あなたはどちらから読む? 2冊が対になっている小説

あなたはどちらから読む? 2冊が対になっている小説

更新:2021.3.15

どうも、わちゅ〜さんです。 今回は「2冊が対になっている小説」! 同じ時系列に起こる出来事を描いた2作品のことで、上下巻のような分冊作品と異なり、読む順番に決まりはありません。 どちらから読み始めてもOKです。フリーダムッ!!

わちゅ~@Thinking Dogsプロフィール画像
バンド「Thinking Dogs」 B
わちゅ~@Thinking Dogs
茨城県水戸市出身。 Vo.TSUBASA、Ba.わちゅ〜、Gt.Jun、Dr.大輝によるロックバンド、Thinking Dogsで活動中。2014年6月からバンドを始動させ、 同年夏に行われた大型野外ロックフェスティバル「イナズマロック フェス 2014」連動型のオーディション「イナズマゲート 2014」へ出場し、準グランプリを獲得。メンバーチェンジを経てThinking Dogsと改名し、2015年6月にシングル「世界は終わらない」でメジャーデビューを果たす。2016年2月にはテレビ東京系アニメーション『NARUTO -ナルト- 疾風伝』エンディングテーマ曲でもある3rdシングル「そんな君、こんな僕」をリリース。2018年9月26日には映画「あの頃、君を追いかけた」主題歌でもある7thシングル「言えなかったこと」をリリースした。 公式ホームページ http://www.thinkingdogs.jp/ 公式ツイッター https://twitter.com/wachu_TD 公式インスタグラム https://instagram.com/wachustagram
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この小説の特徴は、読む順番によって読後感が変わってくること。
ざっくりとした例を挙げると「こっちから読めばハッピーエンド! だけど反対から読めばバッドエンド!」みたいな感じ。
そして一度読んでしまうと、逆から読む楽しさは二度と味わえません(物語を忘れていれば話は別だわよ)。
選ぶ瞬間が運命の分かれ道! どひゃー!

ってことで、私のお気に入り作品を紹介していきまーす!
あなたはどちらから読みますか?

恋愛バイブルにもなり得る作品

著者
江國 香織
出版日
2001-09-25
江國香織さんと辻仁成さんによる共作恋愛小説!
1999年に『Rosso』と『Blu』の2作品が同時刊行され、50万部を超えるベストセラーとなりました。
同じ時系列に起こる出来事を、それぞれ女の視点・男の視点で描くという斬新な構成でも話題に!
こちらの『Rosso』は、江國香織さんが書き上げた女性側の物語です。

主人公・あおいは、ミラノにてアメリカ人の恋人・マーヴと同棲中。
優しく紳士的で、心からあおいを愛しているマーヴ。
順調に見える2人の恋。
しかし、あおいの心の中にかつての恋人・阿形順正との思い出がフラッシュバックし始め……。

今作は主に、あおいと順正の忘れられない恋が描かれています。
読む人によっては受け取り方がかなり異なるであろう内容。
「なんて甘くて切ない恋なのっ!?」と感じる人もいれば、「未練タラタラなだけやないかい!」って感じる人もいるはず。
恋愛感は人それぞれ違いますしね。恋愛に正解なんてありません(ドヤ顔)。

果たして皆さんはどう受け取るでしょうか。
……ん? ちなみに私が読んだ感想は「とりあえずマーヴが可哀想。」です。
だって彼、すごく不憫なんですもの。この気持ち、皆さんに伝わるかしら……。

といった具合に、読む人によって表情の変わるこの作品。
万人の共感を得ることは難しいかもしれませんが、読んでおいて損はありませんぞ!
こんな恋愛もあるんだなぁと勉強になります。
人によっては恋愛バイブルにもなり得る、素晴らしき一冊!
著者
辻 仁成
出版日
そしてこちらの『Blu』は、辻仁成さんが書き上げた男性側のお話!
主人公は、阿形順正。
イタリア生まれの日本人の恋人・芽実とフィレンツェにて暮らしています。
『Rosso』ではあおいとマーヴの恋が中心に描かれているのに対し、こちらは順正と芽実の恋が中心。
切なーい展開が繰り広げられます。

さてさて、皆さんはどちらから読み始めたいと思いましたか?
ちなみに私は『Rosso』→『Blu』の順番で読みました。
個人的には大満足!
なんとなーくではありますが、この順番のほうが「冷静と情熱のあいだ」というタイトルの意を汲み取りやすいように感じます。
それに、もし逆の順番で読んでいたとしたら、ちょいと不完全燃焼に陥っていた気もします。
とはいえ、その順番で読んだわけではないので、実際のところは分かりませぬ。いやーんもどかしい!

ただ一つ言えるのは、2冊セットで読むことをおすすめします。
一方でしか知り得ない情報もあるため、片方だけで終わらせてしまうのは勿体なーい!
余すことなく楽しみたいのなら、2冊読破が断然おすすめ。ぜひご堪能あれ!

