スティーブ・ジョブズを知る本おすすめ5選。生い立ちからプレゼン術まで

更新:2021.12.21

スティーブ・ジョブズは、Appleの創業者であり、iPodやiPhoneなど画期的な製品を生み出しました。また聴衆を魅了するプレゼンターとしても知られています。そんな彼の壮大な人生や個性的な思考、言動を見ていきましょう。

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スティーブ・ジョブズとは?

スティーブ・ジョブズは、Appleの創業者であり、革新的な製品を生み出し続けてきたイノベーターです。2011年に56歳の生涯に幕を閉じましたが、短い時間の中で壮大な人生を歩んでいます。

スティーブ・ジョブズは1955年に誕生し、ジョブズ夫妻に養子として育てられました。幼い頃から優秀であり、13歳の時にはヒューレード・パッカード(HP)の支社でアルバイトとして働いています。また同社のインターンシップでは、後にAppleの共同創業者となるスティーブ・ウォズニアックと出逢いました。

青年時代の彼はヒッピー文化に心酔し、当時流行っていたサブカルチャーを象徴する様々なものに触れています。菜食主義や禅宗、瞑想、LSD、ロックなど。導師を求めてインドで旅をしたことは有名なエピソードかもしれません。

1975年頃、ジョブズとウォズニアックはより簡易的なコンピュータが作れると考え、「Apple Ⅰ」を製造・販売します。8,000ドルの利益を得た彼らはApple社を設立し、「Apple Ⅱ」「Macintosh」を立て続けに開発しました。

しかし、ウォズニアックの退社やMacintoshの赤字計上など不運な出来事が続き、ジョブズは会長職以外の全ての仕事を剥奪されてしまいます。Appleで仕事が出来なくなった後は、理想のコンピュータを開発するべくNeXT社を設立し、CGアニメーション映画の製作などを手がけるピクサー社のCEOを務めました。

業績不振となっていたAppleは、次期OSの基盤技術を獲得すべく上記のNeXT社を買収し、ジョブズは再びAppleのCEOに復帰します。その後のAppleは多くの方が知っている通りで、iMacやiPod、iPhoneなど革新的な製品を生み出し続け、世界でもトップクラスの企業に成長しました。

2011年10月、ジョブズは56歳の生涯に幕を閉じています。しかし、彼が生み出した製品、そして企業は現在もなお世界中の多くの人々に影響を与えているでしょう。

スティーブ・ジョブズの全てが詰まった公認伝記

本書は、ジョブズ自身がウォルター・アイザックソンに依頼して書き上げられました。彼の人生や思想、言動などすべてが明らかにされている1冊です。

幼い頃の生い立ちから始まり、インドでの放浪などを経て価値観を養った青年期、AppleやNeXT、ピクサーの創業・経営などジョブズの壮大な人生が細やかに書かれています。特に、ウォズニアックの退社やジョン・スカリーとの争いでは、不安や怒り、葛藤など様々な感情が入り混じっている様子が感じられるでしょう。

著者
ウォルター・アイザックソン
出版日
2012-11-16

ジョブズは稀代のイノベーターとしても知られています。理想の製品を追求するべく、圧倒的な熱意や不屈の意志により、相手が誰だろうと納得させてきました。

彼が生み出すこの極端な世界は「現実歪曲フィールド」と呼ばれています。決して誰しもが尊敬する人物や経営者ではありませんが、それでも多くの人が支持し革新的な製品を生み続けてきたのは、まさにカリスマのなせる業です。

本書ほどスティーブ・ジョブズについて詳細に書かれている本はなく、まさに必読の一冊と言えます。

スティーブ・ジョブズを知る入門書として最適な1冊

本書は、上記で紹介したウォルター・アイザックソンの『スティーブ・ジョブズ』を漫画家のヤマザキマリが漫画にしたものです。伝記の内容に忠実なため、シンプルな構成ながら、彼の人生がしっかりとまとめられています。

本編の途中で著者が述べていますが、例えば原作では「彼は悩んだ。そして次の日〜」とサラリと書かれている部分も、なぜ悩んだのかという理由やその背景を解体し、絵で表現する必要があります。そのため、登場人物らの感情などを原作よりもリアルに感じることができるでしょう。

著者
ヤマザキ マリ
出版日
2013-08-12

青年時代の彼はヒッピー文化に心酔し、独特の雰囲気を醸し出していましたが、そのような様子を視覚的に捉えられる点は漫画特有の魅力でもあります。

物語の舞台がエレクトロニクス産業ということもあり、文字だけではイメージできない方も多いのではないでしょうか。そんな方にもイメージがつきやすいよう漫画化された本書は、サラサラと読み進めることが出来ます。

