グルメ漫画『孤独のグルメ』は名言が多いことで知られています。今回はそんな本作から沁みる言葉を20個厳選してご紹介!ドラマでも有名な『孤独のグルメ』からおひとり様の流儀を学んでみるのはいかがでしょうか?
独特な台詞回しでありながらも、多くの人の共感を呼ぶ『孤独のグルメ』。誰と感動を共有するでもなく、店主と和気あいあいとするでもなく、ただひたすらに食事と、雰囲気と向き合います。
今回はそんな本作の名言をご紹介!風流で、一度読んだら忘れられない独特のグルメワールドの魅力をお伝えします。
- 著者
- ["久住 昌之", "谷口 ジロー"]
- 出版日
五郎はいく先々の駅でぶらりと店を探すものの、どこでもいいと妥協することはほとんどありません。その日の気分やその街の店の中で一番自分にあっている店を厳選するのです。
ある日の五郎は仕事がうまくいかず、雨に降られ、道に迷い、しかも究極まで腹が減っているという不快指数最高の状況。店を探して歩きまわりますが、全くいいところがありません。
普通はそういう時は手軽に済ませられるコンビニやチェーン店に入ってしまいがちですが、そこは五郎、流儀の男なのです。
「焦るんじゃない
俺は腹が減っているだけなんだ
腹が減って死にそうなんだ」(『孤独のグルメ』1巻より引用)
死にそうなのに一切の妥協を許さない気持ちを心の中で呟きます。
かっこいい言葉ですが、雨をよけて入ったアーケード街も抜けきってしまい、土砂降りの中を走る彼はさすがにこう考えます。
「くそっ それにしても腹減ったなあ
”めし屋”は……
どこでもいい ”めし屋”はないのか」(『孤独のグルメ』1巻より引用)
すぐさま前言撤回。困った時は無理をしません。
孤独のグルメが人気があるのは流儀でカチカチになっていないこんな人間味があるところにもあるのではないでしょうか。
一度かっこいい名言を言った後にこう素直に考える五郎は、どれだけ斜に構えた雰囲気でも何だか憎めない人物です。
こだわりを見せておきながらお腹を空かせるとついついどこでも良くなってしまう五郎。彼は結局雨に振られたのでもうここでいいや、と適当な定食屋に入ります。そこで彼は注文時の自分ルールを披露。
「俺はできるだけ物おじせずハッキリと言う
注文を聞きかえされるのはやっかいだ」(『孤独のグルメ』1巻より引用)
食事の始まり、注文の段階から自分なりのベターな方法を持っているのです。おそらく五郎のことでしょうから、年配の方が注文を取りに来て聞き取ってもらえず、少しイライラしてしまったことでもあるのでしょう。
繊細すぎると言ってもいいほどの人物ですから、自分の機嫌を損なわないように最新の注意を払っているのです。
みんなこれくらいの外食流儀はありそうですが、五郎くらい断定的に言われると、どこか求道的な厳格さを感じてしまいます。
注文をしてどうにか飯にありつけそうだとなった時にやっと余裕が出て来て周囲を見渡す五郎。そして客たちの共通項に気づくのです。
「しかし…みんな帽子を被っているのはなぜだろう?
