いつの時代も子供たちに夢を与えてくれる少女漫画。大人になって読んでみると昔とは一味違うテーマが見えてくるかもしれません。そんな懐かしのファンタジー漫画をランキング形式でご紹介します。
主人公は武術家の娘である仙道桃花。小学生のころから幼馴染の中国人、煌竜牙(りゅうが)に片思いをしています。竜牙は呪術師で、除霊など危険な仕事を請け負っていて、大きくなるにつれ離れていく竜牙に寂しさを感じていました。
そんなある日、友人の煌春蘭(しゅんらん)が突然危険にさらされ、春蘭を助けようと竜牙が守護聖龍(ドラゴン)を自分に取り込むために召喚した時にアクシデントがあり、聖龍がなんと桃花に憑いてしまいました。
桃花が得た聖龍の力は危険なため、竜牙は呪術で一時的に桃花の聖龍を封印しますが、度重なる強敵との闘いで、桃花の力が必要になっていきます。竜牙と再び悪霊を倒すため一緒にいられることを喜ぶ桃花でしたが……。
- 著者
- 松本 夏実
- 出版日
見所は、お互い惹かれあっていても素直になれない桃花と竜牙が、ピンチの時には助け合って、「お前を守るのはオレだ」と竜牙が言ったり、要所要所で散りばめられた胸キュンシーンです。
また作中で登場する桃花のお気に入りのパンダコレクションがとても可愛くて、思わず集めたくなった読者もいたのではないでしょうか?ずっと大切にしていたパンダのロンロンがしゃべれるようになったのも印象的です。ぜひご覧ください。
ごく普通の女子高生、綾子が、ひょんなことから知り合った天才科学者によって2人に分裂してしまうという斬新な設定で展開するファンタジー漫画です。
2人に分裂してしまった綾子が、片割れとともに奇妙な同居生活をスタートするところから物語がはじまります。
- 著者
- つばな
- 出版日
- 2011-09-13
まったく同じ人間が2人登場し、お互いに戸惑いながらも彼女らは急逝した姉の記憶を共有します。そして家族に分裂してしまったことを打ち明けるのです。
それから2人と家族での生活がはじまるのですが、学校へ行ったり遊びに行ったりするのは、1日交代でそれぞれが行うことになります。そのことが、お互いの想いにすれ違いを生じさせることになってしまうのです。
友人と遊ぶのも、憧れの先輩とのデートにも、1人しか行けないことの罪悪感がお互いを包み込んでいくうちに、分裂してしまった片方の正体が明らかになっていきます。
何が増えて、何が減ったのか。日常の中にある非日常が描かれた「ちょっと不思議な世界」を堪能してください。
本作は、古びた塀に囲まれた森を舞台に、謎の青年・蒼一と精霊たちが織りなすヒューマンファンタジーです。
森に住む生き物の中で、唯一の人間である蒼一は、時おり森を訪れてくる者たちの手助けをして、スタンプを集めているのですが、そのスタンプが、本作を彩る鍵の役目をしています。
- 著者
- 岩岡 ヒサエ
- 出版日
- 2009-12-04
星が原1丁目の雑木林に住む、道具や植物の精霊は人間の形をしていて、動物の精霊は二足歩行をし、話すことができます。
スズランの精の「鈴」は純粋でかわいらしい女の子。ニワトリの「キイ」は天邪鬼な性格をしていて、百科事典の精である「モモカ」はやさしくて包容力抜群です。ユニークで個性豊かな精霊たちがたくさん登場するのも、本作の魅力の一つでしょう。
さらに、森を活かすために伐られた木々の怒り、「科子」という名の風の精霊の同族が蒼一に抱く嫉妬心、「科子」との約束を信じ、ひたすらスタンプをためる蒼一など、人間のエゴや心の奥底に潜む闇の部分を描き出すことで、自然の厳しさや脅威の部分が強調され、物語がより重厚なものになっています。
「共に生きる」ということは、やさしいだけでも厳しいだけでもいけない、と気づかせてくれる珠玉のストーリー。ぜひ、精霊たちの森の中を楽しんでみてください。
