「ワークライフバランス=仕事と生活の調和」を上手にとることは、働く女性にとって永遠の課題ともいえるものです。せっかく女性に生まれたのだから、仕事でも家庭でも、そして個人としても、いつも輝いていたい……。そんなあなたにこの5冊を紹介します!
「女性は結婚したら、家に入るもの」、さすがにそんな固定観念に縛られている人は少なくなったものの、依然、家事や育児、介護や地域活動の負担は、女性に大きくのしかかってきているのが現実です。
「時間がいくらあっても足りない!」と叫びたくなるけれど、実際に「時間がいくらあるのか」「時間がいくらかかるのか」を把握していない人は、意外と多いものです。女性のワークライフバランスを整えるためにも、まずはすべての予定を手帳に書き出してみることから始めましょう。
- 著者
- さとう めぐみ
- 出版日
- 2010-10-01
世の中に手帳術の本はたくさんありますが、この本は、ただ時間を管理するだけでなく、さらに幸運を呼び込む方法を伝授してくれます。といっても、根拠のない占いやおまじないではありません。
この本では、「5色のペン」と「2度書き」というツールを用いて、自分の時間や気持ちをセルフコントロールする方法を説明しています。手帳を片手に、1日2~4ページ程度の項目を1ヵ月読みすすめていけば、自然と毎日の予定が整理され、「なりたい自分像」がハッキリと輪郭を持ってくるのが感じられるはずです。
さらにおすすめなのが、目次の次に付いている「逆引き手帳辞典」です。「時間に追われて生活をしている気がする」「やるべきことばかりで、本当にやりたいことができない」といった働く女性なら誰もが抱える具体的な悩みがたくさん並べられています。それぞれの該当ページを読めば、「なるほど!」と思える悩みにあった手帳の使い方を学ぶことができるのです。
女性のワークライフバランスを考える上で、避けて通れないのが出産、育児の問題です。
産休や育休を取ることは、女性のキャリアの面で、大きなハンディキャップになってしまうというのが、残念ながら、日本では常識的な考え方とされています。けれども、女性や会社にとって、出産や子育ては本当にマイナスにしかならないのでしょうか。そんな女性の複雑な気持ちに応えてくれるのがこの1冊です。
- 著者
- 小室淑恵
- 出版日
- 2014-01-21
本書では、女性のキャリアアップを考える上で、子育てをマイナスではなくプラスに変えるための方法が、妊娠前から妊娠中、さらには産休、仕事復帰、ふたり目の妊娠まで、こと細かく説明されています。1つ1つのテーマに対して、「これまでの常識」を「逆転の常識」に切りかえる戦略が用意されているのです。
もちろん、それぞれの女性の置かれている立場や状況、パートナーの考え方によって、その戦略は変わってくることでしょう。それでも、この本を読めば、まさに女性の人生こそが大きなやりがいのある「一大プロジェクト」なのだ、ということを強く意識できるのではないでしょうか。
確かに、子どもを生み育てることは、女性にとって、身体的な面でも時間的な面でも大きな負担となることは間違いありません。けれども、妊娠、出産という「一大プロジェクト」を経験した女性は、本人だけでなく会社に対しても、さらには世の中に対しても大きなプラスを生みだすことができるはずです。そのためにも、まずは「妊娠、出産がマイナスになる」というその意識から変えてみませんか?
子どもを持ちたいけれど、仕事でもずっと輝き続けたいと考えている女性に、大きな勇気と目標を与えてくれる1冊です。
先ほどの『子育てがプラスを生む「逆転」仕事術』がワークライフバランスの取り方の総論的な本だとしたら、次に紹介するこの本は、実際にトラブルが起きたとき、どう動けば良いのかという各論がわかる本です。働きながら子育てをしようと考える女性必携の1冊となることでしょう。
- 著者
- 毛利 優子
- 出版日
- 2015-04-23
妊娠が発覚し、「ワークライフバランスを上手にとって、仕事も育児も頑張るぞ!」と意気込んだ矢先、私たち女性に襲いかかってくるのは、辛く苦しいつわりの日々……。絶対休めない日に限って、インフルエンザや水ぼうそうに罹ってしまう子どもたち……。「仕事があるから」は通用しない小学校のPTA活動……。
ひっきりなしに噴出するたくさんの問題に、きりきり舞いの日々を過ごしている女性は思いのほか多いものです。せっかく均衡を保っているワークライフバランスを崩そうとするかのように、次から次へと襲いかかってくる困難な事態に立ち向かうためには、事前に知識を蓄え、頭の中でシミュレーションしておくことが大切になってきます。
本書には、働く女性たちが必ずといって良いほどぶつかる36の壁について、わかりやすい図表を交えて、具体的な対応方法が丁寧に説明されています。特に、出産をメールで報告する方法や、デジタルツールを使った効率の良い仕事のやり方は、若い世代のママたちにとっても非常に参考になるのではないでしょうか。
子育て中に働くママに降りかかってくる悩みは、当然、本書に挙げられた36の項目だけでは網羅することはできません。それでも、常に先回りをし、前向きに事態をとらえる本書の考え方をマスターすることで、知らず知らずのうちに、ワークライフバランスを上手に取る術を学んでいくことができるのです。
