ウォルト・ディズニーといえばミッキー・マウスの生みの親として有名ですよね。今でこそ世界的成功を収めているウォルト・ディズニー・カンパニーですが、そこに至るまでの道は険しいものでした。そんな冒険者、ウォルト・ディズニーについて知ることができるおすすめの本をご紹介します!
ウォルト・ディズニーと言えばその名を知らない人はいないほど有名なアニメーターです。家の中を探してみれば、必ずと言って良いほどディズニー・キャラクターが描かれた物が出てくるはず。アニメーターとしてだけでなく、プロデューサーや脚本家としての才能も発揮しています。
自分の生み出したキャラクターたちに恵まれたウォルトですが、親の愛には恵まれていませんでした。1901年にイリノイ州のシカゴで生まれ、少年時代のほとんどはミズーリ州の農場で過ごしています。父親は非常に厳格な人で、距離を置いて子供たちを厳しく躾け、彼の兄のロイも父親の愛情を感じずに育ちました。
農場近くには鉄道があり、少年のウォルトは興味を持ちます。ミニチュアの鉄道に乗って走るなど、小さな冒険にあふれた子供時代を過ごしています。また絵を描くことに興味を持ち、大自然や動物などをよく描いていました。こうした原体験がのちの成功につながっていると言えるでしょう。
絵の道を志し社会に出たウォルトでしたが、成功までには多くの苦難がありました。新聞の漫画コラムや広告デザインの仕事をしますが、契約更新切れなどあまり長くは続かず、貧困生活を強いられています。漫画からアニメに興味を持ったあとは独立してアニメ制作会社を立ち上げることに。しかし初期の頃はアニメ制作に没頭するあまり、会社を何度も倒産の危機に追い込んだりと、うまくいっていません。
友人のアブ・アイワークスの助けもあり、なんとかやっていた彼に、ある時転機が訪れます。ディズニー社とユニバーサル・ピクチャーズの契約です。オズワルド・ザ・ラッキー・ラビットというディズニー考案のキャラクターを主人公としたアニメ・シリーズで成功をおさめることになります。しかし、うまくいくかと思った矢先、悲劇が起こるのです。
ディズニー社とユニバーサルとの契約を仲介したチャールズ・B・ミンツが法外な手数料を要求。これをウォルト・ディズニーが拒否するとオズワルドの権利を奪っただけでなく、ディズニー社から優秀なアニメーターたちを根こそぎ引き抜いてしまったのです。残ったのは兄のロイと友人のアブ・アイワークス、そしてわずかな社員たちだけでした。
失意のどん底に突き落とされたディズニーでしたが、逆転の快進撃をみせます。それがミッキー・マウスの誕生。かくしてディズニー社の名前はミッキー・マウスと共に一躍有名になり、いまでは世界中に数多のキャラクターを輩出する大企業となったのです。
1:ミッキー、ミニーの声はもともとウォルト・ディズニーがやっていた
予算の都合上、最初のころのディズニー映画のミッキーとミニーの声は、ウォルト自身が声を担当していたそうです。その後ミニーの声は女性に変更されましたが、ミッキーは彼がしばらく継続してやっていました。
2:彼は当初ミッキーにモーティマという名前を付けようとしていた
ウォルトは当初、ミッキーマウスという名前ではなくモーティマという名前を付けようとしていました。しかし妻に反対され、ミッキーに決まったそうです。モーティマは後に、ミッキーのライバルキャラクターに名付けられました。
3:ディズニーランドは彼がベンチに座り退屈しているときに生まれたアイディア
彼が娘を連れて遊園地に行ったときのことです。娘がメリーゴーランドに乗っているあいだ、彼はベンチに座って待っていました。その際、遊園地は子供は楽しめても大人は退屈する場所、大人も楽しめる遊園地を作れないかという発想が彼の頭の中に生まれ、そのアイディアを基にして、ディズニーランドは誕生したといいます。
4:ウォルトはパーク内の消防署に滞在していた
彼はパークを訪れた際に、パーク内の消防署の2階にあるアパートメントに滞在していました。彼がいる間はランプに灯がともされていたといいます。
5:ウォルトはミッキーの生みの親ではない?