両親の都合で同い年の男の子と、一つ屋根の下で暮らすことになってしまった主人公。
不愛想な同居人とは上手くなじめず、新生活は不安でいっぱい。それだけでも大変なのに、突然転がり込んできた迷子の赤ちゃんは、なんと遭難した宇宙人だったのです。
男の子との共同生活にドキドキ、というのは少女漫画ではよく見かける展開ですが、本作『だぁ!だぁ!だぁ!』は、初めての子育て、しかもその赤ちゃんは超能力を使える宇宙人!というSF色の強いファンタジー漫画です。
- 著者
- 川村 美香
- 出版日
- 1998-09-02
不器用な二人が徐々に惹かれあっていく恋愛要素だけではなく、迷子の宇宙人・ルゥの巻き起こすドタバタコメディ、子育ての喜びや苦労、家族との絆など、様々なテーマをポップな絵柄とテンポの良いストーリーで楽しめます。
本作には登場人物たちのその後を描いた、続編『新☆だぁ!だぁ!だぁ!』も発表されているので主人公たちのその後が知りたい!という方にもおすすめのファンタジー漫画です。
もしも魔法が使えたら……そんな憧れを抱く女の子は多いのではないでしょうか。
憧れの先輩に釣り合う可愛い女の子になりたい!というのは、誰だって思い描く理想。
本作『姫ちゃんのリボン』の主人公・姫子はどこにでもいる明るく元気な女の子。そんな姫子に魔法の国のお姫様が貸してくれたのは「誰にでも変身できる魔法のリボン」でした。
願いを叶えてくれる「魔法のリボン」の力を使い、主人公が恋に友情に人助けにと奔走するファンタジー漫画です。
- 著者
- 水沢 めぐみ
- 出版日
登場人物達の発言や行動を楽しみつつ「魔法で変身できることがバレてしまうと大変なことに……」という緊張感には、ページを捲るたびにハラハラとさせられるでしょう。
主人公を取り巻く人間関係、一筋縄ではいかない恋愛模様も必見です。
また、2009年には『姫ちゃんのリボン カラフル』として完全リメイク版も連載されました。
原作とリメイク版を読み、違いを比べてみるのも面白いでしょう。おすすめのファンタジー漫画です。
Dr.のつく風水師と言えば現実の著名人を思い浮かべる方もいるかもしれませんが、本作『Dr.リンにきいてみて!』では可愛い女の子が占い師として登場します。
幼くして占いの才能を開花させた主人公・明鈴が、天才風水師・Dr.リンとして人々の悩みを解決していく変身ヒロインもののファンタジー漫画です。
本作は風水・占いがテーマになっているため中華風なデザインや占いの用語が多く登場します。他作品とは一線を画したアジアンテイストな衣装も注目のポイントです。
- 著者
- あらい きよこ
- 出版日
定番の魔法少女もの、というよりはスピリチュアルな雰囲気を感じるのもこのファンタジー漫画の特徴と言えるでしょう。
可愛らしい絵柄とは裏腹にシリアスな要素を含んだストーリーに、読み進めるほどに引き込まれていきます。読み手の予想を越えてくる展開は必見で、読み進めていく中では驚かされることも多いでしょう。恋愛要素もしっかりと描写されているため、主人公を巡る恋の行方にも注目してみてください。
占い・風水に興味がある方には特におすすめしたいファンタジー漫画です。
「この世界を助けて」(『魔法騎士レイアース』から引用)
中学校の社会見学中、天からの呼び声を聞いた三人の少女が召喚されたのは、滅びゆく異世界『セフィーロ』でした。
ごく普通の中学生が武器を持ち、甲冑を纏って「伝説の魔法騎士(マジックナイト)」として異世界を救う旅に出る、まるでRPGのような一風変わったファンタジー漫画です。
「捕らわれのお姫様・悪の神官・試練を乗り越え強くなる主人公たち」と、王道ファンタジーの要素をしっかりと抑えつつ、さらに細部まで書き込まれた美麗なイラストは見ているだけでもまるで本当に異世界が存在しているような気分を味わえます。
