星野源の出演作から名作を掘り起こす!実写化した映画、テレビドラマの原作の魅力を紹介

更新:2023.11.9

星野源は圧倒的な人気を誇るアーティストです。テレビドラマはもちろん、映画にも出演する俳優としても幅広く活躍しています。特に代表作『逃げるは恥だが役に立つ』の「恋ダンス」は社会現象にもなりました。この記事ではそんな星野源について、彼の演じた役柄や作品の魅力、原作についてご紹介していきます。

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星野源のプロフィール!『WATER BOYS』から『ドラえもん』まで幅広い活躍

星野源(ほしのげん。本名同じ)は埼玉県出身の芸能人です。誕生日は1981年1月28日で年齢は39歳(2020年8月現在)です。身長168cm、血液型はAB型。所属事務所はアーティストとしてはアミューズ、俳優としては大人計画です。

元々は同級生と結成したバンドSAKEROCKのリーダー兼ギタリストでしたが、舞台出演をきっかけに劇団大人計画に入団しました。そして2003年のテレビドラマ『WATER BOYS』で俳優デビュー。

2012年にくも膜下出血で活動を一時休止しましたが、見事に復帰しファンを安心させています。同年に予定されていた武道館ライブは、2年越しの2014年に開催して大成功を収めました。

2016年にテレビドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』の主演とエンディング曲「恋」を担当。特徴的な「恋ダンス」で大ブレイクし、誰もが知るタレントとなりました。

『ゲゲゲの女房』の及川貴司役と『半分、青い。』の主題歌を担当したことで、NHK朝ドラの出演と主題歌を制覇したという経歴も。これは他に類を見ない珍しいケースです。

2019年から国民的アニメ『ドラえもん』のオープニングも担当しており、幅広い世代から人気を集めています。

社会的ムーブメントを生み出す、星野源の魅力とは

俳優、シンガーソングライター、文筆家。星野源はマルチな才能の持ち主で、どの分野でも多大な成功を収めています。社会的ムーブメントを生み出す彼の魅力とは、いったいなんなのでしょうか?

星野源はいわゆる塩顔と呼ばれる顔立ちで、正統派のイケメンとまでは言えません。しかしその分、放っておけないような独特の愛嬌があり、人柄の良さが好感度に繋がっているのでしょう。

星野源の幅広い活躍に異議を唱える人はいないと思われますが、意外にも本人は自身の著作などで、自分に才能がないと言っています。

実は星野源こそ、人知れずトライし続ける努力の天才です。大人しそうな外見に反して、あらゆることに果敢に挑戦し、決して諦めずにその道を究めるのが凄いところ。

星野源の水面下の努力が実を結び、現在の成功に繋がったのは疑う余地がありません。努力こそが星野源の源であり、魅力の秘訣なのです。

星野源はテレビで見ているだけだと、その素顔を窺い知ることはなかなかできません。レギュラーでパーソナリティを務める『星野源のオールナイトニッポン』を聴くほか、彼の自著『蘇える変態』でも音楽の裏側や俳優業の裏話を知ることができます。エンタメに興味がある方ならファンならずとも楽しめるので、ぜひチェックしてみてください。

著者
星野 源
出版日
2019-09-03

【ライターおすすめ】星野源が1番輝く『逃げるは恥だが役に立つ』

 

俳優・星野源を語る上で絶対に欠かせないテレビドラマといえば、やはり『逃げるは恥だが役に立つ』でしょう。

ひょんなことから、津崎平匡(ひらまさ)の家事代行をすることになった森山みくり。割り切った関係がお互い心地良く、2人は家事業務をおこなう就職としての結婚に踏み切ります。事務的な生活をおこなう2人ですが、やがて本当の気持ちが芽生えて……というのがおおまかなあらすじです。

本作は新しいスタイルの家族や恋愛のかたちを問う物語として大ヒットしました。星野源が歌うエンディングテーマと合わせて、社会現象にもなったので記憶に残っている方も多いでしょう。

星野源が演じた平匡は、36歳まで誰とも付き合ったことがなく、几帳面で真面目な性格。恋愛相手としては敬遠してしまう女性もいがちの人物を、仕草やセリフの言い回しのコミカルさで軽快に演じ切りました。

テレビドラマの放送が終われば「ロス」と騒がれるほどの話題作となったのは、彼の表現力のたまもの。星野源はそれまでも充分知名度のある役者でしたが、本作の出演で人気を不動のものとしました。2020年6月には、特別編も放送されています。

