泣ける名作少女漫画おすすめランキングベスト31!無料で読める作品も!

更新:2021.12.21

切ない片思い、すれ違う心、友情、家族愛、辛いことを乗り越えたからこそ感じる幸せなど、少女漫画にはさまざまな感動のタネがあります。読んだ後、恋をしたくなったり、いつもよりちょっと人に優しくなれたりするかもしれません。 スマホアプリで無料で読める作品もあるのでそちらもどうぞ。

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31位:まさに青春少女漫画!純粋な言葉に泣ける!

 

椎名軽穂が贈る青春ラブストーリー『君に届け』。累計発行部数は1400万部を超え、アニメ化、実写化された人気作品です。独りぼっちの女子高生をメインに巻き起こる恋愛、友情、家族、進路それぞれの悩みに真正面から向き合う感動作です!

 

著者
椎名 軽穂
出版日
2006-05-25

北海道の高校に通う、主人公・黒沢爽子。本当は優しくて思いやりのある子なのに、外見が陰気で暗く、長い黒髪のため「貞子」と呼ばれ、周囲から孤立していました。そんな爽子にひとりだけ、偏見をもたずに接してくれる同級生の風早翔太は、彼女の憧れの人でした。

周囲から「貞子」と呼ばれ、ひとりでいることに慣れ切っていた爽子が、風早と仲良くなることで、少しずつクラスに友人ができていきます。席替えの時に、クラスのほとんどが爽子の隣の席は嫌だ!と言っているなか、風早が爽子の隣の席に座り、矢野あやねが前の席へ、吉田ちづるが斜め前へと座るシーンは胸にぐっときます。

風早と過ごすうちに、爽子の笑顔も徐々に増えていき、あやねと千鶴という親友ができ、今まで独りでいた時とは別の感情がたくさん描かれていきます。

爽子は人に想われることに慣れていないため、風早の「好き」がラブだとは気づけないまま2人はすれ違ってしまい……。やっと彼女が風早に「好きなの」と告白しますが、今までの風早への気持ちが溢れて泣き出すシーンには、思わず涙がとまらなくなるでしょう。

ちづと幼馴染の切ない恋や、爽子が最大のライバルくるみとのバトルでの成長するシーンや、それぞれの進路についての悩みなど名シーンが盛りだくさん!少しずつ前に進む爽子たちの学園青春ラブストーリーです。

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30位:愛ゆえに凶暴になる!!

高校2年の沖康子は、6年前に両親が事故で他界して以来、兄の健児と2人暮らし。しかし兄妹仲良くなどということは一切なく、元暴走族総長で現漫画家、見た目は今もチンピラにしか見えない健児と、康子は毎日のように喧嘩をして暮らしていました。

ある日、三者面談で康子の成績の悪さを知った健児は、康子を強制的に塾へ放りこみます。塾なんか通う気のない康子でしたが、授業中に隣の席で漫画を読んでいた椿純に一目惚れしたことがきっかけで、毎日塾に通うようになりました。

しかし、純の姉のエリカと健児は何やら因縁めいた関係のようで……!?

著者
アルコ
出版日
2005-08-25

2004年に少女向け漫画雑誌「デラックスマーガレット」にて読み切りが発表された後、2005年から「別冊マーガレット」に連載されました。2008年には実写テレビドラマ化されるなど、根強い人気を持った作品です。

主人公の康子と健児は、事故で両親を亡くした兄妹です。高校生の康子は夢見がちなところがあり、勉強は大の苦手。暴走族あがりで何かと自分の行動を管理する兄の健児に対しては、「あんた」と呼ぶなど何かと反発しています。

一方、健児の方も、康子を思うがゆえとはいえ、康子を椅子に縛りつけて勉強させたり洗濯機に放り込んだりと、行き過ぎた行動の目立つ凶暴な性格です。そんな2人が仲良く平穏に暮らせるわけもなく、毎日喧嘩ばかりしていました。

少女漫画なのでラブストーリーも描かれているのですが、とにかく健児のパワーが全面に押し出されてきて、読者が圧倒されてしまうことも多いでしょう。健児の凶暴だけど康子を大切に思っている気持ちや、康子の反発ばかりだけど健児を信頼している気持ちが、紙面からストレートに伝わってきます。

男女の恋愛だけでなく、家族愛にもあふれた作品を読みたい方は、ぜひチェックしてみてください。

29位:男へ復讐するため芸能界へ

中学を卒業と同時に上京した最上キョーコは、バイトを掛け持ち働きずめの日々を送っていました。キョーコがそこまでして働く理由は、一緒に暮らしている幼馴染の不破尚の生活を支えるため。京都の老舗旅館の跡取りである尚は、芸能人になるために中学卒業と同時に家を飛び出し、今では売り出し中の有名人になっていたのです。

そんな尚のため、自分のオシャレは我慢して働くキョーコでしたが、ある日、ひょんなことから尚を怒らせてしまいます。何とか仲直りしたくて尚のいるテレビ局に潜り込んだキョーコでしたが、そこで偶然耳にしてしまった尚の言葉に衝撃を受けて……!?

著者
仲村 佳樹
出版日
2002-07-19

2002年から少女向け漫画雑誌「花とゆめ」で連載されている作品で、コミックスは40巻以上になる長寿作品です。2008年にはテレビアニメ化、2011年には台湾でテレビドラマ化されるなど、長い人気を誇っています。

キョーコは自分を家政婦扱いしあっさりと捨てた尚に復讐するため芸能界を目指すのですが、持ち前の根性と一生懸命さで努力をするうち、次第に演技の世界に魅せられていきます。一方、キョーコを捨てた尚は、派手好き女好きでキョーコのことも常に見下した態度を取りますが、音楽的な才能は確かなビジュアル系歌手です。

その尚がライバル視しているのが、敦賀連(つるがれん)という人気俳優。芸能界入りしたキョーコと出会いそのうち彼女に惹かれていくようになります。

長くシリーズの続く本作ですが、まず冒頭から驚かされるのは、やはりキョーコの行動力のすごさでしょう。コレと決めたら常に一生懸命に突き進むキョーコの行動力には、思わず応援したくなること間違いありません。

キョーコの芸能界入りのきっかけは尚への復讐ですが、決してシリアスなだけではなく、むしろ笑える作品になっています。少女漫画ではありますが、男女問わず楽しく読むことができるので、ぜひキョーコがどういう道を歩んでいくことになるのか、手に取って確認してみてください。

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28位:少女漫画と家族漫画の絶妙な融合

酒飲みの父親に貧しい家、学校でのイジメ、それでも懸命に過ごしていた高校生の敦子は大金持ちの至、遼、信也と出会い運命が一転します。敦子が至に瓜二つなことに気がついた遼は、失踪した至の身代わりを成功報酬100万円のアルバイトとして敦子に頼むのです。なに不自由無く明るく幸せな生活があると思っていたお金持ちの大きな屋敷。しかしそこには、複雑な人間関係と愛情と憎悪が渦巻いていました。

