5分で分かるスポーツマネジメント!必要な資格、年収事情、活躍できる就職先・転職先をご紹介!

更新:2021.12.8

スポーツに携わったことのある方なら憧れる方も多いスポーツマネジメントという職業。スポーツチームの運営、継続に関わり、どのように利潤を出しながらスポーツチームとして成長をしていくか、経営の軸を担います。国内のスポーツ産業を成長させるためには、スポーツマネジメントの存在は重要なポイントとなります。プロスポーツ以外にも、アマチュアや地域のスポーツチームにも就職可能です。 本記事では、スポーツマネジメントという職業について詳細に解説していきます。また、効果的に情報を収集できるようにスポーツマネジメントに関する書籍もご紹介しているので、参考にしてみてください。

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スポーツマネジメントとは

スポーツマネジメントとは、スポーツをビジネスとしてとらえ、発展させたり、普及や振興に貢献していく職業のことを指します。

スポーツマネジメントはアメリカから広まった発想です。スポーツに関わる団体・企業を経営し、大会を企画することで利潤を出していくという考えがあります。この循環を生み出し、ビジネスの継続を目指します。

スポーツマネジメントの仕事内容

スポーツマネジメントがおこなう仕事は、スポーツに関わる全ての方が仕事の対象となります。

そのため仕事内容は多岐にわたりますが、一貫していえることは、スポーツを通して人、金、モノを動かしていくということです。主に3つに分けられる仕事内容をご紹介していきます。

プロスポーツ団体へのアプローチ

プロスポーツ球団の運営、宣伝、広報活動、集客目的のスポーツイベントのプロデュースなど、プロスポーツ業界に利益が出るような戦略を立てていきます。

スポーツ人材の育成

プロスポーツ選手や、プロスポーツ選手を育成するためのコーチなどプロスポーツに関わる人材を育成していくことも仕事となります。

地域スポーツの発展

プロだけでなくスポーツがより地域住民にとっても身近な存在となり、スポーツを知ってもらうためにイベントを企画、運営していく子ともスポーツマネジメントのお仕事です。

スポーツマネジメントの平均年収

メジャーなスポーツかどうか給料を左右する

スポーツマネジメントの給料相場は月給23万円~30万円程度です。サッカーや野球など日本でメジャーなスポーツでは高給与の傾向ではあるものの、まだまだプロとしての活動が浅いスポーツの場合給料は安めな傾向になるようです。

スポーツマネジメントの働き方!カレンダー通りのお休みはとりにくい

スポーツマネジメントという職業は、カレンダー通りの生活を望む方や、働く時間に希望がある場合は難しいといえるでしょう。

特にスポーツイベントのマネジメントをおこなう場合、イベントそのものが土日におこなわれることが多いため、シフト制の不規則勤務となります。職種によっては遠征への動向なども必要なため週末は都道府県や海外に飛び回るということもあり、カレンダー通りの休みとはいきません。

プロスポーツに携わる場合、オンシーズンは休日に試合、平日に練習となるため、オンシーズンにカレンダー通りの休みを取ることは難しいといえます。オフシーズンにまとめて休みを取るというようなイメージとなります。

スポーツマネジメントになるには!進学先について

スポーツマネジメントになるにはどうすればよいでしょうか。その方法についてご紹介します。

資格は不要!その分野について学べていることがポイント

スポーツマネジメントになるための資格は不要です。その職業に就けばなることができるのです。

スポーツマネジメントを専門に学ぶ大学や専門学校を卒業してなる方もいれば、大学で経営学を学んだ、スポーツについて学んできた方が職業に就くこともあります。

競技経験者、特にその競技で高い成績を修めたチームにいたという経験は有利になります。たとえば、高校時代に甲子園に出場した野球部にいると、強豪校でのチーム作りや練習などが仕事に活きてくることもあるようです。

体育学部、経営学部でスポーツマネジメントを学べる

スポーツマネジメントについて学べる進学先は、体育学部の他に経営学部で学べる場合もあります。スポーツマネジメント学部・学科を設置している大学を例としていくつかご紹介しましょう。

  • 早稲田大学スポーツ科学部
  • 同志社大学スポーツ健康学部
  • 日本体育大学スポーツマネジメント学部
  • 尚美学園大学スポーツマネジメント学科
  • 中京大学スポーツマネジメント学科
  • 産業能率大学スポーツマネジメントコース

他にもさまざまな大学がありますが、私立であれば早稲田大学のスポーツ科学部がもっともおすすめといえるでしょう。教員が豊富で、授業内容も充実しています。

大学のネームバリューで選ぶのも間違いではありませんが、教員の充実度やカリキュラム内容、学費などを確認して進学先を選ぶのとよいでしょう。

スポーツマネジメントの就職先

スポーツマネジメントとして求人の数は決して多くはありません。

大学や専門学校でスポーツマネジメントについて学んできたという方の他に、広告会社で働いていた方、プロスポーツ選手が転職してくることもあるため、競争率は高い傾向にあります。

