マイケル・ジャクソンという人生。愛と哀しみの真実に触れる5冊

更新:2021.12.16

マイケル・ジャクソンはその名を知らない人はいないくらいの有名なアーティスト。しかしその性格や行動についてどの程度知っているでしょうか。ゴシップ報道が多く、間違った認識を持つ人も少なくありません。そんなマイケルの真実に迫る本を集めました。

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天才がゆえに誤解される壮絶な人生を歩んできた、マイケル・ジャクソン

1958年アメリカインディアナ州に父ジョセフと母キャサリンの六男として生まれました。1963年ジャクソン5として活動し始め、1969年にはメジャーデビュー曲「I Want You Back」で全米1位を獲得しています。契約していたモータウンと目指す方向性が合わなくなったため1975年エピックレコードに移籍し、ジャクソンズとして活動し始めました。

1971年にはソロデビューしており、「Got To Be There」「You Can't Win」「Don't Stop 'Til You Get Enough」などを発売。そして最も売れたアルバムとしてギネスに認定されている『Thriller』を1982年に発表しました。その中のシングル「Billie Jean」ではムーンウォークを初披露しています。

1987年に発表されたアルバム『Bad』は日本で最大のヒットとなり、初のワールドツアーも日本から行われました。その後も『Dangerous』『HIStory』など続々とアルバムやシングルを発表したものの、1993年、2003年には性的児童虐待疑惑が起こり世間の非難を浴びます。尋常性白斑に罹患していることでも、ゴシップ記事が多く出回りました。

2009年にツアー「THIS IS IT」を行うと発表しましたが、実現することなくその年の6月に亡くなってしまいます。その後ツアーのリハーサル映像を含めたドキュメンタリー映画『THIS IS IT』が公開されました。4オクターブもの音域を持ち、キングオブポップとも称される天才アーティストでしたが、そのせいで攻撃、誤解されることも多い人生を送っています。しかし彼の音楽が素晴らしいものであることは誰もが認めることです。

マイケル・ジャクソンのあなたが知らない7つの事実!

1:驚異的な売り上げとなったスリラー

マイケルのもっとも売れたアルバムとして有名な「スリラー(Thriller)」。 こちらは累計で1億1000万枚を売り上げ、現在までその記録を塗り替えた作品がないほどの大ヒット作でした。 この曲で今まで黒人音楽とは無縁であった白人達からも人気集めるようになり、マイケルの認知度の向上に一役買っていました。

2:疑惑をかけられ家宅捜索されている

世界的なアーティストとして名声を得たマイケルですが、2003年に子供への性的虐待疑惑がかけられサンタバーバラ郡の保安官に、「ネバーランド」と名付けられた自宅を家宅捜査されています。 

この裁判では2005年に全ての疑惑の罪に対して無罪判決が言い渡されています。 

3:白い肌は病気だったため

マイケルは黒人です。 しかし、晩年のマイケルは白い肌でメディアに登場することが多くなっていました。 これは死後の検死の結果、「尋常性白斑」という自己免疫疾患によるものであることがわかりました。 この病気により、肌の色素が抜けていったようです。

4:謎の多い死

2009年6月にマイケル・ジャクソンはその生涯を終えました。

死因は元主治医による重過失致死で、麻酔薬プロポフォールの不適切な使用の疑いが強く出ていました。

結局、元主治医は禁固4年の判決を受け、模範囚としての評価から2年で釈放されることで、事件は幕を下ろしましたが、マイケルの死に至る過程や、陰謀説などが錯綜しており、現在まで都市伝説かのごとく謎に満ちた事件となっています。

5:ムーンウォークの歴史

彼の代表的なダンスである「ムーンウォーク」は、原型は「バックスライド」と呼ばれていました。

このバックスライドを初めてテレビで初披露したのは、1970年代から80年代に活躍した音楽グループ、シャラマーのシンガー兼ダンサーのジェフリー・ダニエルという人でした。

