大垣書店麻布台ヒルズ店「泉鏡花きのこ文学集成刊行記念フェア」/本屋遊泳~ブックリウムに会いに行こう~【第28回】

更新:2024.7.28

「書店オリジナルのフェア」の取材を通してお伝えしている本屋遊泳。今回は大垣書店麻布台ヒルズ店の「泉鏡花きのこ文学集成刊行記念フェア」について紹介します。 「泉鏡花きのこ文学集成刊行記念フェア」について店長の赤井さんにお話しを伺いました!

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インパクト抜群!きのこづくしのフェア

大垣書店麻布台ヒルズ店では『泉鏡花きのこ文学集成』が刊行されたことを記念したフェアを実施しています。

『泉鏡花きのこ文学集成』は泉鏡花がきのこを取り上げた作品を8本を収録した集成で、写真評論家やきのこ文学研究家として活躍している飯沢耕太郎さんが編集した作品です。

今回のフェアは、『泉鏡花きのこ文学集成』を中心に飯沢耕太郎さんが選書したきのこにまつわる本やコラージュの絵なども一緒に展示しており、まさにきのこづくしのフェアとなっています。

大垣書店麻布台ヒルズ店ではこのフェアのために『泉鏡花きのこ文学集成』を200冊ほど仕入れたそうで、赤い表紙の本がたくさん並んでいる棚は遠くから見てもインパクトがあります。

フェアの独特な雰囲気に惹きつけられたのか、多くのお客さんが本や絵を撮影していました。

また、今回のフェアは出版社の作品社さんや飯沢耕太郎さんが設営を手伝ってくれたそうです。

 

未知の世界を本とアートの両方で味わえる

「泉鏡花きのこ文学集成刊行記念フェア」は、普段の生活では出会うことのない世界を本とアートの両方で味わえるのが魅力です。

『泉鏡花きのこの文学集成』を手に取ることで泉鏡花という作家を知ることができますし、きのこに興味が湧いた場合は図鑑や絵本などで知識を深めることもできます。

さらに、飯沢耕太郎さんの絵やコラージュ作品を通して「こんな面白いことをやっている人がいるのだ!」という新しい発見も得ることができるため、日常では出会うことのない世界を知ることができるフェアとなっています。

フェアに行けばユニークな表紙と泉鏡花がコラージュされた絵によって、「この本はどんな内容が書いてあるのか?」と思わず興味が沸いてしまいます。

「泉鏡花きのこ文学集成 刊行記念フェア」は2024年の7月13日~8月30日まで実施しています。

 

フェアを実施したきっかけ

今回のフェアは『泉鏡花きのこ文学集成』の発売時に、飯沢耕太郎さんからの「泉鏡花のコラージュや本の挿絵も人気」というアドバイスがきっかけとなり、スタートした企画です。

さらに、大垣書店麻布台ヒルズ店は本だけでなくアートも楽しんでいただけるようギャラリーを運営しており、今回のフェアは本とアートを融合してお届けできる絶好の機会となりました。

また、大垣書店麻布台ヒルズ店では日頃から出版社が書店でやってみたいことを実現する機会がないと感じていたそうで、今回のフェアは出版社の作品社のやりたいという希望もあり実現したそうです。

店長の赤井さんにフェアの所感をお伺いしたところ、「自分たちのやりたいことだけでなく、出版社と一緒にフェアをつくる取り組みを増やしてもいいかなと思っています。また、フェアを展開することで本やアートに興味を持ってもらい、書籍を購入してもらう機会をつくれていることは、とても幸せなことです。」と教えてくれました。

 

本との出会いに没頭できる書店

大垣書店は京都を中心としている書店で、麻布台ヒルズ店は東京初進出の店舗となります。

お店に来る人はビジネスマン、外国人、子供連れの家族など様々ですが、特に流行に敏感な20代後半~30代前半の若い人が多いそうです。

お店のこだわりは天井に照明を設置せず、本棚からの光のみで店内の明るさを保っているところです。

本がより美しく見えるような工夫をすることで、「本ってかっこいい、本屋ってかっこいい!」と思えるような空間となっています。

実際にお店を回ってみると、リラックスした雰囲気の中で本をじっくり眺めることができるため、新しい本との出会いに没頭できるでしょう。

また、落ち着いた照明や座れる場所があるおかげで疲れることもないので、思わず長時間滞在してしまうのもお店の魅力となっています。

その他にも、絵本の作家が設営をしている絵本専用のギャラリーやバーなども設置されていて、様々な楽しみ方ができる場所となっています。

 

