初恋の甘酸っぱさも忘れかけてしまっているわたしにとって、恋愛小説は恋のキュンキュン感を味わえる唯一の手段となってしまいました。時にはゾッと背筋が凍る物語にも出会いますが…。そんなわたしが厳選した、女性作家さんが描くちょっぴり変わった愛の形を綴った小説3冊をご紹介します。
妻はアルコール中毒、夫は同性愛者で恋人あり。それなのに“純度100%”。癖の強すぎる二人のお話なのに、他のどの恋愛小説よりも純粋で切なくてやさしい物語です。あとがきで江國さん本人がおっしゃっているように、これは「ごく基本的な恋愛小説」なのだと思います。
- 著者
- 江國 香織
- 出版日
- 1994-05-30
母性より女性を匂わせる母と、売れない画家の義父に育てられた姉妹ユリエとマリエ。高校教師になった妹マリエは教え子のミドリ子の兄と恋に落ちるが、ミドリ子の愛人は母の恋人だった――。裏表紙のあらすじだけで、一筋縄ではいかない恋愛小説だということがありありと伝わってくるこの作品。
- 著者
- 川上 弘美
- 出版日
上の2冊とは違って、恋愛にまつわる9篇の短篇集になっています。短篇集でありながら、お話ひとつひとつが衝撃的で濃く頭に残り続けるような印象を受けました。なんというか、けっして甘酸っぱいラブストーリー集ではありません。(笑)
- 著者
- 唯川 恵
- 出版日
- 2004-06-27
本とアイドル
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