今日は流行のお話。流行といっても、ファッションではありません。フード(FOOD)です! そう、料理にもその年に大人気になるメニューがあるのです。海外から上陸したポップコーンやパンケーキのお店が大行列しているのを思い浮かべると少し想像がつくかもしれません。 名前は聞いたことあるけれど、一体どんな料理なの? と思う人は、ぜひこれから紹介する本を開いてみてください!
卵はシンプルにして万能食材。TKG(=卵かけごはん)も流行りましたね。 ここのところモードなフードにも卵料理があります。それはずばり「エッグスラット」と「エッグベネディクト」!
「エッグスラット」はLA発の料理。瓶にマッシュポテトを詰め、その上に生卵を割って湯煎したものです。半熟になった卵とポテトをかき混ぜてトーストにつけるという、おしゃれな朝食メニューっぷりも人気の理由。
- 著者
- ["坂田 阿希子", "仁平 綾", "伊藤 まさこ"]
- 出版日
- 2015-06-10
そして、今回紹介する『ニューヨークレシピブック』にも登場する「エッグベネディクト」。すでに巷のお店でよく見かけるようになったメニューで、イングリッシュマフィンにハム、ポーチドエッグ、オランデソースをたっぷりのせた料理です。
料理家、スタイリスト、ライターの3人がNYを食べ歩き、これはと思う料理を再現、レシピ集にまとめたこの本は、パンケーキやグラノーラなどフードトレンドに満ちつつ、実は、それが昔から愛され続けてきた定番料理だということが伝わってくる、かっこいい1冊です。
まるでファッションの宣伝文句のようだけど、2冊目のキーワードは「メイソンジャー」。このワードは、ブリキの二重蓋が特徴の、ちょっとぽってりと厚めのガラス瓶のことで、昔からある保存容器の一つです。ブレイクの兆しは、アメリカのおしゃれなカフェで、これにコーヒーやレモネードを入れて出すようになったからとか、ジャーサラダが考案されたからなど諸説アリ。
「ジャーサラダ ジャーごはん」は、そんなメイソンジャーを利用したサラダやごはんのレシピブック。瓶の中に順番に食材を詰めていくだけなので手軽だし、ドレッシングと合わせたサラダや、ビビンバなども気軽にお弁当として持っていけます。
そしてなんといっても食材のレイヤードが目にも美しいのです(これまたファッションっぽい!)。詰める順番がイラスト解説されていて、楽しくわかりやすい1冊です。
- 著者
- 枝元なほみ
- 出版日
- 2015-03-02
昔アメリカの料理番組を見ていて、焼き型から思いっきりはみだして膨らんだ形が印象的だったパンこそ、今はやりのポップオーバーでした。一見シュー生地のようですが、外側はカリカリっと、中は空洞で、モチッとした食感。
『いちばんおいしい!ポップオーバーレシピ』は、基本の作り方、バリエーションをとっても丁寧に紹介した本です。後半には、お料理との合わせ方や、中に具を詰めたりはさんだりして楽しむ料理、デザートレシピも登場します。作るのもパンよりずっと簡単ですよ!
- 著者
- 柳瀬 久美子
- 出版日
- 2015-06-04
タジン、クスクス、ハリラスープにミントティー……。とくれば、そうモロッコ料理ですね。野菜や肉、魚をコトコト煮混むタジン鍋(あの円錐形の蓋が特徴的なお鍋)が流行ったのは少しばかり前のことかもしれません。ブームで買ったけど眠らせてしまっている人はいませんか?
『家庭で楽しむモロッコ料理』の著者は、「タジンを追求したい」という想いだけで5年間モロッコに住み、その味を探求した人です。素材からジワジワと旨味がにじみ出るようなレシピとスパイス使いは、これから寒くなる季節にはぜひ作ってみたいものばかり。この本を片手に、ぜひタジン鍋を日常使いしてみてください。
- 著者
- 小川 歩美
- 出版日
- 2010-05-14
- 著者
- 畑中 三応子
- 出版日
- 2013-03-01
ずばり本の副題は「はやりの食べ物クロニクル1970-2010」。前史として「ちょんまげ時代のファッションフード」と題し、江戸時代からページがスタートするところもユニークです。なんでも江戸時代には大食い選手権やら今で言うグルメガイドやらもあったそうな。
圧倒的な情報量と時代背景、そして年表的な進行で、どんな料理がどんなふうに流行ったかを記した1冊。子供のなりたい職業がいつしか「ケーキ屋さん」ではなく「パティシエ」に……なんて時代の流れも、すっきりと理解できるかもしれません。
そして文章とともに注目すべきは祖父江慎さんによる装丁。ワッフルコーンのようなエンボス加工の表紙に、帯はまるでアイスのコーンについているような薄紙が、さすがなデザインです!
今月のラインナップいかがでしたか? このページをチラ見しつつ、ぜひお友達、知り合い、職場の人と、「あの頃なんの食べ物が流行った〜?」なんて盛り上がって頂けたらうれしいです!