私は日本人なのですが、日本について案外知らないことって多いもの。当たり前のように暮らしている日常の中でも、何が外から来たもので、何がそうではないのかを自覚しながら生活することってあまり無いんじゃないかと、思うのです。 私自身の経験としては、なかなか馴染めなかった価値観が、元を辿ってみると実は外来だった、なんてこともよくあるものですから、やっぱり自分には日本の血が流れているのだなぁと感心してしまいます。 今回は日本の言葉や文化、風景など、その源流を感じられる本を5冊ご紹介いたします。
日本人が日本語の文章を書く心得が記されている一冊なのですが、その国の言語と国民性については切り離せないものがあるからに、日本語について語られる中で見えてくる東洋の人々の性質が面白い。
- 著者
- 谷崎 潤一郎
- 出版日
- 1996-02-18
“妖怪は、むかしの人の苦しい生活を物語っているものもあれば、古いむかしからの人間の恐怖が妖怪と化したものもあります。”(本文より)
- 著者
- 水木 しげる
- 出版日
伊勢物語のパロディの体をとって書かれた江戸時代の戯文小説の現代語訳。ひとごとにひとつのくせという、昔の諺にある様に、あらゆることには癖がある。そんな癖ある人びとの、短いエピソード達が並ぶことで当時の日本の世相が浮かび上がってくる。
- 著者
- 石川淳:訳
- 出版日
- 1995-09-01
ある小さな学校の教室に、突然、赤い髪の転校生がやってくるお話。国語の教科書で読んだ覚えのあるこの物語、宮沢賢治さんの文章は日本の風景をありありと浮かばせてくれます。
- 著者
- 宮沢 賢治
- 出版日
- 2000-11-17
きっと日本人はいつまでもお椀で味噌汁を飲むだろう、白ちゃけた陶器などではなく。生活の中の電気が白く明るくなって、生活のそれに合わせてその状況下で楽しむ芸術を歪めていったというのは仕方のないことなのか。
- 著者
- 谷崎 潤一郎
- 出版日
- 1995-09-18
本と音楽
バンドマンやソロ・アーティスト、民族楽器奏者や音楽雑誌編集者など音楽に関連するひとびとが、本好きのコンシェルジュとして、おすすめの本を紹介します。小説に漫画、写真集にビジネス書、自然科学書やスピリチュアル本も。幅広い本と出会えます。インタビューも。