スポーツマネジメントとしてプロスポーツで働くのではなく、アマチュアや地域のスポーツなど分野を変えれば求人数は増えてくる傾向にあるようです。

スポーツ大国であるアメリカでは職として確立して歴史があるのですが、一方で、プロリーグが最近設立されたり、認知され始めたりしている日本では、まだスポーツマネジメントという職業の認知力が低かったり、働ける場が少ないというのも事実です。

働く場所にこだわらないのであれば、日本国外で働くことを視野に入れるのもよいかもしれません。

スポーツマネジメントに向いている人の特徴

スポーツマネジメントになる人は必ずしもスポーツ経験者でなければならないということはありません。本章では、スポーツマネジメントの職業が向いている人の特徴をご紹介します。

スポーツ好き

スポーツが好きであるということは必須です。できればそのスポーツについて一度でもプレイしたことがある、あるいはプロスポーツの鑑賞経験があったりルールを知っていたりすることがベターです。

ビジネスとしてとらえる思考がある人

ただスポーツが好きというだけでは、スポーツマネジメントの仕事をすることは難しいといえます。どうすればそのスポーツが盛り上がるか、どうすれば経済が回るのかなどを考えていくことが必要となるのです。

近年、そのスポーツの現役を引退された方が、スポーツマネジメントに転職するという例も増えてきています。ですがプレイヤーとして優れている方が、スポーツをビジネスとしてとらえる思考力があるかと言ったら別の話です。楽しむためのスポーツ以外に、スポーツをビジネスの目線で捉えられる方は向いているといえるでしょう。

コミュニケーション能力が高い人

スポーツマネジメントは、スポーツ団体、スポーツ選手、地域住民や購買者などさまざまな方の懸け橋となる職業です。そのため、多方面とのコミュニケーション能力も求められます。コミュニケーション能力が高く、各所との調整能力もある方は向いている職業だといえるでしょう。

初めてスポーツマネジメントを学ぶ方におすすめな1冊

著者
["秋二, 山下", "純司, 中西", "宏高, 松岡"]
出版日

スポーツマネジメントは、スポーツが好きな方であってもまったく異なる分野となります。そのため、最初学ぶ際は大変な部分も多いでしょう。本書はゼロからスポーツマネジメントについて学びたい方におすすめできる1冊です。

ビジネスとして経営に関する知識が必要となるため、専門用語が頻出します。経営分野の単語帳片手に学ぶのがよいでしょう。

マネジメントについて学べる必読書

著者
岩崎 夏海
出版日
2009-12-04

マネジメントについて学ぶなら、本書は避けて通れないでしょう。2009年に発売され、2015年には275万部を突破した超ベストセラー『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら』です。ドラッカーの著書である『マネジメント』を、高校生、大学生、若手のビジネスパーソンにもわかりやすく解説した1冊で、ベストセラーになるだけあって、マネジメント学の初心者にとって理解しやすい内容になっています。

この本を読むだけでもマネジメントの概要を掴むことは可能です。ただ余裕があれば、ドラッカーの『マネジメント』もあわせて読んでみるとよいでしょう。

スポーツチーム経営の教科書

著者
あずさ監査法人スポーツビジネスCenter of Excellence
出版日

スポーツをビジネスで捉えようとすると、必ず反発や抵抗をする方が一定数います。もちろんその気持ちは尊重すべきですが、サポーツ産業を健全に成長させるビジネスの要素は、選手の育成環境を整備することに繋がり、ひいてはスポーツを一般の方が十分に楽しむことにも繋がります。

本書ではスポーツ業界における早急な経営人材を育成することの重要性が語られています。ビジネスチャンスをものにし、スポーツビジネスを盛り上げていくためには何をするべきなのか。経営に必要な、ガバナンス、コンプライアンス、アカウンタビリティーなどを分かりやすく解説してくれています。

スポーツビジネスに関わりたい方はもちろん、あらゆるビジネスをおこなう上で重要な要素を学べる1冊です。


スポーツマネジメントは、大衆がスポーツを楽しみ続けるためには避けて通れません。どんなスポーツチームも、経営層の判断のもと資金を獲得し、イベントを開催し、収益を得ることでチームを継続することができています。スポーツチームに経営やビジネスの話を盛り込むと、反発されることは多いですが、スポーツチーム存続のためにはきちんとした経営計画が必ず必要となるのです。

スポーツマネジメントは、スポーツそのものについて知識があること、そして経営についての基礎や知識、センスがあることが必須となります。スポーツ業界では若手の経営人材の育成が急務です。そのため誰にとっても職業としての可能性は開かれています。

本記事を読んでスポーツマネジメントに興味がわいた方は、記事の最後にご紹介している書籍にも目を通し、まずは一歩踏み出してみてください。

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