言葉選びのセンス
この人の作品はどうしてこんなに面白いのだろう。この本を読んで確信しました、クドカンの言葉選びのセンスは抜群! 言葉は服と似ていて、世の中に沢山の服があるように、言葉も数えきれない程あります。その中でセンスのいいものを選ぶか、ダサいものを選ぶか。そこはやっぱりその人の感覚で選ぶしかないんですよね。普通に使われている台詞なのになんだかカッコいい、そしてその言葉はどんな場面でどんな人が使った言葉なのか。クドカンのセンスの秘密が少しわかったような気がします。
噛めば噛むほど
私が特に好きな章は「第一印象を超えろ」で、食べ物をよく噛んだらいままで好きだったものがマズイと感じたり、そんなに好きでは無かったものが大好きになったという話です。このことは食べ物に限らずいろんなものに言えるんじゃないかと思いました。第一印象でパッと見いいものや良いことに見えても、よく探って行くとそうでも無かったり、そんなこともよくあります。短編小説とエッセイを織り交ぜていて、どの章から読んでも新鮮な発見があり、何度も読み直したくなります。