著者
山中 ヒコ
出版日
2011-10-07

まだ何にも出会っていない、何もない、運命が変わる前の敦子の心情が最もわかるモノローグがあります。

「この世で一番不幸なことってなんだろう 
 ブサイクなことは? もちろん不幸 
 貧乏なことは? もちろん不幸 
 バカなことは? それも不幸 
 だけど一番不幸なのは 人を好きになることだと思う 」 
(『王子様と灰色の日々』より引用)

彼女は感情の揺れ動き、そして何より他人との摩擦によって傷つくことを恐れていた少女だったのです。しかしそれとは裏腹に、本作は嫉妬や無関心、好奇心や愛といった人間らしい感情が入り乱れて展開していきます。

貧乏な主人公と金持ちの王子達という王道の展開でありながら、家族の絆やそれぞれの恋愛模様、自分だけの秘密や葛藤など、普遍的なテーマが多く散りばめられた読み応えのある作品となっています。重く切ない感情が、キャラクターそれぞれに描かれ、辛いと思いながらも読み進めてしまうのは、やはりその感情が誰しも身に覚えのあるものだからでしょう。

27位:池田理代子を「ベルばら」へ導いた作品

ロシア革命の時代、農奴の娘として育てられたロザリンダと彼女を愛する二人の青年、貴族の青年レオ、幼馴染のアドリアンの三角関係を描きます。

雪のクリスマス、貴族フョードル公爵は妻アンナと娘ロザリンダとともに、皇帝の追手から逃げ、農家へロザリンダを育ててくれるよう託しました。農夫は自分たちの娘としてロザリンダを「ロタ」と名を変えて育てます。

美しく成長したロタは歌の道へ進むために、師であるロストフ先生を追ってペテルブルグへ旅立ちました。その旅の途中、ロタは音楽を愛する貴族の青年レオ伯爵と出会います。ロタの美しさと天使のような歌声に、一目で夢中になるレオ。彼はロタを引き取り、自分のもとで育てていきます。レオにより、名前も偶然に「ロザリンダ」に変えられ、彼女は貴族の娘として、さらに美しく磨かれていくのです。

次第にレオにひかれていくロザリンダですが、彼にはナタリアという婚約者がいました。一方、歌の勉強をするロザリンダは、歌の師であるロストフ先生から、自分の出生の秘密を知らされます。

ロザリンダの実の両親は、皇帝に逆らったことで命を落としていたのです。それを知った矢先、レオと幼馴染のアドリアンは革命を起こそうとしていて……。

著者
水野 英子
出版日

この話の中で最も読者を夢中にさせたのはロタと、レオ、アドリアンの三角関係でしょう。ロタが結ばれるのは、レオなのか、それともアドリアンなのかという、今ではよくある恋愛少女漫画的展開も、1960年代に他には例がありませんでした。

さらに、背景にはロシア革命という大きな歴史的物語があります。当時の漫画にはない新しい手法を取り入れていた本作は、日本初の歴史恋愛漫画と言えます。

我こそは漫画王、という人には一度は読んでほしい作品です。現在の少女漫画があるのは、この作品があるからこそ。古くさいと思われる人もいるかもしれませんが、女の子なら一度は憧れるシンデレラストーリーや、美しい衣装、風景、キラキラした世界が描かれています。

この作品は池田理代子の『ベルサイユのばら』の原点とも言われています。全ての少女漫画のお手本と言われる『白のトロイカ』の世界をぜひ一度堪能してください。

26位:読んだら元気になれる関西弁ラブコメ

身長が170cmもある小泉リサと、156cmしかない大谷敦士は、担任から「オール阪神・巨人」とあだ名をされている学内でも有名なコンビ。しかし、本人達にしてみればコンビ扱いされるのはいたって不本意で、2人はしょっちゅう口喧嘩をしていました。

ある日、小泉は朝礼で居眠りをしたせいで、夏休みの夏期講習に強制参加させられることになってしまいます。しかしその講習で、小泉は鈴木という男子に一目惚れ。一方、大谷は小泉の友達である千春に一目惚れしており、2人は互いの恋のために、鈴木と千春を誘いプールへ遊びに行くことにしました。

しかし、遊びに行った日をきっかけに、鈴木と千春が互いに意識し始めたようで……!?

著者
中原 アヤ
出版日
2002-03-25

2001年から、少女向け漫画雑誌「別冊マーガレット」に連載されていた作品で、2003年には小学館漫画賞少女向け部門を受賞しています。2006年には実写映画、2007年にはテレビアニメも放送されました。タイトルの「ラブ★コン」は「ラブリー・コンプレックス」の略で、それぞれ身長にコンプレックスを持っている小泉と大谷を中心としたラブコメディです。

舞台が関西なので、キャラクター達もみんな関西弁です。とはいえ、関西弁がわかる人にしかわからないということはもちろんなく、関西弁ならではの軽妙な会話のテンポが、物語をさらに読みやすく、面白くしています。

少女向けの作品ではありますが、上記のような関西弁ならではの面白さ、小泉や大谷の漫才のような掛け合いなど、読んでいてとにかく笑えることが多いので、男女関係なく楽しむことができるでしょう。少女漫画を読んだことのない男性にもオススメです。

もちろん恋心にキュンとしたり切なくなったりする恋愛物語もありますが、切なくても楽しくてもどっちにしても笑えてしまう明るいラブストーリーなので、元気になりたい時に読んでみてください。

25位:ハイスペック貧乏学生の友人は金持ち御曹司?

山田家は5男5女の大家族。家計は火の車ですが、彼らの武器は、端正な容姿と明晰な頭脳です。家は貧乏でもたくましく生きていました。

著者
森永 あい
出版日

主人公は、長男の太郎。名門私立高校に特待生として入学します。幼い弟妹達を養うためアルバイトに精を出しているのですが、生まれ持った気品からか実家が極貧だということは知られていません。ファンの女子生徒からの差し入れなどで食いつないでいるような状態を知っているのは、友人の御村託也と、ごく一部の人たちだけです。

常にポーカーフェイスで一見クールな御村は、裕福な茶道の家元の子息。育った環境が違う2人ですが、御村は山田家を面白がり、弟妹とも仲良くなります。太郎が困っている時は控えめに手を貸すなど、自立を妨げない助け方も絶妙です。爆笑必至の日常の中の、2人の友情にご注目ください。

24位:春夏秋冬の恋が詰め込まれた短編少女漫画!サクッと読めておすすめ

『夏のかけら』は全5話収録の短編集ですが、そのうち4話に春夏秋冬が含まれたタイトルが含まれています。

表題作の「夏のかけら」は、主人公である美雪が夏休みを利用して祖父に会うために田舎を訪れることから始まります。祖父のお見舞いに来た美雪は同い年の少年、円と出会い、毎日病院に通うようになりました。

