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九井諒子おすすめ漫画ベスト4!『ダンジョン飯』だけじゃない独特な世界観

更新:2020.12.2 作成:2017.4.27

1度読んだら忘れられない、現実とファンタジーが入り混じる世界を描く作者。これまでに出版したのはまだ4作品と寡作ながら、そのあふれる才能で漫画好きから支持を集めています!今回はそんな彼女の作品の魅力を、一気にご紹介します。

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九井諒子とは?見たことのある世界を、新たな視点で描く漫画家

もともと彼女はpixivや同人誌発売会で活躍し、自分のサイト上でも作品を公開していました。

デビュー作は、2011年3月に発表された短編集『竜の学校は山の上 九井諒子作品集』。続けて、同じく竜をモチーフにした作品を含める短編集『竜のかわいい七つの子』を2012年10月に出版します。

そしてその翌年に出版した『ひきだしにテラリウム』で文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞を受賞し、現実味と違和感が共存する世界観が注目されました。

翌年2014年には、初の長編漫画『ダンジョン飯』の連載がスタート。「2015年度 コミックナタリー大賞」、「2016年度このマンガがすごい!」、「THE BEST MANGA このマンガを読め!2016 」、「全国書店員が選んだおすすめコミック 2016」と、多数を受賞。Twitterでも芸能人がツイートするなど、話題になりました。

なぜ九井諒子作品に注目が集まっているのか?ここからは今まで発表された4作品をご紹介しながら、その魅力に迫ります!

4位:異なる世界、異なるストーリー、そのどれもが面白い!『ひきだしにテラリウム』

『ダンジョン飯』以外の3作品はすべて短編集なのですが、そのなかで群を抜いてストーリーの数が多い作品がこの『ひきだしにテラリウム』。驚くべきは作品ごとに作風が異なること!画風もそれぞれ異なり、グルメ、SF、寓話などなど……様々なお話が楽しめます。

帯に「万華鏡のようにきらめく掌編33編」とありますが、まさにそのとおり。どの話も短いですが、印象深い作品ばかりです。

著者
九井諒子
出版日
2013-03-16

特に印象深いのは「記号を食べる」。内容はタイトルのとおり、まる、さんかく、しかくなどの記号を調理し、食べていくというお話。「まる」はレタスとエリンギを添えてバターソテーに、「しかく」は薄くスライスしてお刺身に……などなど。ただの白い記号なのに、「じゅーっ」と焼いたり「もっちもっち」と噛むとおいしそうに見えるから不思議です。

ほかにも精巧なテラリウムが収まった小さなひきだしを巡る話や、竜を捕り調理して食べる習わしがある里山の話など……ファンタジーだけど妙に説得力のある世界観を十分に楽しめます!

3位:九井諒子ワールドはここから始まった!『竜の学校は山の上』

ケンタウロス、天使、勇者など、誰もが知っている昔話やゲームのキャラクターが登場します。ただし、描かれるのは魔王を倒した後の世界や、ケンタウロスと人間の間で労働環境に格差が生じてしまった世界……。現実社会でもよく見るような状況が、ファンタジーを織り交ぜながら描かれています。

著者
九井 諒子
出版日
2011-03-30

タイトルにもなっている一編「竜の学校は山の上」では、全国で唯一「竜学部」が存在する大学を舞台に、「もし竜が現代に生きていたら」という世界が描かれます。

飼育費用も場所も必要なうえに、運送業手段としても、さらには食用としては「役に立たない」と言われ、保護されなくなっていく竜……。人間のエゴにさらされ、居場所を失っていく竜たちが生き残る道を探すべく、竜学部の生徒たちが奮闘する姿が印象的な作品です。

ほかの九井諒子作品と同様、竜という幻獣を描いているのに妙にリアルさがある物語。そして、主人公の「先輩」が竜に乗って飛翔するシーンが爽快です!力強く助走し、颯爽と飛ぶ姿は見ているだけで気持ちいい!

『ひきだしにテラリウム』と同様、すき間時間に軽い気持ちで読める短編集。どの昔話がモチーフになっているのか、話ごとに想像しながら読むと、クスッと笑えてより楽しく読み進められるはず!

2位:人魚に神、狼男が現代で生きる!『竜のかわいい七つの子』

デビュー作と同様に「竜」がタイトルについた作品。こちらの漫画も、懐かしい昔話をモチーフにした話がたくさん出てきます。

著者
九井諒子
出版日
2012-10-15

特に最後の「犬谷家の人々」は、あの有名作品(きっとタイトルを読んだだけでピンときた人も多いはず!)をベースにしたユーモアたっぷりのコメディ作品。中身は普通だけど、特殊な力をもつ登場人物たちが、ドタバタをくり広げます。

もちろんそれ以外にも、狼男症候群という病をもつ息子と母の物語や、神様を水槽で育てようとする少女の話など、ちょっと変わった世界にどっぷり浸れる作品が盛りだくさん。

そのなかでも一風変わっているのが、日本画のようなタッチで描かれる作品「金なし白祿(びゃくろく)」。舞台はおそらく日本の江戸時代くらいで、ギョロ目でしわだらけの絵描き・白祿が主人公です。

白祿はあまりにも生き生きした絵を描くため、描いた生き物たちが紙から出てこないよう片目は描きこまない、というほど卓越した腕前の持ち主。しかし金を騙しとられてしまい、今までの作品に片目を描きいれて、出てきた生き物を高値で売ろうと企みます。

白祿が描いた襖絵から、巨大な龍が飛び出てくるシーンは圧巻!「どぉーん」「がらがら」「ドロン」など、日本の昔話っぽい擬音がさらに場面を盛り上げます。迫力ある画面展開とほっこりするラストに心をつかまれる物語。

寓話や民話など誰もが知っているお話を、新しい視点から見つめる作品たち。何度も読み返したくなること間違いなしです!

1位:九井諒子の代表作!モンスターをおいしく料理する『ダンジョン飯』

勇者、ダンジョン、モンスターといえば、きっとハラハラする戦いや宝物を思い浮かべるはず。しかし『ダンジョン飯』は一味違います。

迷宮で竜に襲われ、妹を奪われてしまったライオスは、再度迷宮に戻り妹を奪い返すことを誓います。ついていこうとする仲間たちでしたが、迷宮内では食費節約のため、魔物を食料にすると言い出すライオスに困惑。実は、ライオスは隠れ魔物マニアで、前々から魔物を食べてみたいと思っていたのです。

まず驚きなのは魔物料理がメチャクチャおいしそうなこと!登場する魔物は、ゲームなどでおなじみのスライムやバジリスクなどなど……。そのグロテスクな見た目から、どんな禍々しい料理ができるのかと思いきや、出来上がった料理は普通に食卓に出てきそうなものばかり。

調理風景もしっかり描かれるので、魔物たちが見覚えのある料理に変身していく様子がわかり、楽しく驚きながら読み進められます。

主要な登場人物はライオスとその仲間2人、そして迷宮内で自給自足をしながら暮らしてきた謎のドワーフ。彼らのユニークなキャラクターが物語をコミカルに盛り上げてくれます。

もちろん魔物との戦闘シーンもあるので、アクションあり、グルメあり、ミステリーありの魅力あふれる作品です。ぜひ、魔物がどんな味なのか、想像しながら読んでみてください!

SFからグルメまで、様々な要素が気持ちよく混ざりあったストーリーを描いた九井諒子作品。いかがでしたか?『ダンジョン飯』をはじめ、今後の作品にも注目です!