切なさ爆発!のSF恋愛小説

著者
乙野四方字
出版日
2016-06-23
切なさ爆発! 2作同時刊行されたSF恋愛小説です。
今作は、並行世界(俗にいうパラレルワールド)の存在が実証された世界のお話。
私がここ最近読んだ本の中でベスト3に入る面白さ! 一押しです。

両親の離婚により、父親と暮らすことを選択した主人公・日高暦。
ある日、父の勤務する研究所にて佐藤栞という少女と出会います。
お互いに恋愛感情を持ち始めた頃、なんと親同士の再婚話が浮上。
このままでは結婚できないかもしれないと危惧した2人は、親同士が再婚しない並行世界への逃避を試みるが……。
といったところから物語が大きく動き出します。

ずばり、とんでもなく切ないお話でございます。
序盤は初々しい恋愛シーンが多く「いやぁー、若いっていいわねぇ」なーんて軽い気持ちで読めるのですが、油断していると中盤からの展開に不意打ちをくらいます。
それまでのほんわかした世界が一変。どうなるかは読んでからのお楽しみ。ふっふふー!

今作『君を愛したひとりの僕へ』(以下『君愛』という)と同時刊行されたのが、次に紹介する『僕が愛したすべての君へ』(以下『僕愛』という)です。
どちらかというと、こちらの『君愛』はSF色が強く、並行世界に関する説明がより詳しく書かれています。
ちょいと頭は使いますが、こちらを先に読んでおけば物語への理解度はかなり上がるはず。
……あ、もちろんどちらから読み始めてもOKなのですが、今作は特に読む順番が重要になってくるのでご注意を。
読後感がだいぶ変わってきます。理由は次の紹介文にて!
著者
乙野四方字
出版日
2016-06-23
そしてこちらが、先ほど紹介した『君愛』と対になっている小説。
あちらとは異なる並行世界でのお話です。
SF色が強い『君愛』に対し、こちらの『僕愛』は恋愛色が強め。
ちなみに私は今作の方が好きです。だってめちゃめちゃ感動的なお話なんですもの。

向こうの世界では父親と暮らしている主人公・暦ですが、こっちの世界では母親と暮らすことを選択。
見事に対になっている展開が多々あり、ワクワクが止まりません。
「もしもあの時こういう選択をしていれば……」という過程の話が現実として描かれているため、同じ世界観のまま二度楽しむことができちゃうんです。うほ!

また、クロスオーバー(互いの物語が交わる瞬間)がとても魅力的!
「あの時、裏ではこういうことが起きてたんだ!」とか「こっちの世界ではこんなことが起きていたのか!」など、まるで答え合わせをしているかようで面白いんです。
これぞ対になっている小説ならではの楽しみ方!

これら2作品のイメージをそれぞれ一言であらわすと、こちらの『僕愛』は幸福、あちらの『君愛』は悲劇といった印象。
そのため、読む順番がとても重要です。
私のおすすめは『君愛』→『僕愛』の順。後味がよく、穏やかにエンディングを迎えることができます。
私もこの順番で読みました。特に下調べもせず読み始めたのですが、今思えば良い選択でした。

反対に『僕愛』→『君愛』の順で読むと、切ないエンディングを迎えることになると思います。
……あぁ、記憶をリセットしてもう一度読んでみたいっす。

もちろん、読む順番に正解はありません。どちらを先に読むかはあなた次第! ふふふ。

幼馴染みの男女を描く壮大なストーリー

著者
江國 香織
出版日
2012-02-17
江國香織さんと辻仁成さんのタッグ再び!
コラボレーション小説の第2弾でございます。
前作『冷静と情熱のあいだ』と同様、女の視点を江國香織さん、男の視点を辻仁成さんが書き上げています。
ひとつの恋の顛末を描いた前作に比べ、今作は大幅にスケールアップ!
幼馴染みの男女を主人公に、それぞれの半生を綴った壮大な物語となっています。

こちら『左岸』の主人公は、寺崎茉莉。
大好きだった兄・惣一郎の自殺、17歳で駆け落ち、両親の離婚などなど、序盤だけでも波乱の展開。
想像以上の読み応えでした。
彼女の約50年に渡る日々が描かれており、もはやラブストーリーというよりもライフストーリーに近い印象。
出会いや別れ、愛する人の死、長い年月を経て辿り着くラストとは……!
著者
辻 仁成
出版日
2012-02-17
そしてこちらが『左岸』と対をなす小説。
主人公は、寺崎茉莉の幼馴染・祖父江九。
なんと、彼は超能力者なんです。
スプーン曲げから始まり、予知能力や空中浮遊などなど、様々な力を発揮します。
かといってファンタジックなお話なのかと思いきやそんなことはなく、現実世界とのバランスが絶妙。
特に違和感を覚えず読むことができました。

そして、めちゃめちゃ泣けます。
わたくし、見事に泣きました。かなり切ない展開です。涙もろい方はご注意を。

今作は上下巻に分かれており、『左岸』の上下巻と合わせると約1800ページにも及びます。
かなりボリューミーですが、一読の価値はありますぞ!
気になった方は是非ゲットしてみてくださいまし!

この記事が含まれる特集

  • 本と音楽

    バンドマンやソロ・アーティスト、民族楽器奏者や音楽雑誌編集者など音楽に関連するひとびとが、本好きのコンシェルジュとして、おすすめの本を紹介します。小説に漫画、写真集にビジネス書、自然科学書やスピリチュアル本も。幅広い本と出会えます。インタビューも。

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