長崎書店「時間フェア」「エモい80`sフェア」/本屋遊泳~ブックリウムに会いに行こう~【第40回】

更新:2025.6.11

「書店オリジナルのフェア」の取材を通してお伝えしている本屋遊泳。長崎書店の「時間フェア」と「エモい80`sフェア」について紹介します。 「時間フェア」と「エモい80`sフェア」について担当者の石川さんにお話を伺いました!

ホンシェルジュ編集部です。編集部公式で全力で本を紹介したり、イベントレポートをしたり、インタビューをしたり。
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「時間フェア」——“時の記念日”に合わせて、本を通して時間を感じる

6月10日は「時の記念日」。時間の大切さを見つめ直すきっかけとして設けられたこの日に合わせて、長崎書店では「時間フェア」を開催しています。

フェアでは、小説や雑学書など、ジャンルを超えて“時間”にまつわる作品が幅広く並びます。過去や未来、時の流れをテーマにした一冊が、きっとあなたの心にも響くはずです。

また、さまざまなジャンルの本が紹介されているため、普段あまり手に取らない作品に出会えるのも、このフェアの魅力のひとつです。

展示棚には、フェア担当の石川さんが大好きな映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の「デロリアン」をモチーフにした手作りの飾りのほか、オリジナルのPOPも設置され、来店者の目を引いています。

「もしタイムマシンがあったら、どの“時代”に行ってみたいですか?」――そんな想像をきっかけに、気負わずに“時間”を楽しんでほしいという石川さんの想いが込められたフェアです。

「エモい80’sフェア」——80年代の表現の“自由さ”と熱を伝えたい

もうひとつのフェアは「エモい80’sフェア」。1980年代に連載・発売されたコミックや小説を特集しています。

この企画は、80年代の映画やコミック、そして当時の時代の空気感に魅了された石川さんが、「こうした80年代カルチャーの魅力を様々な世代へ超えて届けたい」と考えたことから始まりました。

特に当時のコミックは、現在よりも表現が自由で尖った作品が多く、そこに大きな魅力を感じていると石川さんは話します。また、「今の若い世代が読んだらどう感じるのか、その反応を見るのが楽しみです」とも語ってくれました。

中でも反響が大きかったのは、岡田あーみんさんの作品。「懐かしい」とまとめ買いする年配層に加え、「初めて読むけど面白い!」という若い読者の声も多く、世代を超えて読まれているのが印象的です。

通常は出版社ごとに並べられている本を、今回は「年代」というテーマで編集しています。そのため、フェアを訪れることで新たな発見があったり、現代の人気作家に影響を与えた“原点”に触れたりと、さまざまな楽しみ方ができる内容です。

 

選書サービス「ブックカルテ」に力を入れている書店

長崎書店は、読書の悩みに寄り添う選書サービス「ブックカルテ」に参加しています。

このサービスでは、利用者が自身の読書傾向や興味分野を問診票に記入し、それをもとに書店員が1万円以内で本を選び、発送します。

長崎書店では、フェアを担当した石川さんに加え、児玉さんもこのサービスで選書を行っています。

石川さんは、精神世界・スピリチュアル・本来の健康・自然など、心と体を整えるテーマの選書が得意。児玉さんは、文芸・郷土・人文・芸術・文庫・新書など、幅広いジャンルに対応しています。

また、長崎書店では「ブックカルテ」を通じて注文してくださった方に、オリジナル便箋で書いた手紙と特製シールを同封。これは他店にはない、心のこもった工夫です。

ぜひ以下のリンクから、お二人に選書を依頼してみてください。

石川さん:https://bookkarte.com/staffs/189

児玉さん:https://bookkarte.com/staffs/193

過去のフェアについても、以下のリンクからご覧いただけます。

長崎書店「サイエンスフェア」/本屋遊泳~ブックリウムに会いに行こう~【第27回】

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「書店オリジナルのフェア」の取材を通してお伝えしている本屋遊泳。今回は長崎書店さんの「サイエンスフェア」について紹介します。 「サイエンスフェア」について杠由香さん・宮川洋一郎さんにお話しを伺いました!

 

長崎書店「この本読んで!」フェア/本屋遊泳~ブックリウムに会いに行こう~【第12回】

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「書店オリジナルのフェア」を取材を通してお伝えしている本屋遊泳。 今回は長崎書店さんの「この絵本読んで!」というフェアを紹介します。 フェアの魅力について、担当者の村上恵利香さんにお話を伺いました!

