猫は身近な生き物です。猫の写真や動画に癒されている方も多いはず。そんな猫を描いた漫画の魅力は、可愛くてちょっと笑えて癒される、そんな彼らの魅力が満載です。今回はそんな猫漫画をおすすめします!
作者の鴻池剛と飼い猫、ぽんたの日常を描いた漫画です。元々は鴻池剛のTwitter上で公開されていたもので、ほぼ1ページでオチが付くという読みやすさも魅力的。書籍化にあたり、ぽんたを飼い始めた経緯や、子猫の頃のエピソードなどが描き下ろしで収録されています。
- 著者
- 鴻池 剛
- 出版日
- 2015-10-31
本作品の最大の魅力は、ぽんたと鴻池剛の距離感です。猫は気まぐれでツンデレだといわれていますが、ぽんたはそこに飼い主への容赦のなさが加わっています。
通りすがりに足にまとわりついては攻撃を仕掛け、自分の気が済むまで遊び、気に入らないご飯は食べないという徹底ぶり。鴻池剛は愛猫ぽんたの行動に全力で文句を言い、ツッコミを入れ、試行錯誤しながら反撃を試みます。
この作品はリアルにふたりの様子を綴ります。鴻池剛はぽんたが邪魔な時は「ジャマ」と口にしたり、不機嫌な表情もしっかり見せます。一緒に暮らしていればよいところもたくさんありますが、不満や困ったことだって起きるのは当然のこと。そんな「リアルな生活」に笑いのエッセンスが効いた作品です。
主人公、猫村ねこは、4歳のメス猫です。歩くときは二足歩行、エプロンを常備し、家事をてきぱきとこなしていく手際は人間顔負け。得意のネコムライスは愛情たっぷりで絶品の味です。そんな猫村さんは子猫の頃に可愛がってくれた「ぼっちゃん」に会うことを夢見ています。
彼女の特技は家事全般で、生きていくために家政婦紹介所である「村田家政婦」に所属し、家政婦として生活しています。ある日猫村さんは、村田家政婦の奥さんに、犬神家での奉公を命じられて……。
- 著者
- ほし よりこ
- 出版日
- 2005-07-14
猫が家政婦をしているという奇抜な設定の猫村さんは、ちょっとおっとりしていますが、家事のエキスパートです。大好きな刑事ドラマの主題歌を歌いながら、難なく家事をこなしていきます。
猫村さんが奉公する犬神家は5人家族ですが、あまり仲が良くありません。それぞれが家族に対し不満を抱えていて、ギスギスした雰囲気が漂っています。不良の息子やご主人の不倫など、犬神家の抱える問題を少しずつ知っていく猫村さんですが、特に何か行動を起こすわけではありません。でしゃばることなく、複雑奇怪な人の心に触れ、思い悩み、家事をこなしていくのです。
「早送りしたくなるくらいの失敗があったって後から巻き戻したくなるような大事な経験になれるように“日常”っていうのを大事にしなくちゃいけないのよね」(『きょうの猫村さん4』から引用)
猫村さんは、ぼっちゃんに会うことを夢見ながら、今日も家政婦として仕事をこなします。失敗をして落ち込んでも、猫村さんは前を向いてやるべきことに精いっぱい向き合っています。彼女の言葉が人を強く導く言葉ではないかもしれません。しかし、読んだ人を優しく支えてくれ、読み終わった後にはふんわりと癒されていることでしょう。
人気コミックアプリ「comico」で人気の、絵本のような優しいタッチのイラストで描かれる猫漫画です。一人暮らしの女性が初の猫多頭飼いにチャンレンジするという主旨のエッセイ漫画になっています。
猫たちと仲良く川の字で寝るという夢は叶うのか。可愛いだけではない、苦労話も含めた猫の魅力に触れられる1冊です。もちろん書下ろしの番外編もあるので、アプリで読んでいた方にもおすすめです。
- 著者
- simico
- 出版日
- 2015-11-05
9年連れ添っている猫、しみこのために、もう1匹猫を飼おうとするところから始まる本作。愛する猫が寂しくないようにと連れてきたもう1匹の猫トモヱ。しかしなかなかうまくいかないどうにも相性の悪い2匹に、飼い主の悪戦苦闘する日々が綴られています。仕事で出かけている間に2匹が喧嘩して怪我を負ったり、隔離しようにもストレスが溜まって暴れたり……。初めての多頭飼いに試行錯誤する様子は、これから同じく多頭飼いをする人にも参考になる漫画といえるでしょう。
可愛い猫がたくさんで、どれも癒される