 

 

ここからは、星野源の出演映画やテレビドラマを、原作とともに紐解いていきます。この作品の原作はこちらでも紹介しています。

 

【映画原作】丸刈りの星野源が印象的な『69 sixty nine』(2004年)

長崎県に住む矢崎剣介は決して裕福とは言えなかったものの、人並み以上の行動力を持つ高校3年生でした。全共闘の熱がまだ残る1969年、少年達は青春のために驚くべき行動に出て行きます。

映画ではバリケードのエピソードがクローズアップされており、星野源は矢崎剣介の学校封鎖に協力する同級生、中村譲役でした。かなり型破りな性格で、眼鏡に丸刈りの容姿と合わせて印象に残っています。

原作は村上龍の青春小説です。古い時代の話ですが、非常にコミカルで今読んでも新しい面白さがあります。文字媒体ならではの楽しさがあるので、映画で知っていてもぜひ1度手に取っていただきたい傑作です。

著者
村上 龍
出版日
2013-06-26

【映画原作】星野源が人付き合いの苦手な侍に『引っ越し大名三千里』(2019年)

1680年頃。越後のお家騒動の責を問われた松平直矩(なおのり)は、姫路から豊後への国替え(領地移管)を命じられました。国替えは「引っ越し奉行」の管轄ですが、数奇な運命を経て、ただの書庫番でしかない片桐春之介がその大役に就くことに。果たして三千里に及ぶ引っ越しは成功するのでしょうか?

2019年に公開された映画では、星野源が主役の片桐春之介を演じました。片桐春之介は読書家で知識はあるものの、引きこもり侍と揶揄されるほど人付き合いのできない人物。彼がいかにして人と関わり、困難を乗り越えていくかも見所でした。

原作は史実をモチーフにした歴史小説です。しかし全編コメディタッチとなっており、カジュアルな文体と相まって非常に読みやすいです。江戸時代に興味はあるけれど、なかなか手を出せないという方にうってつけでしょう。

原作の詳細が気になった方は、こちらの記事もご覧ください。

<『引っ越し大名三千里』面白さをネタバレ解説!あらすじ、登場人物、結末……>

著者
土橋章宏
出版日
2016-05-12

【映画原作】星野源と小栗旬が昭和の未解決事件に挑戦『罪の声』(2020年)

仕立屋を営む曽根俊也はある時、父親の遺品から奇妙なカセットテープとノートを見つけます。それらの中身は、30年前に起きた「ギンガ萬堂事件」との関連を窺わせるものでした。昭和最大の未解決事件に挑むサスペンスミステリー。

星野源は事件の鍵を握る、曽根俊也役です。自身の朧気な記憶と遺品を頼りに、父親と事件の関係を探る重要人物。まもなく後悔される映画では、もう1人の主人公、小栗旬演じる阿久津英士とともに活躍が期待されます。

原作は山田風太郎賞なども受賞した極上のミステリーです。フィクションではありますが、実際の事件「グリコ森永事件」をベースとしており、非常に読みごたえがあります。

原作の詳細が気になった方は、こちらの記事もご覧ください。

<『罪の声』に見る、昭和最大の未解決事件の真相?映画化らしいが、原作がすごい>

著者
塩田 武士
出版日
2016-08-03

星野源はアニメ作品の声優も多くこなしています。そんな劇場アニメ作品の原作も3作紹介していきます。

【映画原作】立川在住のブッダの声を担当『聖☆おにいさん』(2013年)

東京立川のとあるアパートに、奇妙な存在感を放つ男性が2人住んでいました。慎ましい生活ながら、なぜか奇跡に溢れた日常……実は彼らこそ、世界的宗教の祖たるイエス・キリストとブッダその人だったのです。
 

星野源が出演したのは2012年、2013年に発売されたOVA版。ブッダの声を当てました。ブッダは作中1番の常識人でツッコミ役ながら、暴走すると怖いキャラ。

キリストとブッダがなぜか下界で同居するという、宗教に絡んだゆるゆる日常コメディ。おカタい宗教をモチーフとしたハチャメチャな設定がウケて、何度か映像化されています。宗教にまつわる元ネタを知らなくても楽しめる傑作です。

