衝撃の結末に驚愕
- 著者
- 荻原 浩
- 出版日
- 2006-02-28
衝撃のラストとはまさにこのこと!……と、早速いろいろ書きたくなるほどに面白かった作品。
ただ、こちらも予備知識のない状態で読んで頂きたいので、トリックに関してはあまり触れずに紹介しまーす!
“レインマンが出没して、女のコの足首を切っちゃうんだ。でもね、ミリエルをつけてると狙われないんだって”
香水の新ブランド・ミリエルを売り出すために考えられたこの噂。
口コミを利用して大ヒットを飛ばすが、やがて噂は現実のものとなり、足首のない少女の遺体が発見されます。
そして迎える衝撃の結末とは……。
警察小説でもある今作は、2人の刑事を中心に展開していきます。
主人公は、若者事情にめっぽう弱い中年刑事・小暮。その相方を務めるは、本庁からやってきた女性刑事・名島。
事件直後はお互いに様子見の状態ですが、捜査が進むにつれ息が合い始める2人。
読んでいて気持ちのいいコンビでございます。
とにかく面白い今作ですが、下調べは厳禁。何も知らない状態で読み始めることをおすすめしまーす! ちなみに、この作品は発売から10年以上経っているため、ちょいと時代を感じてしまうかもしれません。。
フィーチャーフォン(いわゆるガラケー)が発売された頃の話のため……。ん?……もしや、……もしや、……今の若い子って、ガラケーのこと知らないのかしら……。ガタガタブルブル。
ホラーとミステリーの融合
- 著者
- 綾辻 行人
- 出版日
- 2011-04-23
ホラーとミステリーが融合した異色の短編集!
精神病院を舞台とする三編が収録されており、精神病患者が語り手となって進行していきます。
ズバリ、かなーり不気味な世界観でございます。
ホラーというよりサイコに近い印象。一般的な推理小説とはだいぶイメージが異なります。
著者・綾辻行人さんの作品の中でも、かなり異質な存在といえるかもしれません。
三編とも「なんてこった……」と呟いてしまいそうな結末を迎えます。恐らく、他の作品では感じられない異様な読後感を味わうことになるでしょう。
どんな結末かは読んでからのお楽しみ。ふっふふぅー!
犯人だけでなく被害者の正体すら分からない
- 著者
- 西澤 保彦
- 出版日
予想外の結末を迎える本格ミステリー!
厳格な家庭で育てられた箱入り娘・ハコちゃんこと浜口美緒は、両親の目を盗んで大学の仲間と飲み会へ。
早めに切り上げて帰宅すると、なんと彼女の部屋に見知らぬ女性の死体が……。
しかもタイミングの悪いことに、その日は両親に頼み込んでやっとこぎつけたアメリカ旅行の前夜。
このままでは旅行が中止になってしまう!と焦った彼女は、先ほど一緒に飲んでいたメンバーを招集。
死体をどこかへ捨ててきてと懇願します。しかし、この処置が後の大事件へと発展してしまい……。というお話。
今作の面白いところは、その設定にあります。
一般的なミステリーにおいて、犯人の正体が分からないというのはごく普通のこと。
しかし今作においては、犯人だけでなく被害者の正体すら分からないという不思議な状況。こりゃ珍しい。じゃ一体この死体は誰なのよ!ってのが今作のミソというわけでございます。
全体的にコミカルに描かれているため、ミステリーをあまり読まないって方にもおすすめの一冊。終盤のどんでん返しも読み応え抜群!
ちなみに今作はシリーズ物となっているので、気になった方はぜひ他の作品も読んでみてくださいまし。