漫画家杉作が猫を拾って育てるコミックエッセイです。2016年1月には風間俊介主演で映画化、登場する猫の演技力がすごいと話題になった作品の原作漫画でもあります。猫関係のコミックエッセイは数あれど、作者が元々「猫嫌い」という作品はなかなか無いのではないでしょうか。
- 著者
- 杉作
- 出版日
- 2012-05-17
杉田ミツオは、プロボクサーを目指し日々奮闘中。そんな冬のある日、売れない漫画家であるアニキが拾ってきた2匹の猫を育てることになります。網膜剥離を起こし、プロボクサーの道を断念したミツオは、夢をあきらめた兄の代わりに漫画を描き始めます。
2匹の子猫、クロとチン子は、挫折し、苦しい時もミツオとともに寄り添いながら暮らしていきます。言葉は交わせなくとも2匹の存在に励まされたミツオは、徐々に愛情を抱くようになりました。そんな時、クロがオス同士のケンカで負った傷が元で猫エイズに感染して……。
猫をメインに扱っているブログやエッセイでは、愛情とお金をかけ、猫にとって快適な飼育環境を整えている飼い主が大多数を占めています。しかし、拾った猫を成り行きで飼育している、猫を飼っていて愛情はあるけれど、猫を第一に考えた生活は少し難しい、そういった猫飼いの方のほうが一般的でしょう。
そんな方にこそ、猫の魅力について分かるこの本を読んでいただきたいです。猫嫌いであったために飼育に関する知識に疎く、飼い方についての試行錯誤、失敗に対する後悔など、ミツオに起こった出来事をありのまま描いた本作品は身近で、その分心にじんとくる結末が待っています。
もし動物と会話できたら、と考えたことが、一度くらいは誰しもあるのではないでしょうか。特にペットと暮らしていると、この子は何を考えているんだろう、話せたら楽しいだろうなぁ、等と夢想することもありますよね。そんな夢を見せてくれるのが、オザキミカの本作です。
- 著者
- オザキミカ
- 出版日
- 2012-03-16
しんのすけとくまは2人暮らしをしています。しんのすけは冷静な性格の普通のサラリーマンで、くまは背中に模様のある猫です。しんのすけは猫の言葉を理解し、くまと会話をすることができます。
なんて羨ましいと、猫好きの読者は思わずつぶやいてしまうような設定です。1人と1匹の生活は、とにかくのんびりまったりしています。くまの友達猫、男爵やハムカツ、さんまといった猫たちや、しんのすけの双子の兄であるじゅんのすけといったキャラクターも登場しますが、大きな波風は起こりません。季節の移ろいに合わせたしんのすけとくまの暮らしが続いていきます。
くまや男爵、ハムカツといった猫たちは、とにかく純粋無垢で癒されます。中にはカットのようなクール系の猫もいますが、基本的には無邪気な姿で描かれます。特に食べ物の話題に食いつきが良いのは動物ならでしょうか。各々の飼い主との出会いのエピソードなども登場、絆の深さに心が温まります。
「泣く子はいねが~、泣いてる子はいねが~」と言いながら、夜な夜な道を徘徊する猫がいます。遠藤平蔵は涙のにおいに引き寄せられ、悩んでいる人の元へ駆けつけてくれる猫です。
遠藤は悩みのある人のところを訪ね、話を聞き、寄り添います。解決策を口にするわけでもなく、時には食事だけをして帰ってしまうだけの遠藤ですが、彼に出会った人の表情は、不思議と晴れやかになります。
- 著者
- 深谷 かほる
- 出版日
- 2017-03-23
『エデンの東北』や『ハガネの女』などで知られる漫画家、深谷かほるがTwitterで発表した8コマ漫画である本作品。毎夜1話ずつ更新されていった物語は多くの共感を呼び、書籍化を果たしました。その8コマの中には、自身の本音を誰かに聞かせることを躊躇い、言葉を吐きだせない息苦しさの中で生きる現代人の姿が投影されています。
幸せ、嫉妬、後悔、悲しみなどの悩みを抱える人々に、遠藤は気が付けば傍にいてくれる猫だからこその役どころで励まします。子猫の重郎を胸に抱えて、夜をあるく姿は童話の世界のよう。
しかし、遠藤がたどり着く先にいる、泣きそうな人々の抱える悩みは、間違いなく大きく重いもの。悩みに押しつぶされそうな夜には、でっぷりとした姿が愛嬌たっぷりの遠藤に癒されてみませんか?
