更新が少し空いてしまいました。槙田です。あけましておめでとうございます!昨年12月は写真展をやったり、主演舞台があったり、今年を締めくくるのに最高すぎるくらい充実してました。今これを書いているのは年末ですが、皆様2017年もたくさんの本と出会い、幸せな1年にしましょう!12月はバタバタしていて新たに本があまり読めなかったので、大掃除で目に止まった過去に読んだお気に入りの本を紹介したいと思います!
- 著者
- 中村 文則
- 出版日
- 2016-04-12
ライターの「僕」が、ある猟奇的殺人事件の被告の面会に行く。彼は二人の女性を殺した罪で死刑判決を受けていた。調べていくうちに、事件に関係者が全員どこか歪んでいることを異様に感じる。「僕」は事件を解決しようとしているはずなのに、この事件に翻弄されていく。という話。
被告人である木原坂はアート家カメラマンとして高い評価を受けていた、無数の蝶が乱れ舞う写真で海外のある賞を受賞するが、これを評したロシアの写真家は、この写真に対し「真の欲望は隠される」と述べる。
私は、芸術のことはよくわかりませんが、この本の大きなテーマは「芸術家の狂気」だと思いました。芸術家の方って、変わった人が多い印象を受けますが、それはなぜかというと、一見普通に見えて、うちに秘めた強い何かを作品にぶつけているように見えるからです。
この本ではまさにそのうちに秘めた強い何かが描かれているように思いました。人間の中身を覗いているような感覚になれる一冊です。最後はびっくり!!!
- 著者
- 本谷 有希子
- 出版日
- 2007-05-15
自分は絶対に人と違う。特別な人間だ。と主張し続ける姉・澄伽が、女優を目指して上京していたが、両親の訃報を受けて故郷に帰ってくる。その日から澄伽による妹清深への復讐が始まる。
この作品は小説を読む前に映画を見ました、当時高校生だった私は本当に衝撃を受けました(笑)。まず、こんな狂った女がいるのかと(笑)。
私も少し大人になって小説を読みましたが、いますね、こういう女(笑)。
にしても内容はヘビーです。イジメもあるし、人はどんどん死んでいくし、でも読んでいて飽きる瞬間が本当にないです。ラストには人間の残酷さを見ることができます。えげつない話ですが、ヘビーなのが好きな方は是非!
- 著者
- 又吉 直樹
- 出版日
- 2015-03-11
売れない芸人・徳永は、熱海の花火大会で、先輩芸人・神谷と電撃的な出会いを果たす。徳永は神谷の弟子になることを志願すると、「俺の伝記を書く」という条件で受け入れられた。奇想の天才でありながら、人間味に溢れる神谷に徳永は惹かれていき、神谷もまた徳永に心を開いていく。
ピースの又吉さんの小説。知らない人はいないくらい大ヒットした小説です。
普段なら手に取らないようなジャンルのお話だったけど、やっぱり気になって読んだ。笑って泣けた。最後は面白いはずなのにどうしようもなく切なくて、登場人物全員を愛おしいと思える作品だと思います。映画を見てるとよくこの感覚になるんだけど、小説ではなかなかないのでびっくりしました。
なんで人間てこんなに脆くてキラキラしてるんだろうって思う一冊。