『ヒマチの嬢王』カリスマキャバ嬢から学ぶ!できる上司の考え方とは?

更新:2023.3.6

『ヒマチの嬢王』は歌舞伎町元No.1キャバ嬢のアヤネが田舎のキャバクラを全国一位の人気店へと成長させていく物語です。 この作品では全国1位を目指して大勢の部下を動かしていくアヤネも姿から、「できる上司の考え方」学ぶことができるのです。 特に部下との関係に悩んでいる人にとって、アヤネの考え方は参考になる部分が多いでしょう。

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あらすじ

主人公アヤネは歌舞伎町元 No1キャバ嬢。都会の生活に疲れたアヤネは鳥取県米子市の実家に戻りダラダラ生活していました。

ひょんなことから同級生が経営しているキャバクラの店長となり、元No1キャバ嬢の知識を使ってお店をどんどんと盛り上げていきます。

ライバル店の出現や役所からの営業停止命令などのいろいろな困難がありながらも、機転とカリスマ性を活かして逆境を跳ね返しながら、全国一位の人気店を目指していくストーリーです。

舞台はキャバクラですが、プロとして真摯にお客さんに向き合うアヤネとキャスト達の成長に引き込まれてしまう作品となっています。

著者
茅原 クレセ
出版日
2018-11-19

アヤネの上司像①ついて行きたくなるリーダーシップ

ヤネは上司として必要不可欠な要素である、『目標を確実に達成させるリーダーシップ』を持っています。

アヤネは「全国一位」という大きな目標を達成するために、下記の三つのポイントを意識してリーダーシップを発揮していきます。

・目標が達成可能であることを示す

・目標を達成るするとどんなメリットがあるのかを伝える

・目標達成のために強制や罰則はしない

目標が達成可能であることを示す

人は目標があまりにも遠すぎるとやる気がでなくなるもの。

人口の少ない鳥取県で全国一位を目指すことは、いくらアヤネがいたとしても難しいと誰もが感じることでしょう。

しかし、アヤネは達成可能である理由をキャストやボーイに説明します。

出典:『ヒマチの嬢王』1巻

東京成人10万人あたりで換算すると、キャバクラは約60店舗あるらしいわ。

一方鳥取県は・・・

10万人あたり・・・

なんと!たったの8店舗!

東京の7.5倍はチャンスがあるということになるわ!

(『ヒマチの嬢王』1巻から引用)

さらに鳥取に初めてできたスタバでは長蛇の列ができるほど人気になるほどだから、全体数が少ない場所でも1店舗に需要が集中する、といった補足も付け加えます。

人口の少ない鳥取でも、全国にあるキャバクラ店に勝てるということを伝えるのです。

このように目標が達成できる理由を示すことで、お店のスタッフのモチベーションを上げていく方法はすぐにでも試せるかと思います。

目標を達成るするとどんなメリットがあるのかを伝える

アヤネは「全国一位」を達成すると、お店だけでなくキャストにもメリットがあることを伝えます。

そうすることによって、お店の目標を達成すると自分自身の目標も達成できることを理解させ、やる気をどんどん引き出していくのです。

作中でアヤネはキャスト対して、キャバ嬢ほど給与が変動する職業はそうそうなく、自分の頑張り次第で今の生活をガラリと変えることができると説明します。

出典:『ヒマチの嬢王』1巻

全国一位のお店になれば、自分の給料も跳ね上がるということです。

「田舎のキャバ嬢なんてお小遣い程度しか稼げない」と思っていたキャストたちは、あらためてチャンスがあることを理解し、目の色を変えていきます。

会社や組織の目標を達成すると部下達にどんなメリットがあるのかを示すことで、全体の目標を自分の目標と捉え、大きなパフォーマンスを引き出すことができるのです。

ノルマや罰則は作らない

キャバクラではノルマや遅刻による罰金を科せられるのが一般的です。しかし、アヤネは罰則、ノルマは全て撤廃してしまうのです。

アヤネは目標達成を強制させると、「●●したくないから頑張ろう」というマイナスなエネルギーを生み出してしまうことを知っています。

アヤネはノルマや罰則ではなく、プロとしての強い自覚を持ってもらうことで、「プロとして人前で最善のパフォーマンスをするために、どんなことをしていけばいいのか」自分で考えるように促します。

出典:『ヒマチの嬢王』1巻

「一流のキャバ嬢になりたい」「お客さんを楽しませたい」という前向きな目標を持たせると、プラスのエネルギーが出て継続的に成果が出るようになるのです。

このように明確な目標を打ち立て「自分達にとってどんな幸せな未来が待っているのか」を示し、さらにノルマや罰金といった強制力ではなく、キャストが自分からやりたいという気持ちを起こすアヤネのリーダーシップ術は、すぐに実際の社会でも役立ちそうなものばかりです。

