ドラマ「逃げ恥」では津崎平匡役として出演し、主題歌「恋」も大ヒットさせた星野源。彼のユニークさは、音楽家や俳優だけではなく、文筆家としても輝きます。今回は、星野ワールド全開の本を5冊、ご紹介します。
1981年、埼玉で生まれた星野源。かつては、いじめられて暗い子どもだったそうです。
2000年、自身の出身校である自由の森学園の同級生らと「SAKEROOK」というインストゥルメンタルバンドを組みます。同バンドは2015年には解散し、その後はソロとして活躍を続けています。
役者としては2003年に、舞台「ニンゲン御破算」に出演。以後、大人計画事務所所属となります。
2013年、市井昌秀監督による映画「箱入り息子の恋」や、同年に公開された園子温監督による「地獄でなぜ悪い」が評価され、新人俳優賞を受賞。
2016年、海野つなみ原作「逃げるは恥だが役に立つ」では津崎平匡役として出演し、主題歌「恋」もエンディングの恋ダンスとともに大ヒットとなりました。
俳優や音楽家として活躍する中、アニメ「聖☆おにいさん」ではブッダ役で声優に挑戦し、「星野源のオールナイトニッポン」ではパーソナリティーを務めます。
音楽、俳優、声優、ラジオパーソナリティーとマルチに活躍する星野源。彼の個性豊かでユニークな発想が詰め込まれた文章は、書評家豊崎由美によって賞賛されます。人見知りで繊細な部分もありながら、下ネタ好きが随所にちりばめられているのが特徴です。
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- 著者
- 星野 源
- 出版日
- 2013-01-04
文芸PR誌『ウフ.』での連載エッセイと、単行本化の際に追加された書き下ろしや小田扉による漫画を掲載する『そして生活はつづく』。
自分の嫌いな部分を好きになって前向きに生きたい、つまらないと思っている日常生活をおもしろがろうという、星野源のありのままの日常が綴られています。仕事仲間から残念な人と言われてしまうほど面倒くさがり屋である星野。声を出して笑えず、素直に表現できない、生活することが苦手な星野が、自分を見つめなおし、面白い部分を見つけ出していこうとします。
- 著者
- 星野 源
- 出版日
- 2015-09-02
マルチに活躍する星野源の仕事に対する思いを垣間見ることができる1冊『働く男』。
星野は執筆後、くも膜下出血によって倒れます。過労で死のうが関係ないと言いながらも、休養中に本書を読み返すことで、まるで別人の話のようだと感じ、これからはのほほんと暮らしたいと思うようになったということです。
本書では「働く男」の他に、「書く男」では雑誌『ポパイ』で掲載されていた映画コラム、「歌う男」ではインストバンド時代の『SAKEROCK』の曲を紹介。「演じる男」では、自らを解放し、いくつものわらじを履いている方が面白いと言ってくれた、大人計画事務所に入ったことなどが書かれています。また、ピース又吉直樹との「働く男」同士対談も収録されています。
星野源という人物像がどのような道を歩んできたのか垣間見られる本です。
- 著者
- 星野 源
- 出版日
- 2014-05-09
女性ファッション誌『GINZA』での連載に、加筆などして出版された『蘇える変態』。下ネタ、興味のあったことや思いなどが素直に書き綴られた1冊です。
いきなり「おっぱい」とうい見出しから始まる本書。日々のエピソードや考えていることなどを、実際に文字に起こして記録することで、自分自身から解放させているのだといいます。
「生きる」の見出し以降からは、2012年にくも膜下出血によって倒れたことがどのような状態であったのか、事細かく、ありのままに書き記されています。治療が施されるも再発したことがわかり、心が不安定になります。そのような中で信頼のおける医師と出会い、希望を持てたそうです。
生きてきた証や実感、喜怒哀楽の密度について、彼のありのままが描き出されます。
- 著者
- 星野 源
- 出版日
- 2014-12-18
雑誌『POPEYE』の「星野源の12人の恐ろしい日本人」での連載を再構築した『星野源雑談集1』。雑談の中だからこそ生まれる思いを無駄にしたくないという星野の想いが伝わってきます。
下ネタの話題の中にさえ、人生を変える哲学が潜んでいたりするのだという星野。「雑談の中に本質がある」。その人の根本にある本音を聞き、自身も自らをさらけ出すことができる雑談が好きだということです。
様々な分野で活躍されている方々との雑談をぜひお楽しみください。
- 著者
- ["細野 晴臣", "星野 源"]
- 出版日
- 2015-03-28
『TV Bros.』での細野晴臣と星野源の対談掲載を再構築した『地平線の相談』。細野晴臣は、1969年「エイプリル・フール」のベーシストとしてメジャーデビューをし、1978年に坂本隆一や高橋幸宏の3人で、イエロー・マジック・オーケストラ(YMO)を結成。その後は、プロデュースや映画音楽の提供など、様々な方面で活躍する人物です。
対談という形をとりますが、主に星野が細野に相談をしているという感じです。2人とも音楽家であることから、セッションをしているかのように語られています。星野が、実は九九が全部できないこと、楽譜が読めないことなど様々な相談を持ちかけます。それに対して細野が、的確な答えを遊び心など交えながら返しているのが印象的な1冊でしょう。