【完結済】ジャンプの感動漫画おすすめ5選!不朽の名作に泣ける!

更新:2021.12.19

長らく少年漫画の王道として親しまれる週刊少年ジャンプ作品。その中には、特に心動かされる名作があります。今回は読めば必ず感動出来るジャンプ漫画を5作品ご紹介しましょう。

ブックカルテ リンク

湘北高校バスケットボール部、栄光の軌跡!『SLAM DUNK』

主人公の桜木花道は髪を赤く染めた見るからに不良少年。神奈川県立湘北高校に入学した彼は、その高身長を見込まれて、赤木晴子からバスケ部への入部を勧められます。晴子はバスケ部主将の妹でした。中学3年間で女子に振られ続けていた花道は、晴子目当てに入部を決めます。

湘北高校バスケ部は、名将安西光義が指導していながら、選手に恵まれず弱小チームでした。花道と共に、中学バスケでスタープレイヤーだった流川楓も入部。有望な選手が加わったことで、主将赤木剛憲を筆頭にしたバスケ部は俄然盛り上がりを見せていきます。

著者
井上 雄彦
出版日

本作は1990年から1996年にかけて連載された井上雄彦の作品。当時バスケットボールはあまりメジャーとは言えませんでしたが、本作の影響で一気に知名度があがりました。1994年小学館漫画賞少年部門受賞、2006年に行われた文化庁メディア芸術祭日本のメディア芸術100選ではマンガ部門で1位に選ばれました。

花道は身体能力こそ抜群ですが、バスケはずぶの素人。プライドだけは人一倍で、すでに中学バスケで鳴らした流川相手に敵愾心満々です。晴子目当てに始めたバスケでしたが、基礎の基礎から教えられていくうちに、初めて真剣に取り組むものとして花道はどんどんバスケにはまっていきます。

本作の見所はやはりスターティングメンバーが勢揃いしてからでしょう。主将赤木、スパールーキー流川、エースガード宮城リョータ、天才シューター三井寿、そしてド素人花道。実績なし、協調性なし、バスケの情熱あり。問題児だらけの湘北高校バスケ部が怒濤の旋風を巻き起こします。

「あきらめたらそこで試合終了ですよ……?」(『SLAM DUNK』より引用)

熱い展開もさることながら、名言も多数登場。特に湘北を支える安西先生にまつわるエピソードには心を打つ台詞が多いです。

個人的に最も感動したものを1つあげるならば、バスケットが好きか? と問われて返した花道の「大好きです」という言葉でしょうか。この台詞は劇中で2度出てきますが、1度目と2度目では言葉の重みが違います。2度目に当たる終盤のシーンでは感極まること請け合いです。

劇的な展開の後、「第一部完」で終わってしまった本作。いつか続編が描かれる日が来るのでしょうか。

盤上に光り輝く神の一手。『ヒカルの碁』

小学生の進藤ヒカルがある日、祖父の蔵でお宝を漁っていると、そこで古い碁盤を見つけます。碁盤には藤原佐為と名乗る平安時代の棋士の霊が宿っていました。江戸時代には本因坊秀策に取り憑いていたと語る佐為は、困惑するヒカルを説得して囲碁に取り組ませようとします。

佐為が落ち込むと釣られて気分の悪くなる体質になったヒカルは、彼に請われるがまま囲碁好きの祖父や囲碁教室に顔を出しては、囲碁を打つようになります。そしてたまたま訪れた碁会所で、ヒカルは自分と同年代の少年と出会いました。塔矢アキラ。現役最強棋士を父に持ったこの若き天才との出会いが、ヒカルの囲碁の道に大きく影響するようになります。

著者
ほった ゆみ
出版日

ほったゆみ原作、小畑健作画で、1999年から2003年にかけて連載された作品です。2000年に小学館漫画賞、2003年に手塚治虫文化賞新生賞を受賞。囲碁を題材にした異色作として注目され、一大囲碁ブームを巻き起こしました。若年層への囲碁普及に貢献し、この作品をきっかけとしてプロになった棋士もいるほどです。

囲碁というと将棋に並ぶ伝統的ボードゲームですが、一般的には将棋ほどルールが知られていないのではないでしょうか。簡単に説明すると、囲碁とは格子状の碁盤の目へ交互に碁石を置いて、相手より広い面積を確保するという一種の陣取りゲームです。

