【連載初回】パンプキンポテトフライ谷拓哉の「本飲み がぶがぶがぶがぶ本」/好きな表現の話

更新:2022.4.20

今年早くも「M-1グランプリ」ほかのお笑い賞レースで活躍が期待される漫才師、パンプキンポテトフライ。ツッコミ・ネタ作りを担当する谷拓哉さんによる書評コラム連載がスタートです!

パンプキンポテトフライはホリプロコム所属、結成9年目(2022年現在)の漫才師。東京の若手ライブシーンの筆頭最注目株だが、2021年にはABCお笑い新人グランプリの決勝に進出にくわえてM-1グランプリでも準々決勝にコマを進めたことで全国的な人気も獲得。「次になにが飛び出すんだろう?」と思わせるボケに、一度聴いたら忘れられない声でワードセンスの光るツッコミを重ねる漫才の魅力に憑りつかれる人が続出している。さらば青春の光・森田やスーパーマラドーナといった芸人に留まらず、俳優の渡邊圭祐など著名人のファンも多数。 谷はツッコミ、ネタ作りを担当。作家・池永陽が好きと公言していることから今回当コラムを快諾。自身のYouTubeチャンネル『パンプキンポテトフライの宇宙人いらっしゃいチャンネル』の他、「港区家賃3万7千円男」岡田康太によるチャンネル『岡田を追え!!』や吉本興業所属の人気若手漫才師9番街レトロ京極風斗とのチャンネル『谷くん京極くんch』でも活躍を見せ、誰からも愛される人柄であることが伺える。関連検索ワードに「ヒモ」と出てきてしまうのも、そんな人柄ゆえ。趣味はパチンコ、犬、ファッション。タバコはいわく「めっちゃ趣味」。家に帰る途中にいつも同じコンビニで同じお酒を買って帰るほどのお酒好きでもある。 1992年生まれ、兵庫県出身。2013年に高校時代の同級生・山名大貴に誘われてパンプキンポテトフライを結成。
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ストーン、キュイ、ポン

はじめまして、パンプキンポテトフライの谷と申します。お願いしますー

最初なんで自己紹介をさせていただきますね。

えー、お酒とタバコとギャンブルが好きです。本はその次くらいですね。そんな感じです

 

では早速、本の話。

池永陽さん、愛してます。

まずこれだけは言わないと始まらないんで。

池永陽さんの『コンビニ・ララバイ』を読んだんですよ。もちろん読んだことがあったんですけど、もっかい読みました。

やっぱり最高でした。

この作品はミユキマートというちっさいコンビニを舞台に、そこで起こるさまざまな人間模様が描かれています。

恋愛もあって、死もあり、ヤクザもでてきて、裏切りもあります。

言わばよくあるやつなんですけど、よくあるやつでこんなに引き込まれて夢中になれるところが

魅力だと思います。

僕はもちろん本を書いたことがないので細かいことはわかりません。ただ普段漫才を見ている時でいうと、「ベタな設定」なのに展開や言い回しで唯一無二なものになっているネタと近いものを感じました。

わかりにくいですね

たとえば「コンビニ店員やりたいからお前客として来てみて」っていう漫才の始まりをされたら、その時点で僕はそんなにわくわくしません。でも見ている間に、あれ?これって「コンビニ店員やりたいからお前客として来てみて」で始まった漫才やったよな?ってなってる感覚です。

ドツボですね、伝えんのむず

ええと、「この雑誌あたためてください」とかは出てこないってことですね。そういうことです

著者
池永 陽
出版日

好きな表現の話させてほしいんでさせてもらいます

本作中に"賑やかだけど乾いている"という表現がでてきます。コンビニのことです。

ちょうどめちゃめちゃかっこいいですよね。

なんかストーン、キュイ、ポンって感じですよね、天才ぽく言うと。

この"賑やかだけど乾いている"っていう表現はコンビニの説明としてすごく理解も納得もできて気持ちよく感じました。

コンビニ自体に行きたくて行く人っていないですもんね。コンビニに置いてある商品が欲しくてコンビニに行きますもんね。それがなければコンビニ行かないですもんね。商品を買いに行きたいわけで、コンビニという建物に行きたいわけじゃないですもんね。

"好きな貧乏女の子の家"の逆版ですね。

"好きな貧乏女の子の家"は寂しいけど潤ってますもんね。

いいこと言うた

 

まあそんなことで、僕はコンビニの店員さんは態度悪いくらいでいいと思います。

本人より画像提供

 


この連載は全6回、毎月最終金曜日に更新予定です。更新のお知らせはホンシェルジュTwitter、ご感想は#がぶがぶがぶがぶ本でどうぞ。

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