明るく小生意気な性格の円ですが、「生」への執着があまりないように感じます。見たいものや欲しいものがないかと問う美雪に、その方が身軽でいいと言ってのけるのです。

美雪はそんな円のために、円が見たことがないという「地面から直接生えているひまわり」を見せようと病室の外にひまわりの種を植えました。来年の夏に一緒に見ようと約束する2人ですが、円の病気が簡単に治るものではないことは明らかで……。

著者
天乃 忍
出版日
2010-03-05

夏休みが終われば美雪は帰らなければいけないため、もともと限られた時間の中で2人は出会いました。さらに悪化していく円の病気。悲しい別れが待っているだろうと分かっていても、お互いそれを口には出しません。

たった1ヶ月ほどの一夏の恋ですが、2人の関係はどうなるのか、そして植えたひまわりはどうなったのか……。物語のラストでは3年後の夏が描かれます。短いけれど思い出がたくさん詰まった夏と、2人の思い出を繋ぐようにクライマックスに描かれたひまわりの描写には感動の一言です。

そのほか、それぞれの季節ならではの描写とそれにあった恋愛模様が描かれた一冊。かわいらしく暖かく、それでいて切ない話が詰まっています。どの季節に読んでも、すぐに恋をしたくなることでしょう。

23位:テニスに情熱をかける男たちの感動青春物語!恋愛だけじゃない少女漫画

主人公の伊出延久は中学時代陸上部に所属していましたが、進学した幕ノ鎌高校ではテニス部に入ります。本作は初心者の延久が持ち前の運動神経の良さを生かして、テニスに打ち込んでいく姿を描いた爽やかな青春物語です。そして、延久とは対照的に描かれる滝田留宇衣(るうい)。2人は反発し合いながらも、互いの存在によって己を成長させていきます。

著者
羅川 真里茂
出版日

少女漫画の枠組みではあるものの、それを超えるほどの情熱と臨場感があります。テニスのルールや試合内容が丁寧に描かれているため、テニスに詳しくない人も楽しめる漫画です。

憧れのテニス部に入るも初めはまったく上達できず、悩む延久。漫画でありながら、すぐに上達しない、そのリアリティも魅力のひとつです。テニス初心者の彼が多くの経験を積んで、少しずつプレイが成長していく、その様子が詳細に描かれています。

延久だけでなく、滝田の成長も同じくらい事細かに表現されていくのも面白いです。滝田は延久とは違い、ジュニア選手として活躍していましたが、プレッシャーに弱いという弱点を抱えていました。天才プレイヤーと呼ばれる彼が初心者の延久に感化され、弱点を克服していく姿は読んでいて応援したくなります。

汗と涙で選手たちは強くなる!スポーツ経験者はもちろん、いままでスポーツに打ち込んでこなかった人も楽しめる漫画です。読みごたえバッチリの青春成長物語にきっと胸が熱くなります!

22位:人と妖を描いた優しくて切ない物語。おすすめの名作少女漫画

妖怪が見える体質がゆえに、幼いころから周囲に馴染めずにいた孤独な少年の夏目貴志。両親と死別した夏目は長い間親戚の家をたらい回しにされていましたが、高校生の時に遠縁の藤原夫妻が夏目を引き取ってくれます。彼はそこで多くの妖を従え、使役することのできる「友人帳」を見つけ……?

著者
緑川 ゆき
出版日
2005-10-05

本作はアニメ化もされている人気作。長い間、多くのファンに愛され続けています。漫画を読んだことがなくても、名前は聞いたことがあるという人も多いのではないでしょうか?優しくて、少し切ない世界観が魅力的な作品です。

「友人帳」を見つけた夏目は、斑(まだら)と呼ばれる妖怪で夏目の用心棒でもあるニャンコ先生とともに多くの妖怪たちを関わり合っていきます。人と妖、決して交わることのない二者の心の交流が繊細に描かれています。

はっきりとした正義や悪役が出てこないのもこの漫画の特徴のひとつ。人と妖のどちらが正しいということはなく、どちらも尊く、愛おしい存在なのだと本作は語りかけます。その優しい世界に、気づけば涙が零れるかもしれません。

人と妖の間に起こるさまざまな出来事は時におかしく、時に切なく描かれます。決して大きな事件や派手な演出があるわけでもないのに、不思議と物語の中へと引き込まれる作品です。短編で構成された漫画ですが、ひとつひとつの話が宝石の欠片のようにキラキラと輝いてみえます。ぜひ一度、妖たちの世界を覗いてみてください!

21位:少年少女の成長を描く青春ストーリー。感動の少女漫画!

聖美第4中学、2年A組に転校してきたのは北城尚子。元気で明るく、文武両道な少女です。一見完璧に見える彼女ですが、実は複雑な家庭環境を抱えていて……。

主人公の尚子が社会人になるまでが描かれています。少年少女は大人になっていくまでに何を感じ、何を思うのでしょうか?涙なしでは読めない、感動の青春物語です。

著者
庄司 陽子
出版日

尚子、通称ナッキーは転校した中学校で「悪たれ団」を結成します。初めは問題を起こしたり、周囲に反発したりするだけの集団でしたが、本音を曝け出しあううちに仲間意識が芽生えはじめ、気付けば彼女たちはかけがえない仲間になっていました。

主人公だけが中心となって動く話ではなく、周りの人間たちがナッキーと関わり合いながら成長していく物語です。若さゆえの過ちや後悔、それが鮮明に表現されています。

痛快な青春ストーリーではありますが、子供たちのシリアスな問題を描いた作品でもあります。主人公のナッキーも家庭に問題を抱えていて、それでも明るく振る舞おうとする彼女の健気さには目頭が熱くなるでしょう。ナッキー以外にもレイプを受けた少女や「悪たれ団」の仲間の死など、決して綺麗事だけで構成されていないのが本作の特徴です。

さまざまな事情を抱えながらも、前を向いて生きていこうとする少年少女の姿に心打たれます。爽やかな話のなかで、時には胸が痛くなるシーンも……。忘れかけている、あの頃の痛々しいほど真っすぐな気持ち、今一度思い出してみませんか?

20位:落ちていく時間の中にある、切ない気持ちに泣ける!

