世界中を回って、恵まれない人々を救ってきたマザー・テレサ。そんな彼女が世界中に教えて回った愛について書かれた書籍は多くあります。その中から彼女のすべてがわかる本をご紹介します。
マザー・テレサは貧しい国や地域の人びとを救うため愛を説いてきた慈善活動家です。カトリック教会の修道女でありながら、神の愛の宣教者会という修道会を設立しています。ホスピスや児童養護施設などを開設し、無償の愛で恵まれない者たちを支援してきました。
そんなマザー・テレサが生まれたのは1910年の現マケドニアです。ルーマニアの家系に生まれ、父親は地元で様々な事業を展開していました。18歳になるとアイルランドのロレト修道女会に入信し、ダブリンで修道女としての教育を受けました。
21歳の時に念願だったインドのダージリンに赴きます。その後しばらくは子供たちに地理の授業を教える生活をしていましたが、ある日「全てを捨て、最も貧しい人の間で働くように」という神からの啓示を受けたそうです。
神の愛の宣教者会を設立すると、貧しい人たちのための慈善活動に励みます。その姿は世界中から称賛を集め、ノーベル平和賞などの様々な賞を受けることになるのでした。
1:「マザー」と呼ばれはじめたのはいつから?テレサの本名とは
「マザー・テレサ」はもちろん本名ではなく、マザーは指導的な修道女への敬称で、テレサは愛称。彼女の本名はアグネス・ゴンジャ・ボヤジュといいます。 彼女がマザーと呼ばれるようになったのは、1950年に『神の愛の宣教者会』を設立した頃から。それ以前は「シスター・テレサ」と呼ばれていたそうです。
2:実はビジネスセンスも凄い!高級車の贈答を受け取った理由とは?
マザー・テレサは自分の目的である「貧困にある人を救う」ために、実は卓越したビジネスセンスを使っていました。 ある時ローマ法王から、高級車であるリンカーンの贈与を打診されたテレサは迷いなくそれを受取り、それを1等商品とする宝くじを実施することによって、売るよりも高い収益を得たそうです。
3:ノーベル平和賞の懇親会実施を拒否!その理由は?
マザー・テレサは1979年、その功績を讃えられノーベル平和賞を受賞します。ノーベル平和賞受賞者はオスロにて実施される晩餐会に出席するのが通常なのですが、テレサはその晩餐会実施を拒否、そのかわりに晩餐会で使われる予算を貧しい人の為に使って欲しいとスピーチしました。 ちなみに賞金はしっかり受取り、当然のことながら貧しい人の為に使ったようです。
4:来日は3回!その時のエピソードは?
マザー・テレサが初めて来日したのは1981年4月、ファミリーライフ協会の招聘だったそうです。当時の日本は、戦後30年をすぎすでに経済大国となっていましたが、彼女は「日本は豊かになりましたが、心の貧しさは残っていないでしょうか?」という言葉を残しました。とっても考えさせられるコメントです。
その後1982年、84年に再びは来日しますが、その後日本はバブル経済に入っていきます。彼女の言葉は当時の日本人に対してどのように響いていたのでしょうか。
5: マザー・テレサの葬儀は国葬となった
テレサは1997年に心臓疾患により亡くなりました。彼女の活動拠点であったインドでは、民衆・政府がその死を悼み、彼女を国葬に付しました。インドでの最大の宗教はヒンドゥー教ですから、キリスト教徒である彼女が国葬にされたというのは、どれだけ彼女が宗教の枠を超えて尊敬されていたかがわかります。
6:聖人列席は尋常ではない「速さ」で決まった
マザー・テレサは2016年9月4日、カトリック教会が認定する「聖人」の列に加えられました。1588年にカトリック教会の列聖省が出来て以来、列聖された人物の死亡から列聖までの期間は平均181年だったのに対し、テレサの時は圧倒的に短く、なんと死後の18ヶ月後から手続きがはじめられました。 それだけ彼女の功績は教会からも認められているということでしょう。
7:彼女を「聖人」のイメージから遠ざける、あの人物との交流もあった
実はマザー・テレサの行動には、賞賛だけでなく批判も生前から多く寄せられていたそうです。その中でも有名なものの1つが、ハイチの独裁者ジャン=クロード・デュヴァリエから勲章を受け取ったというもの。その他にもイギリスのメディア王からの資金提供など、「聖人君子」というイメージとは少し違う実像もあるようです。
慈善活動家として、神の愛の宣教者会の創設者としてのマザー・テレサの活動の様子を記録したものです。無償の愛によって行われたこの活動は現在では70カ国にまで広がっています。そんな宣教者会の活躍が綴られた1冊です。
