のぞいてみたい? ガールズ・ラブの世界

のぞいてみたい? ガールズ・ラブの世界

更新:2016.3.26

みなさんは、「ガールズ・ラブ」というジャンルをご存知ですか? そう、女の子同士の恋愛ものー…いわゆる、「百合」です。どことなく秘密めいた作品が多く、手に取るのをためらってしまう人もいるかもしれませんが、女の子同士だって愛し合えば、そこに恋愛は成立するのです。(もちろん、きっと、男の子同士でも!) 今回はそんな「百合」にフォーカスして、わたしのおすすめを紹介したいと思います。まずは先入観を捨てて、手に取ってみることをおすすめします♪

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ポエムコア・アイドル
owtn.
「雪国に舞い降りた、ゆるふわグルーヴィー天使」をキャッチフレーズに、 自作の詩をトラックに載せて朗読する、ポエムコアという新たなジャンルで活躍しているowtn.。 “宇宙初のポエムコア・アイドル”として、独特の世界観が国内外から注目を集めている。 2015年12月に、最新EPとなる「桃源郷EP」をリリース。
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淡い初恋を思わせるような、官能的で幻想的な一冊

著者
青山裕企
出版日
2013-04-06
人気のスクールガール・コンプレックスシリーズの第三弾は、女子校がテーマ。いわゆる女の子同士の「絡み」のショットが多く、モデルさんの顔は見えませんが、過去のシリーズに負けないくらい、美しく儚い写真に溢れています。

女子校出身のわたしが見ると、現実味を帯びている…というよりは空想に近いものを感じますが、だからこそ淡い初恋を思わせるような、官能的でありながら幻想の中にいるような、青山裕企さんらしい世界をこの一冊に見ることができます。

対照的な二人を、丁寧な心理描写で優しく描く

著者
やまじ えびね
出版日
幻想的な作品の次にご紹介するのは、リアリティに溢れたこちら。レズビアンのカップル、いちことエリーの二人をとりまく日常のお話です。何か大きな事件が起こるというストーリーではありませんが、その中でも人物の心の揺れ方を丁寧に描き出しています。親に恋人を紹介するのに緊張したり、かっこいい女の子に目移りしてみたり(しかもそれを恋人のエリーに正直に言ってしまういちこ…。笑)、そういったエピソード一つ一つに巧みにいちことエリーというキャラクターの魅力が描き出されながらも、さらっと読めてしまう。一つの作品として単純に楽しめる一冊です。「夢物語みたいな百合はちょっと抵抗が…」という方にもおすすめしたい、レズビアン(と、セクシャルマイノリティ)のリアルが描かれた一冊かと思います。

2006年に、吉井怜さんと今宿麻美さん主演で映画化もされています。二人は無邪気ないちことクールなエリーのキャスティングにぴったり! ぜひこちらも見てみてください。

素直になれないアイドルと、情熱を注ぎまくるヲタ

著者
平尾アウリ
出版日
2016-02-13
地下アイドルグループの人気最下位メン「まいな」と、自他共に認めるTO(トップ・ヲタ=一番のオタク)の「えりぴよ」。収入は全て貢ぎ、人生をかけてまいなを応援しているえりぴよに、なぜかまいなはいつも塩対応で…。実は、ファンとアイドルの「両片思い」の物語。素直になれないアイドルと、情熱を注ぎまくるヲタの構図がユニークに描かれています。

まいなの人気が出るようにと応援しているはずのえりぴよだけど、いざ、まいな推しのヲタが現れると複雑な心境…などなど、笑えてキュンとできる展開がオススメ! アイドルとヲタという図式ですが、物語そのものはとてもシンプル。テンポもよく、何より絵もかわいいのでさくさく読めちゃいます。もしかしてわたしの女ヲタさんの中にも、えりぴよみたいな気持ちの子がいるのかな…?(ドキドキ)

友達以上、恋人未満、淡く軽やかな初恋のお話

著者
タカハシ マコ
出版日
2007-06-18
10のお話で構成された短編集。お付き合いして、それからというよりも「あの子、かわいいな」という気持ちを書き出している作品が多く、友達以上、恋人未満というような、淡く軽やかな初恋のお話がぎゅっと詰まっています。コマ割りや絵のタッチは少女マンガのそれに通じるものがあるので、「百合ってどんな世界なんだろう…」と気になっている人にも読みやすいかも。

女の子なら、友達とじゃれあっている間にも、もしかするとあの子は心の中でこんなこと考えているのかも?(または、自分もこんなこと考えてしまった…)と、かわいい絵柄の中にも、ちょっとドキッとするようなエピソードが繊細に織り込まれた作品です。

「あたしたぶん まさみちゃんのことずっと忘れないと思う」

著者
魚喃 キリコ
出版日
2007-04-24
主人公の桐島カヤコは、自分の進路に悩む高校生。そんな中、留年して同学年の遠藤雅美と仲良くなる。アートや音楽に詳しく、大人びた雰囲気の遠藤に次第に惹かれていく桐島だけど、遠藤が留年したのには、ある理由が…。

寂しさと、憧れと、嫉妬とが入り混じった想い。シンプルな線とモノローグで、桐島の心情は淡々と描かれています。特に好きだったのは、No.2(二話目)。カヤコは好きでもない男の子と関係を持ってしまいますが、こうすることで(すでに同じ経験のある)遠藤に近付いた気持ちになったというシーン。大人は「なんて回りくどいんだろう…」と読み飛ばしてしまいそうなエピソードですが、"好きな人と同じことをして、同じ目線に立ってみたい"という感情を丁寧に描いていると感じ、胸がぎゅっとなる思いでした。

ラストの、
「あたしたぶん まさみちゃんのことずっと忘れないと思う」
という、カヤコの言葉と裏腹な儚さ。初めて彼女の名前を呼ぶのが、このラストシーンです。

こちらも『LOVE MY LIFE』同様、過去に映画化された作品です。

気になる一冊は、ありましたか?

恋愛は男女間だけのものではなく、いろいろな形があるということを、作品からも知ることができると思います。性別を飛び越えて、その人のことをステキだなと思う気持ちがあれば、もうそれは恋の始まりなのです。日本では同性愛を、未だどこか禁忌のような風潮があるのかなというのが正直な感想でした。(恋人との関係を「秘密」として扱っている作品が多いあたり…。)

最近は企業や地域が同性愛に積極的に取り組むなど、時事的な要素も強かったため、このテーマで本をまとめてみました。女の子同士に限らず、男の子同士でも、もちろん男女間でも、あらゆる人たちに自由な恋愛ができる世の中になりますように!

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