アヤネの上司像②部下の失敗やコンプレックスを受け止める

部下の中には失敗を引きずっていたり、コンプレックスによって積極的に仕事に取り組めない人もいるのではないでしょうか。

そんな人にやる気を出してもらうヒントをアヤネから学ぶことができます。

大学生のハザマはボーイとしてアヤネの店で働き始めます。めちゃくちゃ仕事ができるため、アヤネやキャストからも一目置かれる存在でした。

しかし、アヤネが出張に行っている間、ハザマは突然お客さんのボトル入れ替えたり、お客さん同士の喧嘩を引き起こして、店内をパニックに陥れてしまうのです。

ギリギリのところでアヤネが戻ってきて事態を納め、なんとかお店を立て直します。

アヤネはハザマになぜ、このようなことをしたのか、腹を割って話をしていきます。

どうやらハザマはアヤネの考え方や人間としての魅力に憧れを抱いており、「店で働けば毎日アヤネと会うことができる」という動機でボーイになったようです。

ところが、アヤネが一週間出張に行ってしまい会うことができないことに癇癪を起こしたハザマは、自分が店を荒らせばアヤネも戻ってくると考えて今回の騒動を起こしたと説明しました。

ハザマは自分自身が異常な考え方を持っていることを自覚しており、それがコンプレックスであることもアヤネに伝えます。

全てを告白したハザマはクビを覚悟するのですが、アヤネは引き続きハザマを雇うことを宣言します。

出典:『ヒマチの嬢王』8巻

アヤネは優秀な人間を一回のミスで即クビにするのはコスパが悪いし、ハザマのコンプレックスを知ったことによって、むしろ扱い方がわかったと伝えるのです。

ハザマのミスを許し、本人のコンプレックスを受け止めて逆に勇気づけていくのです。

実際に部下の中には大きなコンプレックスを持っていたり、ミスを引きずっている人もいるはずです。

そんな人に対して部下のミスやコンプレックスを受け止め、それを踏まえて前向きな方向に引っ張っていくアヤネの言動は参考になるはずです。

部下の不安や欠点をしっかり認めた上で「それでも大丈夫」と言ってあげることで大きな信頼を勝ち取ることができるでしょう。

アヤネの上司像③適切なポジションを与えて、自信を持たせる

できる上司は部下の能力に合わせたポジションを与え、自信を持たせることができます。

作中でも、アヤネはサナというキャストに様々なポジションを与えて大活躍させます。

地下アイドルをしているサナは、整形費用を稼ぐためにアヤネの店で働き始めます。

最初はキャバクラの仕事を見下しながら、適当に接客をしていたものの、アヤネのアドバイスによってプロの自覚を持ち始め、人気キャバ嬢として大活躍。

目標金額を稼ぎ終えたサナはお店を辞め、再びアイドル活動に専念します。

しかし、整形してアイドル活動を再開したものの、中々結果が出ずにまたアヤネの店に戻ってきました。

アイドル活動の不振によって、やる気を無くしていたサナは客にも愛想のない態度で接客をしてしまいます。

それを見兼ねたアヤネはイベント企画のアイデア出しやキャストの取りまとめをする役割を与えるのです。

出典:『ヒマチの嬢王』6巻

サナはキャストがいくつかのアイドルグループに別れてダンスや歌を競う企画を考え、様々な準備を行います。

その企画は大当たりし、人気イベントとなりました。

自信をつけたサナに対して、アヤネはさらにアイドルコンセプトカフェの店長の役割を与えました。

ただし、アイドルを辞めて店長に専念するという条件付きです。

サナはアイドルをやり続けるか、それとも新しい道に進むのか悩みますが、店長をすることを選択。アヤネの期待に応えるかのように、カフェも繁盛させて大きな自信をつけたのです。

このように、部下の適性に合った役割を与えてどんどん自信をつけさせるアヤネのやり方は、部下を育てる上でのヒントになるのではないでしょうか。

簡単にできることではありませんが、得意なことを見抜いて仕事を与える工夫をすれば部下がどんどん積極的に仕事をこなしてくれるようになるはずです。

まとめ

『ヒマチの嬢王』はキャバクラが舞台ですが、アヤネのキャストやボーイに対する振る舞いは、会社で部下を持つ人達にもヒントになることが多いはずです。

アヤネが人を動かすことができる理由はカリスマ性だけではなく、再現性のある知識をうまく使っているからです。

作品のストーリーを楽しみながらアヤネからできる上司としての振る舞いや知識も学んでみてください。

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