多田かおるのおすすめ漫画ランキングベスト5!『イタキス』の作者

更新:2021.12.17

王道でロマンティックなストーリーとキャラクターの魅力で少女漫画ブームを牽引した多田かおる。代表作『イタズラなKiss』はあまりにも有名ですが、それだけではない胸キュン間違いなしの多田作品をご紹介します。

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元祖王道恋愛漫画家、多田かおる

多田かおるは大阪出身の少女漫画家。1977年、高校在学中に『琴美の婚約者』という作品で第3回別冊マーガレット新人長編マンガ賞の佳作を受賞しました。さらに同じ年に『キッスの代償!?』でデビューを果たし、なんと読者アンケート1位を取得します。

恋愛漫画をメインとし、数々の人気作品を描きあげてきた多田かおる。その真骨頂はずばり特徴的な絵柄とストーリー構成によるものでした。登場人物がとにかくかわいくかっこいい!特に代表作『イタズラなKiss』の入江直樹は少女漫画のイケメンキャラというと必ず名前が挙がるほど有名で、多くの女子を虜にしました。

ストーリーも基本的に爽やかで純情、好きな人がいたら一直線!という主人公ばかり。漫画家として有名になると色々な雑誌から仕事の依頼やスカウトなどがあるものですが、多田は漫画家としての生涯22年間、『別冊マーガレット』と『デラックスマーガレット』のみで活動しました。その一途さが多田作品のキャラクターにも表れているのかもしれません。

少女漫画家として人気を博し、一世を風靡した多田でしたが、当時の連載作品である『イタズラなKiss』が人気絶頂だった1999年、不慮の事故でこの世を去りました。人気漫画家の突然の死は世間にも大きなショックを与えましたが、作品は現在も絶大な人気を誇っています。

不朽の名作ぞろいである多田かおる作品をご紹介します。
 

5位:衝撃のイメチェンにドキドキが止まらない!『金太クンにご用心!』

久しぶりに異性の知り合いに会ったとき、かっこよく(かわいく)なってた!とか、がっかりした!とか思ったことはありませんか?この話は、主人公の春菜が二度もそれを体験することになるドタバタ恋愛劇です。

威勢がよく元気な中学生、春菜。小学生のときにやった金太郎の劇で、2歳年上の男の子、金太を投げ飛ばしてしまいました。それからすぐ金太は引っ越してしまいましたが、春菜には懐かしい思い出です。

春菜は中学に入学して恋をします。その相手は柔道部に所属し、強くてかっこいいと人気者の先輩。しかしそれがまさかの、あの金太だったのです!
 

著者
多田 かおる
出版日

驚きつつもかっこよく成長した金太に惹かれる春菜。金太の卒業式で、金太は俺が強くなれたのは春菜ちゃんのおかげだよ、と……感極まり金太に好きだと伝えたかった春菜ですがそれは叶わず、もっと強くなるからと約束した金太は去っていきました。

金太への想いを胸に秘め、再び会うために金太と同じ高校に入学する春菜。思いが通じたのか金太に再会することはできましたが、金太はいわゆる不良になっており、2年も留年していたのでした。

ショックを受ける春菜でしたが金太への思いは諦められず……。金太はなぜ不良になってしまったのか?金太の本心とは?春菜の思いは実るのか?クライマックスに向かうにつれて盛り上がりを見せていきます。

臆病で弱虫だった金太、優しく誠実な金太、ワイルドで強引な金太。二転三転と変わっていく金太のキャラクターがとにかく面白い!真由美は振り回されっぱなしでしたが、なんだかんだどの金太にも惹かれていくのも素敵です。どの金太が好きか、友達と語り合いながら読んでも楽しそうですね!
 

