ブックファースト新宿店「蔵出し本フェア」/本屋遊泳～ブックリウムに会いに行こう～【第26回】

800点の在庫僅少の本と出会えるフェア

ブックファースト新宿店さんの「蔵出し本フェア」は27の出版社から、一般には出せない在庫僅少の本を集めて紹介しているフェアです。

在庫僅少本は書店やネットで見つけることが難しいのですが、「蔵出し本フェア」では約800点もの貴重な本が並んでいます。

「蔵出し本フェア」は春に実施しているフェアで、今回で13回目の実施となります。毎年恒例のフェアなので、「そろそろ蔵出し本フェアの時期だな」と遠方から足を運んでくださるお客様もおられるそうです。

「蔵出し本フェア」の3つの魅力

「蔵出し本フェア」には実際に行ってみたくなるような3つの魅力がありますので、それぞれ紹介していきます。

・自分で本を探す楽しみを味わえる

・どんな本があるのか行ってみないとわからない

・何度でも足を運びたくなる

自分で本を探す楽しみを味わえる

「蔵出し本フェア」は自分の感覚や勘を頼りに気になる本を探していく過程が一番の魅力です。

通常のフェアであれば表紙が見えるように陳列されたり、ポップをつけたりするなど、おすすめ本が目立つように紹介されています。

しかし、「蔵出し本フェア」では書籍が出版社ごとにすべて差された状態で並べられているだけなので、本の紹介などはされていません。

そのため、背表紙だけを頼りに本を見ていくことになるのですが、一度に様々な情報が目に入ってくるので、本を探すのがとても楽しいです。

実際にフェアの棚を除くと見たことのない言葉や概念に出会うことができますし、「この本はどんな内容が書いてあるのだろう？」と思わず手を伸ばしてしまう本がたくさんあります。

特に「最近読みたい本がなくて困っている」「興味の湧く本がない」という方は、ぜひ「蔵出し本フェア」に足を運んでみてください。きっと読みたい本を見つけることができるでしょう。

どんな本があるのか行ってみないとわからない

「蔵出し本フェア」に並べられている本はジャンルやテーマが絞られている訳ではないので、実際に行ってみないとどんな本が並んでいるのかわかりません。

他のフェアと違って、どんな本が並んでいるのかわからないワクワク感が味わえるのも「蔵出し本フェア」のおすすめポイントです。

何度でも足を運びたくなる面白さがある

別の日にフェアを訪れると違う本が並んでいることもあるので、何度でも足を運びたくなる楽しみもあります。

「蔵出し本フェア」に並んでいる書籍は在庫僅少本なので、同じ本が入荷しない場合もあります。

そうなると別の在庫僅少本が棚に並ぶことになり、訪れるタイミングによって出会える本が変わっていくのです。

一度だけでなく何度でも新しい本と出会えてしまうのも「蔵出し本フェア」の面白いポイントとなっています。

第13回目の「蔵出し本フェア」は2024年6月28日まで開催されています。

最新情報に敏感なビジネスパースンが訪れる書店

ブックファースト新宿店さんに訪れるお客様で最も多いのは男性のビジネスパースンです。

特に新宿という場所柄、新しいテーマやこれから流行しそうなビジネス本を求める人が多く、そのような人たちに向けたフェアや書籍をそろえているのがブックファースト新宿店さんの特徴です。

他にも、高級筆記や革製品など「日ごろから仕事で使うものであればいいものが欲しい」というニーズに応える商品を取り扱っています。

「蔵出し本フェア」以外にも魅力的なフェアが沢山ある！

ブックファースト新宿店さんでは「蔵出し本」フェア以外にも魅力的なイベントやフェアを実施しています。

例えば、200名以上の本の著者におすすめ本を紹介してもらう「名著百選」というフェアがあり、こちらも毎年恒例で多くのお客様が訪れるイベントです。

その他にも春の新入社員に向けた本を選書したフェアも恒例となっていて、「蔵出し本」フェア以外にも魅力的なフェアが実施されています。

フェアの目的が変わってきている

ブックファースト新宿店さんがフェアに力を入れている背景には、フェアの目的が変わってきたことに影響しています。

以前は、書店自体が集客力があり、お客様に来ていただけることが普通でしたので、いかに個性を出し、他書店様との差異化を図り、固定ファンを増やすかが大切でした。

しかし、現在は何もしなくてもお客様が集まる状況ではなく、特にコロナ禍直後は客足がガクッと減ったこともありました。

そのため、「ご来店動機を増やすためのフェア」として様々なフェアを実施し、お店に足を運んでもらうきっかけづくりを行っています。

SNSなどでも頻繁にフェアやイベントの情報が更新されていますので、ぜひご覧ください。

ブックファースト新宿店さんの情報は公式HP、または公式Xから確認できます。

ブックファースト新宿店店長の南口さんからメッセージ

「蔵出し本」フェアは本好きな方からあまり興味がない方も含めて、実際にご来店いただくことで魅力がわかるフェアとなっています。

実際に並んでいる背表紙を眺めると「こんな本があるんだ！」という発見があるので、ぜひお店に足を運んでいただきたいです。

取材にご協力いただいたブックファースト新宿店店長の南口さん、ありがとうございました！

ホンシェルジュでは、フェアを紹介させていただける全国の書店様を募集しております。ご興味をお持ちいただけた書店様は、問い合わせからぜひご相談ください。

次回もお楽しみに！

特集

本屋を訪れる楽しみの1つが、その本屋さんオリジナルのフェア。ホンシェルジュでは「書店オリジナルのフェア」を「ブックリウム（本で満たされた空間）」と命名し、取材を通してその魅力をお伝えしていきます。