実はマイケル・ジャクソンはのジェフリーからバックスライドを教わり、「ムーンウォーク」と命名して自分の踊りに組み込みました。 この時、ジェフリーに日本円で12万円相当のお金を支払って教えてもらったそうですが、5分足らずでマスターしたマイケルにはやはりダンスセンスが際立っていたと考えるべきでしょう。

6:ディズニーランドを貸切した

彼はディズニー好きとしても知られていました。 1987年9月29日に彼は東京ディズニーランドに行きましたが、彼が来園する噂は当時から広がっていました。 このままでは場内が大混乱になると考えたオリエンタルランド側は、なんとディズニーランドをマイケルの貸切にしてしまったといわれています。

7:遺産相続ができない

彼は世界的なアーティストであったので、死後の遺産も莫大な額に達すると見られていました。 しかし、約484億円以上と言われる負債があったと見られ、もし相続すると税金+負債も引き継ぐため、実際にはほとんど相続ができない可能性があると言われています。

マイケル・ジャクソンのすべてを感じる本

マイケル・ジャクソンの唯一の自伝であり、彼のすべてがここにあると言っても過言ではないのが本書です。幼いころからの家族との話、友情の話、アーティストとしての悩み、葛藤などさまざまなことが彼自身の言葉で語られます。多くのうわさや中傷に囲まれたマイケル・ジャクソンの本当の姿を見ることができるでしょう。

著者
マイケル・ジャクソン
出版日
2009-11-13


初版が発売されたのが1988年なので、ソロアルバム『BAD』の頃までの話となります。ジャクソン5として歌い始めたのは5歳の頃。そこからは天才アーティストとしての人生です。実際はシャイで物腰の柔らかいマイケルですが、ひとたびステージに立てばその様子は変貌します。そのときのマイケルの気持ちはどうだったのでしょうか。表面しか知らない私たちにとって、この本はマイケルの感情を知ることができる貴重な本です。

それぞれの歌に対するこだわりも書かれています。マイケルがどんな気持ちで歌詞を書いたのか、どう意味を持つのかということが分かれば、ますます音楽を楽しむことができ、改めて好きになってしまうことでしょう。完璧主義のマイケルの努力がひしひしと伝わってきます。

幼いマイケルの話は、とてもほのぼのしてしまいます。母への愛や真実の友情があったからこそ、天才アーティストととして存在し続けることができたのでしょう。マイケルの自分の信念を曲げない誠実な生き方を知り、その本質を見極められる作品です。

マイケル・ジャクソンを知りたいすべての人におすすめ

映画『THIS IS IT』を見てマイケル・ジャクソンのファンになった人も多いかもしれません。そんな方へマイケルを知る入門書ともいえる本書をご紹介します。幼いころの兄弟の話から、少年虐待疑惑の検証、そしてそこからの復活を公平な視点で書いており、誤解と嘘の多いマイケルについてより深く知ることができるでしょう。ライオネル・リッチーへのインタビューも読みごたえたっぷりです。

著者
西寺 郷太
出版日
2010-03-18


ジャクソン5の頃の兄弟との話は、マイケルファンでも知らないことも多く貴重な情報です。それぞれの才能の有り方、天才だったマイケルの苦悩、そしてそこからソロへと移行していく様子が鮮明に書かれています。この時代にマイケルの根底ができあがったともいえるでしょう。

そして少年虐待疑惑についてもしっかりと向き合い真実を探っていきます。マイケル研究の一人者ともいえる著者で、マイケルを尊敬し愛する心に溢れているのですが、その内容に偏りはありません。事実のみを追い求め、誤解を解いていきます。あらゆる方面からのバッシングの中でも、最高の音楽を作り続けるマイケルはやはり本物の天才アーティストでした。その強い信念に感銘を受けること間違いありません。