芦原妃名子によるヒューマンラブストーリー『砂時計』。家族愛、恋愛、友情、大切な人との別れなどのダークな部分を描きつつ、人の心の弱さと強さを映し出します。テレビドラマ化、映画化されたことでも反響をよびました。

両親の離婚により、母親の実家がある島根の小さな町に引っ越してきた、主人公・植草杏。明るい杏は近所に住む同じ年の、北村大悟、月島藤、藤の妹・椎香と仲良くなります。

著者
芦原 妃名子
出版日
2003-08-23

一方、離婚の精神的ショックから立ち直れず、体調を崩し、不安定な日々を送る母親。杏は「がんばって」と母親を励まし、自らも手伝いをするなどして頑張りますが、突然母親は自殺してしまいます。

「がんばれ」ということによって母親を追いつめていたのだと自責の念に駆られる杏。かつて母親からもらった砂時計も、母親の遺影に投げつけ、壊してしまいます。そんな杏を心配した大悟は、壊れた砂時計と同じ砂時計を渡すのでした。

中学生になり付き合いはじめる杏と大悟でしたが、高校では遠距離恋愛となってしまい……。すれ違っていく2人、しだいにかつての母親のように不安定になっていく杏。そんななかで、交錯していく登場人物たちの複雑な思い。はたして杏と大悟の関係はどう変化していくのでしょうか?

本作ではシンプルだけど強い言葉に感動させられます。母親が自殺して悲しむ杏に対して大悟が放った「オレがずっと一緒におっちゃるけん!」という言葉は小学生ならではのまっすぐさと力強さがあります。また自殺する母親の最期の言葉「杏はお留守番してなさい」からは、苦しいながらも母親の精一杯の愛情が読み取れ、涙してしまうことでしょう。

過去から未来へ、時間の砂が流れていくように、長く愛されている少女漫画です。まだ読んだことがない方も、懐かしいと感じる方も、ぜひ手にとってみてください。

19位:7人の男女が巻き起こす感動のSF少女漫画!

 

1990年代の日本を舞台に7人の男女が、前世の記憶を持ったまま現代の日本に「転生」し、巡り合うことで、前世の謎を解いていくというストーリー。前世の想いと現代を生きる7人の想いが交錯します。

 

著者
日渡 早紀
出版日

 

父親の転勤で東京に引っ越してきたばかりの女子高生・坂口亜梨子。動植物の感情を理解できて、彼女の歌声を聞いた植物は成長が促進するという不思議な力を持っています。

主人公を含め7人の登場人物がいます。いたずらっ子で隣の家の小学生・小林輪、亜梨子と同じ高校の生徒・小椋迅八と錦織一成、病弱な17歳の少年・笠間春彦、横浜の女子高生・国生桜、川崎の男子高生・土橋大介。彼らが前世の記憶と現世を行き来します。

この7人の前世は「月基地メンバー」で、高度な文明で栄えた異星人でした。あるとき7人の母星が戦争で滅亡し、彼らも基地内で流行った伝染病にかかり死んでしまいます。彼らが転生し巡り合い、お互いの記憶の欠片をつなぎあわせていくなかで、さまざまな出来事が起こるのです。

輪が前世での亜梨子との関係から発した言葉があります。

「僕は彼女がこの地球に生きてさえいてくれればそれでいいんだ。だから全身全霊をかけて 守る」(『ぼくの地球を守って』から引用)

作品のタイトルを象徴するものでもあり、それまでの物語を収束する泣ける名言です。SFファンタジー、サスペンス、ミステリー要素満載の少女漫画。輪の苦しいほど亜梨子を想う気持ちに涙してみてください。

 

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18位:ピュアな少年少女の王道恋愛漫画

高校1年生の小石川光希(こいしかわみき)は、ある日突然、両親から離婚を宣言されます。誰もが認める仲の良い夫婦だった2人の離婚に驚きを隠せない光希でしたが、爆弾発言はそれだけではありませんでした。何と2人は、旅行先で出会った松浦夫婦とパートナーを交換して再婚、そのうえ2つの家族で一緒に暮らすと言うのです。

あまりの出来事に猛反対する光希は、松浦夫婦の息子である松浦遊(まつうらゆう)を味方に付けて何とか阻止しようとしますが、遊は特に反対する様子もありません。結局、光希が折れる形で、2人の夫婦、そして光希と遊の6人は、一緒に暮らすことになり……。

著者
吉住 渉
出版日

1992年から少女向け漫画雑誌「りぼん」に連載されていた作品で、テレビアニメや劇場版アニメ、さらには台湾で実写ドラマ化されるなど人気を博しました。

物語は、両親が離婚、もう1組の夫婦とパートナーを交換して再婚、さらには共同生活というかなりトンデモないシーンから始まります。大人になってから読んだ、あるいは読み返してみた方には、なかなか驚く設定かもしれません。主人公の光希も、もちろん最初はそんな状況をなかなか受け入れることができませんでした。

そんな中で、光希は一緒に住むことになった遊と交流するうち、少しずつ心を開いていくようになります。遊は美少年なうえに成績もスポーツも万能な完璧な少年ですが、物語が進むにつれて、ある事に気が付きました。そしてその“ある事”は、遊と光希の間に最大の障害となって立ちはだかることになってしまうのです。

最初はトンデモないと思えた設定が、ストーリーが進んでいくうちに思わぬ展開になって絡んでいくので、最初から最後まで1つのまとまった物語を驚きとともに楽しむことができるでしょう。子供から大人まで楽しめるので、親子で一緒に読むなんていう楽しみ方もあるかもしれませんね。

 


『ママレード・ボーイ』が気になる方には、『ママレード・ボーイ』とその続編「リトル」について紹介した<『ママレード・ボーイ』と「リトル」の登場人物、魅力を結末までネタバレ考察>の記事もおすすめです。

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17位:12支+猫が贈る、名作少女漫画

 

1998年から連載がスタートした高屋奈月の代表作です。物語は、1人の少女と動物憑きの奇妙な体質を持つ草摩一族の人たちとの交流を中心に描くファンタジーラブコメディ。笑えて泣けて、最後には感動する名作です。

両親を亡くし祖父の家に暮らす、女子高生・本田透。ある日、祖父の家が改築工事をすることになり、工事の期間だけ住む場所を探さなくてはならなくなります。友達はいますが、周囲へ心配をかけたくない透は山の中でテント生活することになってしまいます。

学校へ行く途中、一軒の家を発見した透が中をのぞくと、同じ学校の草摩由希がいました。この家は由希の親戚シグレの家で、由希も一緒に住んでいたのです。草摩家はお金持ちで、透が勝手にテントを張っている場所も、実は草摩家の敷地だったのでした。

 

著者
高屋 奈月
出版日

そんなある日、嵐がやってきてにテントが土砂崩れで流されてしまい、宿なしになった透はシグレの家に居候させてもらうこになりました。草摩家は古くから続く名家で、草摩一族には物の怪憑きの人間が存在し、正確には12支+猫の13人の物の怪憑きがいます。この居候がきっかけで透は草摩家と深く関わっていくことになります。

それぞれに事情を抱えた登場人物たちのシーンは泣けるものばかり。そのなかから1話だけご紹介します。

草摩家の主治医をしている草摩はとりは、草摩家の秘密を守るため、物の怪憑きの秘密を知られて不都合が起きた時に相手の記憶を消すという能力を持っていました。

はとりは病院の助手の佳菜と恋におち、結婚したいと望みますが、草摩家の当主は反対し、反感を買ったはとりは左目を失ってしまいます。自分の責任だと感じる佳菜は、しだいに心が壊れていき……。苦しむ佳菜を救うため、はとりはある決断をします。

そのシーンは涙なくしては読めないもの。佳奈が最後につぶやく言葉には涙が止まりません。

内容が濃く、登場人物それぞれのストーリーが深く描かれていますので、感動シーンも満載です。ぜひご覧ください。

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16位:臆病なひとりの女の子を描く!泣ける名作少女漫画!