 

担当者石川さんからのメッセージ

フェアを企画した長崎書店の石川です。本を読む楽しみを少しでも味わってほしいという気持ちで企画しました。手に取るきっかけになると本当にうれしいです。

ブックカルテでは独自の視点で選書サービスを行っていますので、長崎書店の石川までどしどしご注文ください。運命の1冊を見つけるお手伝いをいたします!

おすすめ本①『バック・トゥ・ザ・フューチャー』

バック・トゥ・ザ・フューチャー

2021/8
ロバート・ゼメキス/監督 近江屋一朗/文 岩本ゼロゴ/絵
ポプラ社

高校生マーティは、親友ドクのタイムマシンで1955年へ!若き日の両親と出会い、歴史を変えてしまった彼は、元の時代に戻れるのか――。映画の興奮を忠実に描いた、冒険と笑いに満ちたノベライズ。

 

おすすめ本②『夏への扉』

夏への扉

2020/12
ロバート・A・ハインライン/著 福島正実/訳
早川書房

1970年、卓越した技術者である主人公は、親友と恋人に裏切られ、研究成果や発明まで奪われるという壮絶な経験をする。失意の中、“冷凍睡眠”という最新技術に託され、30年後の未来へと送り込まれるのだった――。時と運命を超えた再出発の物語が、飼い猫ピートとの心温まるエピソードと共に紡がれます。

 

おすすめ本③『時をかける少女 新装版』

時をかける少女 新装版

2006/5
筒井康隆/〔著〕
角川書店

芳山和子は、学校帰りに理科室で倒れる。その瞬間、時の流れが歪み、彼女は“時間をかける少女”となる。思春期のきらめきと戸惑い、友情と初恋が織りなす、切なく心を揺さぶる傑作SFです。

 

おすすめ本④『お父さんは心配性①』

お父さんは心配性①

1985/11
岡田あーみん/著
集英社

母を亡くし、16歳の娘・典子と二人暮らしの父・光太郎。彼は娘への愛が高じて、ときに度を越す“異常な心配性”を発揮。典子の彼氏・北野くんを巻き込んで繰り広げられる、日常の大騒動と笑いの嵐。ギャグと親子愛が交錯する、爆笑のりぼん系コミック。

 

おすすめ本⑤『Dr.スランプ①』

Dr.スランプ①

1980/8/9
鳥山 明
集英社

天才的発明家ドクター・スランプこと則巻千兵衛のもとに生み出されたロボット少女アラレちゃん。幼さ全開、破天荒なドタバタ日常が大爆笑連発!80年代ギャグ漫画の金字塔、第1巻の幕開け。

 

おすすめ本⑥『おぼっちゃまくん①』

おぼっちゃまくん①

2001/12
小林よしのり/〔作〕
幻冬舎

超お金持ちの小学生・おぼっちゃまくんと、その取り巻き「下々(しもじも)」たちが繰り広げる、社会風刺あり、非常識ネタてんこ盛りの大騒動。バカバカしくも激烈に尖ったギャグ漫画、記念すべき第1巻。

 

おすすめ本⑦「風の谷のナウシカ①」

風の谷のナウシカ 1

1989/12
宮崎駿/〔著〕
徳間書店

荒廃した世界を舞台に、人と自然の共生を願う“風の谷”のプリンセス、ナウシカ。巨大蟲との出会い、平和への志――。壮大な環境叙事詩の序章にふさわしい、重厚かつ美しい第一巻。

 


取材にご協力いただいた、長崎書店の石川さん、ありがとうございました!

ホンシェルジュでは、フェアを紹介させていただける全国の書店様を募集しております。ご興味をお持ちいただけた書店様は、問い合わせからぜひご相談ください。

次回もお楽しみに!

 

特集

過去の記事はこちらから

本屋を訪れる楽しみの1つが、その本屋さんオリジナルのフェア。ホンシェルジュでは「書店オリジナルのフェア」を「ブックリウム(本で満たされた空間)」と命名し、取材を通してその魅力をお伝えしていきます。

 

 

 

この記事が含まれる特集

  • 本屋遊泳~ブックリウムに会いに行こう~

    ホンシェルジュでは書店オリジナルのフェアを「ブックリウム(本で満たされた空間)」と命名。 本屋さんへの取材を通してフェアのテーマや選書を紹介、アーカイブ化する特集です。 ぜひお気に入りの本屋さんを見つけてください。

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