原作の詳細が気になった方は、こちらの記事もご覧ください。

<漫画『聖☆おにいさん』25人のキャラと魅力をガチ語り。14巻ネタバレ注意>

著者
中村 光
出版日
2008-01-23

【映画原作】原作に忠実!腐れ大学生を声で表現『夜は短し歩けよ乙女』(2017年)

主人公「先輩」は、自身が理想とする「黒髪の乙女」と懇意になることを狙う不届きな大学生。京都の大学生活と各種イベントを通じて、不思議体験をしつつ「先輩」は乙女に接近していきます。

原作は気鋭・森見登美彦の描く、ファンタジックな青春小説です。現代日本ながらどこかレトロな雰囲気と、妙にリアルな京都の描写が魅力的。星野源はアニメ映画にて主演し、原作どおりの「先輩」の腐れ大学生っぷりを見事に演じました。

本作は森見登美彦の軽妙な語り口に味があるので、映画視聴済みの方でも一読するのをオススメします。原作の詳細が気になった方は、こちらの記事もご覧ください。

<電線読書【第1回】夜は短し歩けよ乙女>

著者
森見 登美彦
出版日
2008-12-25

【映画原作】監督・細田守の書き下ろし小説もおすすめ『未来のミライ』(2018年)

普通の夫婦の家に生まれた男の子「くんちゃん」。彼は4歳の時に妹が生まれ、家族に相手してもらえなくりました。不満を募らせた彼は、中庭で不思議な体験をするようになります。成長した妹、昔のお母さん……ちょっと時間のズレた家族との出会いから、くんちゃんは成長していくのでした。

星野源は一家を支える大黒柱、お父さん役です。仕事と育児を両立するという、頑張る父親像を熱演しました。

原作は『時をかける少女』で一躍有名になった、細田守のオリジナル作品。小説版にはアニメ映画にはない心理描写がいくつかあります。不思議なタイムトラベルと家族の絆を描いた感動ストーリーを余さず堪能するためにも、ぜひ小説と映画をセットでお楽しみください。

著者
細田 守
出版日

ここからはテレビドラマの紹介です。

【テレビドラマ原作】知られざる星野源の出演作『時生』(2004年)

不治の病に冒された息子を持つ宮本拓実は、まもなく息を引き取ろうとする我が子に、若い頃の思い出話を始めます。その日暮らししていた宮本拓実の前に、突然現れた少年「トキオ」。彼とともに、行方不明になった恋人・千鶴を探す不思議な日々……。

星野源はテレビドラマの第1話のみに登場する、大久保浩二を演じました。目立った活躍はなかったものの、ブレイク前の活躍を見られる貴重な作品です。

原作はSF小説です。父と息子の繋がり、生まれてきた意味などを軸として描かれる、タイムトラベルもの。ドラマは大胆なアレンジが加わっているため、原作を読むとびっくりするかもしれません。東野圭吾らしい感動的な物語なので、ぜひ原作もチェックしてみてください。

著者
東野 圭吾
出版日
2005-08-12

【テレビドラマ原作】若き日の星野源が石原慎太郎の作品を酷評⁉『弟』(2004年)

石原慎太郎は出先に届いた連絡で、弟が病院に担ぎ込まれたことを知ります。彼の弟は昭和の大スター、石原裕次郎でした。

本作は作家・石原慎太郎による、石原裕次郎を回顧した私小説です。兄だけが知る、在りし日の石原裕次郎。とても貴重な体験談、回想が魅力的です。ひとたび読めば往年の石原裕次郎ファンはもちろん、名前しか聞いたことのない人でも、その魅力の虜になるでしょう。

星野源はテレビドラマ版第2話に登場する、石原慎太郎の同級生を演じました。坊主頭と瓶底メガネが特徴的で、のちの大作家たる石原慎太郎の作品を酷評するとんでもない役でした。

著者
石原 慎太郎
出版日

【テレビドラマ原作】青春時代の残酷な群像劇『眠れる森の死体』(2005年)

主人公の少年エイジは病院の裏にぽっかりと空いた、都会の空白地帯のような空き地に入り浸っていました。何もない白いキャンバスの風景をひたすら写真に撮っていた彼は、2人の少年と病院の患者である少女・あきらと出会います。

テレビドラマは「劇団演技者。」企画の一環で、数話完結の物語をオムニバス形式で放送されました。星野源が出演したのは、原作小説を元にした第8回です。エイジと出会う少年の1人、ヒロミ役でした