 

ジャンヌ・ダルクの生まれ変わりである怪盗ジャンヌの正体は女子高生!?前世と現代が交錯する、美少女怪盗が贈る感動の物語です。

少女漫画家を代表する種村有菜のファンタジー漫画で、テレビアニメ化もされています。

 

著者
種村 有菜
出版日

 

ジャンヌ・ダルクの生まれ変わり、日下部まろんは高校2年生。堕天使フィンに渡されたロザリオを使って、怪盗ジャンヌに変身することができます。すべて完璧にこなす彼女ですが、実は両親が仕事でまったく家におらず、独りぼっちの暮らしに寂しさの闇を抱えていました。

怪盗ジャンヌは、失われつつある神の力を取り戻すために、美術品にとりついた悪魔を回収することが役目でした。そこへ謎の「怪盗シンドバット」が現れ「君に怪盗をやめさせたい」と宣戦布告をしてきます。その正体は、まろんの家の隣に引っ越してきた、イケメン転校生・名護屋椎空でした。

まろんは強く、優しく、気高く生きてきましたが、いつも独り。怪盗ジャンヌの仕事をこなしながら、少しずつ自分の弱さを認める強さを手に入れていきます。

こんな素敵な女の子になりたい!と思えるような、女の子の憧れが詰め込まれたキャラクターです。ぜひご覧ください。

 

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15位:少女と天狗の純愛が泣ける、ファンタジー少女漫画

桜小路かのこが贈る、少女と天狗の純愛ラブファンタジー人気作品。人間と妖怪が結婚したら……という異類婚姻譚をテーマに描かれた少女漫画です。

想い合う2人を引き裂く運命の呪いは、涙なしで見られません。2人の想いは未来を変えることができるのでしょうか?

幼い頃から、普通の人には見えない妖怪が見える不思議な力を持つ高校生、原田実沙緒。16歳の誕生日を迎える前日に突然、初恋の相手だった烏水匡が現れます。学校の副担任兼、数学教師として現れた彼の正体は、実は天狗で……。

著者
桜小路 かのこ
出版日
2007-01-26

 

憧れだった匡に、実沙緒は100年に1度しか生まれない「仙果の娘」と呼ばれる特別な人間だと告げられます。仙果の娘と結婚すれば一族が繁栄されると言い伝えがあり、いろんな妖怪から狙われはじめる実沙緒。そんな彼女を守ってくれるのは昔から変わらず匡でした。

幼いころから実沙緒を想い続け、彼女と結婚するという約束を守るために10年かけて天狗の当主になった匡。彼を恨む兄や、実沙緒を狙う妖怪達との激しい戦いが始まってしまい……。

匡は過酷な運命や危険な状況に晒されてもいつでも実沙緒を一途に想い続けます。

「俺が今まで望んだものなんて ひとつだ……!」(『BLACK BIAD』から引用)

力強い言葉に、女子ならば誰しも胸キュンすること間違いなし!徐々に明かされていく隠された運命には切なくなるでしょう。イケメン集団である匡の一族のかっこよさと、実沙緒を想う匡の強烈な愛情にドキドキしながら、感動のクライマックスをぜひご覧ください。

 

14位:胸キュンラブストーリーのバイブル的少女漫画!

『NANA』で大ヒットをとばした、矢沢あいの出世作品です。創立したばかりの高校の生徒会を舞台にくり広げられる青春ラブストーリーです。

切ない片想いと、両想いになってから感じる寂しさを胸キュン展開で描かれていきます。こんな恋がしたい!と悶絶すること間違いなしです。

著者
矢沢 あい
出版日

創立されたばかりで、第1期生しかいない私立聖学園高校。主な登場人物は5人です。生徒会副会長に選ばれ、誰からも好かれる人気者の、主人公・冴島翠と生徒会長の須藤晃、書記の麻宮裕子、同じく書記・河野文太、会計の滝川秀一。個性あふれる彼らは独自の生徒会を作っていきます。

晃に恋した翠は、毎日楽しく生徒会活動に邁進しています。そして晃にはずっと忘れられない人がいる事を知ってしまうのです。一度は成就しそうだった2人の恋ですが、ある時晃の忘れられない人に最大のピンチが訪れます。その危機を救うため、目の前で走り去っていく晃を見て翠は……。

「その時迷わずマキちゃんの手をつかんだ晃を
むきになる晃を
かっこいいと思った
頼もしいと思った
さっすが須藤晃だと思った」(『天使なんかじゃない』から引用)

冷静なモノローグですが、置いていかれる翠を想うと涙が止まりません。強く想いあっているからこそ、すれ違っていく恋もあるかもしれないと感じさせる晃と翠の関係。はたして、この恋の行く末はどうなるのでしょうか?いくつになって読んでも面白い、不朽の名作です。

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13位:プロバレリーナへの茨の道……!泣ける成長物語

 

山岸涼子が描く、バレエを舞台にした物語『舞姫 テレプシコーラ』。第1部は全10巻、第2部は全5巻で完結しています。バレエダンサーを目指している少年少女たちの舞台裏を描き、夢を叶えるための苦悩や、嫉妬を鋭く斬り込む作品です。

 

著者
山岸 凉子
出版日

第1部は、主人公の篠原六花が小学5年生のときから始まります。六花はおっとりした性格で、バレエを踊るのが大好きな女の子。姉の千花もまたプロバレリーナを目指していました。

姉の千花はやがて「くるみ割り人形」で華々しいデビューをはたしますが、舞台で転倒し、ケガを負ってしまいます。その後不幸な出来事が重なり、プロバレリーナとしての道が閉ざされた彼女は、ついに投身自殺を選んでしまうのでした。追い打ちをかけるように母親が倒れてしまいますが、六花は家族を支えながら、人としてもバレリーナとしても成長していきます。

第2部では高校生になった六花の姿が描かれます。小学生時代からプロバレリーナになるまで、主人公に起こる数々の試練に対して、六花はどのように耐えていくのでしょうか……?