『夜廻り猫』については<泣ける猫漫画『夜廻り猫』の全魅力!キャラクターから料理までわかるまとめ>の記事で詳しく紹介しています。気になる方はぜひご覧ください。
2週間に1度、床屋さんで「前髪はそろえてちょうだい?」と言ってそうな猫「ブン」との日常を描いた4コマエッセイ漫画です。前髪を揃えていそうというのは、顔の黒い模様からそう見えるというのが由来になっています。ブンのほかにも「きなこ」や「マメ」というほかの猫や、猫に逆らえない優しい犬の「シロ」なども含めた、にぎやかで可愛らしい家庭が舞台となっています。
- 著者
- いくえみ 綾
- 出版日
- 2010-07-08
少女漫画家らしい綺麗な絵柄で描かれており、4コマ形式でテンポよく読めるのが嬉しいエッセイ漫画の本作。飼い主であり漫画の作者でもあり、漫画の語り手となるのはいくえみ綾です。少女漫画などで主に活躍している漫画家で、代表作に『潔く柔く』などがあります。
『そろえてちょうだい?』は、マンガ家である彼女の普段の生活などに、どのように猫が関わっているかを知ることができ、猫好きだけではなく、いくえみ綾ファンの方も楽しめる1冊となっています。思わず原稿を投げ出してまでアシスタントと一緒にブンを可愛がってしまう姿は、実に微笑ましいですよ。人には予想できない猫の行動をコミカルに描き、思わず声に出して笑えるぐらい面白い、猫好きにはたまらない作品です。
なんとも絶妙なタイトルの本作は、茶トラ猫トトと飼い主とのちょっと人にはいえない(?)愛猫生活を描いた漫画です。もともとは「茶トラでご飯。」という名前でWEB掲載されていた作品でしたが、商業化に伴いタイトルが変更。その理由はもちろん、猫のお尻が大好きだから。フルカラーで構成された漫画は、どこを見ても猫に対する愛でいっぱいです。
- 著者
- ななおん
- 出版日
- 2014-09-18
基本的には作者が体験した、あるあるネタがメインとなっています。そのため猫を飼っている方にはわかるわかる、飼ってない方はそういうこともあるんだという風に思われる内容です。たとえば1巻の表紙のように、猫のお尻の下に手を入れて楽しんだり、思うようにいかない猫の動きに翻弄されたり……。漫画には作者の猫に対する変態と表現されるほどの愛がふんだんに盛り込まれており、読者を最後まで飽きさせません。
ちなみにこの漫画でいう猫のお尻は、あくまでも全体を指しての猫尻だということが初めに解説されており、作者の深いこだわりが感じられることでしょう。力を抜いてふわっと読むことができるので、空き時間や疲れている時でも読むことができますよ。
2匹の可愛い猫の行動や仕草に癒される、フルカラーの4コマ漫画。太い線で描かれた猫たちの表情が可愛らしく、見ていて癒される内容となっています。もともとはブログで無料公開されていたもので、書籍化にあたりいくつか書下ろしが加わっています。
何気ない猫の行動が面白おかしく描かれているので、読んでいるうちに猫が飼いたくなってくることでしょう。引き出しに入るのを楽しんだり、100均のポンポン飾りで遊んでみたり、とにかく動作の一つひとつに悶えてしまいます。作者の猫への深い愛情も感じられ、猫が好きな人なら一度読んで損はない漫画になっていますよ。
- 著者
- 卵山 玉子
- 出版日
- 2016-02-19
とにかく漫画としてテンポがよく、また猫たちの表情も豊かなので、イラストだけでも十分に癒される本作。シンプルな絵柄なのでくどくもなく、とっつきやすいのも魅力でしょう。メインとなるのはトンとシノという2匹の猫。それぞれの性格がとてもよく表現されているので、どんどん2匹のことが好きになっていくことでしょう。そんな猫たちに振り回される作者の行動も、味があってまた面白い1冊です。
ゆるくてかわいらしい絵と、実際の猫の写真で表現されているのが特徴の本作。猫嫌いの家に生まれた作者が、保護した野良猫のために1人暮らしを始めてからの生活がコミカルに描かれています。最初は公園で拾ってきたおじいちゃん猫だけでしたが、漫画開始の時点では既に10匹以上もの猫が暮らしているという、非常ににぎやかな猫屋敷の様子が垣間見ることができますよ。多頭買いの魅力を知りたいという方には特におすすめできる内容です。
- 著者
- 鈴尾 粥
- 出版日
- 2015-08-05
