精文館書店豊橋本店「真夏の(秘)どんでん返しミステリーフェア」 /本屋遊泳~ブックリウムに会いに行こう~【第55回】

更新:2026.8.14

「書店オリジナルのフェア」の取材を通してお伝えしている本屋遊泳。 今回は精文館書店豊橋本店の「真夏の(秘)どんでん返しミステリーフェア」について、店長の川田智美さんにお話しを伺いました。

ホンシェルジュ編集部です。編集部公式で全力で本を紹介したり、イベントレポートをしたり、インタビューをしたり。
LINE

表紙が見えないミステリーフェア。黒カバーで届ける偶然の本との出合い

愛知県豊橋市の精文館書店豊橋本店では、「真夏の(秘)どんでん返しミステリーフェア」を開催中です。フェアで展開している全ての本を真っ黒なカバーで覆い、書誌情報を一切隠した状態で販売するユニークな企画です。

今回のフェアは、2026年4月に発売された『どんでん返しミステリガイド』をきっかけに誕生しました。ガイド内で紹介された国内40作品・海外20作品の中から、仕入れが可能な書籍を集めて店頭に並べています。

本を選ぶ段階から、まるでミステリー小説の仕掛けに挑むかのようなワクワク感を味わえるのが最大の魅力となっています。

本フェアは2026年7月1日(水)〜2026年9月23日(水)まで開催予定です。

タイトルも著者も秘密。手動で1冊ずつ黒カバーを巻いた挑戦

本フェアの最大の特徴は、本が真っ黒なカバーで覆われ、タイトルも著者名も分からない点です。来店客は、『どんでん返しミステリガイド』を参考にスタッフが作成した「おすすめコメント」だけを頼りに作品を選びます。

『普段は著者名や「孤島」といったキーワードを基準に選ぶことが多いと思いますが、事前情報がない状態で、まっさらな気持ちで本に出会うのが新鮮で楽しいのではないか、と考えて企画しました』と川田店長は語ります。

過去にも表紙を隠して本を販売した事例もあり、『文庫X』のようなヒット商品も生まれていますが、店舗独自で一から準備を行うのは初の試みでした。カバーのデザイン考案や、1冊ずつカバーを巻き付ける作業には苦戦を強いられましたが、スタッフが一丸となって準備を進めたそうです。

既読なら返金も。安心して手に取れる細やかな配慮

表紙が見えない販売形式には「すでに読んだ本だったらどうしよう」という不安がつきまといます。

そこで店舗では、安心して購入できるよう2つの工夫を取り入れています。

1. どうしても知りたい場合は、購入前にタイトルの確認が可能

2. 購入した本がすでに所持しているものや読了済みのものだった場合、返金に対応

こうした工夫により、もともと層の厚いミステリーやSFの読者からはフェア開始直後に反応があり、さらに学生グループが「これ何だろう!」と足を止め、楽しそうに選ぶ姿も見られています。

また、企画の性格上、具体的な書名は明かされていませんが、ラインナップには東野圭吾さんの作品も含まれているとのこと。実は企画者自身が学生時代に挑戦し、自力で真相を解き明かせず結末に驚かされた、思い出の一冊だそうです。

手掛かりが短文コメントだけだからこそ、「これはどんな作品だろう?」と想像を膨らませる買い物が楽しめます。普段の検索では巡り会えない本と出合える特別な仕掛けに、ぜひ触れてみてください。

聖地巡礼でも話題。創業100年を超える豊橋のシンボルショップ

精文館書店豊橋本店は、1923年(大正12年)に愛知県豊橋市にて創業した歴史ある書店です。

5層・800坪におよぶ広い売り場には、新刊や話題書をはじめ、専門書、コミック、ホビー書まで幅広く揃っています。世界の文房具を集めた売り場も併設され、地域の本好きを支え続けています。

最近では、アニメ化された人気ライトノベル『負けヒロインが多すぎる!』の舞台(聖地)としても話題を呼び、全国からファンが訪れています。

お近くにお越しの際は、ぜひ店舗へ足を運んでみてください。

精文館書店豊橋本店
愛知県豊橋市広小路1-6

お店の情報は公式HPまたは公式Xアカウントからご確認ください。

店長の川田智美さんからのメッセージ

当フェアに限らず、書店店頭で偶然出会った本が、一生の宝物になることがあります。アルゴリズムやレコメンドでは見つからない「あなたの1冊」に、ぜひ会いに来てください。

おすすめ本『どんでん返しミステリガイド』

国内外の名作ミステリー60本から「先入観を覆す驚き」の歴史と技術を紐解くガイド本。前半はネタバレなしの作品紹介、後半はネタバレ解禁で超絶技巧を徹底考察する、ミステリファン必携の偏愛に満ちた一冊。


取材にご協力いただいた、精文館書店豊橋本店 店長の川田智美さん、ありがとうございました!

ホンシェルジュでは、フェアを紹介させていただける全国の書店様を募集しております。ご興味をお持ちいただけた書店様は、問い合わせからぜひご相談ください。

次回もお楽しみに!

 

特集

過去の記事はこちらから

本屋を訪れる楽しみの1つが、その本屋さんオリジナルのフェア。ホンシェルジュでは「書店オリジナルのフェア」を「ブックリウム(本で満たされた空間)」と命名し、取材を通してその魅力をお伝えしていきます。

この記事が含まれる特集

  • 本屋遊泳~ブックリウムに会いに行こう~

    ホンシェルジュでは書店オリジナルのフェアを「ブックリウム(本で満たされた空間)」と命名。 本屋さんへの取材を通してフェアのテーマや選書を紹介、アーカイブ化する特集です。 ぜひお気に入りの本屋さんを見つけてください。

  • twitter
  • facebook
  • line
  • hatena
もっと見る もっと見る