感動の泣ける恋愛小説7選。涙がとまらない切ない恋の物語

更新:2017.1.27

失恋をしたとき、最近恋愛から遠ざかっているなと思うとき、泣ける恋愛小説を読んでみませんか? いっぱい涙を流してスッキリした後には、次の恋が待っているかもしれません。

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少女漫画のようなベタで甘い恋愛小説『塩の街』

『図書館戦争』や『阪急電車』の著者、有川浩のデビュー作。電撃ゲーム小説大賞受賞作品です。その後出版された『空の中』『海の底』とあわせて「自衛隊三部作」と呼ばれています。

「塩が世界を埋め尽くす塩害の時代。塩は着々と街を飲み込み、社会を崩壊させようとしていた(『塩の街』より引用)」

SFチックで世紀末的、独特な世界観の中で物語は進みます。

著者
有川 浩
出版日
2010-01-23


登場人物は、元航空自衛隊のエリートパイロット秋庭高範。無愛想で照れ屋な性格。ヒロインは、塩害によって両親を失った女子高生の小笠真奈。健気で芯が強く、少女漫画の主人公のような女の子です。他にもキャラの立っている魅力的な人物が多く出てきます。

街で暴徒に襲われそうになっていた真奈を助ける秋庭。それをきっかけに秋葉は保護者として真奈と一緒にいるようになり、いつしか真奈は秋葉に対して恋心を抱き始めるのでした。

秋葉は世界を救うための危険な作戦に参加することになるのですが、その理由は世界を救うためではありません。好きな人を守りたかったのです。その思いは、世界を救うことにも繋がるのでしょうか。

少女漫画のようなベタな恋愛が物語の軸となっているため、普段あまり小説を読まない方にもおすすめです。読み終わったら恋がしたくなる、そんな甘いハッピーエンドの小説をお楽しみください。

2度読み必至、涙が止まらない『僕は明日、昨日の君とデートする』

初めて読んだときよりも、2度目に読んだときの方が感動すると評判の恋愛小説。七月隆文の作品で、福士蒼汰小松菜奈主演で映画化もされています。

著者
七月 隆文
出版日
2014-08-06


 

京都の美術大学に通う南山高寿は、通学の電車内で福寿愛美に一目惚れをします。勇気を出して告白し、交際することになった二人。次第に「高寿くん」「愛美ちゃん」と呼び合うようになるなど、甘い交際が丁寧に描かれていきます。しかし彼女には、重大が秘密があったのです……。

詳しく述べられませんが、この秘密を知ってからの展開は切ないもの。今までの彼女のちょっと不可解とも思える言動などの真意が分かり、涙なしでは読めません。

京都が舞台となっており、京阪電鉄、京都市動物園、丹波橋、宝ヶ池など京都の名所が登場するのも本書の魅力の一つでしょう。「京都本大賞」を受賞しており、京都の人達にも愛されている作品です。聖地巡礼(物語の舞台となった土地や建物などを聖地と称して訪れること)をしてみるのもいいですね。


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まるで家族のような愛情『博士の愛した数式』

第1回本屋大賞を受賞した、小川洋子の作品です。

家政婦として働くシングルマザーの「私」が派遣された先は、元数学者「博士」の家でした。博士は交通事故による脳の損傷で、記憶が80分しか持たないものの、数学と野球をこよなく愛するやさしい人物。「私」には10歳の息子がいて、仕事をしている間は一人で留守番をしています。それを知った博士は、居たたまれない気持ちになり、次の日からは息子を連れてくるようにと言いました。博士に「ルート」というあだ名を付けてかわいがられる息子。しかし、「私」と博士とルートの思いやりに満ちた日々は、一変。「私」は家政婦を辞めさせられてしまい……。

著者
小川 洋子
出版日
2005-11-26


本作には、三人で食卓を囲む様子やラジオで野球中継を聴く様子など、ありふれた日常のひと時が丁寧に描かれています。家族や恋人との当たり前の日常の大切さ、幸せを実感することができます。大切な人を失いたくない、当たり前の日常をもっと大切にしよう、そんな気持ちにさせてくれる作品です。

タイトルに「数式」とあるように、博士との会話では数学の美しさや奥深さが語られます。友愛数や完全数などが博士の口からルートにも分かるよう分かりやすく語られるので、数学が苦手な人でも大丈夫。もっと早くこの作品と出会っていたら、数学嫌いにならなかったかもしれません。

ファンタジックな世界観の中で繰り広げられる、美しい青春恋愛小説『そのときは彼によろしく』

市川拓司が送る、ファンタジックな世界観の中で主人公たちが繰り広げる青春恋愛小説。中学時代の同級生で親友3人の織り成す人間模様が美しく、心を打ちます。同名で製作された映画と共に高い人気を博しました。

著者
市川 拓司
出版日
2007-04-06

智史という主人公と、彼の親友の佑司、花梨は中学で出会います。3人の間には不思議な連帯感が生まれ、いつしかかけがえのない親友となっていくのです。そんな中、密かに花梨のことを想っていた智史。しかしそんな居心地の良い3人の関係も、智が父親の仕事の都合で引っ越さなければならなくなり、だんだんと疎遠になっていきます。