10匹以上の猫といっても、構成としては2話から1匹ずつ出会った経緯や日々の行動などが描かれていくため、読者のほうも親しみをもってそれぞれの猫たちを見ることができることでしょう。
また作者が「野良猫撲滅」を掲げ、猫の保護ボランティアを続けていることも本作の大きなテーマ。そもそも作者が家で飼っている猫はどれも公園で保護した野良猫たちです。漫画の中でもその様子は何度も描かれています。避妊手術、病気、怪我のケアはもちろん、里親探しまで行っているのです。本の前書きでは、猫を保護することが自分の夢であると語り、命の尊さを知ってほしいと読者に投げかけています。猫に対する作者の深い愛を感じられる作品です。
子猫のチーが主人公の漫画。チーは、ある日、母猫ときょうだいたちと散歩中に出かけました。しかし、途中で母猫たちとはぐれてしまい、一人ぼっちになってしまいます。幼稚園児の男の子のヨウヘイが、公園で倒れているチーを見つけて……。ヨウヘイの家で、おとうさん、お母さん、ヨウヘイとチーのほっこりするあたたかな生活が始まります。
- 著者
- こなみ かなた
- 出版日
- 2004-11-22
チーは、好奇心旺盛で元気いっぱいの子猫。漫画には、チーを通して子猫の可愛さが余すことなく描かれています。猫を飼っている方は、「そうそう、子猫の時こうだった!」と、ご自分の猫とチーの行動を重ねる事も多いのではないでしょうか。チーのしぐさに悶絶!特に、チーがしゃべるちー語は、とつとつと話し始めた人間の赤ちゃんと重なり可愛すぎます!
可愛いだけでなく、泣いたり微笑ましかったり、ほっこりする漫画です。猫を飼えない環境の人には、ぜひ、コミックでチーを家に迎え入れていただき、猫と生活する疑似体験と癒しを味わっていただけたらと思います。
作者の片倉真二はペットショップで、アメリカンショートヘアーの女の子の子猫と出会いました。その子猫は、他の猫に踏まれても全然気にもせず寝ているような細かい事は気にしないような性格。作者は、その子猫を連れて帰り、ペン太と名付けました。
- 著者
- 片倉 真二
- 出版日
- 2014-08-22
片倉家には、作者と奥さんがいました。そしてペン太が加わります。共働きの二人は、ペン太になかなかかまってやれず、彼女の友だちになれるよう新しく猫を迎え入れます。
猫だけでなく、ペットが家族の関係を良い方向に変えてくれる経験をされた人も多いのではないのでしょうか。互いのコミュニケーションが増えたり、笑う事が増えたり、幸せを運んでくれますよね。そんな時、ペットも大事な家族になっていると気づきます。
とても愛おしく大切な存在になっていくペットたち。そんなかけがえのない存在は、楽しく、幸せな毎日をプレゼントしてくれますが、それだけではありません。辛い事に出くわしたり、最後には悲しい別れも……。
ペットを飼っている人で、自分の経験と重ね合わせ号泣してしまった人も多い感動作です。何気ない日常の中に流れる、ペン太がもたらしてくれたあたたかな時間。新たな命を家族に迎え入れる覚悟をくれる漫画です。
猫と一緒に暮らす毎日が、絵日記を読んでいるように、目の前に広がってきますよ。ただ可愛いだけではない、猫が最後を迎える時まで世話をするというのは、どういう事なのかというのも具体的にわかります。
猫好きの人はもちろん、これからペットを飼おうと思っている人にも、ぜひ読んでいただきたい1冊です。
ドッグライターとして活躍した後、高野山僧侶兼心理カウンセラーをしながら、ペットの保護施設のボランティアをしている塩田妙玄のエッセイ漫画です。
- 著者
- ["オノユウリ", "塩田妙玄"]
- 出版日
- 2014-08-07
テレビで、動物の思いがわかる人が、ペットの気持ちを飼い主さんに伝える番組を観たことはありませんか?この漫画の作者の妙玄は、時々との事ですが、犬や猫の気持ちや声がふっと頭に浮かんだり、聞こえる事があるそうなのです。
キャラは、おばあさんの猫です。年齢は、二十歳くらい。だんだん食が細くなり、与えていた流動食も残すようになってきました。
「老衰で逝く子は、まず食べても食べても日をおうごとにやせていく症状からはじまり、流動食スープになり最終的に水しか飲まなくなります」(『ペットの声が聞こえたら』より引用)
キャラも最後の時が近づいてきました。妙玄がキャラを見ると、キャラの上に大きなまばゆい手が見えて……。
