小粒でもピリリな短編小説4冊
派手な人間ほど中身伴っていなかったりするものですし、やっぱり自分の魂を再確認する為にも、いまいちど面白い短編小説を読みたい。そう最近思っている(自分でも何言ってるかよくわかりません)。

あと、短編は電車の中とか待ち時間とかのちょっとした間に読めるのもいい。おれだってホンシェルジュといえど人間だし、そんなに読書にばかりかまけているわけにはいかない。おれだってもっと、恋とかしたい。

フィツジェラルド短編集

著者
F.S. フィツジェラルド
出版日
1990-08-28
喪失の中に人生を見るフィツジェラルド。作家にとっての重要なテーマが形を変えて何度も変奏されるのだけど、失ったものをやたら嘆くわけでも懐かしむわけでもなくただ見つめる、その視線の温度感みたいなものに自分はとてもぐっときます。

きらめきを求めるロマンチックさと、それがやがては消えていくというリアリスティックな諦念の同居してる感覚というか。

佇む人―リリカル短編集

著者
筒井 康隆
出版日
ナンセンスでブラックな筒井SFのテイストでありながら、どことなく物哀しい雰囲気を持った話の多い短編集。読み口は軽くても味わい深し。

一人の男が飛行機から飛び降りる

著者
バリー ユアグロー
出版日
1999-08-30
友達からすすめられて読んだ。短編というよりもさらに短い、でも詩というにはちょっと長い、夢の記録のような寓話集。ちょっとシュールレアリスティックな絵とか短編アニメみたいな感じするっす。

黒猫・アッシャー家の崩壊

著者
エドガー・アラン ポー
出版日
2009-03-28
ポーはオールタイムベストなんで、思い出したら読み返す、みたいな感じなんですが、ほんといつでも最高ですね~。小学生の時に読んでも今読んでも面白いって、本当のクラシックなんだと思います。

新潮文庫のこの版は、ゴシック編ということになってまして、幻想ホラー風味のものが主に集められています。どれ読んでも不気味美しくてすばらしいです。

この記事が含まれる特集

  • 本と音楽

    バンドマンやソロ・アーティスト、民族楽器奏者や音楽雑誌編集者など音楽に関連するひとびとが、本好きのコンシェルジュとして、おすすめの本を紹介します。小説に漫画、写真集にビジネス書、自然科学書やスピリチュアル本も。幅広い本と出会えます。インタビューも。

  • twitter
  • facebook
  • line
  • hatena
もっと見る もっと見る