どんでん返しが面白い国内ミステリー小説おすすめランキングベスト6!

更新:2021.12.15

そういうことだったのか!と思わず膝を打つ瞬間がミステリー小説の醍醐味ではないでしょうか。文字を追っていく中で自分の推理が、気持ちよく裏切られる快感を存分に味わえる作品をご紹介!どの作品も読んだ後には誰かに紹介せずにはいられない逸品です。

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6位:暗黒メルヘン系ミステリー小説

著者
小林 泰三
出版日
2013-09-20

 

メルヘンで奇妙なアリスの世界のイメージが一気にダークに染まっていく……。それほどまでにグロテスクで凄惨。なのにそれがなんだかクセになります。

そしてなんとも摩訶不思議なミステリーです。現実の世界と夢の世界がリンクしていて、夢で見たアリスの世界で死んでしまうと、現実の世界でも死んでしまうのです。

主人公は大学院生の栗栖川亜理。最初に見たハンプティ・ダンプティの墜落死の夢のあと、現実世界でも玉子というあだ名の知人が墜落死にリンクしたところから、物語は始まります。

夢の中ではアリスが犯人だとされ、処刑されれば現実世界のアリスも死んでしまう。果たして、犯人は誰なのか。アリスの世界での正体は誰なのでしょうか。

不思議の国のアリスのキャラクターはもちろんのこと、一風変わった会話や、世界観がしっかり埋め込まれており、アリス好きならではの楽しみ方もできます。

もちろんアリスに詳しくない方でも、しっかりとミステリーを楽しむことができます。あなたはこの謎を解くことができるでしょうか。ラストに待つ衝撃の結末をお楽しみください。大どんでん返しが待っています。最初から最後まで、どうぞ読み逃しのありませんように。

なお、続編として『クララ殺し』も出版されていますので、合わせてお楽しみください。

5位:たたみかけるどんでん返し

著者
歌野 晶午
出版日

 

日本推理作家協会賞、本格ミステリ大賞、このミステリーがすごい! 第1位、本格ミステリベスト10 第1位、と2004年の話題を一身に集めた作品。

「何でもやってやろう屋」を自称する元探偵の主人公成瀬は、同じフィットネスクラブに通う久高愛子から、悪徳商法業者の詐欺に巻き込まれた身内の相談を受けます。同じ時期に、駅のホームで飛び込み自殺を図った麻宮さくらを助ける成瀬。

このふたつの出来事をきっかけに、物語はどんどん転がり出すのです。悪徳詐欺の話、主人公成瀬が探偵見習いの頃の話、主人公の飲み仲間である安さんの娘の話、様々な話が紆余曲折しながら混ざり合います。

読者の思い込みをうまく利用した、叙述トリックのお手本となり得るような本作。ストーリーの終盤には、驚きの連続が用意されていて、ラストのラストには想像もしないような結末を迎えます。しかし、読後の後味は良く、思わずもう一度読み返したくなるような作品になっているのです。

4位:最後の最後にどんでん返し

著者
東野 圭吾
出版日
1995-03-07

婚約者の朋美を事故で亡くした主人公の高之は、彼女の両親から別荘へ招待されます。そこに居たのは、朋美の姉、従妹をはじめとする8人の男女。彼らが話題にするのは、不可解な朋美の死のこと。

そんな不穏な雰囲気の中、別荘に逃走中の銀行強盗が逃げ込んできます。人質に取られた8人は、なんとか脱出を試みるが、失敗。そんな中、従妹の雪絵が刺殺されているのが発見されます。当時の状況から、犯人が銀行強盗たちの可能性はなく、残された7人は、お互いが犯人ではないかという疑惑ににかられていくのです。

ガリレオシリーズで有名な東野圭吾の作品です。人里離れた別荘で起こる、いわゆる密室殺人なのかと思わせておいて、それを裏切ります。そこに潜入してきた銀行強盗が事件の鍵を握るかと思わせて、それも裏切る。しかし一番裏切られたと感じるのは、その結末に用意されているのです。どれも良い意味での裏切りで思わずしてやられた、という予想外の展開が用意されています。