実際に妙玄が体験した不思議な現実が綴られています。動物にも心があり、思いがあるのです。同じ言葉を話してないだけで、彼らと心が通じていると思う事がありますよね。彼らにも人間に伝えたい事があり、感情があり、願いがあるという事がわかれば、動物があまり好きではない方にも、もっと彼らを身近に感じてもらう事ができると思うのです。
今、あの子は何を考えているのだろう。とペットと話ができたらいいのにと思う事は、ありませんか?きっと、そんな願いを叶えてくれる事でしょう。
ある小さな村。その小さな村に荒れ果ててしまった寺がありました。ある日からそのお寺には、お坊さんが住むことになります。そのお坊さんは、海で奥さんと娘さんを亡くした男性でした。彼は、誰とも関わりたくなくて、小さなお寺のお坊さんになったのです。
- 著者
- 池田 さとみ
- 出版日
- 2012-08-16
ある日、お坊さんは、お寺の庭を掃いてました。ふと、目に止まった変わった形の石。その石は、死んでしまった猫と会わせてほしいとお願いすると、願いを叶えてくれると言い伝えられている「ねこじぞう」と呼ばれている石でした。
さまざまな人が「ねこじぞう」をお参りにきます。1人1人に、それぞれ違う物語があり、思いを持って、自分の大切な猫にもう一度会いたくてやってくるのです。訪れる人たちが、大切な猫に会う事は叶うのでしょうか。
1話完結のお話で、感動を呼びます。猫を飼った事がある人なら、涙なくしては読めないのではないでしょうか。猫と人の絆の深さがとても切なく、心に染み入ってくるのです。読み終わった後には、とてもあたたかい気持ちになれますよ。
実際に営業している花屋さんの花福の夫婦と飼い猫の直角の物語です。この漫画の作者は、奥さんの花福こざる。
- 著者
- 花福こざる
- 出版日
- 2013-01-18
旦那さんの花福の店長が、子猫だった直角を拾ってきます。当時は、まだ独身だった店長。彼は、結婚を機に引っ越しをする事になりました。
店長のお父さんとお母さん、直角とは別々に住むことになったのですが、ある出来事を機に両親から直角を引き取る事になりました。花福夫婦と直角のあたたかく、楽しい生活が始まります。
大人気ブログ「花福日記」で、大人気だった直角君を中心に描いた漫画です。
子猫の直角との出会いから、花福夫婦と住むようになり、徐々に老猫となっていく直角。なにげない日常を明るく彩ってくれていました。ペットは、一緒に暮らし始めた日から、かけがえのない家族になりますよね。
でも、楽しい時だけ一緒にいるのではありません。老いて介護が必要になった時も避けずに乗り越えていかねばなりません。別れの時は確実にやってくるのです。ペットと一緒にいる時間の愛おしさを再認識させてくれる漫画です。
ペットショップに行くと、動物たちの可愛さとともに、この子たちが売れ残ったらどうなるのだろうと考えたことのある方もいるのではないでしょうか?
彼らは生まれたブリーダーのもとへ戻ったり、里親に出されたりすることもあるようですが、一方で殺処分になったり、繁殖用としてひどい扱いを受けたり、実験用動物にされたりすることもあるそうです。
そんな私たちの不安を優しく解消してくれるのが本作です。
- 著者
- 桜井海
- 出版日
- 2018-02-22
本作の主役は、ペットショップで売れ残った猫。顔が可愛くないから、1歳になって成猫だからという理由で誰からも見向きもされません。値段もどんどん安くなり、本人も誰かにもらわれることを諦めています。
しかしある日、この猫がいいのだとダンディなおじさまが現れ、ふたりは一緒に住み始めます……。
本作の見所は、傷を負った者同士が癒し合う過程にあります。主役の猫はずっと売れ続けなかったことで、自信を失っており、一方その子を買ったおじさまは、なぜか広い家にひとりで住んでいます。
ふたりが過ごす日常は、普通の飼い主と猫のありふれたもの。しかし辛いことを知っている者同士だからこそ感じ入る瞬間があるのです。
可愛いだけじゃない、ほろ苦いストーリーで読者を虜にする猫漫画です。
猫は身近な生き物です。ツンデレとは言われていますが、その実は人の傍にいてくれる優しさを持っています。これらの猫の魅力をこれでもかと詰め込んだ作品を読めば猫がもっと好きになるはずです。