でもある種の美意識が感じられる」(『孤独のグルメ』1巻より引用)
おじさんの帽子率の高さに美意識を感じる人はなかなかいないでしょう。さすが五郎です。
そしてそのうちのひとりがとん汁とライスを持ち帰りにしているのを見て、心の中でこう言います。
「持ち帰り!そういうのもあるのか」(『孤独のグルメ』1巻より引用)
これはLINEスタンプにもなっているひとこと。「そういうのもあるのか」。無駄に意味のないところで使ってみたくなる言葉ですね。
そしていよいよ食事が運ばれてきます。欲望のままに頼んだので、豚肉いためととん汁で豚肉だらけになってしまいました。
「ぶた肉ととん汁でぶたがダブってしまった」(『孤独のグルメ』1巻より引用)
そこまで気にするかというところですが、ファンとしてはおなじみの食材ダブり。すごく細かく気を使っているようで、五郎はよくこんなミスをしてしまうんですね。五郎の可愛らしいところです。
さまざまなこだわりを見せておいてお腹が空くとどうでも良くなってしまう五郎。しかし一度お腹が満たされると別人のような余裕が出てきます。
店を出ると雨は上がっていて、彼は満ち足りた表情でこう考えるのです。
「ようやく明治通りに出た
タクシーが来れば乗ろう
来なければ歩いて地下鉄日比谷線の三ノ輪駅に出ればいい そう思った
俺は得体の知れない奇妙な満足感を味わっていた」(『孤独のグルメ』1巻より引用)
どこか表現的なモノローグ。店に入るまでのあのお腹が空いて死にそうなんだ、と思ってた人と同一人物とは思えません。
ちなみにここまでで5つの名言をご紹介しましたが、これは1話でのこと。基本的にひとりなのと五郎の心の中での言葉数が多く、独特なのでこんなに名言が出てきてしまうのです。そして特に1話は名言としてファンから愛される(いじられる?)言葉が多い名エピソードなのです。
孤独のグルメには数々の主人公・五郎の流儀が描かれますが、物語全体に彼の生き方が反映されています。
彼は数多くの店を知っていながらも、彼は行きつけの店をつくる気配はありません。それは五郎のこんな仕事観にも共通する身軽さを愛するところにあります。
「輸入雑貨の貿易商を個人でやっている俺だが自分の店はもっていない
結婚同様 店なんかヘタにもつと守るものが増えそうで人生が重たくなる
男は基本的に体ひとつでいたい」(『孤独のグルメ』1巻より引用)
男なら誰しも風の向くまま気の向くまま、何にも縛られずに風来坊のように生きていきたいと思ったことがあるのではないでしょうか。
『孤独のグルメ』はそんな男のロマンを表したもの。ただの料理漫画ではなく、人生という名の冒険をグルメを通して記録しているのかもしれません。
そんな彼が仕事観をひとりごちている時に、パッと入れるから、という理由で入店したのが回転寿司屋。とりあえずマグロを、と手に取り、こんなことを考えます。
「こりゃあ いかにもって色しているな」(『孤独のグルメ』1巻より引用)
どう読んでもディスっているように思えます。そしてそのあとに「これで全品130円か あんがい安いね」これまた褒めているのかけなしているのか分からないお言葉を吐くのです。
これがまた本作の魅力のひとつ。正直すぎる五郎の言葉に、他のグルメ漫画にはない、信頼感を感じられるのです。
回転寿司屋でひととおり食べた後、周囲の客がタイムサービスの大トロばかり頼んでいることに気づく五郎。しかしなかなか板前さんとタイミングが合わず、声をかけられません。
そんな時にとなりのおばちゃんが自分の注文と一緒に彼のことを店員に伝えてくれました。礼を言いつつも、彼がすぐに思ったことはこれ。
「ふう…なんだってこんな思いをしなけりゃいけないんだろう」
(『孤独のグルメ』1巻より引用)