彼には友人であり相棒のアイワークスという人物がいて、ミッキーのデザインを作り出したのはアイワークスだったといわれています。ウォルトはミッキーのキャラクター設定を考えたため、ミッキーの魂はウォルトが生み出し、外形はアイワークスが生み出したという意見があります。
6:ウォルトは人種差別主義者だった
彼は若いころに強い愛国心を抱き、戦場にも赴いています。それが原因とは言い切れませんが、彼は生涯人種差別主義者だったそうです。白人至上主義が強く、彼の式典には黒人の参加が許されておらず、また彼の作品には黒人を見下していると受け取られるものもあります。
ウォルト・ディズニーの大成功の裏には苦労と波乱に満ちた人生がありました。世界中が愛したキャラクターであるミッキー・マウスの生みの親のすべてを語ったのが『ウォルト・ディズニー 創造と冒険の生涯 完全復刻版』です。
- 著者
- ボブ・トマス
- 出版日
- 2010-11-19
アメリカの伝記作家ボブ・トマスによって書かれた本書にはウォルト・ディズニーという偉大な男のすべてが書かれています。ディズニーの家系から彼の幼少期、そして結婚に至るまでプロローグでは私生活のすべてが書かれています。ミッキー・マウスの誕生秘話から『白雪姫』や『わんわん物語』などの名作たちを制作の裏側まで読めるのも魅力です。
そうした華やかしい場面だけでなく、何度も訪れる倒産危機など暗い一面も映しだしています。また戦時中は軍の命令で日本など他の敵国への敵意を群衆に向けさせるためのプロパガンダに使われていた事実も掲載。ディズニー・ファンを名乗る前に読んでおきたい1冊です。
ウォルト・ディズニーといえば子供たちに夢を与えるその仕事と功績で、称賛するに値する人物でしょう。しかしその人間性に近寄ってみれば、決して褒められない面も見えてくるのです。『創造の狂気 ウォルト・ディズニー』ではそんなディズニーの表と裏の顔を映しだしています。
- 著者
- ニール・ガブラー
- 出版日
- 2007-07-27
彼の華やかしい成功の裏には苦悩がありました。父親との軋轢、映画会社の裏切り、従業員の引き抜き、そしてストライキなど他人からの仕打ちを経験しています。しかし、本人を見てみると彼自身も他人に対して自己中心的な態度を取っているのです。夢を求めて追い続けていたディズニーだからこそ、他人の失敗に悪態を付き、自分の理想にそぐわない社員は容赦なく切り捨てていました。
本書は経営者として不適切な部分やクリエーターとしてのわがままなど、ウォルト・ディズニーの悪い一面を映しだしており、彼の人間性としての部分が赤裸々に語られています。そういった意味でも真にウォルト・ディズニーという人間に迫っており、貴重な資料として読むことができます。
ミッキー・マウスと共に生涯夢を追い続けたウォルト・ディズニー。そんな彼の生き様と考え方が『ウォルト・ディズニー すべては夢みることから始まる』には書かれています。ウォルト・ディズニーの自伝であると共に、名言集ともなっている魅力的な作品です。
- 著者
- 出版日
- 2013-08-03
キャラクターの誕生秘話や映像作品の舞台裏など、ディズニー作品のすべてが詰まった本作。ウォルト・ディズニーの名言も載せられており、彼の人生観なども知ることができるお得な内容になっています。
1見開きだけで章が完結しているので、読みやすい1冊です。また名言には英語の原文も一緒に載せられているので、楽しく英語を学べるのも魅力。「多くのことが学べるのだから、若いうちの失敗は悪いものじゃない(『ウォルト・ディズニー すべては夢みることから始まる』より引用)」など苦労してきたディズニーだからこそ言える名言ばかりです。
挫折と成功を繰り返してきたウォルト・ディズニーだからこそ言える魅力的な名言はたくさんあります。そんな名言を集めた名言集は素敵ですが、『ウォルト・ディズニーの夢を叶える言葉』はもっと素敵な企画になっています。それはウォルト・ディズニーの名言をディズニーのクラシック作品の1シーンと共に読者に届けるというものでした。
- 著者
- 出版日
- 2013-03-13
本書にはディズニー・クラシックの名作が全編フルカラーで紹介されているのが最大の魅力。昔観た名場面を1枚の絵としてじっくりと楽しむことができます。そんなキャラクターたちであふれる絵柄は、夢を見続けたウォルト・ディズニーの言葉ととても相性が良いもの。難しいことは考えずにディズニーとその作品の魅力を存分に楽しむこのできる一冊です。
いまやディズニー作品を現実化したディズニー・ランドは世界中で経営され、世界で一番有名なテーマパークとなっています。これほどまでに成功をおさめたのにはウォルト・ディズニーの経営者としての才能が理由。『ウォルト・ディズニーの成功ルール』ではそんなウォルト・ディズニーの成功の秘訣が書かれています。
- 著者
- リッチ・ハミルトン
- 出版日
- 2005-11-24
本書は経営学の本としても魅力的。ディズニーが顧客至上主義に徹底していることを例に取り、経営者にとって大切な何かを語っています。それでいて若い時の失敗をもとに内部の財務体制を強化するルールを作ったりと、外部と内部での経営の違いが見られて面白いです。経営者なら一読しておきたい成功者の経営学が書かれています。
ウォルト・ディズニーは世界で最も成功した人間のひとりです。そんな彼の成功の秘訣を人生感や失敗の経験などを通して研究される書籍は一読したい魅力があります。ディズニー作品の世界観を楽しめる書籍もたくさんです。