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小花美穂おすすめ漫画5選!大人気『こどものおもちゃ』の作者

更新:2017.6.16 作成:2017.6.16

数ある少女漫画の中でもストーリーが深いことで有名な小花美穂作品。コメディからシリアスまで盛りだくさんな内容が詰め込まれ、深く読み込めることが特徴です。読了後の満足感に溢れる小花美穂作品をご紹介します。

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90年代の「りぼん」を代表する漫画家小花美穂

小花美穂は、東京都出身の漫画家です。『白雪姫症候群』という作品でりぼん新人漫画賞の佳作を受賞し、その後、1990年に『窓のむこう』という作品でデビューを果たしました。

過去には『ちびまるこちゃん』で有名なさくらももこのアシスタントをしており、漫画家としての実力を培った小花美穂。その後は、主に少女漫画雑誌「りぼん」で活躍してきました。

1990年代のりぼんといえば、『姫ちゃんのリボン』『マーマレード・ボーイ』『ご近所物語』などの有名作品が多数掲載された黄金期。そんな中でデビュー、連載を果たした小花美穂の人気は推して知るべし!

代表作である『こどものおもちゃ』では講談社漫画賞少女部門も受賞し、一躍トップ漫画家の1人となりました。その後も、腱鞘炎を患いながらも精力的に活動しています。

注目される特徴といえばストーリーの深さ。可愛い&甘いだけのラブストーリーではなく、マイナスの感情やキャラクターの暗い過去などが描かれ、そう簡単に夢や恋が叶わないというリアリティがあります。

そんな深いストーリーにあわせて、写実的な絵柄も特徴。ザ・少女漫画というよりも、いい意味で「人間っぽさ」がある描き方がされておりストーリーのリアルさに拍車をかけています。

単なる「少女漫画」「恋愛漫画」で終わらない小花美穂作品。特に人気の5作品をご紹介します。

いわずと知れた大人気作!『こどものおもちゃ』

とにかく明るく活発な小学校6年生、倉田紗南が主人公。紗南は「劇団こまわり」に所属していて、テレビにも出たりと細々ながら芸能活動もしています。

これまた明るくてちょっと変な母親やマネージャーの玲と暮らして毎日楽しく過ごす紗南ですが、ひとつ問題が……。それは紗南の通う学校にありました。
著者
小花 美穂
出版日
紗南のクラスは学級崩壊状態。クラスの男子が担任の先生いじめをしていて、授業も進まずにまさに無法地帯となっていたのです。

その男子の中心にいるのが羽山秋人。飄々とした態度でいじめを主導しています。普段は面倒を避けて大人しくしていた紗南ですが、ある日とうとう怒りが爆発!

思いっきり羽山を怒鳴りつけて反抗します。その後も敵対状態が続き、周りも巻き込みながら2人は深く関わっていくことになったのでした。

なんだかんだとお互いのことを知り、興味を持ち始める2人。夫婦漫才のようにおもしろおかしく絡み合うようになり、いつしか2人でいることが当然のように……。しかし、ただ楽しい学園コメディでは終わらないのがこの漫画の特徴。

ひたすらに明るい紗南とクールな羽山ですが、実は2人とも出生に重い秘密が……。それぞれ複雑な家庭事情、生い立ちがあったのでした。そして当然のように恋愛や友情などの問題も絡み、少年少女の心の葛藤が深く描かれながらストーリーはめまぐるしく動いていきます。

重いテーマがいくつも取り上げられますが、この作品を読み終わった感想として一番に語られるのは圧倒的に「楽しい」という言葉!シリアスなシーンかと思いきや怒涛のギャグ連発、ととにかくリズム感よく楽しく読めます。

「子供は大人が思っているほど子供じゃない」と思わせられる、笑いあり涙ありの小花美穂最高傑作。間違いなくオススメできる作品です!
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甘くて苦いラブストーリー『Honey Bitter』