- 著者
- シャーロット グレイ
- 出版日
この本にはマザー・テレサの行った活動がわかりやすく記されています。貧しい人たちを助けるために世界各国でホスピスを設立し、人々の苦痛を和らげる治療を行なったり、児童養護施設で恵まれないこともたちに教育をほどこしたりと、マザー・テレサの偉業を称えるものばかりです。
わかりやすく漢字にルビが打たれているため、児童でも読むことができます。教育として子供の内からマザー・テレサの愛によって無償で人を救う精神など、子供たちの精神を育むことができます。子供たちにも読ませたい本です。
マザー・テレサが各国で行った講談のすべてが詰め込まれた1冊です。愛すら知らず飢えに死んでいく貧しい環境を見てきた彼女だからこそ語れる言葉が載っています。
- 著者
- マザー・テレサ
- 出版日
- 1982-09-17
本書の見どころはなんといっても、マザー・テレサの内面に触れられることです。彼女自身が発した肉声をもとにした書籍なので、彼女の言葉から心の内を知ることができます。彼女がどんな思いで救済活動を続けるのかがわかるので、もっとマザー・テレサを知りたいという人にお勧めです。
彼女の自身の言葉だからこそ、名言が散りばめられていることも魅力のひとつです。愛が実ってそれが奉仕となることや、「平和のために祈るには、まず許すことから始めなければなりません」など、本当の愛や平和に対する心構えなど、生きていくうえで勉強になる名言が載っています。
マザー・テレサが仲間のシスターたちや一緒に仕事した人たちなどに彼女自身が語った語録集です。彼女の言葉には、はっと気づかされるようなことが多いです。
- 著者
- ["マザーテレサ", "Mother Teresa"]
- 出版日
「愛は、この世で最も偉大な贈り物なのです」
「親切にしすぎて間違いを犯すことの方が、親切に無関係に奇跡を行うことより、好きです」
「死を迎える時に、愛されたと感じながらこの世を去ることができるためなら、何でもしたいと思っています」
(『マザー・テレサ 愛と祈りのことば』から引用)
など、愛とは、親切とは、奉仕とは何かという生きる上で必要なことを教えてくれます。
現代社会では自分のことだけで精一杯で周りの人間のことが見えないようなそんな忙しい生活ばかりです。そんな時こそ、一息ついて読みたい1冊なっています。肩を叩いて周りを見渡す余裕を与えてくれる、そんな優しい言葉たちでいっぱい詰まっているからです。
マザー・テレサ生誕100年を記念して、若者たち向けにその功績とメッセージをまとめたものが本書です。彼女の優しい言葉が現代を生きる人たちのために向けられています。彼女のエピソードや行動からも学べる教科書的な1冊です。
- 著者
- 中井 俊已
- 出版日
- 2009-11-19
スマートフォンやSNSの普及により人間関係の希薄さや危うさが叫ばれるようになった昨今において、マザー・テレサの説いてきた愛はその人間関係を濃密にするうえで必要不可欠です。それを彼女が献身的に恵まれない人たちを助けてきた行動から教えてくれます。
また物質的に豊かになってきた現代だからこそ、愛や信仰、許しなどマザー・テレサが語った言葉が重要になってきます。自分も大切な人間であるという言葉もあり、簡単に自分の命を絶ってしまう今の中高生に読んで欲しい作品となっています。
1982年にマザー・テレサは2回目の来日をしています。多くの主催者から招かれて色々な質問に答えるためです。多くの地を訪れては講和を行ないました。
- 著者
- 出版日
マザー・テレサは当時の講演で爆心地となった長崎を訪れています。そこで子供たちの質問に答えながら命の尊厳について語っていました。子供たちに向けられた優しい言葉で、生きる意味を教えてくれます。日本の地を訪れたマザー・テレサの言葉だからこそ日本人向けのメッセージが多く込められました。
様々な宗教に対する価値観や向き合い方が語られているのも魅力のひとつです。宗教がテーマだからといって堅い話ではなく、マザー・テレサなりのユーモアが散りばめられているので身構えることなく読むことができます。
マザー・テレサは愛を説きながら恵まれない子供たちや病人たちを癒していきました。そんな自ら苦行を強いた彼女だからこそ伝えることのできる真実の愛が様々な書物になってきました。どれもおすすめです。