5分でわかる着付け師!国家資格の内容は?年収や働き方、将来性などを解説!

更新:2021.12.9

慶事や弔事の際、着物を美しく着付ける職業である「着付け師」。特に女性は人生において関わる機会が多く、職業として興味関心がある方は多いのではないでしょうか。着付け師は資格なしでもなることは可能ですが、国家検定である「着付け技能士」の資格を保有することで、仕事の幅は広がります。着付け師として活動している方の多くは、美容室に就職し、普段は美容師としての仕事をおこなっています。特別な日のみ、着付け師として活動しているのです。本記事では、着付け師の仕事内容や年収、なり方などを解説しています。記事の最後には着付け師を目指すうえでおすすめの本を3冊紹介しているので、合わせてご覧ください。

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着付け師とは

着付け師は、慶事や弔事の際、着物を美しく着付ける仕事に従事する方のことを指します。

それらの行事は人々にとって大変重要となるため、着崩れなどがないようにしなければなりません。着付け師の多くは美容院や写真館などで働いており、着付け師の資格とあわせてヘアメイクなどの資格を持っている方が多いです。そうすることで活躍の場が広がります。

着付け師の年収

着付け師の給料は繁忙期が限定的であるため不安定です。一般的に、着付け師のみで生計を立てられている方はあまりいません。

普段は美容師として働いたり、結婚式場でウェディングプランナーとして働いていたりすることが多いです。それらの本業に、着付け師としての給料が上乗せして支払われます。また、成人式などの行事のときのみ働く場合は、1日で数万円の収入が入ります。

着付け師のなり方とは

着付け師になるために絶対に必要な資格や学歴はありませんが、着付け教室に通い「着付け技能士」の資格を取っておくと就職に有利でしょう。また、着付け講師として着付けについて教えるには、着付け技能士の資格が必要となります。

「着付け技能士」資格とは

「着付け技能士」とは、職業能力開発促進法に基づいて実施される国家検定です。平成21年に技能検定試験の対象職種となった、比較的新しい資格です。2021年6月現在は、全日本着付け技能センターが指定試験機関として指定されています。

試験は1級と2級の2階級に分かれ、2級の学科試験は実務経験のみの方に限り、2年の実務経験が必要です。そのほか、専門高校や大学・短大などの卒業者に関しては、2級のみ実務経験は不要です。しかし1級の受験には、最終学歴に関わらず1年から最大5年までの実務経験が必要になります。

試験範囲は着付けに関する知識や技術だけではなく、着物に関する全般的な知識を習得しなければなりません。合格率は非公開です。

参照:全日本着付け技能センター

着付け技能士のほかに美容師やウエディングプランナー等の資格があるとさらに仕事の幅が広がります。

着付け師の将来性!おすすめの就職先とは

着物を着る方や、着付けができる方は減少傾向にありますが、成人式や結婚式などに着たい方は男女ともに多くいます。

また、近年ではグローバル化が進みたくさんの外国人が日本を訪れるようになっています。今や寿司などの日本料理や着物などが世界中で注目されていることから、海外からの需要は今後も高まってきそうです。

海外で日本文化を広めたいという方は、人気観光地の着物屋さんなどで働けば関わる機会も増えるでしょう。その際に、簡単に外国語が話せるとコミュニケーションの幅が広がります。

お客様にとって大切な1日に着付け師としてに関わりたいと考えている方は、美容師やウェディングプランナーとして働くのがおすすめです。どちらにしろ着付け師としての資格だけではなく、ほかのさまざまな資格やスキルを持っていると仕事の幅が広がるでしょう。

着付け師に向いている人の特徴

着付け師になるには、着付けに関する技術はもちろんのこと、ほかにもさまざまな要素が必要です。本章では、着付け師に向いている人の特徴を解説します。

責任感を持って仕事ができる

着付け師は、結婚式や成人式など、大切な日に関わる仕事です。そのため、着崩れなどの失敗は許されません。その人の良さを十分に引き出せるよう、個々に合った着付けをすることも大切になります。