主人公は音川珠里(おとかわしゅり)。人の心を読むことができ、少しであれば未来予知もできるという超能力を持った18歳の女の子です。

この人並み外れた能力のせいで両親に捨てられ友達もできず、さらにたった一度できた彼氏、虹原吏己(にじはらりき)には心も身体も傷つけられてお別れ……人生はどん底でした。
著者
小花 美穂
出版日
2004-06-15
そんな珠里を受け入れて慰めてくれたのが、珠里の叔母の早穂。珠里の能力も知っている早穂が代表の探偵事務所で働くこととなりました。

しかし、そこでまさかの吏己との再会。男性恐怖症となっていた珠里は仕事の継続を悩みますが、早穂に説得されたり、珠里に一目惚れしたという大学生の久保陽太がバイトに入ってきたりとで流され結局続けることに……。

珠里は誰の心でも読めますが、なぜか吏己の心だけは読めません。それに対して陽太はとにかく明るく優しく、心を読んでも人間にしては珍しく裏表がない性格でした。

陽太の優しさに惹かれて付き合い始める珠里。しかし男性恐怖症は治っておらず、肌に触れられるだけでも拒絶反応が出るほどでした。しかしそれでもいいという優しい陽太。

しかし、あるできごとがきっかけで珠里は吏己にキスされてしまい、きっぱりと拒絶できるはずなのになぜかできなかったと悩むことに……。

甘く優しいHoneyの陽太か、何を考えているかわからないBitterの吏己か、それとも恋愛をせずに一人で生きて行くのか……珠里がどんな選択をするのかが必見です。

そして、探偵事務所らしく事件も次々と起こっていきます。探偵事務所の面々が色々な事件を解決していったりテロリストと関わったりと、アクションものとしても楽しめる秀逸な作品です。

初恋の相手との再会に待ち受ける困難『この手をはなさない』

高校生になっても小学生の頃の初恋を思い出して胸を痛める青年、中野恒。小さい頃に両親を亡くし、兄と2人で暮らしています。

そんな恒の初恋相手は光部由香子という少女。恒のクラスに転校生してきた由香子は勉強もスポーツも優秀で、すぐにクラスの人気者になりました。
著者
小花 美穂
出版日
しかしある日、恒は実は由香子が母子家庭で借金取りに怯えながら暮らしていたことを知ります。そんな状況に居ても笑顔を絶やさず、ひたすらに明るい由香子に惹かれていく恒。

淡い初恋に胸をときめかせていたとき、由香子が突然の失踪……。好きだと告げることも別れを告げることもできなかった初恋は、高校生になったいまも恒の胸を占めていたのでした。

ある日の犬の散歩中、万引き犯として追われていた女性を助けてしまった恒。ふと顔を見てみると、忘れたことのなかった由香子がそこにいたのです。

痩せ細り、服装も貧相な由香子。しかし、あのときの笑顔は当時のままでした。荒んだ生活をしていた由香子を、あのときのように戻って欲しいと恒は彼女の生活に関わっていくことに……。

献身的な恒の支えに心を許し、由香子は徐々に明るさを取り戻していきます。しかし由香子はまだ借金取りに追われており、時として危険な目にもあっていたのです。

由香子をこれ以上危険に晒したくないと、恒は父が遺してくれていた土地を借金の肩代わりとして差し出しました。もちろん由香子には内緒にしようとしていましたがふとしたことで知られ、土地を買い戻すと言って由香子はまた失踪してしまい……。

「一度は離してしまった手をもう二度と離したくない!」という恒の想いがとにかく熱い。若さゆえのまっすぐな恋愛とドラマのようなストーリー展開で、熱いロマンス作品になっています。

また、2人が小学生だった頃のエピソードが丁寧に描かれていて印象的。この過去があるからこその今の2人なんだと思えてより一層深く入り込めます。

『こどものおもちゃ』のスピンオフ!隠れた名作『水の館』

先に紹介した『こどものおもちゃ』の作中、登場キャラクターが映画を撮影する話がありました。そのストーリーがあまりにも深く素晴らしかったため、独立した話にまとめられたのがこの『水の館』。