地域に根付いた店づくり

大垣書店の社是は「地域に必要とされる書店」というものであり、麻布台ヒルズ店では地域の人やテナントの人達がお店を通じて繋がってもらえるように、数多くのイベントを実施しています。

例えば地域の小学校で「読書マラソン」という活動で地域の人と仲良くなったり、テナントと一緒にイベントを企画したりなど、地域に必要とされる書店づくりを行っています。

※「読書マラソン」とは小中学生を対象に、読んだ本の感想文を書店に持っていくとスタンプをもらうことができ、そのスタンプを3つ集めると100円分のお買物券をもらうことができる取り組みです。

 

また、麻布台ヒルズは「新しい街をつくる」というプロジェクトのもとで建てられた施設です。

そのため、大垣書店麻布台ヒルズ店は「新しい街づくり」に対して、本屋がどのような役割を果たせるのかを日々追求しています。

訪れるたびに新しい発見がある書店さんなので、ぜひ足を運んでみてください。

大垣書店麻布台ヒルズ店の情報は公式HP、または公式Xからご確認できます。

 

大垣書店麻布台ヒルズ店 店長の赤井さんからメッセージ

「きのこ文学」というものがあることを知ってもらい、楽しんでいただければ嬉しいです。

ご来店をお待ちしております。

 

ここからはフェアで紹介されているおすすめの本を紹介していきます。

おすすめ本①『泉鏡花きのこ文学集成』

泉鏡花きのこ文学集成

2024/5
泉鏡花/飯沢耕太郎編
作品社

 

泉鏡花の独特な文体と幻想的な世界観が楽しめる「きのこ文学集成」。 8作品と190種以上のきのこ図版を収録し、妖艶で切ない物語が展開されています。現実の境界を融かす朧とした雰囲気が魅力な一冊です。 キノコでじっくり描かれる人間ドラマに、読者は引き抜くこと間違いなし。

 

おすすめ本②『小学館の図鑑NEO きのこ DVDつき[改訂版]』

 

小学館の図鑑NEO きのこ DVDつき[改訂版]

2017/11/27
監/保坂健太郎  写真/大作晃一 
小学館

 

約700種のきのこを詳細に紹介する子ども向け図鑑です。美しい写真と分かりやすい解説が特徴で、若い読者でもわかりやすく、楽しみながら学べます付属のDVDではドラえもんが登場し、映像とナレーションでさらに興味を引きます。

おいしいきのこから猛毒のきのこまで網羅しており、実用性も高いです。今回のフェアの中でも人気な一冊で、多くのお子さんが購入しているそうです。

 

おすすめ本③『怪と幽 vol.014 2023年9月』

 

怪と幽 vol.014 2023年9月

2023/8/31
京極 夏彦 (著), 小野 不由美 (著)/他9名
KADOKAWA

 

「怪と幽 vol.014 2023年9月号」は二本立ての特集を掲載。 特集1「奇想天外 きのこの怪」では、きのこの奇妙さと魅力を探り、特集2「幽霊と魔術の英国」では、現代の怪談文化を深掘りします。

京極夏彦の監修で、深い洞察と豊富な知識が詰まった一冊。きのこの不思議な世界と現代怪談の魅力を同時に楽しめる点が魅力です。

 


取材にご協力いただいた大垣書店麻布台ヒルズ店 店長の赤井さん、ありがとうございました!

ホンシェルジュでは、フェアを紹介させていただける全国の書店様を募集しております。ご興味をお持ちいただけた書店様は、問い合わせからぜひご相談ください。

次回もお楽しみに!

 

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本屋を訪れる楽しみの1つが、その本屋さんオリジナルのフェア。ホンシェルジュでは「書店オリジナルのフェア」を「ブックリウム(本で満たされた空間)」と命名し、取材を通してその魅力をお伝えしていきます。

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