作中、「天才だけがバレエを踊ってるんじゃないもの」とケガを負った姉が必死に這い上がろうとする姿に、感動と切なさがこみ上げてくることでしょう。

12位:青春の波に乗れ!過去の傷に泣けるストーリー

 

人気漫画家、咲坂伊緒が描く青春ラブストーリーです。アニメ化や実写映画化もされました。

中学時代の淡い初恋相手に念願叶って再会したとき、彼は別人のようになっていて……。あの頃のように笑ってほしいと思いながらも、すれ違ってしまう2人。彼らの想いは感動のクライマックスを迎えます。

 

著者
咲坂 伊緒
出版日
2011-04-13

可愛いくてモテそう……でも女子の反感を買わないためにわざとガサツに振る舞ってしまう、そんな高校1年生の吉岡双葉。そんな彼女にも甘酸っぱい初恋の思い出があります。

中学時代、男子が苦手だった双葉ですが、なぜかひとりだけ嫌ではない男の子がいました。それは隣のクラスの田中洸。彼と双葉は毎日目線を交わして淡い気持ちを確かめ合っていました。でも田中君はある日突然何も言わずに転校してしまいます。

高校1年の3学期に、洸を学校で見かける双葉。再会した2人は、あの頃両想いだったという事を語り合います。2年生に進級すると、双葉と洸は同じクラスになり、同級生として過ごしていくなかでお互いを想う気持ちが大きくなっていくのです。

しかし洸は転校していた期間にある出来事があり、心に闇を抱えていて、双葉との距離もなかなか縮まりません。それでも双葉は一途に想い続けますが、彼を過去から離れさせないある女の子の存在があり……。

洸を忘れようと、前から双葉を想ってくれている冬馬と付き合う双葉ですが、心と体がアンバランスな状態になってしまいます。

「今泣いたって もう遅いって分かってるのに 体は聞いてくれない」(『アオハライド』より引用)

ままならぬ想いに涙を流すシーンには誰しも心覚えがあるはず。切ない青春を切りとったシーンに涙が溢れます。すれ違ってしまった2人が、お互いの気持ちに素直になって結ばれる時は来るのでしょうか?ラストまで目が離せません。

 


『アオハライド』については<漫画『アオハライド』最終回までの見所をネタバレ紹介!無料で読める!>の記事で初会しています。気になる方はぜひご覧ください。

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11位:りぼんっ子の不朽の名作少女漫画!

 

1994年から連載された小花美穂の代表作『こどものおもちゃ』。学級崩壊や、家庭崩壊、少年犯罪などの社会問題を、子供の目線から描いた作品です。

小学6年生の倉田沙南は、映画やドラマに出演する人気子役タレントで、人気作家でお金持ちの母親との2人暮らしです。

彼女の小学校では、クラスメイトの羽山秋人が首謀して、男子が暴れまわり、学級崩壊が起こっています。沙南は羽山の荒れている原因を突き止めようと、自身で調査を始めました。そしてその秘密にたどりついた彼女は羽山の心の傷をそっと癒します。やがて2人に友情が芽生えはじめ……。

 

著者
小花 美穂
出版日

実は沙南には、捨て子という秘密がありました。公園に産まれたての沙南が捨てられていたところを拾ったのが今の母親。5歳の時に2人はある目標を立てます。いずれ本当の母親を探すために、沙南は劇団に入り普通の子供より少し有名になること、母は作家として活躍すること。そしてお互いで有名になったら、沙南は自叙伝を出し、本当の母親に名乗り出てもらおうとしていたのです。

ストーリーは暗くなりがちな話題も多くでてきますが、沙南の明るい切り返しでテンポよく進んでいきます。恋愛音痴な彼女にツッコみたくなる部分もありますが、沙南と羽山が子どもから大人になるまでの読みごたえのある名作少女漫画をぜひご覧ください。

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10位:不器用な2人を描いた甘酸っぱい少女漫画!

 

2008年に連載がスタートした「となりの怪物くん」。400万部を超える大ヒット作でアニメ化もされました。ろびこの特徴であるキャラ同士のテンポのよいかけ合い、丁寧な心理描写が際立った作品です。

高校入学早々、上級生を病院送りにしてしまい停学になった、吉田春。そんな彼の隣の席になったのは、自分の成績にしか興味のない冷血少女の水谷雫でした。停学期間が終了しても学校に来ない春のため、先生からプリントを渡すよう頼まれた雫は、顔も見たことのない春の元へ行きます。

 

著者
ろびこ
出版日

 

春は事情があり従妹と暮らしていて、昼間は従兄が経営するお店にいました。彼は頭脳明晰ですが、人とのコミュニケーションがとれないので、雫の顔を見た途端、その場から逃げ出します。

一方、雫も複雑な家庭環境で、自分は地道に生きていこうと勉強ばかりしていて、他人とは関わらず生きてきました。プリントを届けたことをきっかけに始まった友情ですが、思い込みが激しく、学校生活や友達に異常な理想を抱く春と関わるうちに、雫も周囲と接するようになっていきます。

春と雫をとりまくクラスメイトとの交流や、春の家族との切ないエピソード、春の一方的な片思いから始まった雫との恋模様をテンポよく、かつ丁寧に描いている作品です。

他人に本音が言えない雫がハルにはわがままを言ったり、ハルに嫌われてしまったと思い込んで泣き出したりするシーンにはぐっときます。嚙み合わない2人が惹かれあう青春ラブストーリーをお楽しみください。

 

9位:仮面優等生の2人が贈る学園青春ラブストーリー!

津田雅美が贈る学園ラブストーリーです。アニメ化され、海外でも出版されました。優等生として学校生活を送る男女2人の仮面の下の素顔にせまる青春ラブストーリーとなっています。

舞台は県内随一の進学校、県立北栄高校。その生徒の1年A組クラス委員・宮沢雪野がヒロインです。雪野は幼いころから成績優秀でスポーツ万能、容姿端麗な優等生。しかし本当は虚栄心の塊で、他人からの評価のために日々努力を重ね、品行方正な姿を演じているだけでした。

著者
津田 雅美
出版日

主人公は、雪野と同じクラス委員の有馬総一郎。雪野以上に成績がよく、スポーツ万能でイケメン、性格もよく非の打ちどころがない人物です。そんな総一郎には学校の誰も知らない悲しい過去がありました。

総一郎は、代々医者の家系である有馬家の跡取りですが、実は養子で、育ての親は叔父夫婦でした。叔父夫婦から深い愛情をもらい育ってきましたが、幼い頃実母から虐待を受けたトラウマを抱えています。叔父夫婦への恩返しのため完璧な人間にならなければならないと努力し、外でも家でも優等生を演じているのです。

最初は総一郎を嫌っていた雪野ですが、徐々に彼に惹かれていきます。総一郎もまた雪野に惹かれますが、昔のトラウマから素直に彼女を受け入れられません。幼少期のトラウマから誰からも愛されない、と心に深い傷を負っている総一郎を、雪野が深い愛情で包みます。その愛にふれ続けることで、かたくなになっていた総一郎の心が闇から救われていきます。

「彼女が籠を開けてくれた。やっと行ける 君の世界へ」(『彼氏彼女の事情』から引用)

総一郎の止まっていた時間が動きはじめるシーンには号泣してしまうでしょう。少しずつ仮面をとっていく様子が丁寧に描かれています。はたして完全に仮面を外した先に待っている展開とは?読んだ後には元気と勇気が出る作品です。

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8位:変わらない想いと変わってしまった「今」に泣ける!