主人公は浩人という男の子。14歳にして両親を亡くし途方に暮れていました。しかし6年前に失踪したっきりの唯一の兄に会いたいと、行方を捜しに探偵事務所に駆け込んだのです。
著者
小花 美穂
出版日
兄の正人と同じ時期に失踪した美和と真子という正人の友人がいることを知った浩人は、1人で美和の家が所有していた別荘へ行ってみることにします。

方角が分からなくなる不思議な森で行き倒れた浩人。そこで出会ったのが真子と名乗る美少女でした。正人の友人の真子かと思いきや、その姿はどう見ても自分と同い年ほど……本当であれば真子は20歳のはずなのです。

辿りついた館で浩人はやっと正人と再会。森で出会った「真子」も彼らとともに失踪していた「真子」本人でした。正人と美和は時の流れの通り20歳になっていましたが、真子の姿はなぜか14歳のまま……。

その夜、浩人は水で溺れる夢を見ます。そしてせっかく会えたというのに浩人に帰宅を促す正人。虚ろな表情の正人と美和が食べている「薬草」が抱える秘密とは?なぜ真子は成長していないのか?この館にいる限り毎晩「水の夢」を見る理由とは?

小花美穂作品にしては珍しいホラーストーリー。色々な謎と組み合わさり、サスペンス的な要素も醸し出しています。その写実的な絵柄がより言い知れない怖さを増幅させ、思わず背筋が冷たくなるほど。

そして、壮絶なクライマックスの後にどきっとしてしまう一言で物語の終焉……このラストシーンに関しては未だにファンの間で議論が行われています。

『こどものおもちゃ』を読んだことがある方は、登場人物のリンクもあわせて楽しめる作品。逆に読んだことがない方も、1巻で完結しているこの作品を読んでから『こどものおもちゃ』も読んでみてください。どちらも楽しめること間違いなしです。

小花美穂の原点!初期作品集『せつないね』

主人公は中学生の少女、千絵。家がパチンコ店を経営しており、その一人娘です。そんな千絵が恋をしているのは、パチンコ店従業員の恭司でした。

一目惚れして以来恭司を想い続ける千絵ですが、恭司には郁子という彼女がおり、2人とも住み込みで働いていたのです。しかも2人は駆け落ちをしてきていて……。
著者
小花 美穂
出版日
千絵はもちろん恭司のことが好きですが、かと言って郁子を嫌いになることもできません。素敵な女性だと思っていて、恭司の彼女になりたいとも思っていませんでした。

しかし2人が仲良くしているところを見たり、郁子が故郷を思って泣いている姿を目にしたりしているうちに、段々と思いが掻き立てられてきます。そしてついに、履歴書を見て勝手に郁子の実家に連絡してしまい……。

郁子は親に連れ戻され、恭司は残りました。望んでいた展開なのになぜか幸せを感じない千絵。それどころか放心している恭司を見て激しい後悔しか残っていません。

リークしたのが千絵だと知っても千絵を責めない恭司。千絵は、「郁子を一生懸命愛していた恭司」に惹かれていたこと、恭司はあくまでも自分を子供としてしか見ていないことを悟ります。

そこからまた恭司と郁子の進展もあり、最終的にはやっぱり千絵の初恋は叶いませんでした。けれど、物語の最後に千絵が恭司に渡した手紙とそれを読んだ恭司の行動は感動モノ。

恭司と郁子の一途な愛や2人が引き裂かれてしまうところ、千絵の想いや葛藤など、胸がしめつけられるようなシーンが詰め込まれ、まさに『せつないね』というタイトルにぴったりの切ない作品。

実は作者の実体験がモデルというお話。小花美穂の初の連載作品だったため、今とはまた少し違った画風も楽しめることでしょう。初期から変わっていないストーリーの深さとともに楽しんでみてください。

普通の少女漫画というくくりでは終われない小花美穂作品。人生とは、人間とは、愛とは……たくさんのテーマが詰め込まれ、けれど天性のお笑いセンスで暗いだけでも終わらせないという満足感に溢れる作品ばかりです。一度読んでみたらその独特のテンポにハマってしまうこと間違いなし!