大人でもなく、子供でもない微妙な年代の残酷さを描き出した、ややショッキングな作品。1度でも思春期を経験した人なら、共感せずにはいられない不思議な小説です。青春を追体験したい方にオススメ。

著者
古城十忍
出版日

【テレビドラマ原作】絶対音感を活かして活躍!『アキハバラ@DEEP』(2006年)

社会に爪弾きにされ、細々と生きていた5人のオタク達。彼らはある時、コスプレ喫茶で働く武闘派美少女アキラと出会いました。アキラに率いられたオタク達は、画期的なAIを生み出すものの、その価値に気づいた巨大IT企業に目を付けられてしまいます。

主要人物の大半は、なんらかのコンプレックスか病気を抱えています。星野源が演じたタイコは、金属アレルギーと光の点滅で発作が起きる持病持ちでした。絶対音感の持ち主でもあり、メンバーの中では音楽関係を担当しています。

劣等感を抱えたオタクと企業の知られざる暗闘が痛快で、オタク達の青春小説としても面白い作品です。日常生活に抑うつを感じる人ほど、共感して楽しめる内容となっています。

著者
石田 衣良
出版日

【テレビドラマ原作】大人の恋愛が短編で楽しめる小説『風味絶佳』(2006年)

主人公は高校生の志郎という青年。彼は進学の意義を見つけられないまま、漫然とガソリンスタンドで働いていました。ある時、志郎は偶然知り合った乃里子に恋をしますが、彼女にはまだ元カレへの想いが残っていました。

片想い、禁断の恋、恋多き男……などなど、本作は恋にまつわるほろ苦い人生が詰まった短編ラブストーリーです。大人の恋愛がメインになっているため、一般小説ながら絶妙なエロティシズムを楽しめるのが魅力。

テレビドラマ『もうひとつのシュガー&スパイス』は映画のスピンオフの形で制作されました。星野源はテレビドラマ第4話に登場する小山成司。主人公のために飲み会をセッティングする、気の利く青年役でした。

著者
(日)山田咏美
出版日

【テレビドラマ原作】主人公を東京に染めていく同級生役『東京タワー ~オカンとボクと、時々、オトン~』(2007年)

高度成長期の中頃、両親の別居によって「オカン」の実家に暮らすことになった「ボク」。成長した彼は上京後、一時期自堕落な生活をするも、都内にオフィスを構えるくらいの成功を収めました。やがて母親のガンを知ったボクは、オカンを呼び寄せて東京で暮らし始めます。

星野源は連続ドラマ版に出演しました。澤田玉夫という役で、主人公が上京した後に通う大学の同級生でした

原作はリリー・フランキーの体験談を元にした自伝的小説です。母親と過ごした半生が切々と綴られており、実体験だからこそのリアリティで人々を感動させました。終盤の展開は本当に涙なくしては読めません。一人暮らしをされている方は、本作を読んでたまには実家に帰ってみるのもいいのではないでしょうか。

著者
リリー・フランキー
出版日
2010-06-29

【テレビドラマ原作】女性にメロメロなダメ刑事『探偵学園Q』(2007年)

主人公の連城究はかつて自分を助けてくれた探偵に憧れて、名探偵になるべく探偵養成学校に入学しました。特別なQクラスに所属することになった彼は、一癖も二癖もある仲間とともに、難事件へと挑んでいきます。

星野源は2007年のテレビドラマ版主要キャストの1人です。ドラマオリジナルの猫田刑事役。東大卒の優秀なキャリア警察ながらヒロイン美南恵の姉、茜に惹かれており、捜査情報などを漏らしてしまうちょっと残念なイケメンでした。

原作漫画は『金田一少年の事件簿』で有名な作者の作品で、本作はエンタメ性に優れたミステリーとして好評を博しました。学園モノとミステリーの醍醐味を同時に楽しめるので、目新しい作品を探している方にオススメ。

著者
さとう ふみや
出版日
2001-09-17

【テレビドラマ原作】星野源が芸人や演劇人らと共演!『去年ルノアールで』(2007年)

「私」が日課のように訪れる「喫茶室ルノアール」には、さまざまな客がやってきました。「私」は暇潰しで客や店員を観察し、勝手気ままに妄想を行い、現実とかけ離れたとんでもない世界を構築していきます。