いや、そこは心が温まって終わりでもいいような気もしますが……。確かに五郎は繊細すぎるので、声があまり通らなさそうなイメージはあります。
そして最後に大トロとウニ、アワビを食べて終了。大トロは何と2皿も食べてしまいました。店を出て満足げに考える五郎。
「ちょっと食いすぎた
ラストの2枚……あれが効いたな」(『孤独のグルメ』1巻より引用)
おじさんになったならば誰しもが言ってしまうであろう言葉、「最後の○○、あれが効いたな」。テンションが上がって食べ過ぎたあとなど、ついついこんなこと考えたことのある人も多いのでは。リアルなおじさんらしい名言です。
五郎は個人の顧客との商談を終え、今日も予想外に食いっぱぐれた空腹を抱えて街を歩いています。酒の飲めない彼がお客の夫人におすすめされたのが、近くにある甘味処。
実は五郎は和系の甘味に目がなく、彼女に勧められてそっけない返事をしていたのですが、そこに必ず行こうと思っていたのでした。素直じゃない……。
おそらくそこにお雑煮や煮込みうどんがあるだろうと予想し、それを食べてからデザートをいただこうと考えています。
そこにある煮込み雑炊なるものに目をつけ、注文する五郎。しかしそれは来月からのメニューでした。
「がーんだな 出鼻をくじかれた」(『孤独のグルメ』1巻より引用)
おじさんらしい可愛い言葉。こちらも無駄に使いたい……。そして読者のそんな欲をわかったかのように、こちらもLINEスタンプにあります。
そのあとに頼んだ煮込み雑煮もだめで、仕方なくお腹にたまるものはこの店を出た後に食べることにして、おすすめされた豆かんを注文しました。
ある日の五郎がやってきたのは京浜工業地帯。大仕事前に精をつけようと、焼肉屋にはいることにしました。
「うん うまい肉だ
いかにも肉って肉だ」(『孤独のグルメ』1巻より引用)
本当に独特な表現をしますね。そりゃそうだとも言えますが、美味しそうな表現なのが一本取られた感じです。
ひとり焼肉ということで休む暇なく食べ続ける五郎。少し味が濃いめのチャプチェも頼み、ライスをおかわりします。
「うおォン! 俺はまるで人間火力発電機だ」(『孤独のグルメ』1巻より引用)
いつもの五郎からは感じられないような元気っぷり。焼肉の力、すごいです。
ある日の五郎が入店したのは自然食のレストラン。彼はこの手のお店が苦手なようで、割り箸じゃない箸や、おそらく無添加なのであろう調味料を見て、「結局こういうのって高くつくんだよなあ」と言ってみたり、店員が自分を見下しているような気がすると思ってみたり、いわしと大根カレーの組み合わせや玄米に文句を言ってみたりとやりたい放題。
挙げ句の果てに以前客先の女性が言っていたこのような店のテーブルはベタベタしていると言ったのを思い出し、そうかもしれない、と考えます。どんだけ嫌いなんだ。
しかし運ばれてきた味噌汁を飲んで驚きます。とても美味しい!そしてほうれん草を食べてこのお言葉。
「うわ…なんだこのホウレン草
固くて臭くて…まるで道端の草を食っているようだが
マズくない!けっしてマズくないぞ!!」(『孤独のグルメ』1巻より引用)
いや、素直に美味しいって言おうよ。要するに幼少期に食べた生命力の強い野菜の味がする、と言いたかったようです。下手なのかな……。
どれもとても美味しかったものの、量がまったく足りなかった五郎。そこでいわしと大根のカレーを大盛りで頼みます。
偏見がすごいものの、美味しいものは美味しい。そこは素直な五郎なのでした。
今日の五郎は石神井公園近くの豪邸のお家を訪ねていたよう。そのついでに公園を散歩します。
そこで見かけたのは懐かしいフルーツ牛乳。迷いながらも、昔ながらの瓶詰めのメロンソーダを買い、ゴクリと飲みます。
「このワザとらしいメロン味!
