「書店オリジナルのフェア」の取材を通してお伝えしている本屋遊泳。 今回は金龍堂まるぶん店さんの「熊本地震フェア」「夏目漱石フェア」について、店長の荒川俊介さんにお話しを伺いました。

現在、金龍堂まるぶん店では、熊本という土地の「過去・現在・未来」を繋ぐ、非常に意義深い2つのフェアが開催されています。
まずご紹介するのは、「熊本地震フェア」です。
2016年4月に発生した熊本地震。同店も大きな被害に見舞われ、当時は長期休業を余儀なくされました。被災から10年という大きな節目を迎える今年、荒川店長は改めてこのフェアを企画したと言います。
「復興への歩みを振り返るとともに、あの時の震災の記憶を風化させず、未来へつないでいくために企画しました。今回は、被災直後に発行された本と、最近刊行された新しい本をあえて併売し、手にとっていただいた方に10年という時の流れをリアルに感じていただけるような選書にしています。」と語る荒川店長。
被災直後の混乱期、人々は本に何を求めたのか。そして、この10年で熊本はどう変わり、進んできたのか。2つの時間軸を行き来することで、荒川店長の言葉の一つ一つがより深く心に響きます。
フェアは2026年8月31日まで開催予定です。
もう一つの注目フェアは、「夏目漱石フェア」です。
実は2026年は、文豪・夏目漱石が英語教師として熊本の地に降り立ってから、ちょうど130年という記念すべきアニバーサリーイヤー。熊本県内各地でイベントが企画され、大きな盛り上がりを見せています。
「漱石への関心やニーズが非常に高まっているのを感じ、このフェアを企画しました。熊本での実体験をもとに執筆された名作『草枕』『二百十日』『三四郎』をメインに据えながら、彼の代表的な作品まで幅広く手にとっていただけるよう選書を広げています。」
と荒川店長。今なお色褪せない漱石のユーモアや鋭い知性に、彼の愛した「熊本」の地から触れ直す贅沢な機会となっています。
フェアは2026年8月31日まで開催予定です。
金龍堂は大正9年創業、今年で106年目の老舗書店です。
店頭にカッパの銅像があることで知られています。カッパの知名度が高すぎて「まるぶん」という店名ではなく「カッパの本屋さん」として認知されています。
カッパの特技は仮装です、秋はハロウィン、冬はサンタなど、季節や行事に合わせたコスプレで街行く方々を魅了します。『20世紀少年』の”ともだち”に扮したこともあります。
あらゆるジャンルの本を取り揃えた総合書店です。なかでも医学専門書と学習参考書は熊本県下でも最大級の在庫量でお客様の様々なニーズにお応えしています。
▼ 金龍堂まるぶん店
〒860-0845 熊本県熊本市中央区上通町5-1
e-hon:https://www.e-hon.ne.jp/bec/SHOP84085
町の書店の減少が叫ばれています。インターネットが日常に溶けこんでいる現在、知恵と情報を得る手段として、町の書店はもはや不便な部類に入るかもしれません。しかし、”熊本地震から10年”だとか”夏目漱石来熊130年”といった、地域のできごとや動向にリアルに接する機会は書店でしか得られないと私は思っています。
書店に来れば世界中のあらゆる場所に触れ、過去、現在、未来のあらゆる時を感じることができます。その中に必ず、あなたの心を動かすものがある。書店はあなたをカタチ作る「何か」と出会える場であり続けます。
来たれ、書店へ!
熊本地震連鎖の衝撃
2016/11/21
震度7に2度襲われた熊本地震の未曽有の被害と、次々に発生した地震の連鎖メカニズムを地方紙の視点から徹底検証。被災地の生々しい実態を記録し、今後の巨大地震に備えるための教訓を伝える決定版となる一冊。
平成28年熊本地震 発生から2週間の記録
2016/5/23
2016年熊本地震の発生から2週間、最大震度7に2度襲われた被災地の状況を記録した写真集。凄まじい被害の爪痕や懸命な救助活動、避難生活を送る人々の姿をリアルに捉え、震災の記憶と教訓を後世に語り継ぐ一冊。
熊本地震の真実 語られない「8つの誤解」
2022/8/15
放送大学の番組を基に、熊本地震を巡る「8つの誤解」を科学的・多角的な視点から検証した一冊。断層の連動や予測の限界、復興における「公助・自助」の盲点など、見逃されてきた真実を直視し教訓を再整理する。
阿蘇神社 熊本地震からの復旧に見るその姿
2024/2/26
熊本地震で倒壊した国の重要文化財・楼門などの再建に挑んだ、約8年間に及ぶ阿蘇神社の復旧の軌跡をたどる記録集。歴史や文化財としての価値を守りながら、元の部材を最大限に生かして未来へと繋ぐ匠の技術と人々の想いを描く一冊。
日常 2016.04.14熊本地震からの10年
2026/4/10
震度7に2度襲われ深刻な被害を受けた熊本県益城町を舞台にした記録集。あれから10年、復興を遂げつつある町で暮らす30人・組の町民や事業者が、この間の歩みやそれぞれの「日常」への想いを語るインタビュー集。
取材にご協力いただいた、金龍堂まるぶん店の荒川俊介さん、ありがとうございました!
ホンシェルジュでは、フェアを紹介させていただける全国の書店様を募集しております。ご興味をお持ちいただけた書店様は、問い合わせからぜひご相談ください。
次回もお楽しみに!
特集
本屋を訪れる楽しみの1つが、その本屋さんオリジナルのフェア。ホンシェルジュでは「書店オリジナルのフェア」を「ブックリウム(本で満たされた空間)」と命名し、取材を通してその魅力をお伝えしていきます。
本屋遊泳~ブックリウムに会いに行こう~
ホンシェルジュでは書店オリジナルのフェアを「ブックリウム(本で満たされた空間)」と命名。 本屋さんへの取材を通してフェアのテーマや選書を紹介、アーカイブ化する特集です。 ぜひお気に入りの本屋さんを見つけてください。