星野源はテレビドラマ版の主演を務め、毎回ストーリーテラーのような立ち位置で存在感を放ちました。

本作はフィクションであり、同時にノンフィクションでもある不思議な作品です。喫茶店での人間観察を元にしたエッセイにもかかわらず、突拍子もない展開になるのが非常に愉快。1エピソードが数ページで終わるので、手軽に非日常を感じたい方にオススメです。

著者
せきしろ
出版日

【テレビドラマ原作】星野源が朝ドラに出演『ゲゲゲの女房』(2010年)

現在の島根県安来市で生まれた作者の武良布枝。高等女学校卒業後、良縁に恵まれなかった彼女の下へ、1961年にある見合い話がやってきます。相手の名前は武良茂。のちに妖怪漫画家・水木しげるとして名を馳せる青年へと、武良布枝は嫁いでいきます。

星野源はテレビドラマ版で名前の変わった主人公、飯田布美枝の弟である貴司を演じました。兄弟の中ではもっとも飯田布美枝と仲がよく、姉のアドバイスで結婚などもしています。

水木しげると言えば、誰もがよく知る有名な漫画家。その知られざる半生が伴侶・武良布枝の視点から、売れる前の事情や売れっ子漫画家時代など、現在にいたるすべてが網羅されています。戦前戦後を経験した熟年夫婦の生活感が素晴らしく、水木しげるファンでなくとも楽しめるでしょう。

著者
武良 布枝
出版日

【テレビドラマ原作】故人として登場人物らを見守る星野源『昨夜のカレー、明日のパン』(2014年)

若くして夫に先立たれた寺山徹子は、夫の父親で義父に当たる連太郎と今でも同居中。夫・一樹が亡くなって7年経っても、家族の関係に変化はありませんでした。新しい恋人の岩井さんや隣家の小田宝など、周囲との関わりを通じて、寺山徹子らは少しずつ夫の死を受け入れていきます。

星野源は亡くなった夫、一樹役でした。一樹は本編開始時点ですでに故人ですが、登場人物の回想や寺山徹子を見守る霊として登場します。

最愛の人に先立たれても、日常は続いてしまう。本作は遺された家族が感じるそういった悲哀と、少しずつ感傷を乗り越えていく暖かさが魅力的な作品です。何気ない幸せを噛み締められる傑作。

著者
木皿 泉
出版日
2016-01-07

【テレビドラマ原作】星野源自身が演じた人物の成長を感じた『コウノドリ』(2015年)

ミステリアスな産婦人科医の鴻鳥サクラ。人が1人生まれる産婦人科には、想像以上のドラマが満ち溢れています。望まれた幸福な誕生だけでなく、悲痛な別れや中絶なども日常茶飯事。妊婦を中心とした、命のやりとりが描かれます。

星野源が演じたのは、鴻鳥サクラの同僚・四宮春樹。冷たい態度の非情な人物に見えますが、実は情に厚く、患者の命を誰よりも考える医師です。

本作はフィクションながらリアリティ溢れるストーリー、迫真の展開が人を引きつける医療漫画となっています。医学的にも非常に説得力があり、読みごたえ抜群。人間ドラマ、医療ドラマとしても完成度が高い作品です。

原作の詳細が気になった方は、こちらの記事もご覧ください。

<漫画『コウノドリ』に感動!泣けるエピソードを最新24巻までネタバレ紹介!>

著者
鈴ノ木 ユウ
出版日
2013-06-21

【テレビドラマ原作】星野源の代表作!『逃げるは恥だが役に立つ』(2016年)

派遣切りで無職になってしまった森山みくり。彼女は父親の紹介で津崎平匡の家事代行をおこなうことになります。意外と心地よい距離感だったことから、森山みくりの提案で2人は家事代行をメインとした契約結婚に踏み切りました。彼らは最初、事務的な関係だったものの、段々と本当の恋愛へと発展していきます。

星野源はテレビドラマで津崎平匡役でした。高学歴ハイスペックながら、人付き合いの苦手な青年を見事に演じられました。

恋愛ありきの結婚ではなく、お互いのメリットの合致からスタートした結婚生活という前代未聞のラブコメ。非婚晩婚が進む昨今、本作の結婚観は大きな反響を呼びました。テレビドラマは大きく改変されていませんが、原作には漫画ならではの微妙な表現があるので、ドラマファンなら原作も必見です。