4位:胸キュン必至の純愛物語『あこがれ色のキャンバスに…』

主人公は、美術部に所属している真由美。好きなものは絵を描くことと、同級生の高見直樹という男の子です。サッカー部に所属する高見はプレーも上手く、女子からもモテモテ。しかし、女嫌いでも有名な彼は片っ端から告白を断っていました。

真由美はそんなことから告白はおろか、せめて卒業制作の作品のモデルをやってほしいとも思っていましたが結局高見に声をかけられません。部室から見つめることと密かに彼をスケッチすることしかできないまま時間は過ぎていきます。
 

著者
多田 かおる
出版日
1979-07-30

しかし、とあるきっかけで高見と会話をするようになった真由美。さらに意を決してモデルを頼み、高見はこれを承諾しました。

描きあげた絵は大好評。そして迎えた卒業式の日、窓越しに最後の告白をする真由美。絵をもらって欲しいこと、ずっと好きだったこと……さらに最後のお願いにと、窓越しでいいからキスして欲しいと頼みます。ここからの高見の台詞と行動がとにかくかっこいい!

手の届かないような人に憧れる純粋な長い片想い。恋愛漫画の王道シチュエーションですが、読み飽きたなどと思うことなかれ。初期作品とはいえ多田の画力は当時からずば抜けており、主人公の感情やもどかしさなどがその描写から伝わってきて感情移入のしやすい作品です。

さらに実は多田はキスシーン描写の上手さでも有名な漫画家。この作品内でのキスシーンは今でもファンの間で話題になるほどロマンティックで劇的に描かれています。長い間想いあってきた二人の想いが通じ合い、口付けを交わすシーンは胸キュン必至です!
 

3位:イケメンオネエ系男子に恋をするラブコメディ『デボラがライバル』

吉川ひなのと谷原章介主演で映画化もされた人気作。「さびしがりやのデボラ」「きまぐれエンジェルとデボラの夢は夜ひらく」「君の名はデボラ」「デボラがライバル」という4作で構成されています。

大学に入学し、独り暮らしのためマンションに引っ越した朝代。素敵な出会いがあるといいなと思っているところに、隣の住人がデボラと呼ばれる金髪の美青年で大喜び!しかし、実はデボラはオネエだったのです。
 

著者
多田 かおる
出版日

デボラは由緒正しい茶道家元のあと取り。女に興味はないと知り友人として付き合う朝代でしたが、面倒見のよいデボラに惹かれていってしまいます。さらに、女に興味がないはずのデボラも、なぜか朝代にだけはムラムラしてしまうと悩み始めるのでした。

結果として「男女の」お付き合いを始める二人でしたが、その恋は前途多難。お互いの両親から猛反対をされたり、デボラに恋をするこれまたオカマの美青年が邪魔をしようとしてきたり……。しかし強い愛で結ばれている二人は様々な障害を乗り越え、ついに結婚することになるのです。

この結婚式のシーンがまた面白く感動的!朝代のウェディングドレスをデボラが縫ったり、お色直しでは二人ともドレスを着たりと、なんとも二人らしい結婚式となりました。しかし二人のドタバタはまだまだ続いていきます!

この時代、今ほどオカマやオネエといった言葉が浸透していませんでした。最近ではオネエ系イケメンなども多く人気ですよね。多田かおるは、そんなオネエ系男子の良さを先取りし、世間に広めた先駆者でもあったのです。

シリアスなシーンもありますが、デボラのオネエ言葉や仕草などが絡むとなんとなくシュールに感じ、そこまで深刻になりきれないのがまた不思議な魅力です。しかし決めるところは決めるデボラの男らしさと、ドジでおっちょこちょいだけど明るくかわいい朝代は本当に魅力的なヒーロー×ヒロインです!

2位:女の子の夢・愛されロマンス『愛してナイト』

主人公はお好み焼き屋「まんぼう」の一人娘、八重子(通称・やっこ)。父子家庭で育った彼女は、昼間は看板娘として父親とお店を切り盛りし、夜は大学へ通う親孝行な女の子です。

ある日高校に行くと見慣れない男の子が。金髪に赤髪のメッシュという派手な風貌で、一見チャラついた風貌。いきなり八重子を呼び捨てにして去っていった男の子に抱いたのは、いい男だけど軽薄そう、という印象だけ……。
 

著者
多田 かおる
出版日
2008-11-14

ある日、橋蔵という5歳の男の子と太って無愛想な猫ジュリアーノに出会った八重子。隣町に住むという男の子と遊び、家に帰宅すると、なんとあの派手な男、加藤剛が居ました。八重子と仲のいい常連客、里美の友人だというのです。