小学生の時 よく映画館で飲んだっけ」(『孤独のグルメ』1巻より引用)
基本的に懐かしい味はけなしながら褒めるタイプなんですね。
そのまま五郎は日曜の昼下がりを公園内のごはんどころで済ませることにします。こちらにまでのんびりさが伝わってくるエピソードです。
ランチタイムギリギリに入ったのはある洋食店。駆け込みセーフ、と思いきや、店主は不機嫌そうに五郎に声をかけ、留学生のアルバイトに50分になったら看板をしまえと言っただろうと怒ります。
そして水も石鹸の泡もついているからと怒り、看板をいれようとする彼に今から食事あがるんだから様子を見て動け、と怒鳴ります。
さらに出前が入って、上がりの時間にも関わらず「お前がモタモタしてるからだよ」と言って五郎の食事を配膳させます。
とりあえず運ばれてきたハンバーグは美味しそう。
「ほー いいじゃないか
こういうのでいいんだよ こういうので」(『孤独のグルメ』1巻より引用)
これまた偉そうですが、徐々に五郎のそんなところにも慣れてきますね。要するに定番で美味しそうだということではないでしょうか。
しかしカウンターの目の前で厨房のやりとりは続きます。出前をとるには豆腐が足りないと言う留学生に、先方に断りの電話をいれろ、と言い、小言をぐちぐち。
その途中でお勘定のお客さんの会計を済まそうとすると、とすると、人の話を聞け、と彼の手をぶつのでした。
その様子を見てついに五郎は立ち上がり、空腹だったのに眼前でそんなに怒鳴られたから食欲がなくなってしまったと言います。それに対して店主も文句があるのか、金はいらないから出てけ、と喧嘩腰です。
しかしそんな店主に五郎はこう言います。
「モノを食べる時はね 誰にも邪魔されず 自由で
なんというか救われてなきゃあダメなんだ
独りで静かで豊かで……」(『孤独のグルメ』1巻より引用)
もちろんこんな言動をする店主にそんなことが通用する訳もなく、五郎をこづいてきます。それに対して五郎はアームロックをかますのです。意外と強い!
それを止めたのは留学生の青年でした。
「あ…やめて!
それ以上いけない」(『孤独のグルメ』1巻より引用)
彼に止められて正当防衛?をやめた五郎。「…あいつ…あの目」と回想します。
これはどう言う意味なのかがファンの間でも議論されましたが、ドラマ作品では「悲しそうな目」ということで捕捉されていました。果たして真意はどこなのでしょうか?
ちなみに本作は実際の店舗を実際に食べ歩きをする人も多いですが、おそらくモデルになっているであろう店が「洋庖丁」という洋食店ですが、モデルになっていたと思われる人物は1年間雇われ店長として働いていた男性だそう。
後任として2017年現在店を営んでいるのはまったくの別人でチェーン店から独立もしたため、今はまったくの別のお店なんだそう。風評被害も大きいようなので、お店に行かれる方はご注意ください。
夜遅くまで仕事をして、気づくと時計は午前2時。朝方までかかりそうな仕事からいったん離れ、五郎はコンビニに夜食を買いに出かけます。
「腹もペコちゃんだし 夜食でも食ってひと息つくか」(『孤独のグルメ』1巻より引用)
腹もペコちゃん(笑)たまに可愛らしい顔をのぞかせるのが五郎の魅力ですね。
そしてそこからついつい夜中のコンビニで散財してしまうというあるあるで2000円弱ほどいってしまう会計。五郎は「夜中の定食」を自己流でつくることにします。
夜中のテンションのワクワク感がこちらまで伝わってくる庶民派なエピソードです。
今日は秋葉原に携帯電話を見にきた五郎。電気屋ばかりで飲食店がないなかをふらふらしているところに、肉の万世を見つけます。
