「本もお酒も一期一会」ホリホック書店/本屋遊泳~ブックリウムに会いに行こう~【第5回】

更新:2023.10.19

「書店オリジナルのフェア」を取材を通してお伝えしている本屋遊泳。 今回はフェアという形ではありませんが、ユニークな方法で本の面白さを届けている書店さんを取材しました。 この記事では本屋の中にBARがあるという、ホリホック書店さんを紹介します。

ブックカルテ リンク

書店なのに半分がBAR!?本とお酒好きにたまらない空間

愛知県岡崎市にあるホリホック書店さんは、書店の中にBARがあるとてもユニークなお店です。

もともとは書店のみの運営でしたが、店長の香村さんが「自宅に200本以上あるお酒をお客様と共有したい」という気持ちから、2022年の9月よりBARスペースも開業しました。

10~20時までは書店の店主、20~24時はBARのマスターとしてお出迎えしてくれます。

 

BARも併設されているだけあって、売り場の店長のコーナーにはお酒にまつわる雑誌、小説など、お酒に関わる本がたくさん置かれております。

BARでお酒を飲んだ際は、香村さんから飲んでいるお酒にまつわる本も紹介してもらえるかもしれませんね。

 

SNSで知って来店してくれるお客さんも多いようで、とあるバンドマンがホリホック書店さんを紹介した際は、多数の地元バンドマンの方がお店に集まったそう。

BARと書店が併設されているからこそ発生する本との繋がりも素敵です。取材をしている私自身も、「香村さんにもっとお酒と本のことを聞きたい!」と思いながら、お話をお伺いしておりました。

お酒について勉強したい人や、お酒にまつわる書籍を読みながら語り合いたい人にはたまらない空間となっています。

 

BARに来たお客さんの話を参考にして本をセレクト!

ホリホック書店さんにはお酒にまつわる本だけでなく、業界歴30年以上の香村さんがセレクトした本が並んでいます。

特にユニークなのは、BARに来たお客様から「この本がよかった」という話をヒントに本をセレクトしている点。

人によって感動した部分は違う。その話をたくさん聞いて、どの部分が本を買いに来るお客様につながるのか考えて、伝えていきたい」という思いから、他店で一般的に流通している書籍とは一味違う本を独自に仕入れているそうです。

顔の浮かぶお客様のニーズを読み取って本を仕入れているホリホック書店に行くと、「誰かのリアルな感想や視点に満ちた、深みのある本」に出会えるかもしれません。

また香村さんとお話することで「自分が伝えた本の感想が他の人の本を選ぶきっかけになるかもしれない!」と思うと、BARの方にも足を運びたくなりますね。

 

ここからはホリホック書店の香村さんに伺ったおすすめ書籍をご紹介します。

おすすめ本①『完全版シングルモルトスコッチ大全』

蒸留所の施設やウイスキーのフレーバーが記載されていて、蒸留酒の全てがわかる本となっているのがおすすめの理由です。

ホリホック書店でお客さんにお酒を提供した際に、「今飲んでいるお酒はこんなところで造られたものだよ」と紹介する際にも役立っているそうです。香村さんお気に入りの1冊。

完全版 シングルモルトスコッチ大全

2021/5/18
土屋 守 
小学館

 

おすすめ本②「Whisky Galore(ウイスキーガロア)」Vol.15 2019年8月

ウイスキーについての専門誌「Whisky Galore(ウイスキーガロア)」はどれも香村さんのおすすめ。なかでもスコッチの聖地・アイラ島の全9蒸留所を特集している「Vol.15 2019年8月号」がお気に入りとのこと。

アイラ島は特徴のあるウイスキーを作っている場所なので、ウイスキー好きならぜひ知って読んでほしい内容となっています。

Whisky Galore(ウイスキーガロア)Vol.15 2019年8月号

2019/7/12
土屋守 
ウイスキー文化研究所

 

おすすめ本③『もし僕らのことばがウィスキーであったなら』

ウイスキーの故郷を訪ねた旅を、たくさんの写真とともにつづったエッセイ本。

こちらにも先ほど紹介したアイラ島が登場します。

おすすめ本①~③をあわせて読むことで、ウイスキーの奥深さをしっかり味わうことができるでしょう。

もし僕らのことばがウィスキーであったなら

2002/10/30
村上 春樹
新潮社

 

おすすめ本④『自分の中に毒をもて』

岡本太郎が人生論を語った本。

こちらは香村さんがBARのお客さんから教えてもらったものだそう。作中に登場する名言についての感想を聞き、香村さん自身の考え方を大きく変えられた1冊です。

ホリホック書店を訪れる際は、自分の中に毒をもて』を読んでみて、高村さんに感想を伝えてみるのも面白いかもしれません。

自分の中に毒をもて

2017/12/9
岡本 太郎
青春出版社

 


取材にご協力いただいたホリホック書店の香村さん、ありがとうございました!

ホンシェルジュでは、フェアを紹介させていただける全国の書店様を募集しております。ご興味をお持ちいただけた書店様は、問い合わせからぜひご相談ください。

次回もお楽しみに!

特集

過去の記事はこちらから

本屋を訪れる楽しみの1つが、その本屋さんオリジナルのフェア。ホンシェルジュでは「書店オリジナルのフェア」を「ブックリウム(本で満たされた空間)」と命名し、取材を通してその魅力をお伝えしていきます。

この記事が含まれる特集

  • 本屋遊泳~ブックリウムに会いに行こう~

    ホンシェルジュでは書店オリジナルのフェアを「ブックリウム(本で満たされた空間)」と命名。 本屋さんへの取材を通してフェアのテーマや選書を紹介、アーカイブ化する特集です。 ぜひお気に入りの本屋さんを見つけてください。

  • twitter
  • facebook
  • line
  • hatena
もっと見る もっと見る