上記で紹介した原作は2冊で構成されており、ページ数も多いため、ジョブズについてしっかりと把握したい方におすすめします。一方、本書は彼についてさっと知ることができるため、入門書として最適です。

2人のスティーブが繰り広げる壮大な物語

本書は、夫婦で漫画を描いており、『東京トイボックス』などの作品でも知られる漫画家うめが手がけた作品です。『STEVES』というタイトルにある通り、ジョブズとウォズニアックという2人のスティーブの物語が描かれています。

上記で紹介したヤマザキマリの『スティーブ・ジョブズ』よりも漫画特有の表現が強いです。例えば、インテルの役員らと交渉した際に感じたジョブズのオーラのような雰囲気が描かれています。そのため、事実を元にしたアクション漫画のようであり、彼の存在感が際立って感じられるでしょう。

著者
["うめ", "松永 肇一"]
出版日
2014-11-28

この本は、ジョブズとウォズアック2人の絡みを見れることが他の本との違いであり特徴です。2人の創業者が生き生きとコンピューターと作っていく描写を、漫画で表現されているので、大変分かりやすくなっています。

アクション漫画ではよく「主人公のライバル」という設定がありますが、本書では「ビル・ゲイツ」がその役を演じています。ゲイツはまさしく「天才」として描かれており、ジョブズとのぶつかり合いも非常に面白いです。

本書は、2人のスティーブが主人公であるため、ウォズニアックがApple退職前に手がけたMacintoshプロジェクトでエピソードが終了しています。この先の展開も描いて欲しかったと望むほど、読んでいてワクワクする漫画です。

スティーブ・ジョブズが人々を惹きつける法則とは?

ジョブズは、聴衆を魅了するプレゼンターであることでも有名です。本書は、「なぜジョブズのプレゼンは人々に感動を与えるのか」を論理的に分析し、一つ一つの要素に分解しています。

本書では、素晴らしいプレゼンの要素として、「ストーリーを作る」「体験を提供する」「仕上げと練習」を挙げています。例えば、彼はは新製品の紹介をする場合、現状の課題などをもとに新製品を利用すべきだという物語を用意し、魅力的なビジュアルを通して「買わなきゃ」と思ってしまう体験を提供しました。

人々を惹きつけるプレゼン技術が詰まった一冊となっています。

著者
カーマイン・ガロ
出版日
2010-07-15

ジョブズは、プレゼンの内容だけでなく、体の使い方やしゃべり方、服装に至るまで細かいレベルで仕上げを行い、ひたすら練習を行いました。

彼の驚異のプレゼンは天性のものではなく、長年の努力により習得したものだということがこの本を読めば分かります。

会社での企画提案や大学での課題発表など、他者に対して自分の意見をアウトプットする機会は誰しもあるはずです。こうした機会に1人でも多くの人に理解をしてもらう、そのためのノウハウが本書には詰まっております。

稀代のイノベーター、スティーブ・ジョブズの人生・仕事を解き明かした1冊

本書は、上記で紹介した『スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン』の著者による第二弾です。iPhoneやiPadなど革新的な製品を生み出し続けてきたジョブズの人生・仕事について解き明かしています。

変化の著しい現代社会で求められるものは、人々が想像もしない製品・サービスを生み出す力や人材です。こうした背景の下、数々のイノベーションを起こしてきた彼の人生・仕事に対する考え方を論理的に分析し、法則化することで、自分の可能性を最大限発揮することに導く一冊となっています。

著者
カーマイン・ガロ
出版日
2011-06-30

本書では、「大好きなことをする」「宇宙に衝撃を与える」といった人生・仕事・世界を変える7つの法則を説明しています。1つ1つのエピソードから多くの気づきが得られるでしょう。「現在の自分の立場のとき、ジョブズならどうするか?」という視点が得られます。

学校、会社などあらゆる場所で、人とは異なる考え方や行動が求められています。ジョブズはまさにその典型例であり、彼の人生・仕事に対する考え方から学ぶべきことが数多くあるでしょう。

自分の可能性を広げたい人に読んでほしい本です。

スティーブ・ジョブズは、iPodやiPhoneなど革新的な製品を生み出し続けてきたことから、天才というイメージを持つ人が多いでしょう。しかし、彼の仕事に対する考え方には、多くの人々が参考にできる点があります。

1人1人の創造性が求められている現代、稀代のイノベーターであるジョブズの枠組みに囚われない思考や製品・デザインに対するこだわりなど、少しずつ取り入れてみてはいかかでしょうか。

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