「書店オリジナルのフェア」の取材を通してお伝えしている本屋遊泳。 今回はブックスルーエさんの「日記を読む。フェア」について、担当者の高橋麻菜さんにお話しを伺いました。

少しずつ暖かさが増し、新しい季節の訪れを感じるこの頃。新生活や環境の変化で心が揺れ動きやすい春に、ぴったりの読書体験はいかがでしょうか。
現在、ブックスルーエの階段踊り場スペースにて、昨今勢いのある「日記文学」を集めた注目のフェア「日記を読む。」が開催中です。
最近話題を集めている新しい「日記本」から、時代を超えて読み継がれる名作や古典まで、幅広いラインナップがずらりと並んでいます。さまざまな「誰かの日々」との出会いが待っています。
担当者の高橋さんによると、「いつか日記本のフェアをやりたい」と以前からずっと温めていた企画だったとのこと。春は何かを始めたり環境が変わる方が多いので、日記を始めたいとか読みたいと思ってくれる方が多いのでは、と思いこの時期に企画したそうです。
エッセイやZINEをはじめ、著名人から市井の人々まで、他者の日常を綴った「日記本」は今、静かなブームを呼んでいます。SNSの短い言葉とは違う、生活の温度感や心の機微がそのままパッケージされたような魅力に惹きつけられる人が増えているのかもしれません。
本フェアを企画した高橋さんが語る日記の魅力、それは「どこから読んでも面白い」ということ。最初から生真面目に読む必要はありません。
パッと開いたページからふらりと他人の日常に入り込み、誰が何を食べ、何に悩み、何を買ったのかを覗き見る。そんな個人的で些細な記録は、いつしか当時の息遣いを伝える「考現学(人々の生活や風俗の観察記録)」のような面白さを帯びてきます。
名もなき個人の記録が、時代を映す鏡になる。そんなスケールの大きなロマンも、日記は秘めているのです。
今回のフェアの魅力をさらに深掘りできる特別な「フリー冊子」も配布されています。なんと、ルーエのスタッフが実際に綴ったリアルな日記が掲載されているとのこと! さらに、マンガ家・くしだちゅろうさん(@churow)の描き下ろし絵日記も収録されており、まさに「身近な人たちの考現学」をその場で体験できるような、愛の詰まった一冊になっています。
当フェアは2026/4/5~5/2(最終日は17時頃まで)で実施しています。
一歩店内に足を踏み入れると、耳に心地よく響いてくるのは「ビートルズ」のBGM。本屋特有の静寂とは少し違う、この軽快でノスタルジックな音楽が、ブックスルーエならではの温かい空気感を作り出しています。
売り場は1階から3階までの充実した3フロア構成。吉祥寺という街は、数多くの作家やクリエイターが住み、活動していることでも知られています。トレンドを追うだけでなく、この街の空気を吸い込んだような独自の選書が、本好きの心を掴んで離しません。
そして、ブックスルーエを語る上で絶対に欠かせないのが、オリジナルのブックカバーです。吉祥寺を拠点に活動する人気イラストレーター、キンシオタニさんが手掛けたポップで温かみのあるイラストは、もはやお店のトレードマーク。「このブックカバーをかけてもらうために、あえてブックスルーエで本を買う」というファンも少なくないほどです。
駅前の便利な立地にありながら、独自のカルチャーを発信し続けるブックスルーエ。ぜひ足を運んでみてください。
▼ブックスルーエ
〒180-0004 東京都武蔵野市吉祥寺本町1-14-3
HP:https://www.books-ruhe.co.jp/
フェアをながめて「これはすべて個人の記録なんだよな」と思うとすごいことだなと私も改めて実感しました。日記の楽しさ、難しさ、などなど感じていただけたらと思います。
また月替わりで踊り場でのフェアをおこなっていますので、足を運んでいただけたら嬉しいです。
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異国で夢に破れた36歳の女性が、両親の家業である大工の世界へ見習いとして飛び込む姿を描いた日記エッセイです。過酷な建設現場でのハードな日々や葛藤を、体当たりの知性とユーモアあふれる文章で綴っています。
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取材にご協力いただいた、ブックスルーエの高橋麻菜さん、ありがとうございました!
ホンシェルジュでは、フェアを紹介させていただける全国の書店様を募集しております。ご興味をお持ちいただけた書店様は、問い合わせからぜひご相談ください。
次回もお楽しみに!
特集
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