時は流れ、智史は29歳。アクアプランツを販売するお店を経営しています。アルバイトの募集をかけてしばらくして、働きたいと言ってお店を訪ねてきたのは、森川鈴音と名乗る女性。智史は彼女を採用し、帰る家がないという彼女との奇妙な同居生活が始まります。しばらくして、智史は鈴音が実は花梨だと気がつきます。心のどこかでずっと思い続けてきた彼女に、やっと再会できたのでした。

智史と同じく佑司の居場所は知らないという花梨。そんな中、病院から佑司の重体を知らせる電話が。彼の容体を見に、病院へ通う二人。智史も薄々感づいてはいましたが、花梨には秘密がありました。長い間眠り続けている「鈴音」という花梨の姉。間も無く花梨も姉の元へ行かなければならないと言うのです。そしてそうすれば、意識不明の佑司の目を覚ますことができると……。

現実には起こり得ないシチュエーションとストーリー展開ですが、美しい文体と、登場人物たちの清らかな心がそれを忘れさせ、ファンタジックでロマンティックな世界に浸らせてくれます。

生きていることへの有り難み、人を好きになることの美しさと醍醐味を鮮やかに思い出させてくれる、透き通った朝露のような作品です。

会えない時間が愛を育てる?『斜陽』

過去に一度だけ会った人や遠距離恋愛など、なかなか会えない相手へ思いが募ることってありますよね。何度も自分の頭の中で相手のことを思い描いているうちに、相手の嫌な部分の記憶は徐々に薄れていったり、相手を実際以上に美化してしまい、久しぶりに会ったときにはがっかりしてしまったり……。

本作では、会えない時間に募る思いとその後が描かれます。2009年には太宰治の生誕100周年を記念して映画化もされています。

著者
太宰 治
出版日


太宰治の『斜陽』は、女性の独白体で戦後の没落していく貴族を描いた作品。太宰の実家をモデルとして書かれており、当時太宰が交際していた女性とそっくりな女性が主人公となっています。

貴族の家に生まれるも、戦後父が亡くなり叔父の援助を受けて母親と二人で貧しい生活をする29歳のかず子。6年前は結婚していたかず子ですが、妻子持ちの小説家上原と、ひょんなきっかけでキスをしてしまい、上原に恋心を抱供養になります。元々良好でなかった夫婦仲とて、上原との一件がきっかけに離婚。そんな上原に思いを伝える手紙を書きます。

「私は、あなたの赤ちゃんがほしいのです」(『斜陽』より引用)

しかし返事は来ませんでした。そんな中、一緒に暮らしていた母が結核で亡くなり、かず子は上原に会うために上京することを決意します。そこで悲しい恋の成就を遂げるのでした。

強く逞しく生きていく女性が描かれ、読後は前向きな気分にさせてくれることでしょう。

運命の相手と出会い、愛の逃避行へ『悪人』

妻夫木聡と深津絵里主演で映画化された作品です。モントリオール世界映画祭ワールド・コンベンション部門に出品され、深津絵里が最優秀女優賞を受賞したことでも有名ですね。作者は「パーク・ライフ」で第127回芥川賞を受賞し、『怒り』などの名作を生み出す吉田修一です。

本作では、福岡・佐賀・長崎の三県が舞台となっており、地方都市に住む若者の閉塞感が丁寧に描かれています。

著者
吉田 修一
出版日
2009-11-06

 

出会い系サイトで出会った女性の言動に耐え切れず、衝動的に殺害してしまった土木作業員の清水祐一。男性経験もなく、紳士服店の販売員をしながら平凡な暮らしを送る馬込光代。二人は出会い、お互いが運命の相手だと確信します。祐一は光代に殺人を犯してしまったことを告白し、自首しようとしますが、光代はそれを止めて一緒に逃げようと言います。警察に見つかる恐怖を抱え、逃避行の末にとある灯台へ。束の間の幸せな時間を過ごし、お互いの愛情を確かめ合いますが、パトカーのサイレンが近づき……。

その後読み進めていくと、祐一の最後の行動の真意が分かります。そこには深い愛情が隠されていたのです。祐一の心情を想像すると涙が溢れます。光代はその真意に気づいたのでしょうか? ぜひご自身の目でご確認ください。


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続かない幸せの練習『100回泣くこと』

藤井は彼女である佳美に結婚しようとプロポーズをしますが、結婚するためには練習をしようということで、1年間、結婚したつもりの同棲生活を始めます。最初は幸せそうで順風満帆な同棲生活ですが、いきなり佳美が癌の宣告をされ……。

著者
中村 航
出版日
2007-11-06

本作は藤井の実家で飼っている犬の体調が良くないという、両親の報告からはじまります。この犬が弱っていくまでと、佳美の体調が悪くなっていく様子が重ねられ、進んでいく物語。ラストのシーンでは色々と考えさせられるので、小説に出てくる一つひとつの言葉をよく理解し、ゆっくりと読みたくなるような一冊です。また、読後は数時間ぼーっとしていたくなるほど余韻を残します。

愛していた人の余命宣告は、本人も残された方にとっても辛いことでしょう。しかし決して辛いだけの話ではなく、病気になった人が明日を向く強さなど、この本から学ぶこと、元気をもらうこともたくさんあるはずです。

思わず泣ける恋愛作品、見つけられましたか? 今回ご紹介した作品が思いっきり泣ける作品であることを願っています。

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