体力があり、体を動かすことが好き

着付け師は毎日仕事があるわけではなく、成人式などの行事のときに働くことが多いため当日は大忙しです。特に、成人式は全国的な行事のため、早朝から昼前後まで休む暇がありません。そのため、体力があって、体を動かすことが好きな方が向いているといえるでしょう。

日本文化や着物が好き

昔は普段着としても着物を身に付けている方は多くいましたが、現在ではほとんどの日本人が、着やすくて動きやすい洋服を着ています。

着る機会の減少から、着物を着付けができる方も少なくなっています。そのため、日本文化や着物が好きで今後も伝統を残していきたいと思っている方は、着付け師という仕事も検討してみてはいかがでしょうか。

着物のあれこれについて簡単に知りたい方におすすめの本!

「着物」と聞くと、難しそうで自分ではできない、お金持ちしかできないくらい高い、大切な日だけしか着れないなどのイメージがありますね。

着物は、普段着やお出かけ用、夏祭りのときなどに着る浴衣、成人式や結婚式の際に着る晴れ着など非常にさまざまなシーンで使うことができます。また、なかには初心者でも買いやすいような値段で買える着物もあるのです。

着物の知識がまったくないけど、着物を着ることに興味がある、着物のちがいを学びたいという方におすすめの本がこちらです。

著者
山口さくら
出版日

山口さくら氏著作の『お着物一年生』です。本書では、着物の着方やお手入れ方法、マナーなど完全にユーザー目線でわかりやすく解説しています。

著者の山口氏も、着物の知識がまったくない状態で着物ライフを始めました。友人の結婚式に留袖を着てみようかなと思って通販で調べたところ、2~3千円の中古着物が多く見つかり、こんなに手軽に手に入るんだと思ったことがきっかけのようです。

着物というと何十万もして簡単に始められるものではないというイメージがありますが、まったくそんなことはありません。今まで敷居が高くて諦めていたという方も、この本を読んで着物ライフをスタートしてみませんか。

ベテラン着付け師に学ぶ!着る人の魅力を引き出す着付け方とは

着物を着る人の年齢や体型、顔のタイプ、骨格は人によって違います。そのため、同じような着付けをしてもAさんは似合うけれど、Bさんは似合わないということもあります。そこで、その人に合った着付けができ、その人のよさを最大限引き出すことができるのが一流の着付け師です。

今回は着付け師として働きだしたけれど全部同じような着付け方になってしまい、個性を出せないと悩んでいる方におすすめの本を紹介します。

著者
大久保 信子
出版日

大久保信子氏の『人に着せる着付けと帯結び 大久保信子さんに教わる』です。本書では、着物スタイリストや江戸着物研究家、江戸文化研究家として活躍する和服のプロ、大久保信子氏の長年の経験から、瞬時にその人に会う着付けができるようになる方法を詳しく解説しています。

着る人の魅力を引き出すために抑えておきたいポイントや、撮影現場で使う秘密のアイテムなど、ほかでは知り得ない情報が満載です。

浴衣や振袖、礼服などすべての種類の着物を網羅しており、この1冊で着付けについてわかるようになっています。着付け師として活躍していきたい方にはぜひ手にとってみてくださいね。

着物の疑問を解決!時代に合った着物の着方とは

着物というと、気軽には着ていけないイメージがありますね。また、着方にもいろいろルールがあって難しそうに感じる方は多いのではないでしょうか。そんな着物に関する疑問を、独自の視点から解き明かす本をご紹介します。

著者
片野 ゆか
出版日

片野ゆか氏著作の『着物の国のはてな』です。片野氏は以前から約束事だらけの着物の世界に疑問を持っていました。「犬の散歩のときに着てはいけないの?」「着物の格やルールは誰が決めたの?」など、さまざまな着物の疑問を片野氏独自の視点から解き明かします。

着物を着たいけど堅苦しくなく気軽に着たい、着物に関するモヤモヤがある方にぜひおすすめしたい本です。

自分の市場価値をアプリで診断

今回は着付け師の仕事内容や年収、なり方など詳しく解説しました。着付け師に興味のある人は最後に紹介した3冊をぜひご覧くださいね。

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