「書店オリジナルのフェア」の取材を通してお伝えしている本屋遊泳。 今回は勝木書店SuperKaBoS二の宮本店さんの「高志高校図書委員のオススメ!!フェア」について、文庫・文芸書担当 樋口麻衣さんにお話しを伺いました。

勝木書店 SuperKaBoS 二の宮本店にて、福井県立高志高等学校の図書委員が選書とPOP制作を手がけた「高志高校図書委員のオススメ!!フェア」が開催中です。
フェアで並ぶ本は小説からビジネス書、さらには現役生ならではの視点で選ばれた参考書まで。書店員の目線だけでは決して並ばないような多彩なラインナップは、普段出会えない一冊を見つける絶好の機会となっています。
きっかけは、同校から書店へ依頼された「POP講習」でした。プロの書店員から「おすすめしたい人に話しかける感覚で」「自分の体験を書く」といった極意を学んだ生徒たち。
実際に店頭で販売されることを意識し、読み手の心を動かす「売れるPOP」を作成してくれました。
これまで何度か実施されてきた講習ですが、実際の販売まで行うのは今回が初めての試み。自分たちの選んだ本が街の書店に並ぶという特別な体験に、生徒たちも楽しんで取り組んでくれたようです。
フェアは2026年1月から2026年5月ごろまで開催予定です。
本フェアの魅力は、展示されたPOPに宿る「独自の視点」です。文芸担当の樋口さんが「見た瞬間に売れると確信した」と語るPOPの数々は、単なる感想を超え、プロの書店員が「このまま全国の書店で使いたい」と感じるほどの仕上がり。
特に注目すべきは、現役高校生ならではの鋭い感性です。参考書に添えられた学生にしか書けないリアルな実体験や、既刊本に対して大人の想像とは異なる角度から切り込んだコメント。
そこには、10代ならではの解釈が随所に散りばめられています。
実際、講師が薦めた『ルビンの壺が割れた』を読んだ生徒が、その衝撃をそのまま綴ったPOPは、すでに10冊以上の売上を記録。彼らの言葉は、多くの大人の心をも動かしています。
本フェアは高校生と同世代の方はもちろん、普段から本に親しんでいる方にとっても新鮮な発見があるはずです。
特に大人の方にとって、「高校生が震えた一冊を、今の自分はどう感じるのか」。彼らの視点と自分の感性を比較しながら読み進める体験は、このフェアならではの醍醐味と言えるでしょう。
新刊やベストセラーはもちろん、専門書や郷土関連本の充実した品揃えが特徴です。特に小説コーナーでは、スタッフによる手書きPOPが、お客様と本との出会いを丁寧に演出しています。
また、書籍以外にもCD、ゲーム、トレカなど多彩なメディアを取り扱い、店内イベントも随時開催。
2026年4月からは、月一回の定期的な「読書会」や「読み聞かせ会」もスタートします。世代を問わず新しい発見を楽しめる、街の情報発信基地を目指している書店です。
ぜひ、足を運んでみてください。
▼勝木書店 SuperKaBoS 二の宮本店
〒910-0015福井県福井市二の宮5丁目18-8
ホームページ:https://www.katsuki-books.jp/
X:https://x.com/Katsuki_honten
「高校生たちのPOPが本当にすごいです。『好き!』が真っ直ぐ伝わってくる、見ているだけでも楽しいコーナーになりました。生徒さんの『好き!』が、皆さまの『好き!』になってくれると、これ以上にうれしいことはありません。
私たちスタッフも彼らに負けないよう、おすすめ本にPOPを添えています。当店が、皆様のとっておきの一冊との出会いの場になれば幸いです」
次からはフェアで展開されているおすすめ本を紹介していきます。
ルビンの壺が割れた
2017/8/22
SNSでの再会から始まる男女の往復書簡ミステリーです。一見、甘美な思い出話に浸る物語かと思いきや、読み進めるごとに違和感が募り、ラスト数行で世界が鮮やかに反転します。人間心理の深淵を覗き見るような、驚愕の読書体験を味わえる一冊です。
成瀬は天下を取りにいく
2023/3/17
滋賀県大津市を舞台に、独自の道を突き進む中学生・成瀬あかりの日常を描いた青春小説です。突拍子もない行動で周囲を驚かせながらも、どこか真っ直ぐで潔い彼女の姿に、元気がもらえること間違いなし。読後感の爽快さが際立つ、新しい時代のヒロイン像です。
東大の先生!文系の私に超わかりやすく物理を教えてください!
2022/10/5
「物理なんて無理!」と諦めていた人にこそ読んでほしい一冊です。数式をほとんど使わず、身近な例え話を通じて宇宙や世界の仕組みを解説。東大教授との対話形式で進むため、知識ゼロからでも物理の本質に触れ、知的好奇心が刺激される感動を味わえます。
10代のための座右の銘
2015/9/11
偉人の格言や名言を、現代の若者の悩みに寄り添って説いた道しるべのような本です。学校生活や進路で壁にぶつかったとき、自分を支える「言葉の力」を授けてくれます。人生を切り拓くヒントが詰まっており、大人になっても読み返したくなる不朽の教えです
小説8050
2021/4/28
80代の親が50代の引きこもりの子を支える「8050問題」を正面から描いた家族小説です。ある日、息子がいじめられていた過去を知った父の決断から、物語は急展開を迎えます。現代社会が抱える闇と再生の希望を、圧倒的な筆致で描き出した衝撃作です。
取材にご協力いただいた勝木書店SuperKaBoS二の宮本店文庫・文芸書担当 樋口麻衣さんありがとうございました!
ホンシェルジュでは、フェアを紹介させていただける全国の書店様を募集しております。ご興味をお持ちいただけた書店様は、問い合わせからぜひご相談ください。
次回もお楽しみに!
特集
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