美、闇、愛、憎、悩……様々な要素がゴシックという言葉からはイメージされます。 私もその世界観からは少なからず影響を受けています。私自信の作品でもルックスや曲中に沢山ちりばめられています。その甘美かつ妖艶で深い魅力は、ハード・ロック/ヘヴィ・メタルとの相性も良く人を惹きつけてやまないのです。 ゴシックとは小説においても、音楽においても、何がゴシックかというのは大変曖昧ですがハード・ロック/ヘヴィ・メタルというイメージや観点から紹介したいと思います。では甘美なる世界へ。
もはや、読むダーク・ゴシック・メタルという空気すら感じるH. P. ラヴクラフトの全集。実際に多くのバンドが題材に取り上げたりもしています。題材にしているバンドは多岐に及んでいて、それぞれのサウンドでラヴクラフトを表してます。それだけ相性がいいのでしょう。
- 著者
- H・P・ラヴクラフト
- 出版日
- 1974-12-13
ゴシックといっても考え方は多種多様で、こちらはシンプルに耽美。アン・ライスのヴァンパイア・クロニクルズ。日本ではその内の一遍「夜明けのヴァンパイア」が映画『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』として有名です。
- 著者
- アン ライス
- 出版日
ヴィクトリア朝時代のイギリスが舞台で既にゴシック的。この作品は2人の女性主人公の愛憎劇を中心に描かれるミステリー。女性らしさというか、女性ならではという雰囲気もゴシック・ロマンの部に雰囲気をより強くしてくれているような気がします。
- 著者
- サラ・ウォーターズ
- 出版日
- 2004-04-22
ミュージカルとしても超有名なこちら。シンフォニック・メタルの題材などとしてもお馴染み。絶望と愛のゴシックとでもいいましょうか。小説が原点となるわけですが、ミュージカルや映画とは印象が少し違う方がいるかもしれません。ある意味、ファントムは性格的にはより人間らしく描かれており、反面ホラー感の強い表現ともなっています。
- 著者
- ガストン ルルー
- 出版日
- 2000-02-25
広大な石城を舞台に繰り広げられるナイトメア的ともいえる小説。堅苦しい決まりの城を出たいと願う当主タイタスのお話です。一巻では小間使いから這い上がり城を手中にする野望を描き、さらに野心家のスティアパイクが暗躍する姿が描かれ、ストーリー自体も大変面白いのですが、注目は随所に描かれる城の描写が絶品ということ。まるで絵を読んでるような感じです。
- 著者
- マーヴィン・ピーク
- 出版日
このようなゴシック小説が好きなので、他に沢山紹介したいものもありますが、このへんで。
これらの作品は、ハード・ロック/ヘヴィ・メタル・ファンの方も既にハマっている方や、ハマりそうな方も多いのではないでしょうか。そして私自身の次の作品は、今まで以上にこういった世界観に基づいたものになると思います。
深い闇と美しく甘美な世界の迷宮から、私も既に出られないので……。
本と音楽
バンドマンやソロ・アーティスト、民族楽器奏者や音楽雑誌編集者など音楽に関連するひとびとが、本好きのコンシェルジュとして、おすすめの本を紹介します。小説に漫画、写真集にビジネス書、自然科学書やスピリチュアル本も。幅広い本と出会えます。インタビューも。