あそこのカツサンドが美味しいんだよなぁ、と上機嫌で向かった先で特性カツサンドを頼み、駅向こうの広場でそれを広げます。
「こういうの好きだな シンプルで
ソースの味って男のコだよな」(『孤独のグルメ』1巻より引用)
シンプルでガツンとうまいカツサンドに舌鼓をうつ五郎。読んでいる方もついついあのストレートに美味しい味を食べたくなってしまいます。
静岡にやってきた五郎は、だしのいい匂いにつられておでん屋にひかれていきます。お酒が飲めない彼はたまたま家族づれが出てきた店に狙いをさだめ、入店。
しかしそこは少し変わったお店だったようで、汁がカラシになっている汁おでん、有名な黒はんぺんも焼き海苔黒はんぺんというものだそう。
普通のものが食べたかったなーと思う五郎。
「あるんだよな こういう余計なことする店(中略)
でも ま こんなしくじりもまた旅情なり…か」(『孤独のグルメ』2巻より引用)
しかし散々ごねておいて、いざ食べるとうまい、うまいの連発。美味しいとついつい注文しすぎてしまったり、ダブりを発生させてしまうクセが出ますが、おかまいなし。
「ま ひとり飯 誰気にすることなし
ごちそう食って反省してる馬鹿もなし、だ」(『孤独のグルメ』2巻より引用)
こういう都合のいいところあるんですよねー、五郎って。鼻にかけているようなところもある彼ですが、憎めないのが不思議です。
夜食の回でお腹ペコちゃんという可愛いダジャレで読者を和ませた五郎でしたが、今回は変化球。下北沢で迷った時にピザ屋を見つけ、こんなことを言います。
「なんだか古そうな店だけど
こんなコバラベリーには 案外 ちょうどいいかもしれぬ」
(『孤独のグルメ』2巻より引用)
そして入店。そこはプレーンピザに自分の好きなトッピングを選んでのせるお店。LとMがそれぞれ28cm、23cmだと聞いた五郎はおもむろにメジャーを出して計測し、Lでもいけるな、と踏みます。
今回の五郎は何だか不思議な雰囲気ですね。何を言いだすか、しだすか分からない雰囲気です。アメリカンなピザにがっつくという意外な一面を見せる彼をご覧ください。
今日の五郎は鳥取県にいました。そこで地元の人にすすめられたのが、市役所の素ラーメン。うどんのつゆにラーメンが入ったもので、動物性のダシがないので、油分のために天和かすを大量に入れ、コショウもどばどばかけるのが美味しい食べ方なんだそう。
こんなジャンクなものもいいな、と楽しんだ五郎ですが、
「おやつすぎてものたりない」(『孤独のグルメ』2巻より引用)
この感覚はとても分かりますね。すごく美味しいんだけど、腹にはまったくこないという。
そこでメニューを見ると、五郎は鳥取カレーというものを見つけます。梨とらっきょうと蟹のエキスが入っているというそれを頼んでみることにしました。
「普通きわまりないカレーライスだ
こういうの好きだけど おいしいけど……
口の中でらっきょうの要素が全然見つからん
梨はどう役立っているのかいないのか
蟹 かすりもしないぞ
エキスはエキス 味でなし、か
なんだかちょっぴりさびしんぼ」(『孤独のグルメ』2巻より引用)
2巻になってから結構親父ギャグを飛ばすようになる五郎。歳を重ねたんですねぇ……。
ある日の五郎は東大にやってきました。校内を見物しながら食堂を見つけ、入ってみることにします。そこでさまざまなことに驚く五郎はどこか子供じみていて可愛いです。
「なんだなんだ 野菜炒めごときに数々の情報が
うわ 小鉢の兵隊があんなに おいおい味噌汁80円は安すぎだろ
エコノミー? それ なんじゃらほい?
うほっこの麺の以上な充実ぶりはどうだろう?
しかもいちいちハーフがある 最高学府の誇りと気遣い!