ヒカルは初め、取り憑いた佐為を邪険に扱い、仕方なく付き合っているだけでした。それが少しずつ囲碁の世界に触れるにつれ、ヒカルは佐為のためではなく、自分のために碁を打つように変化していきます。

本作が異色とされるのは、囲碁を題材にしただけでなく、囲碁とそれにまつわる人間関係のストーリー以外を排除したことが挙げられるでしょう。少年ジャンプというと、王道バトル要素が入りがちですが、本作では徹底して囲碁の静かなる知能戦が繰り広げられます。

中学に進級したヒカルは囲碁部に入部します。当初佐為を通してだけ接していたヒカルの囲碁の世界に、囲碁部の仲間が加わります。彼らと一致協力して挑む中学生大会の団体戦、そこでのアキラとの再戦……。

様々な出来事を経験し、力量を上げて才能を開花させるヒカル。佐為の助言を離れて、自ら歩み出すその姿に感動せずにはいられません。本作はジャンプとしては異色作とされていますが、その根底にはジャンプの三大要素「友情」「努力」「勝利」がしっかり込められており、異色でありながらジャンプ王道漫画でもあるという非常に希有な作品です。

走れ勇者よ!紋章輝く時、伝説の力が解き放たれる!『Dragon quest―ダイの大冒険』

かつて、魔王を打ち倒した勇者達がいました。十数年後、平和が戻った世界に「怪物島」と呼ばれるデルムリン島がありました。そこは魔王の支配から解放されたモンスターの楽園。島唯一の人間のダイは、勇者に憧れる少年です。希少モンスターを狙う悪人の撃退、パプニカ王国のレオナ姫の窮地を救ったことで、彼の実力が徐々に知られるようになります。

ある日、島のモンスター達が突然凶暴化し始めました。それは魔王の復活を意味しました。育ての親である鬼面道士ブラスにも異変が及び、狼狽えるダイ。そこへ、勇者の家庭教師アバンと弟子のポップがやって来ます。彼らはパプニカ王の要請で、復活した魔王に対抗する勇者を育成するために派遣されたのです。ここからダイの冒険の始まります。

著者
三条 陸 稲田 浩司 堀井 雄二
出版日

本作は1989年から1996年にかけて連載された三条陸原作、稲田浩二作画の作品です。世界的人気RPG『ドラゴンクエスト』の設定をベースにしており、ストーリー的な繋がりはありませんが、一部を除いた魔法やアイテム名などがゲームに準拠しています。本作のヒットによってゲーム側に逆輸入された技や魔法などもあります。

話は主人公ダイ、そしてもう1人の主人公と言えるポップ、2人を中心に展開されます。2人は勇者の家庭教師で、かつての魔王を打ち破った元勇者アバンの死を乗り越え、肉体的にも精神的にも力強く成長していきます。

勇者とは勇気ある者のこと。当初、勇気をもって果敢に戦うのはダイの役目で、ポップはへっぴり腰で逃げ惑うだけでしたが、2人で冒険し、数々の修羅場を経ることでポップは徐々にダイに影響されて、逞しくなります。

これは特別な存在であるダイより、より人間的なポップの成長の落差を描いた方が読者の共感を得やすいと考えたためのようです。保身に走る弱気な魔法使いが、最終的に勇者パーティの支柱となる展開には涙を禁じ得ません。

そして彼らに感化されて、打倒魔王軍に立ち上がる仲間達の頼もしさ。勇者の前に立ち塞がる強大な魔王軍。何年経っても色褪せない面白さと感動があります。

三つ子の魂百まで。リーダー魂は永遠!『世紀末リーダー伝たけし!』

産まれた時から七三分けに青髭という老け顔だった主人公、たけし。生後すぐに立ち歩きしたり、開脚前転を見せたりと、抜群の運動能力を伺わせます。彼は周りから「リーダー」と慕われる父に憧れました。ところが、その父は酔っ払いの喧嘩の仲裁で呆気なく命を落としてしまいます。

数年後、ポッポ小学校に転入してきたたけし。たくましく成長した彼は、度胸と機転と腕力を利かせて、仲間達の数々の難問を解決に導いていきます。亡くなった父が望んだように、力強いリーダーとして!