実は剛と里美は人気アマチュアバンド、「ビーハイヴ」のメンバー、そして剛と橋蔵が二人きりで暮らす兄妹だということが明らかに。里美は元々八重子が好きであり、そして次第に八重子に惹かれていく剛、果ては橋蔵も八重子が初恋だと言い出す、まるでハーレムのようなラブコメディです。

まだ自分の気持ちがわからない、と里美と付き合ってみたりもしますが、最終的には剛と結ばれる八重子。その後色々なハプニングが訪れますが、手を取ってそれを乗り越える二人のラブロマンスが、明るくかつロマンティックに描かれます。

この作品と特徴としては、八重子と剛が結ばれるまでが早かったところ。よくある少女漫画のパターンとしては、片想いだったり何か問題があったりで、付き合うまでの過程を描くものが多いですよね。しかしこの作品では割とすぐに両思いになり、付き合った二人に訪れるハプニングがメインのストーリーです。

周りの友達みたいにオシャレをして恋をしたいけど、お好み焼きの匂いがしみついているような女の子じゃ無理よねと諦めがちだった八重子。オシャレでイケイケな剛と付き合い、見た目は変わらないものの巻を重ねるごとにかわいく強くなっていく八重子の姿は必見!恋のパワーってすごいなと思わされます。

大阪が舞台なだけあって全体的に出てくるキャラクターは皆明るく、シリアスなシーンであっても端々でくすっと笑えるような言葉や描写が入り、どんなハプニングがあっても話が暗くならずに読めますよ!
 

1位:伝説の王道恋愛バイブル!『イタズラなkiss』

王道少女漫画といえば、と聞くと必ず名前があがるくらい有名なこの作品。アニメ、ドラマ、映画、舞台などにもされるくらい大人気の作品です。

内容としては、とにかく明るいノリのラブコメディ。主人公は琴子という明るく元気な女の子。成績も悪くドジで不器用、基本的に取り得のない琴子ですが、ポジティブで明るく、芯の通った強さがあります。物語はそんな琴子が長年の片想い相手、入江直樹に失恋するところから始まります。
 

著者
多田 かおる
出版日
2008-04-04

入江は琴子とは正反対でIQ200の天才。運動もできもちろん顔もいいというスーパー高校生です。勇気を持って告白したもののバカは嫌いだとこっぴどく振られ傷心の琴子。さらにその日、琴子の家が地震で全壊してしまいました。

父親の親友の家に居候することになった琴子ですが、なんとそれが入江の家!失恋したばかりの相手の家への居候に困り果てる琴子でしたが、結局入江のことを諦めきれず、意地悪な入江にやきもきしながらも一つ屋根の下での生活にドキドキが止まりません。

底知れない明るさとパワーを持つ琴子に段々惹かれていく入江。なんでも出来てしまうがために物事に熱くなれず日々淡々と過ごす入江には、なにがあってもめげずに目標のために努力する琴子がまぶしく写ったのかもしれません。足りないところを補い合う二人はまさしくお似合いのカップルです。

全23巻発行されており、読み応えも抜群!一部・二部と分かれていますが、シチュエーションは変わってもどちらも内容盛りだくさんで飽きが来ない展開が続きます。

琴子の一途さは誰しもが応援したくなるもの。そんな琴子の頑張りに超絶クールなイケメンが段々とほだされていく姿は思わずにやにやしてしまうほどです。ドジだけど明るく可愛い女の子と、ハイスペックでクールな男の子の恋愛はもはや恋愛漫画では王道ですよね。そんな王道の元祖とも呼べるこの作品、漫画好きなら一度は読んでみることをおすすめします!

『イタズラなKiss』については<『イタズラなKiss』大好き!未完の名作少女漫画の名シーンネタバレ紹介!>で詳しく紹介しています。気になる方はぜひご覧ください。

数々のヒット作を生み出し、少女漫画家として不動の人気を築き上げた多田かおる。残念ながら新しい作品を読むことは叶いませんが、どの作品にも未だに根強い支持があります。ピュアでロマンティックな恋愛漫画を読んでときめいてみませんか?

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