本こそ僕らの冒険の扉。BURNOUT SYNDROMESのGt, Vo、熊谷です。暖かくなってきた……というか日によっては暑いですね。天気が良い日は出かけたくなるけど身体がついていかない。でも全く出かけないと心がしんどい。そんな季節の変わり目にオススメの、家で楽しめる「冒険が始まる本」、3作をご紹介します。
先日僕の誕生日があったので、自分にプレゼントを買いました。
そう、任天堂が誇る名機、スーパーファミコンです。
カセットは「ドラゴンクエスト6」。
何を隠そう僕は大のドラクエ好きで、少年時代に祖父の家でプレイした「ドラクエ3」がきっかけでゲームにハマっていった程です。
特に「7」は最早ゲームではなく文学作品として皆様にオススメしたいナンバーです。
最初のスライムと戦うまで謎解きに2時間を要するという拘りの導入、時間軸を移動する奇怪な世界観、切ないシナリオ……機会があれば是非プレイしてみてください。最高です。
というわけで今日も僕は、いつスクウェア・エニックスさんから作曲依頼が来ても良いようドラクエの世界を探求するのです。決して遊びではないのです。……くそぅ!! スロットのスリーセブンがどうしても揃わない!!
そんな胸の高鳴りを皆様と分かち合いたく「冒険が始まる本」を3作、紹介します。
共に「ぼうけんのしょ」を開こう!!
読者の旅を助ける杖
- 著者
- パウロ コエーリョ
- 出版日
“人生に起こるすべてが前兆なんだよ”
スペインの羊飼いの少年サンチャゴは、エジプトのピラミッドで宝物を見つける夢をみた。その「前兆」に導かれ、少年は旅に出る決意をする。
名文のオン・パレード。
初めて読んだ時の印象はそれでした。
ストーリー自体は至ってシンプルで、様々な苦難や挫折を乗り越え、少年がピラミッドを目指して旅をするというものです。
注目すべきはのはその冒険の中で起こる「前兆」を少年が前向きに読み解いていく描写です。その全てが素晴らしい。
試しに適当にページを開いて抜粋してみましょう。
“夢が実現する可能性があるからこそ、人生はおもしろいのだ、と思った”
“上着の重さに文句を言おうとした時、彼は上着があるからこそ、明け方の寒さをしのげるのだと思い直した”
“砂丘は風で変わります。でも砂漠は決して変わりません。私たちのお互いに対する愛も変わりません”
どのページを開いてもこんな感じ。日常の些細な風景が、少年に勇気を与えていきます。
彼が風景から取り出す純金の如き名文の数々は、必ずや読者の旅を助ける杖となりうるでしょう。
僕はこれを昔、母親に薦められて読みました。そして最近になってこれは実は「ハリー・ポッター」と並ぶくらいの世界的ベストセラーだったと知ったのですが、それも納得です。世界中の人の心を打つ力を持つ、青春のバイブル足り得る一冊だと思います。
相打ち覚悟の己を省みない主人公
- 著者
- 東出 祐一郎
- 出版日
- 2009-07-17
“僕は反撃してやる。
僕はお前らを追跡してやる。どこまでもお前達を狩り続けてやる。
お前達は僕を狩ろうとする−−−−−そして、僕もお前達を狩る”
何もかもが平凡な高校生・赤神楼樹。だが誰にでも一つくらい才能がある。彼の場合はそれが「殺人」だった。
東欧小国で修学旅行中、楼樹とその同級生はバスごと拉致される。
犯行グループは財閥の好事家達による狩猟組織、通称「クラブ」。
GPSを埋め込まれ、廃墟を逃げ惑う生徒達。人間狩りのゲームが幕を開ける。
しかし極限状況の中、楼樹の「殺人」の才能が開花し、ゲームは逆転する。
楼樹に対抗するため続々投入されるサイコパス=娯楽提供者(エンターテイナー)達との死闘。
無残に散る「ケモノ」はどちらか。
全8巻。
僕の大好きなライトノベルの一つ。
ラノベにありがちな「最強の主人公カッケー」みたいなノリではないのがこの作品の最高にホットなところ。勿論主人公は強いですが、敵がそれ以上に超人的なため、一戦一戦が命取りなのです。
電撃を浴び、毒ガスを喰らい、爆風にブッ飛ばされながらも悪党を一匹ずつ屠っていく主人公。常に相討ち覚悟で。己を省みない感じが格好いいのです。
またお約束のように毎巻ズタボロにされてから最終戦が始まるのも見所。
「楼樹くん右腕とアバラ折れてるし左目失明してるしもう無理でしょ。え? ここからラスボス戦ですか? いや絶対死ぬでしょ」みたいな無茶苦茶な展開がクセになる作品です。