3位:再読必至のどんでん返し

著者
乾 くるみ
出版日
2007-04-10


1986年から1987年頃の旧静岡市を舞台としており、80年代後半の社会や流行りを感じさせる描写が数多く用いられています。物語はside-Aとside-Bと別れており、各章のタイトルは、その内容を象徴する当時の楽曲名になっているなど、作品全体の作りが非常にポップな印象に仕上がっています。

side-Aでは、奥手だった「僕」こと主人公・大学生鈴木が、合コンで出会った繭子に心を惹かれるところからストーリー始まります。同じメンバーで行った海水浴で繭子と再会し、電話番号を受け取った鈴木は、奥手ながらもデートの約束を取り付けるのに成功!ふたりは距離を縮めていきます。

side-Bでは、繭子のために東京の企業ではなく静岡の企業に就職した鈴木に、親会社のある東京に2年間の派遣の話が浮上するところから始まります。毎週末に静岡と東京を行き来しながら、繭子との関係を続ける鈴木。しかし、東京には見た目も中身も完璧な同僚石丸がおり、ある日、仕事を通じて意気投合したふたりは……。

主人公鈴木と繭子との間に、才色兼備な女性石丸が現れて、と、これだけの紹介だと単なる恋愛小説にしか思えないのですが、それが実はそうではないところも本作品の面白いところのひとつ。

人が殺されるようなミステリーではないので、そのジャンルが苦手な方には超オススメです。この作品はそのトリックの巧みさから映像化不可能と言われていましたが、2015年に松田翔太、前田敦子主演で映画化もされてます。ぜひそのひっかけをどのように映像化したのか、原作を読んで映画も楽しんでみてください。

2位:そうきましたか!?の、どんでん返し

著者
殊能 将之
出版日
2002-08-09


女子高生が絞殺され、死体の首にハサミが突き立てられている事件が2件発生する。マスコミは、「ハサミ男」と犯人を呼び、世間的に知られた事件となります。

そんな中、「ハサミ男」が第三のターゲットとして選んだ女子高生、由紀子が殺されます。同じ手口を使った別人に。運悪く、由紀子の遺体を見ていたときに他の発見者に声を掛けられ、第一発見者を装うハサミ男。

遺体発見者の日高、安永、そこに警視庁の堀之内、所轄の刑事磯部が絡みハサミ男が誰なのかを追っていくストーリーです。

ハサミ男の行動は一人称で語られるのに対して、刑事たちの行動は三人称で語れられているのも、この作品の特徴。それらを交互に読み進めることによって、巧みな叙述トリックにはまっていきます。

読み進めていくと自分なりの犯人が特定できますが、それも見事に裏切られます。多くの読者が絶賛していますが、作者・殊能 将之は故人となっており、新作が読めないのが残念です。

注意深く読んでいても、どこからそうなっていたんだ?これはいったい誰の話だったんだ?と確認したい欲求にかられます。自分はどこからこう思わされていたのだろうと。そしてやはりこの作品ももう一度、読み返したくなるです。

1位:すべてを繋げるどんでん返し

著者
綾辻 行人
出版日
2007-10-16


推理作家・綾辻行人のデビュー作となる長編作品。日本のミステリー界に大きな影響を与えたことから、「綾辻以降」という言葉が生まれたほどです。

1986年3月、大分県のK大学ミステリ研究会のメンバー7人は、半年前に悲惨な四重殺人事件が起きた青屋敷と、十角形の奇妙な形をした十角館を訪れるために角島にやってきます。

その頃、本土では、角島に行かなかった元ミステリ研究員に不可解な手紙が届きます。それは四重殺人事件で殺され、十角館を建築した中村青司からの手紙だったのです。

角島で、ミステリ研究会メンバーが次々と殺されていくところから、アガサ・クリスティの名作ミステリー『そして誰もいなくなった』の結末を連想してしまいがちですが、本作には、あの名作に負けずとも劣らない強烈なインパクトを残す一行があります。

この一行に驚くために、この作品を読んでいると言っても過言ではないくらい、見事な一行になっています。様々な叙述トリックはありますが、こんな風に使われることもあるのかと、思わず膝を打ってしまう感が大きいのが本作品の特徴です。

登場人物たちにカタカナのあだ名が付いていて、そこがうまく直結しないとさらにストーリーが絡み合ってしまうことも含めて、再び、読み返したくなる作品です。そして読み返しても再び、あの一行に打ちひしがれるのです。

面白さをお分かりいただけたでしょうか?どの作品も、気持ちのいいくらい鮮やかに読者を騙してくれる作品なのですが、説明すればするほどネタバレになりはしないかと心配で、言いたいことの半分くらいしかお伝えできなかった気がします。順位はつけましたが、どの作品もおすすめです。

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