- 著者
- ["CLAMP", "なかよし編集部"]
- 出版日
世界観だけではなく、世界の理や正義と悪など、シンプルですが難しいテーマを扱ったストーリーも見どころの少女漫画です。
三人の旅の果てに待ち受ける運命と真実とは。読者の感性に語り掛ける、王道の中の異色作です。結末はぜひ貴方の目でお確かめください。
『魔法騎士レイアース 』については<『魔法騎士レイアース』登場人物の魅力を徹底考察!【懐かしなかよし漫画】>の記事でも紹介しています。気になる方はあわせてご覧ください。
ジャンヌ・ダルクの生まれ変わりである主人公・日下部まろんは高校2年生。まろんは真夜中に、堕天使フィンに渡されたロザリオで、怪盗ジャンヌに変身します。怪盗ジャンヌは、失われつつある神の力を取り戻すために、美術品にとりついた悪魔を回収することが役目でした。
そこへ謎の”怪盗シンドバッド”が現れ「君に怪盗をやめさせたい」と宣戦布告をしてきます。その正体は、まろんの家の隣に引っ越してきた、名古屋稚空(ちあき)でした。怪盗シンドバッドに仕事の邪魔をされながらも、まろんは次第に稚空に惹かれ始めます。
- 著者
- 種村 有菜
- 出版日
その後まろんは、フィンに騙されていた事が分かり、変身できなくなったり、過去に飛ばされたり、物語は複雑になっていきます。過去の怪盗ジャンヌVS現在の怪盗ジャンヌという対決で、まろんが目の前の過去のジャンヌに「もう泣いてもいいよ 私……ひとりじゃないから」というシーンは泣けてしまいます。
まろんは強く、優しく、気高く生きてきましたが、いつも独りでした。そんなまろんに寄り添う稚空との恋愛模様からも目が離せません。ちょっとエッチな稚空にりぼんっ子もドキドキしていたと思います。
怪盗ジャンヌの抜群のスタイル&可愛い衣装に、まろんと稚空のラブラブシーン、悪霊をチェックメイトしてチェスに変え回収する爽快シーンなど見どころ満載です。ぜひご覧ください。
変身ヒロインブームの火付け役とも言える作品『美少女戦士セーラームーン』
アニメ、ミュージカル、キャラクターグッズと幅広い世代に愛され、未だ色あせることのない名作です。
月からの使者・黒猫のルナに導かれ、セーラー戦士としての力を与えられた少女、月野うさぎは地球を襲う妖魔との戦いを通して自らの運命を知ることとなります。
主人公「セーラームーン」こと月野うさぎを含む、個性豊かなキャラクター達も魅力的ですが、複雑に絡み合う過去と未来、時空を飛び越えるほどの壮大なストーリーは大人でも納得の読み応えです。
- 著者
- 武内 直子
- 出版日
- 2003-09-22
少女らしい恋の感情から、次第に「運命の愛」を追いかけていく主人公の姿にも、子供から大人へと成長していく女性としての強さを感じます。
1992年にアニメ化、2014年には改めて新作アニメも制作された作品ですが、原作の漫画にしかない独特、かつ大胆な表現は必見です。
シリアスな展開は読者に強い衝撃と印象を与えますが、少女漫画という枠に捕らわれず、読み手をの心を引き込むストーリーも、長年に渡り愛される作品となった理由なのでしょう。
一つの「王道」を切り開いた『美少女戦士セーラームーン』。本作で現在まで続く、ファンタジー漫画のルーツを探ってみるのはいかがでしょうか。
ランキング形式でご紹介しましたが、どの作品も「名前は知ってはいるが読んだことがない」、「アニメを見ていたが漫画は未読」という方に手に取っていただきたい懐かしの名作ばかりです。
あらすじは知っているから、と手に取るのを躊躇いがちな有名作品だからこそ、ページを捲り、絵と文字で紡がれる「物語」でしか味わえない新しい魅力や感動があるかもしれません。