デザートにパイナップルとゴマプリンたぁ つけいる隙もない」
(『孤独のグルメ』2巻より引用 中略あり)
このあとも楽しそうに食べながらモノローグがはずむ五郎。2巻になってからますます可愛さが増しているかもしれません。
ある日、荒川区をぶらぶらする五郎の目に入ってくるのは奇妙なお店ばかりでした。
「寿司とパスタ……
こんな組み合わせの飲食店もあるのか
空腹が逆なでされる
どういう心構えで入店すればいいのか 胃袋が立ち往生するぞ…
寿司腹とスパゲティ腹は 水と油だ」(『孤独のグルメ』2巻より引用)
そのあとは生地屋ばかり。「舞台衣装 企画 製造 販売」という店もあれば、なぜか「フリカケ」という店名のものまで。
「またなんでそんな空腹者をからかうようなネーミングすんの」
(『孤独のグルメ』2巻より引用)
そのあとに見つけたのは木に囲まれた廃屋のような飲食店。怪しいと思いながらも「我 空腹に限界なり」とつぶやいて入店します。
他の客が食べているのを真似してハンバーグステーキを頼む五郎。
「そうそうそう こういうものが食べたかった!
慌てるな 心と胃袋がつんのめってるぞ 俺!」(『孤独のグルメ』2巻より引用)
いつもどおりの作法を自分の課しながらはやる心を抑えます。
「空腹を差っ引いてもあまりある肉料理」(『孤独のグルメ』2巻より引用)
やはり表現方法が独特。しかし独特の癖を差っ引いてもあまりあるシズル感。美味しそうです。それにしてもやはり2巻の五郎は少しテンションが高いですね。
ついに孤独のグルメも海外進出!2巻最後のエピソードはフランスはパリにやってきます。どんなおしゃれ料理を食べるのかと思いきや、五郎が向かったのは「パリの中のアフリカ」。アルジェリア食堂にやってきたのです。
周囲の人々の食べているものを伺いながら注文しますが、汁物多し、トマト味でダブり、といつもの悪い癖が出てしまいました。
しかしそれぞれに味が異なり、野菜も肉もたっぷりで食べ応え抜群です。しかし徐々にクスクスでは物足りなくなってきた五郎。やはりご飯が恋しくなり、注文します。
「うん 黄色いけど飯だ ライスだ
とどのつまり米ですよ我々
主食に米、そこにおかずと、汁!
この三本柱があればどこでもニッポン
ふふ…なんか妙だね ここ…どこだっけパリだったよな」
(『孤独のグルメ』2巻より引用)
パリにきてアフリカ料理を食べ、日本人らしさを感じる。どこにいっても日本人らしい美味しさを求めてしまうのは誰しもあることですね。
- 著者
- ["久住 昌之", "谷口 ジロー"]
- 出版日
食事の所作すべてに生き様を感じられる『孤独のグルメ』。大ヒットの理由も頷ける唯一無二の雰囲気を持ったグルメ漫画です。
ぜひあなたも作品でこの雰囲気を味わってみてください!自分なりのルールを五郎のように持ちたくなるようなかっこいい世界観にハマること間違いなしです。
ちなみに「腹がペコちゃんだ」や「うおォン」などは連載時にはなく、単行本で改変された名言なので、その違いを楽しんでみるのもいいかもしれません。
2020年12月31日の大晦日には『孤独のグルメ』スペシャルドラマが放送されした。このスペシャルドラマは4年連続。
主人公・井之頭五郎を演じる松重豊は「3年連続、紅白の向こうを張った孤独な戦いです」とコメントしています。まさに「孤独のグルメ」と言わざるをえません。2020年の最後を飾るグルメは何が登場するのでしょうか。
コメントの詳細は、テレ東からのお知らせをご覧ください。
毎年行為となっている大晦日スペシャルは2021年も放送されるのでしょうか!
『孤独のグルメ』においては作画の担当をしていた谷口ジローですが、谷口が原作を担当している作品もあります。2017年に亡くなった谷口の作品を紹介する以下の記事もぜひご覧ください。
谷口ジローおすすめ漫画ランキングベスト5!『孤独のグルメ』だけじゃない!
2017年2月に惜しまれながらも世を去った谷口ジロー。その絵柄や作風により『孤独のグルメ』以外の作品にも再び注目が集まっています。今回は谷口ジローのおすすめ漫画をランキング方式で5作品ご紹介いたします。