小畑友紀が描く、切ない想いがすれ違いながらも、最後まで本当の愛を探す物語。1000万部以上売れ、実写映画化もされました。登場人物がみんな辛い恋愛をしており、何でもすんなりとうまくいかないところにリアルに感情移入してしまう作品です。

著者
小畑 友紀
出版日
2002-10-26

明るくて前向きな性格のヒロイン・高橋七美は釧路市の高校1年生です。七美はクラスメイトの矢野元晴にモテ男でチャラい印象を受けましたが、一緒に過ごすうちに少しずつ彼に惹かれていきます。

矢野は中学時代の彼女と死別していて、心に深い闇を持っていました。死んでしまった彼女を引きずる彼ですが、七美の明るさに支えられ、徐々に彼女を好きになっていきます。いろんな障害を乗り越えて、両想いになる2人ですが、矢野は東京に転校してしまい……。

淡い青春の初恋から、大人になってからの複雑な気持ちまでを描いた作品です。

「このずっと続く空の下、あなたは今どこにいますか?今日は誰と会い、どんな話をして、どこへ行きましたか?最後に私を思い出したのは、いつですか?今、誰を愛していますか?  私は、今日もあなたを愛しています」(『僕らがいた』より引用)

幼い時のまっすぐな想いは、大人になってさまざまな環境に縛られた時、どう変化していくのか。長い時間軸から見た、恋する気持ちが描かれた作品です。16歳で出会ってから、10年間で出した2人の答えを最後まで見届けてみてください。

7位:悲しくないのに、涙を流す少女?

『きょうの猫村さん』で有名な、ほしよりこの作品『逢沢りく』。4コマ漫画を読む感覚で、サクサク読み進められます。孤独な人が、人の優しさに触れたときに見える希望の光に感動します。

著者
ほし よりこ
出版日
2016-09-02

主人公は、中学生の逢沢りく。「まるで蛇口をちょっとひねるように 涙をこぼすことができる」とあるように、悲しいという感情がわからなくても、自由自在に涙を流すことができます。彼女は、優しいパパと、完璧主義者なママの3人家族。素敵な家族と憧れられそうだけど、実はパパは浮気をしているし、ママは浮気を知っていても気づかないフリをしていました。

そんな環境で育ったりくは、涙を「周囲を動かす武器」として都合よく使っていたのです。彼女は、やがて関西にいる親戚に預けられることに。ずけずけと心に踏み込んでくる関西の親戚たちに、嫌悪感をあらわにしますが、彼らはりくの涙におかまいなしに突っ込んできます。そんななか、小さな時男が懐いてきて、りくは戸惑いますが、しだいに心境に変化が表れ……。

小さな時男に「大人でもまちがえることはあるの」と言われても、汚い大人たちを許せないりくの心の葛藤には胸を打たれることでしょう。

孤独な主人公が、関西人の優しさとパワーに圧倒されながら、変わっていきます。彼女の変化は、家族をも変えていけるのでしょうか?感動のクライマックスまでぜひご覧ください。

6位:人間と妖怪の、泣ける恋愛

『夏目友人帳』の作者、緑川ゆきが贈る短編集『蛍火の杜へ』。6歳の少女と妖怪との交流、成長した少女の恋愛事情を交えて描いた表題作の他、3作品が収録されています。緑川の描く妖怪は繊細で心優しく、好感がもてます。優しい時間に包まれるような作品です。

著者
緑川 ゆき
出版日
2003-07-05

 

毎年夏休みになるとおじいちゃんの家に遊びに来ている、主人公の竹川蛍。ある日蛍は、妖怪が住むといわれている山神の森で迷子になってしまいます。泣いているところを、森の出口まで案内してくれたギンと名乗る高校生くらいの男の子。彼はある事情があって、妖怪になり、人間とかかわらないよう森で暮らしていたのでした。

蛍は毎年おじいちゃんの家に行く度に、ギンに会いにいくようになり、いつのまにか彼を好きになっていました。蛍の気持ちを知ったギンは、自分の素性を蛍に話して、忘れるように言い……。

今まで1度も触れることのなかったギンが「来い、蛍。やっとお前に触れられる」と両手を広げるシーンには涙が止まらなくなるでしょう。人間と妖怪のラブストーリーを繊細かつ切なく描いたラストには、思わず涙腺がゆるみます。

表題作の他に「花唄流るる」「くるくる落ち葉」「ひび、深く」が収録されています。

 

5位:競技かるたが繋ぐ、切ない青春ラブストーリー!

 

末次由紀が贈る大ヒット作『ちはやふる』。30巻以上続く長編作ですが、長いと感じることなく夢中になって読める作品です。

かるたを通して深まる友情や恋愛を描かれています。異色のテーマ「競技かるた」を題材にして、それに向き合う人々の姿を描いた感動作です。

 

著者
末次 由紀
出版日
2008-05-13

明るいだけが取り柄の主人公・綾瀬千早。彼女は小学生のときに綿谷新から教えてもらった、かるたの楽しさにのめり込んでいきます。そして千早に淡い恋心を抱く同級生真島太一とともに、「競技かるた」に青春を捧げていくのです。

時は経ち、高校生になった千早は、同じ学校に進学した太一を巻き込んで、かるた部を作ります。かつてかるたの面白さを千早に教えた新は、ある事情から一度はかるたを辞めていましたが、千早の熱い思いに動かされ、もう一度かるたと向き合うことを決意。競技かるたを通して再会した3人は、それぞれの目標に向かって、迷い悩みながらつき進んでいきます。

教室のメンバーや、個性あふれるかるた部の面々が競技かるたと向き合います。競技のシーンは、まるで熱血スポーツ漫画のよう。特に千早と太一にかるたを教えてきた、原田先生の熱血ぶりは暑苦しいほどです。そんな原田先生が、自分の限界に悩む太一に対して「青春全部懸けたって強くなれない?懸けてから言いなさい」と告げるシーンは感動的です。

千早と新、太一の三角関係も、競技かるたのストーリーと同時に進行していき、思わず胸キュンしてしまいます。千早が初恋の新を選ぶのか、いつもそばにいて支えてくれる太一を選ぶのか……。続きは本作でお楽しみください!

