冬に最適。切なくて心がやられる本

冬に最適。切なくて心がやられる本

更新:2021.12.1

わたしは‘‘切ないもの”にとっても弱く、そういう儚さを持ってる作品や、人を好きになってしまうところがあります。今回は切ないけどしんしんと心に染み入るような、冬に最適の三冊を紹介しようと思います。

蒼山幸子(ヴォーカル、キーボード)、沙田瑞紀(ギター)、藤咲 佑(ベース)、澤村小夜子(ドラム)によるロックバンド、ねごと。2011年に1stシングル「カロン」を発表し、それ以後もメインストリームで精力的な音楽活動を続ける。2015年3月には初のセルフプロデュースとなる3rdアルバム『VISION』を発表。バンドにとって初となる全国ワンマンツアーの模様を収めたLIVE Blu-ray/DVD、『“VISION”TOUR 2015』を9月30日にリリースした。2015年の年末も大型Fesにも多数参戦予定! 詳しくはホームページで。http://www.negoto.com
泡の子

蜜柑

ある曇った冬の夕暮れ時、人生に疲れた主人公が、偶然汽車で奉公先へ向かう少女と乗り合わせる。最初はその少女の田舎臭い姿に嫌悪感を抱く主人公ですが、彼女が汽車から見送る弟たちに蜜柑を投げる鮮やかな瞬間に立ち会ったことで、少しだけ心持ちが変わっていきます。

芥川龍之介の実体験に基づいて書かれたというとても短いこのお話、何よりも情景の描き方が目に浮かぶように美しい。せつな度 50%

ひかりのまち

ひかりのまち、という新興住宅地を舞台にそこに住む様々な人々を巡る物語。

いにおさんの作品の中で、なんだかんだこれが一番好きかもしれません。特に最後の方の、幼い赤ちゃんを訳ありの男子二人で育てて暮らすHOMEっていうお話は泣けます。せつな度 80%

ミシン

「世界の終わりという名の雑貨店」、表題作の「ミシン」の二つのお話が入ってます。

野ばらちゃんといえばのロリータな世界観の「ミシン」も面白いですが、おすすめは「世界の終わりという名の雑貨店」。言葉を発することのできないきみ、と雑貨店の店長であった僕が、恋に落ちて逃避行に出るとても悲しい物語なのですが、一度読むと忘れられない作品です。せつな度 90%
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