、多様な専攻・コースを選んで学べることもあり、人気が高くなっています。
ピアニストを目指す方の進学先としておすすめの国公立の大学はこちらの4校です。どの大学も倍率は高いですが、多くの生徒を輩出してきた背景や大学としてのブランド力もあるため、可能であれば目指したいところです。
国公立に比べて、私立の音楽大学は比較的多くあります。多種多様な音楽を学びながら、自分の専攻分野を集中して学ぶことができます。
私立には、これらの音楽大学があります。私立大学のなかには、一般の学部・学科と並行して音楽学部を設置している大学もあります。有名な学校ですと、日本大学芸術学部の音楽学科、聖徳大学音楽学部などがあります。
専門学校でもピアノを学ぶことは可能です。学びたいジャンルが決まっている場合は、そのジャンルに強みを持つ専門学校や学びたい講師のいる学校を選ぶのもポイントでしょう。
フリーランスで働く方もいれば、音楽事務所に所属している方もいます。フリーの場合、仕事がなければ収入はありません。また実力主義の世界であるため、各自の努力や才能で収入には差が出ます。
ピアニストが働く、主な勤務先をご紹介します。
ピアノを演奏する技術そのものを活かしたり、ピアノを学ぶうえで身に付けた音楽の知識を活かしたりと働き方は多種多様です。
日本で有名な企業を3社紹介します。
演奏者としての技術を活かすのではなく、音楽が好きという気持ちを持って就職するならば大手楽器メーカーもよいでしょう。
ピアニストは特別な資格が必要ない職業なので、名乗るだけなら誰でも名乗ることができます。Youtuberから有名ピアニストになった方もいますし、実力とセンスさえあれば特別な学歴も必要ありません。
代表的な例が、Youtubeを中心に活動しているピアニスト・まらしぃさんです。彼は、自身で作詞作曲もおこなうピアニスト。YouTubeやニコニコ動画で演奏動画をアップしていたことで有名になり、アルバムを発売したりCM楽曲を手がけるほどになりました。
2013年トヨタ自動車アクアのBGMや、『千本桜』『チョコレイト・ディスコ』の演奏も担当しています。また嵐の二宮和也さんのオファーで、ソロ曲『メリークリスマス』のピアノを演奏するなど、活躍の幅は多岐にわたっています。
最後に、ピアニストに向いている方の特徴を簡単にご紹介します。過去にピアノを弾いた経験がなく、今からピアニストを目指したいと考えている方は、ぜひこの特徴も参考にしてみてくださいね。
ピアニストにとって、家で練習するのが本番ではありません。人前で100%の実力を出すことができて、初めて収入につながる職業です。その本番に耐えられるだけの精神力が必要です。
感覚が鈍らないよう、毎日ピアノに触れるのが基本ともいわれている世界です。毎日たった数分でもピアノに触れ、技術とピアノへの感覚を磨き続けなければなりません。譜面通りミスなく弾けるようになることは基本で、そこにどのような感情をのせていくのかは、音楽への深い理解が必要となります。
毎日弾き続けるには精神力、体力も必要です。日々自分と向き合い、うまく出来ている部分も、まったく進歩がない部分も受け入れながら歩み続けられる人は、ピアニストに向いているといえるでしょう。
ピアニストは芸術的な一面を持つ職業です。嬉しい・悲しい・怒りなどの感情を音に乗せて表現することで、人々の心を掴むことができます。譜面通りに弾くことはもちろん、感情を音にのせ観衆に届けるには、さまざまな感情を表現する技術が高くなければ難しいでしょう。
- 著者
- 音楽之友社 編
- 出版日
ピアニストを目指す方向けの各学校のパンフレットや学校案内を、この1冊で比較できるようになっています。学校の特色や各担当教員の情報なども網羅。受験生本人だけでなく、保護者と一緒に使うことができる優秀な音大ガイドブックです。
どの音楽大学も同じに見える、卒業生が一番活躍している大学に入りたいなどの疑問も解決してくれます。現役生に聞く学校生活レポートや、活躍している卒業生へのインタビューなど、実際に通ったからこそ分かる生の声も収録されています。後悔なく、自分にぴったりの進学先を選びたい方はぜひ一読してみてください。
- 著者
- ["トーマス マーク", "トム マイルズ", "ロバータ ゲイリー", "小野 ひとみ", "古屋 晋一"]
- 出版日
ピアノを演奏するには、長い指や大きな手の方が有利といわれています。また、膨大な練習量の影響で肩こりや腕の痛みに悩む方も多いそう。
そんな体の悩みから、ピアニストの活躍にアプローチする面白い1冊となっています。体の使い方を変えたら演奏が驚くほどうまくなったという方がいるほど、重要な体の使い方やエクササイズ法を知ることができます。
ピアノの演奏をしなくても、日々の仕事でキーボードで文字を打つ機会が多い方、ライター業やエンジニア、プログラマーの方などにもおすすめできる1冊ですね。
- 著者
- 出版日
本文でもご紹介したYoutuber・まらしぃ氏のオフィシャルピアノ楽譜集です。インタビューや全20曲の演奏アドバイスなども掲載されており、ピアニストを目指す方でなくとも、CMで耳にしたことがある有名楽曲の楽譜も載っています。
彼なりの編曲が加わっているものもあり、彼のセンスを垣間見ることができる1冊となっています。ピアニストとして活動の幅を広げたいと思うなら、彼のように作詞作曲の技術を磨くことを検討するのもよいでしょう。
大きな楽団に所属したり、有名なコンサートで演奏するには、毎日の練習が欠かせません。演奏中の華やかな姿の裏では、まさに血の滲むような努力をしている人が多い世界です。
芸術的なセンスも必要とする仕事であり、練習だけでなく、たくさんの作品や演奏を見て・聞いて学んだり感じることも重要となってくるでしょう。今回は、学校を選ぶためのガイドブックもご紹介しています。これから進学先を選ぶ方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。