ジュンク堂書店松坂屋高槻店「太田愛フェア」/本屋遊泳~ブックリウムに会いに行こう~【第45回】

更新:2025.9.30

「書店オリジナルのフェア」の取材を通してお伝えしている本屋遊泳。今回はジュンク堂書店松坂屋高槻店さんの「太田愛フェア」について紹介します。 フェアについて担当者の西本裕子さんにお話しを伺いました!

ホンシェルジュ編集部です。編集部公式で全力で本を紹介したり、イベントレポートをしたり、インタビューをしたり。
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太田愛さんの新刊から既刊まで集めたフェア

次に読む作家を探している方におすすめなフェアを紹介します。

ジュンク堂書店松坂屋高槻店では、文芸担当が“最推し”と語る作家・太田愛さんの初の短編集『最初の星は最後の家のようだ』(光文社)の発売にあわせ、既刊を集めた特別フェアを開催しています。

太田愛さんは、テレビドラマ『相棒』の脚本を手がける一方で、『犯罪者』『幻夏』『天上の葦』といった話題作を発表し、映像と小説の両分野で高く評価されてきた作家です。

過去にも同店ではフェアを実施しており、その際から続く「太田愛さん著作売上カウンター」も再登場。

「日本で一番この本を売る!」を合言葉に、売れるたびに数字が増えていくユニークな仕掛けで、売場を盛り上げています。

フェアは6月25日から10月末まで開催予定です。

 

太田愛さんの作品を全力で楽しめるような工夫が盛りだくさん

太田愛さんの小説の魅力のひとつは、場面が目まぐるしく切り替わるスピード感。

その臨場感あふれる物語世界を、初めての読者でも楽しめるよう工夫されているのが今回のフェアです。

まず、既刊すべてを紹介する手作りフリーペーパーを用意。それぞれのあらすじを把握できるので、自分に合った一冊を選びやすくなっています。

新刊と既刊が一堂に並ぶ売場では、「どれから読もうかな」と比較しながら選ぶ楽しさも広がります。

さらに、『犯罪者』から始まる「鑓水シリーズ」は登場人物が多く、スピード感ゆえに初めて読む方は戸惑うことも。

そこで店舗オリジナルの“登場人物しおり”を用意し、人物紹介ページに戻らず確認できるようにしました。テンポを崩さず、物語に没頭できる工夫です。

こうしたフリーペーパーやしおりは松坂屋高槻店限定。

書店員の「太田愛さんを知ってほしい」という熱い思いが込められた、ここだけの特別なサポートです。

 

フェア担当者西本さんからのメッセージ

太田愛さんの作品は、エンタメとして夢中になれるだけでなく、現代社会の問題を鋭く映し出します。

突然の出来事に理不尽に人生を変えられてしまう登場人物の姿に、私たちは「これは他人事ではない」と気づかされます。

「今、書かなければならないことを書く」と語る太田愛さん。まさに「いつか」ではなく「今」読むべき作家です。

 

新しい作家と出会える書店

ジュンク堂書店松坂屋高槻店は、JR高槻駅からすぐの百貨店「松坂屋高槻店」4階にあり、400坪の広い売場に一般書・コミックから専門書まで幅広く取り揃えています。

文房具売り場も併設され、「本と本、人と人が出会う場所」として多くの人に親しまれてきました。

また、座り読み用のベンチや、親子で床に座って絵本を選べる絨毯敷きの児童書コーナーなど、誰もが心地よく本と向き合える工夫も豊富です。

新しい作家との出会いを探しに、そしてここでしか味わえない仕掛けを体験しに、ぜひ足を運んでみてください。

▼ジュンク堂書店 松坂屋高槻店

住所:大阪府高槻市紺屋町2-1 松坂屋高槻店4階
公式X @junku_takatsuki

 

おすすめ本①『最初の星は最後の家のようだ』

戦時中の地下室で過ごす双子の姉弟、給水塔に魅せられる少女、団地に刻まれる記憶など、日常に潜む幻想と喪失を描いた短編集。

現実と非現実が交錯し、忘れ得ぬ夏の光景が胸に残る五編と一篇のエッセイを収録。

 

おすすめ本②『犯罪者 上』

駅前で起きた無差別通り魔事件のただ一人の生存者となった青年・修司は、命を狙われながらも刑事・相馬と博覧強記の鑓水と共に真相を追う。

追う者と追われる者が交錯し、理不尽な暴力の連鎖が浮かび上がる。

 

おすすめ本③『犯罪者 下』

通り魔事件を追う修司・相馬・鑓水の三人は、やがて巨大企業と政治家の癒着に辿り着く。

次々と襲いかかる暗殺者を前に、国家規模の陰謀と隠された計画を暴き出すべく命を懸けた闘いに挑む、シリーズ前半の決着編。

 

おすすめ本④『幻夏』

幻夏

2017/8/25
太田 愛
KADOKAWA

通り魔事件を共に追った修司・相馬・鑓水の三人が再び挑むのは、少女失踪事件。刑事相馬の少年時代に起きた友の失踪と現在の事件が重なり、冤罪と隠蔽の闇が浮かび上がる。

過去と現在が交錯する渾身の長編ミステリ。

 


取材にご協力いただいた、ジュンク堂書店松坂屋高槻店の西本裕子さん、ありがとうございました!

ホンシェルジュでは、フェアを紹介させていただける全国の書店様を募集しております。ご興味をお持ちいただけた書店様は、問い合わせからぜひご相談ください。

次回もお楽しみに!

 

特集

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本屋を訪れる楽しみの1つが、その本屋さんオリジナルのフェア。ホンシェルジュでは「書店オリジナルのフェア」を「ブックリウム(本で満たされた空間)」と命名し、取材を通してその魅力をお伝えしていきます。

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  • 本屋遊泳~ブックリウムに会いに行こう~

    ホンシェルジュでは書店オリジナルのフェアを「ブックリウム(本で満たされた空間)」と命名。 本屋さんへの取材を通してフェアのテーマや選書を紹介、アーカイブ化する特集です。 ぜひお気に入りの本屋さんを見つけてください。

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