著者
海野 つなみ
出版日
2013-06-13

【テレビドラマ原作】自暴自棄になってしまった主人公を星野源が演じた『プラージュ』(2017年)

ストレスから覚せい剤に手を出し、職も住居も失った吉村貴生。行くところのない彼は男女3人が住むシェアハウス「プラージュ」に入居し、なぜか住み込みで同名カフェバーの手伝いをすることに。淀んだ生活とは一転して、毎夜どんちゃん騒ぎの新生活が始まります。

星野源は主人公・吉村貴生を演じました。吉村貴生は過労の自暴自棄とはいえ、人生を棒に振ってしまった駄目人間。しかしシェアハウスの経験を通して、徐々に更正していくのが見所。

一見するとコメディタッチの人間ドラマですが、住人それぞれに事情を抱えており、闇や悲哀を感じさせます。7年前に起きた殺人事件の真犯人が混じっていることも示唆され、読んでいるとかなり緊迫感を覚えます。おのおのの過去が明かされた時、きっと不思議な感動に包まれるでしょう。

著者
誉田 哲也
出版日

【出演作品一覧】星野源の出演映画・テレビドラマには知られざる名作も

【映画】

『69 sixty nine』(2004年) 原作『69 sixty nine』

『ノン子36歳』(2008年)

『少年メリケンサック』(2009年)

『箱入り息子の恋』(2013年)

『地獄でなぜ悪い』(2013年)

『ラブ&ピース』(2015年)

『引っ越し大名!』(2019年) 原作『引っ越し大名三千里』

『罪の声』(2020年) 原作『罪の声』


 

【劇場アニメ】

『聖☆おにいさん』(2013年) 原作『聖☆おにいさん』

『ちえりとチェリー』(2016年)

『夜は短し歩けよ乙女』(2017年) 原作『夜は短し歩けよ乙女』

『未来のミライ』(2018年) 原作『未来のミライ』

 

【テレビドラマ】

『WATER BOYS』(2003年)

『マンハッタンラブストーリー』 第6話(2003年)

『ドールハウス』 第3話(2004年)

『女達の罪と罰』(2004年)

『離婚弁護士』 第2話(2004年)

『トキオ 父への伝言』 第1話(2004年) 原作『時生』

『弟』 第2話(2004年) 原作『弟』

『優しい時間』 第3話(2005年)

『劇団演技者。「眠れる森の死体」』(2005年) 原作『眠れる森の死体』

『タイガー&ドラゴン』(2005年)

『タイガー&ドラゴン』(2005年)

『アキハバラ@DEEP』(2006年) 原作『アキハバラ@DEEP』

『もうひとつのシュガー&スパイス』 第4話「片思いの彼編」(2006年) 原作『風味絶佳』

『東京タワー 〜オカンとボクと、時々、オトン〜』 第2話 - 第4話(2007年) 原作『東京タワー 〜オカンとボクと、時々、オトン〜』

『探偵学園Q』(2007年) 原作『探偵学園Q』

『去年ルノアールで』(2007年) 原作『去年ルノアールで』

『未来講師めぐる』(2008年)

『週刊真木よう子「蝶々のままで」』(2008年)

『ゴーストフレンズ』 第5話(2009年)

『ゲゲゲの女房』(2010年) 原案『ゲゲゲの女房』

『祝女〜shukujo〜 シーズン2』(2010年)

『私が初めて創ったドラマ -怪獣を呼ぶ男-』(2010年)

『11人もいる!』(2011年)

『昨夜のカレー、明日のパン』(2014年) 原作『昨夜のカレー、明日のパン』

『紅白が生まれた日』(2015年)

『コウノドリ』第1シリーズ(2015年) 原作『コウノドリ』

『コウノドリ』第2シリーズ(2017年)

『第2シリーズ』(2017年)

『傑作選』(2020年)

『真田丸』(2016年)

『逃げるは恥だが役に立つ』(2016年) 原作『逃げるは恥だが役に立つ』

『プラージュ〜訳ありばかりのシェアハウス〜』(2017年) 原作『プラージュ』

『いだてん〜東京オリムピック噺〜』(2019年)

『MIU404』(2020年) 

いかがでしたか? 星野源が出演した作品をあらためて見返すと、新しい価値観や人生を見直す意味を提示するような名作や傑作ばかりです。それらの作品を余さず楽しむには、やはり原作にも触れるのが1番。ぜひこの記事をきっかけとして、原作の魅力も知ってください。

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