マイケル・サンデルの行う講義は「白熱教室」として、日本でも話題になりました。著書「これからの正義の話をしよう」は、講義の様子がほぼ再現された1冊です。今回は、本書の内容とともに作者の魅力を整理しました。 また、本作は「flier」で無料で概要を読むこともできます。さまざまなビジネス書、教養書を10分で読めるスマホアプリなので、時間がない方、ご自身で概要を知りたい方はまずはそちらで読んでみてはいかがでしょうか?
本書ではタイトル通り、「正義」が関わる現代の問題を、古代ギリシアの哲学者アリストテレスや17世紀のイギリスの哲学者ロック、18世紀のドイツの哲学者カントなど、古今の哲学者とともに考えます。
たとえば、こんな哲学の問題が問いかけられるのです。
1人を殺せば5人の命が助かる状況で、その1人を殺すべきなのか? 富裕層に税金を課して、富の再分配をすることは公正なのか? 私たちには、過去の世代の犯した過ちを償う義務があるのか?
哲学というと「日常生活には直結していなさそう」「現代には通用しなさそう」「役に立たなそう」なんて声も聞こえてきそうです。しかし本書を読めば、実はそうではないことーー身近で、現代にも通じる問題で、物事を判断するときに役立つことーーに気づくのではないでしょうか。
- 著者
- マイケル サンデル
- 出版日
- 2011-11-25
著者のマイケル・サンデルは、1953年にアメリカで生まれた政治哲学者です。ハーバード大学で政治哲学を教え、同大学で大人気の講義「Justice(正義)」を受け持っています(2017年5月時点)。
どれほど人気かというと、毎回の受講者数は1000人を超え、同大では史上初となるオンライン及びテレビでの講義公開に乗り出したほどです。
講義の様子は、日本では2010年に「ハーバード白熱教室」と題され、テレビ放送されました。12回に分けて放送され、NHKが公式で発売するDVDでは、のべ11時間を超える講義が収められています。
そんな講義をベースにしてつくられた本が、今回ご紹介している「これからの正義の話をしよう」。当時の学生との議論のやり取りは省略されていますが、講義内容がほぼ再現されている1冊です。
なお講義を「より」忠実に再現した本は『ハーバード白熱教室講義録+東大特別授業』となります。実際の講義でのやり取りまで読み込めますので、興味がある方はチェックしてみください。
本書は、単行本では400ページ弱(384ページ)、文庫版では500ページ近い本(475ページ)です。そのうえ「意外と難しい……」という声も聞かれます。
「テレビで話題になっていたから……」「哲学に興味があるから……」と思いながらも、「積ん読している……」「……買うのは、また今度でいいかな!」など、さまざまな事情で、実際にはまだ読み進められていない方も多いかもしれません。
そんな方には、本の要約サービスをおすすめしたいと思います。これを使えば、約10分でぶ厚い本の要約をチェックすることができるのです。
なかでも「flier(フライヤー)」という会社の要約は「各分野の専門家」によって作成されており、「質」も保証されている点が魅力的です。
またこのサービス自体は、不朽の名作からビジネス書まで、さまざまな本の要約が読める月額制サービスですが、現在(2017年5月時点)、「これからの正義の話をしよう」などを含む20数冊の要約は「無料」で読むことができます。
この機会にぜひ、「これからの正義の話をしよう」の内容を無料で押さえてみてはいかがでしょうか。
- 著者
- マイケル サンデル
- 出版日
- 2011-11-25
ハーバード大学で政治哲学を教え、名物講義「Justice(正義)」を担当するマイケル・サンデル。今回ご紹介した「これからの正義の話をしよう」は、「白熱教室」の講義内容がほぼ再現された1冊です。興味が湧いてきた方は、まずは要約から大枠を掴んで、実際に本を読んでみるというのもおすすめです。
哲学的、しかし、身近で現代的な問いかけを、古今の哲学者とともに考えれば、現代社会の抱える問題をより大きな視点で捉え直せるかもしれません。ぜひ一度、手に取ってみてください。