チーズの種類、歴史などを知るのにおすすめな本5冊

更新:2017.1.1

食品コーナーに並ぶ、様々な種類のチーズ。そんなチーズの隠れた歴史や面白いエピソードを、ご存知ですか? 今回はチーズ好きの方におすすめの本を5冊、ご紹介します。

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チーズ好きを増やしたチーズの手引書

文藝春秋より出版されている『チーズ図鑑』は、国別にチーズが紹介されています。例えばフランスのフロマージュや、イタリアのゴルゴンゾーラなど有名なチーズもあれば、ギリシャのフェタなど耳慣れないチーズも登場します。その数は321個もあり、まだまだ知らないチーズのことを知ることができる1冊です。

著者
丸山 洋平
出版日


地図とともにチーズの断面図の写真もあり、視覚的にも楽しめるので、まさに図鑑と言えます。産地や原料だけでなく、製造所や季節などチーズにまつわる情報がたくさん載っており、メモにも各チーズの味や食感が記述されているので、ワインを嗜む方などは参考になるでしょう。

文庫本ですので持ち運びしやすく、ヨーロッパ旅行をする際にチーズを食べたり買ったりする際のガイド本としても使えます。うんちく本として活用するのも良いですが、特に作り方が丁寧に記述されているので、お料理好きな方やワイン好きな方の実用書としても活躍する本と言えます。

なんとなくチーズに興味を持った初心者の方でも、見て楽しめる図鑑です。

思わず話したくなる、世界のチーズの豆知識

『10種でわかる世界のチーズ』は客室乗務員から転身して、チーズ教室を開くにいたった著者が教える世界の美味しいチーズ10種類と、チーズにまつわる面白いエピソードが掲載されている本です。たとえばイタリアの銀行では、パルミジャーノ・レジャーノチーズを担保にお金を借りるそうです。日本ではありえない話ですので、人に話したくなってしまうでしょう。

著者
村瀬 美幸
出版日
2014-01-24


本書は視覚的というよりも、おすすめのレシピなど「文章」で魅せています。カラー写真がないことで、逆に味などについて想像力が掻き立てられる本といえます。

チェダーやパルミジャーノなど食べたことがあるもの、見聞きしたことのチーズも多いはず。それらの製法を詳しく記述していますので、読み応えは十分です。なお10種類のチーズの紹介といわれていますが、それらに似たチーズも紹介されています。

レシピが豊富ですので、チーズの美味しい食べ方を探している方に特におすすめの1冊です。

チーズが教える、世界史?

『チーズと文明』は、ヴァーモント大学の食物栄養学部の教授であるポール・キンステッドの論文ともいえる本です。16ページにわたる参考文献の量は、単なる読み物でなく学術的にも価値のあるものだと示しています。

著者
ポール キンステッド
出版日
2013-06-04


普段何気なく食べているチーズ。その誕生は古代南西アジアで、世界に広まりました。ギリシャの神々に捧げられ、キリスト教とともに西欧各地に伝播したチーズは、いつも歴史とともにあります。

つまり、この本はチーズを通して世界史を学べる本でもあるのです。時間軸に沿って書かれていますので、チーズの誕生からピューリタン革命などの歴史的事件も学べます。また、世界史の教科書や世界地図を見ながら読んでも面白い1冊でしょう。

オランダ対イングランドといった産地同士の競争や、工業的・産業的に量産するアメリカ資本主義のあり方など、チーズを通して世界のあり方を知ることができる本書。世界史の中でも西洋史が好きな方、食文化史に興味のある方にぜひ読んでもらいたい1冊です。

アジアから、チーズの起源と歴史を知れる

東北大学農学部を卒業し、あまり聞きなれないミルク化学専攻であった鴇田文三郎が著したチーズに関する考察本『チーズのきた道』。具体的には、食事文化の中の乳文化を様々な記録から見出し、人間の生活でいかにチーズが重要であったかを論じています。

著者
鴇田 文三郎
出版日
2010-09-13


チーズという食べ物について、栄養学やグルメからではなく、食文化史を中心に捉える本書。目次には「チーズの祖語を訪ねて」や、「ヨーロッパ史のなかのチーズ文化」「近世チーズの歴史」などが収録され、チーズの語源やチーズの発達が考察されています。

なかでもチーズが仏教とともに日本に渡来したという事実は、意外ではないでしょうか。今まで知らなかった日本人とチーズの関係、また日本のチーズともいわれる酥(そ)の文化がなくなったのはいつ頃かということについても、論じられています。

このように文化人類学的なアプローチを採用する本書では、アジアのチーズ発達にも大きくページを割いていますので、他のヨーロッパを中心としたチーズ関連本と比較しても面白いかもしれません。チーズと人間の歴史について、特にアジアの方面から知りたい方に、手にとってもらいたい1冊です。

発酵とバイオテクノロジー

発酵の分野で有名な小泉武夫による『発酵―ミクロの巨人たちの神秘』。納豆やお酒などの発酵食品と同じく、発酵することでつくられるチーズに触れています。

著者
小泉 武夫
出版日


発酵は、現代の食生活だけでなく、洗剤、抗生物質、微生物タンパクといった製造にも生かされています。本書を通して、発酵が今のバイオテクノロジーにも脈々と受け継がれてきたことを学べることでしょう。地球上の生命の誕生から話が始まりますので、生物化学などの理系分野に興味のある方には特におすすめです。目に見えない発酵という活動からチーズのことを知るという点は、他の本ではない着眼点でしょう。

いかがでしたか? 今回は実際にレシピなどに使える本から、文化史としての色合いが濃い本、理系の側面から書かれた本など、チーズにまつわる本を5冊、ご紹介しました。目的に合わせて、ぜひこれらのチーズ本を手にとってみてくださいね。

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