仕事はもちろん、家事も育児も時間さえかけていれば良い、という時代はもう終わりました。残業をすること、夜なべをすることは、もはや美徳ではありません。限られた時間の中で、いかに効率よく結果を出していくか、家族にどうやって愛情を伝えていくか。そんな意識を常に持ち続けることが、ワークライフバランスを上手にとるコツだといえるでしょう。
そのために必要なチップを集めたこの1冊は、まさに「転ばぬ先の杖」となり、毎日奮闘するあなたの強い味方となってくれるはずです。
毎日、ワークライフバランスの取り方に悩む女性たちに、ここで少し刺激的な一冊を紹介しましょう。
Twitterでの様々な発言が物議を醸すことも多いこの本の筆者。本書も、日本の女性が抱える現状に過激な表現で「物申す」1冊となっています。
- 著者
- 谷本真由美(@May_Roma)
- 出版日
- 2014-03-28
本書を読んでいると、世界の水準に比べて、日本の女性がいかに厳しい現実にさらされているのかがよくわかります。男性が子育てを担当したり、女性が研究者として活躍したりするのはもはや世界のスタンダード。「イクメン」や「リケジョ」という言葉がもてはやされるという事実こそが、日本の女性の社会進出が一向に促進されない現状を物語っているとも考えられるのです。
これからの日本は超高齢社会に突入します。そのとき、今以上に重要になってくるのは、女性の労働力だといわれています。本書を読みすすめていくと、ただタイトルの通り、「日本の女性がグローバル社会で戦う方法」を知ることができるだけでなく、日本という国自体がグローバル社会で生き残っていくためには、女性のパワーが必要であるということが痛感されます。今こそ、女性のワークライフバランスについて、個々人の女性だけでなく、日本全体が真剣に考えなければならない局面にさしかかっているのです。
冷静なときに読んでいると、「何もそこまで言わなくても……」と感じる記述も多くある本書。それでも、実際に、自分自身の肩に家事や育児の負担がずっしりとのしかかってきて思うように仕事ができていない、と手詰まり感を覚えている女性にとっては、このエキセントリックさこそが救いとなってくれるでしょう。少し厳しい「戦う先輩」の声に、しばし耳を傾けてみるのもよいのではないでしょうか。
女性の生き方を知るためには、やっぱり生の女性たちの声を参考にするのが一番。最後にご紹介するのは、働きながら子どもを育てる女性たち4000人のありのままの本音を集めたこの本です。
- 著者
- ムギ畑
- 出版日
- 2006-10-26
ワークライフバランスについて少しでも悩みを持っている女性なら誰しも、まずは表紙に描かれた西原理恵子の漫画に心をギュッとわしづかみされてしまうのではないでしょうか。10年ほど前にまとめられた本書ですが、悲しいことに、今も昔も働く女性が抱える悩みに違いはありません。4000人のママたちの声は、どれもこれも「うんうん」と頷いてしまうものばかりなのです。
中身を読みすすめていくと、「なぜ働くのか」といった根本的な話から、「女性が働きやすい業界はどこか、といった具体的な話まで、実際に経験した女性にしかわからないような裏話が盛りだくさん。まるで女性同士の「井戸端会議」に参加しているような錯覚に陥ってしまいます。女性のワークライフバランスを上手にとる重要なポイントは、もしかするとこんな何気ない「生活の知恵」の中にこそ、隠されているのかも知れませんね。
さらに、この本の中では、「子どもがいなければよかったのに……」と思ってしまった瞬間について、女性たちに本音を尋ねています。私たち母親も、もちろんひとりの人間です。仕事はもちろん、自分のためにやりたいことだってたくさんあります。「この子さえいなければ、もっとキャリアアップできていたのに……」そんなことを考えてはいけないとわかっていても、ついそんな愚痴を言いたくなるときもあるのではないでしょうか。そして、後から冷静になり、可愛い子どもたちの寝顔を見つめながら、「あぁ、ひどいことを思ってしまった……」と落ち込んでしまうのです。
本書で本音を語る女性たちは、「よくできたママ」たちではなく、そんな「ごく普通のママ」たちばかり。「何だ、私だけじゃなかったんだ!」と気がつけば、また明日から笑って過ごすことができるはずです。
この本を読むと、ワークライフバランスという小難しい言葉が目指すものは、実は、「いつも笑って人生を過ごす」という単純なものなのではないか、という思いがこみ上げてきます。そして、職場でも家庭でも社会でも、輝く女性の笑顔は、本人だけでなく、周りの人の人生も幸せなものに変えるのだという事実に気がつくことができるのです。
この本のタイトルの通り、あなたの悩みを輝く笑顔に変えることができれば、今日からあなたも「ハッピー・ワーキングマザー」の仲間入りです!
今回は、女性の仕事と育児の両立という観点でワークライフバランスを考える本を中心にご紹介しましたが、もちろん、女性の「ワーク」も「ライフ」もその形態は多岐に及びます。家事、親の介護、地域活動など、仕事とのバランスが問題となってくる場面は数多くあるでしょう。
けれども、それをただの「しがらみ」と考えずに、「キャリアアップの糧」と考えていくことで、女性の人生は何倍も何十倍も美しく色鮮やかに輝きを増すことができるのです。「ちょっと今、苦しいな」というとき、あなたのワークライフバランスを整えてくれる1冊に巡り会えることを心から願っています。