4位:少女漫画界の神の初期(1970年代)の代表作

バラをかきむしっている少年エドガーは母親のシーラに呼ばれ、妹のメリーベルとともに馬車に乗り、ポーの村を出ていきます。彼らポーツネル男爵一家は2年ごとに街を転々としているのです。その理由は、彼らがバンパネラ(吸血鬼)で歳をとらない身体であるからです。

著者
萩尾 望都
出版日
2016-05-10

新しい街で、エドガーは学校で友人となったアランを、シーラは町医者のクリフォードの婚約者ジェインをバンパネラの仲間にしようと試みますが、クリフォードに正体を気づかれます。クリフォードはシーラを刺し、銀の弾丸でメリーベルを射撃し、メリーベルは消滅してしまいます。彼らの正体を街に知らせようとするクリフォードですが、エドガーとポーツネル男爵に始末され、2人はシーラを助けて逃走。その逃走の最中、深手を負っていたシーラは消滅し、ポーツネル男爵は馬車に轢かれて消滅してしまいます。

一方アランは、理由があるとはいえ自分の叔父を突き落としてしまいます。ヤケになったアランはエドガーに誘われ、バンパネラになることを決意します。その後、彼ら2人は100年以上の時を駆け、旅を続けることになるのです。

萩尾先生の描く美しすぎる美少年たちの活躍と、時系列はバラバラですが綿密に繋がっているストーリーが読者の心を引きつけて離さない魅力だと思います。子供の頃に読んだ作品を大人になって改めて読むと違う発見や解釈があるのではないでしょうか。

3位:ジャズがきっかけで結ばれた友情!恋と友情の行方は

『坂道のアポロン』の舞台は、1966年の長崎県佐世保市。高度経済成長により、人々が豊かに暮らせるようになってきた時代です。父親の仕事の都合で、各地を転々としてきた西見薫は、真面目で繊細な性格。伯父の家に居候しており、日々文句を言われ、窮屈な思いをしていました。

著者
小玉 ユキ
出版日
2008-04-25

そんなある日、転校先の高校で、札付きのワルだという日本とアメリカのハーフ、川渕千太郎と出会います。ドラムをやっている千太郎をきっかけにジャズを知った薫は、その魅力にドップリとはまることに。

薫と千太郎は、音楽で繋がった関係。転校続きだったせいか、人間関係を上手く築くことができなかった薫にとって、千太郎は唯一無二の友人になります。だからこそ、彼の言動に振り回されがち。しかし、それが自分自身を見つめなおすきっかけとなり、少しずつ自分の問題に取り組んでいきます。

物語は進み、薫は東京の大学へ。しかし距離や時間を経ても、友情は変わらないのだと教えてくれます。複雑な家庭の事情や恋愛事情など、様々な問題と音楽が織りなす2人の物語を見守ってください。

 


『坂道のアポロン』の魅力を紹介した<『坂道のアポロン』は古くて新しい青春漫画だった!【ネタバレ注意】>の記事もおすすめです。気になる方はぜひご覧ください。

2位:東村アキコの泣ける自伝漫画!

 

実写映画化された『海月姫』など、大ヒット作を描く東村アキコ。『かくかくしかじか』は、著者の幼少期から有名漫画家になるまでの道のりを描くノンフィクション漫画です。作者自身も泣きながら書き上げたという感動シーンの数々から、漫画家の日常まで楽しめる内容になっています。

 

著者
東村 アキコ
出版日
2012-07-25

林明子(東村アキコ)は、幼少期の頃から漫画家になることを夢見ていました。宮崎県の田舎で育ち、絵の才能は天才だと思い込んでいた彼女は、高校3年生で美大受験のため日高絵画教室の美大進学コースに入ります。

そこで日高健三先生に出会い、それまで持っていた自信を一瞬で全て打ち砕かれてしまうのです。天才だと思っていたのに、下手くそと言われ竹刀で叩かれ、アイアンクローをされる苦痛の毎日。そんな過酷な環境のなかで、日々絵をかき続けるという、もっとも大事なことを教わるのでした。

美大卒業後、漫画家デビューも果たし、日高絵画教室の講師も勤めるなかで追われるような毎日を過ごしていた明子。仕事のため大阪に住んでいましたが、日高先生に呼ばれて宮崎に帰ると「オレ近々死ぬからよ!身体が動くうちに作品の整理したいからお前ら手伝え!」と言われたのです。当たり前にいる存在、日高先生からの衝撃的な一言でした。

最期を迎える先生と明子はどのように過ごしていくのか、何を選び、何を捨てていくのか、といったことを飾ることなく描き出す本作。ラストは涙で本が滲むほど苦しいものです。

辛いときにもなにかを伝えようと漫画を描き続ける、漫画家という仕事の魅力が存分に伝わってくる作品です。

 


『かくかくしかじか』の名言を集めた<『かくかくしかじか』の名言全巻ネタバレ紹介!東村アキコと日高先生の絆とは>の記事がおすすめです。

1位:感情と現実の経過速度の違いに泣ける。傑作少女漫画!

 

いくえみ陵が描く珠玉の恋愛ストーリーです。映画化もされた大人気作品です。いくえみ陵の漫画は伏線が多く、パズルのようにバラバラだった話が繋がっていきます。オムニバス形式で構成されていますが、それぞれの主人公がどこかでつながっていて、1話ごとにどんどん心に染み入ります。

さまざまなストーリーを通して、瀬戸カンナと赤沢禄の2人の姿が描かれている作品です。

 

著者
いくえみ 綾
出版日
2004-11-25

美少女で天然の瀬戸カンナは、中学生の時からモテモテで男の子が必ず周囲にいました。とりわけ、彼女のそばにはいつも幼馴染の同級生ハルタがいて、彼に守られていたのです。ハルタもまたモテモテのイケメンでした。2人は付き合ってはいないけど、キスはする……そんな曖昧な関係です。

高校に進学した2人に、真山と朝美という友人ができます。4人で過ごす時間が多くなっていくなか、真山はカンナに恋をして、2人だけで夏祭りに行くことになりました。しかし2人が待ち合わせをした夏祭りの夜、ハルタが事故に遭い死んでしまい……。

単純に好きな人を失ってしまったという感情ではなく、ハルタの好意を知っていたのに、向き合わずに甘えてきたという後悔の念を背負ったまま時が過ぎ、大人になってしまうカンナ。

ハルタのお父さんが再婚し、腹違いの弟がいることを知った時にカンナがつぶやく言葉があります。

「じゃあ、ハルタはどこに行ったのかなあ」(『潔く柔く』から引用)

ハルタを失ってから、ずっとどこかで彼を探し続けているような行き場のない気持ちが切なく、涙を誘います。

過去に縛られ本音や涙を隠してきた2人。彼らが否応無く動いていく現実にある時はうちひしがれ、ある時は勇気づけられる様子は、ただのラブストーリーを超えて胸に響いてくるものがあります。ぜひ名作少女漫画をじっくりとお楽しみください。

嫌なことがある日には、漫画で泣いてストレス発散するのもいいかもしれません。思わず胸が苦しくなるような切ない少女漫画で、心を洗ってみるのもまたおすすめです。今回ご紹介した作品は、しっとりした切なさから熱い青春まで、さまざまな感動が詰め込まれています。ぜひお手に取ってみてくださいね。

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