著者
島袋 光年
出版日
2004-08-04

本作は1997年から2002年にかけて連載された島袋光年の作品。一時未完でしたが、2005年掲載誌を「スーパージャンプ」に移して再開、無事完結しました。当初は1話完結のギャグ漫画としてスタートした本作ですが、途中からバトルメインの長編ストーリーと従来のギャグ短編を交互に挟むスタイルに変化しました。

小学生に見えないたけしのインパクトがとにかく凄まじいですが、本作の真髄はそこではありません。たけしをはじめとする小学生には見えない小学生、低年齢層向けのネタなど、一見荒唐無稽です。しかし、よくよく読んでみるとメッセージ性の強い作品であることがわかります。

友達の大事なものを尊重する。友達のために怒る。友達をかばってあえて自分が汚名を被る……。たけしの超人的な身体能力に目を奪われがちですが、その本質は他人への思いやりにあります。他者を思いやり、引っ張り、時に叱咤する。たけしは理想的なリーダーシップを発揮します。その特性は短編で顕著に見られ、思わずほろりと来ること請け合いです。

「おまえ1人が100歩進むよりもみんなが1歩前進する方が大事だろーが」(『世紀末リーダー伝たけし!』より引用)

画風は少々荒く、繰り広げられるネタも上品とは言えません。しかし同年代の読者にとっては、困難に力強く立ち向かうたけしは憧れのヒーロー、輝けるリーダーなのです。

『世紀末リーダー伝たけし!』について紹介した<『世紀末リーダー伝たけし!』が今でも面白い!名シーン、名言をまとめてみた>の記事もあわせてご覧ください。

走れ走れ、速い速い、白い奇跡マキバオー1着!『みどりのマキバオー』

北海道鵡川に「みどり牧場」がありました。そこでは繁殖牝馬ミドリコの出産が間近に迫っていました。牧場は経営難でしたが、無事産まれれば金の卵となるはずでした。しかし、産まれてきた仔馬は、サラブレッドとは思えない豚のような体格の白馬。牧場主の思惑は外れました。

そんなある日、借金のかたに牝馬が売られることになりました。仔馬の才能を見抜いていたミドリコは、敢えて売られることで我が子から離れ、成長を促そうとします。目論見は当たり、仔馬はミドリコを運ぶトラックに追いつくという凄まじい脚力を見せました。それが後に「ミドリマキバオー」として知られる競走馬の片鱗でした。

著者
つの丸
出版日

本作は1994年から1998年にかけて連載されたつの丸の作品。1996年には小学館漫画賞児童部門を受賞しました。ジャンプでは珍しい競馬をモチーフにした漫画で、人間と動物が話す等のギャグ色が見られるものの、熱いレース展開に定評があって今なお根強い人気を誇ります。

主人公は、ロバとの混血を疑われるほど小柄で不細工なミドリマキバオーこと、うんこたれ蔵。なんとも酷い名前ですが、ちゃんとした由来があります。ミドリコと引き離されたマキバオーが、母に会いたい一心で脱走した際、運命的に出会ったネズミのチュウ兵衛に名付けられた大事な名前。

このチュウ兵衛との種族の垣根を越えた絆も見所。競走馬ミドリマキバオーの成功は、チュウ兵衛の功績に寄るところと言っても過言ではありません。みどり牧場の調教師、飯富昌虎(おぶまさとら)と共にマキバオーを特訓。レース中には騎手山本菅助とは別にマキバオーの頭に陣取り、司令塔としても大活躍します。

そしてライバルとの名勝負の数々。体格では圧倒的に劣るマキバオーが、劣勢を覆して勝利する姿は感動的です。とりわけ印象的なライバルは、「白い奇跡」マキバオーとはあらゆる意味で対称的な「黒い旋風」カスケードでしょう。幾度もマキバオーの前に立ち塞がる強敵です。因縁の決着の瞬間は涙なくしては読めません。

誰にも期待されなかった仔馬が、予想外の成長を遂げる、まさしく大穴の展開。あなたも思わず馬券を握り締める観客の気持ちで固唾を呑み、快哉を挙げてしまうことでしょう。

いかがでしたか? 一口にジャンプ漫画と言っても、ジャンルは多岐にわたります。どれ1つ取っても同じものはありません。多種多様な作品それぞれに違った感動があります。是非あなただけの感動作品を探してみてください。

  • twitter
  • facebook
  • line
  • hatena
もっと見る もっと見る