わたしは「泣ける」と言われると、急に涙がひっこむ性格です。「泣ける」と付くものは過剰にドラマチックだったりするので、しらけたり、仮に号泣しても(するんかい)、すぐに忘れちゃったりします。わたしにとって悲しいことは、とってもアッサリしています。だから、悲しいです。そんなわたしにとっての「泣ける本」を紹介します。
「いちご」という名前の北欧に住む少女が、ある日故郷を捨て、一度だけ会ったことのある男子高校生と結婚するために、一人で日本を訪れる話です。いちごは初めての日本での生活に戸惑いながら、温かくもちょっとおかしな周りの人たちに助けられ、時に周りの人たちを助けながら、暮らしていきます。
- 著者
- 大島 弓子
- 出版日
「もの」がどんどん消えていく島に住んでいる小説家が主人公の話です。「もの」が消えると、住人たちは別れを惜しみながら「もの」を川に流し、そのうち、その「もの」に関する一切の記憶を失くします。もちろん主人公も例外ではありません。ただ、住人の中には「もの」の記憶をいつまでも失わない住人もいて、彼らは秘密警察に常に狙われています。
- 著者
- 小川 洋子
- 出版日
- 1999-08-10
孤独を孤独とも思わない男、トニー滝谷が、一人の女性と出会うことで初めて孤独を感じる話です。トニー滝谷が愛する女性は、お金がある分だけ洋服を買い続けてしまう女性です。浪費癖のある女性という訳ではなく、素晴らしい洋服を見ると、買わざるを得なくなってしまう性分をもった女性です。その性分のせいで、物語は悲しい結末を迎えます。
- 著者
- 村上 春樹
- 出版日
ひょんなことからマンハッタンのギャングの抗争に巻き込まれてしまう日本人の少年が主人公の話です。ギャングに対抗するグループを率いる天才少年「アッシュ」と知り合い、2人の間に友情が生まれ、お互いなくてはならない存在にまでなった時、物語は唐突に終わります。最初、その唐突なラストシーンを見た時、あまりのことに、「あっ!」と叫んでしまったのを今でも覚えています。
- 著者
- 吉田 秋生
- 出版日
アパート「めぞん一刻」の住人たちが繰り広げるハチャメチャな日常を描いたコメディです。主人公の男子大学生はダメ大学生の見本で、男女問わず、だらだらした青春時代を少しでも過ごした人は、一人残らず主人公に共感してしまうんじゃないでしょうか。
- 著者
- 高橋 留美子
- 出版日
- 2007-04-27
本と音楽
バンドマンやソロ・アーティスト、民族楽器奏者や音楽雑誌編集者など音楽に関連するひとびとが、本好きのコンシェルジュとして、おすすめの本を紹介します。小説に漫画、写真集にビジネス書、自然科学書やスピリチュアル本も。幅広い本と出会えます。インタビューも。