マイケル裁判の真実を多くの人へ

マイケル・ジャクソンは性的児童虐待を行っていた人らしいといった認識を持った人は、まだ数多く存在するのではないでしょうか。無罪だったにもかかわらず、マスコミの報道によってマイケルの名声はどん底まで落ちてしまいました。イメージが大切なアーティストにとってどれだけの打撃があったことでしょう。『マイケル・ジャクソン裁判 あなたは彼を裁けますか』には、2003~2005年の裁判の記録が鮮明に残されています。

著者
アフロダイテ・ジョーンズ
出版日
2009-05-02


著者は裁判当時は反マイケルとして報道を繰り返していた人でした。しかし、裁判の結果は無罪。事実を見逃し誤った報道をしていたことにショックを受け、真実はどこにあったのかをこの本に残すことにしたのです。常にマイケルを信じ続け無罪へと導いたメゼロウ弁護士が序文を書いています。

この本で分かることは、マイケルはとても愛に溢れており、その好意が逆手に取られただけのたいしたことのない事件だということです。にもかかわらず、こんなにも大々的になってしまったのはマスコミ報道が原因。マイケルが悪であるような偏った報道が多く、多くの人がマイケルが罪を犯したと感じてしまいました。

実際のマイケルは、そんな中でも愛を失わず、精神を疲労させながらも裁判へ出頭し続けています。しかしシャイで純粋なマイケルは、命を縮めるほど傷ついたことは間違いありません。この本を読んで多くの人が認識を改め、マイケルの名誉がますます回復することを祈ります。

インタビューから死の真相を探る

マイケル・ジャクソンの父親、母親、その他関係者にインタビューをして、彼の死の真相に迫ろうとしているのが本書です。主治医のマレイ医師は起訴され有罪判決となっていますが、マイケルの死に関わった人はマレイ医師だけではないと言います。どれだけ調べても真相は闇の中かもしれません。しかし、これが真実に最も近いのではないかと思わせてくれる充実した内容です。

著者
大野 和基
出版日
2011-04-20


幼い頃から活躍し、巨大なお金が動くアーティストとなると周りが変わってしまうのでしょうか。マイケル自身は巨額の寄付をするような自愛に満ちた人物であったにもかかわらず、お金に関連するもめ事は多くなってしまいます。マイケルの死に関するたくさんの疑惑。どれもがお金に関わることなのです。

父親へのインタビューから見えてくるのは、息子は殺されたと思っていること、遺言書もねつ造されていること、そのため遺産相続問題が続いていることなどです。またマイケルの周りで不審な死もあり、マイケル自身が殺されると感じていたこともありました。関係者やファンの肉声が多く、本当のマイケルの姿を知れる本でもあります。悲しみを乗り越えて真実を探りたい人にはぜひ読んでもらいたい1冊です。

貴重!プライベートなマイケル・ジャクソンの写真が満載

ライフ誌は、マイケルがジャクソン5時代で活躍していたころから取材を続けており、マイケルの信頼を得ていました。『ライフ誌特別編集 マイケルジャクソン追悼』は、幼くかわいいマイケル、プライベートでしか見ることのできない穏やかなマイケル、他のマスコミには一切公開されていないネバーランドの内部など、ファンでなくとも大切にしたくなる貴重な1冊です。

著者
ライフ誌
出版日
2009-08-05


マイケルが亡くなり、多くの本が出版されました。しかしこの本ほどプライベート写真の多い本はないのではないでしょうか。しかもマイケルが心を許していることがはっきりと分かる、他では見ることのできない微笑んだ表情などの写真です。内容もマイケルに対する愛で溢れているので、読んでいて幸せな気持ちになります。

特にネバーランドの内部の写真は貴重です。マイケルがわが子を抱いている写真を見ると、壮絶な人生であったけれども、幸せな時もあったのだと感じさせてくれます。子ども時代の写真が多いので物足りない方もいらっしゃるかもしれませんが、屈託のない笑顔の幼いマイケルに癒されること間違いありません。

マイケル・ジャクソンが実際はどんな人だったのか、なぜ誤解ばかりされていたのかというような疑問に答える本を集めています。ぜひ改めて歌も聞いてみてください。

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